JPS6114736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本考案は、ブロツク体に穿設された円形凹孔内
にボタンクリツプの脚部を挿入してこれを係止固
定するための構造に関する。

『従来の技術』 従来、前記円形凹孔内にボタンクリツプの脚部
を係止するとき、多くは金属の弾性すなわちバネ
力を利用した係止クリツプが使用されている。

第１図はその係止クツリプの一例であり、かか
る係止クリツプは、前記脚部の外形と前記円形凹
孔の内径とに合せてフオーミング成形された略円
筒状の基幹部１と、パネル孔端面と当接自在に対
応してその基幹部１の上部開口端に形成されたフ
ランジ２と、その基幹部１の周面に一定間隔をお
いて外方へ突出形成された複数の係止片３とより
なり、さらに上記基幹部１の筒巻き端縁４は前記
円形凹孔の寸法誤差を吸収可能なるよう、適当寸
法だけ開放されている。

第１図の係止クリツプをブロツク体の円形凹孔
内に装着したとき、その基幹部１が径方向へ収縮
し弾性的な縮小部を形成して所定の脚部保持機能
を奏し、かつ、フランジ２が円形凹孔の孔端面に
当接し、係止片３が該円形凹孔の内周面に圧接す
る状態において基幹部１自身がブロツク体に固定
される。

『考案が解決しようとする問題点』 しかし、第１図の係止クリツプでは、その形状
が複雑なため加工がむずかしく、フオーミング加
工で成形しても材料ロスが多いことによる不経済
が生じ、基幹部１、フランジ２、係止片３などの
加工精度も要求される。

他に、実公昭50−25579号公報に記載された施
錠板、実開昭51−13184号公報に記載された吊下
装置の三角形治具などがあるが、これらの部材、
治具等は吊下用としては好適であるとしても、前
記円形凹孔内周面との間に圧接力を生じさせるも
のでないためボタンクリツプを固定するのに適さ
ない。

本考案は上記の問題点に鑑み、簡潔な構成、簡
易な加工性、経済性を有する係止クリツプ主体に
して、ボタンクリツプの脚部がブロツク体の円形
凹孔内に満足に係止することのできる構造を提供
しようとするものである。

『問題点を解決するための手段』 本考案は、第２図〜第４図を参照して明らかな
通り、金属板バネ製の係止クリツプ１０を介し、
ボタンクリツプ２０の脚部２２をブロツク体４０
の円形凹孔４１内に係止固定するための構造にお
いて、係止クリツプ１０は、一定幅の基板部１１
と、その基板部１１の板面に複数の爪１３を有し
て穿設された係止孔１４と、その基板部１１の両
端より同一幅で傾斜起立され、外側へ膨出する円
曲状に形成された一対の延伸部１２とからなり、
上記ボタンクリツプ２０の脚部２２が係止クリツ
プ１０の爪１３を有する係止孔１４内に挿通かつ
係止されてこれらボタンクリツプ２０、係止クリ
ツプ１０が相互に組み合わされ、ボタンクリツプ
２０の脚部２２が係止クリツプ１０と共に上記ブ
ロツク体４０の円形凹孔４１内に挿入され、その
係止クリツプ１０の延伸部１２が円形凹孔４１内
壁に圧接されて、当該脚部２２が円形凹孔４１内
に係止固定されてなることを特徴とする。

『実施例』 以下、本考案の実施例につき、図面を参照して
説明する。

第２図、第３図に示す係止クリツプ１０は、一
定幅の金属薄板をプレス加工したものであり、し
たがつて当該係止クリツプ１０は、その基板部１
１と傾斜状に起立した延伸部１２とがほぼ同一幅
になつている。

上記基板部１１の板面には複数の爪１３を有し
て係止孔１４が穿設されているが、図示の場合、
互いに対向する二つの各爪１３には、それぞれ二
つの先鋭部があり、これらの各爪１３は基板部１
１の面よりも下方に切り抜かれている。

一方、延伸部１２は第３図のごとく外側へ膨出
した円曲状となつている。

第４図において、ボタンクリツプ２０は頭部２
１と脚部２２とからなり、ブロツク体４０には円
形凹孔４１が穿設されている。

本考案に係る構造を得べく、係止クリツプ１０
とボタンクリツプ２０とを組み合わせるとき、ボ
タンクリツプ２０の脚部２２を係止クリツプ１０
の係止孔１４内へ挿通する。

この際、二つの爪１３がその弾性に抗して上記
挿通方向へ押し下げられ、これら爪１３が復元力
により脚部２２の外周に強く圧接するので、かか
る係止作用により当該脚部２２の係止孔１４内へ
の挿通状態が固定される。

なお、脚部２２を係止孔１４内から引き抜く方
向の力が作用した場合、上記各爪１３がその脚部
２２外周へ食い込むようになるので、簡単に引き
抜かれることのない抜け止め効果を奏する。

上記のごとく係止クリツプ１０とボタンクリツ
プ２０とを組み合わせた後は、その係止クリツプ
１０付きボタンクリツプ２０の脚部２２をブロツ
ク体の円形凹孔４１内へ嵌めこむ。

この際、係止クリツプ１０の両延伸部１２は円
形凹孔４１の内壁沿いに摺動しながらその間隔が
狭くなり、これにともなう復元力により両延伸部
１２の上端側が円形凹孔４１の内壁に圧接するの
で、ボタンクリツプ２０の脚部２２は円形凹孔４
１内に係止保持される。

特に、上記延伸部１２が外側へ膨出した円曲状
となつているので、当該延伸部１２が円形凹孔４
１の内壁と大きな接触面積で密接するようにな
り、その結果、円形凹孔４１内における係止クリ
ツプ１０の安定性が増し、ひいては該円形凹孔４
１内におけるボタンクリツプ脚部２２の係止保持
効果を高める。

かくてボタンクリツプ２０は、第４図のごとく
係止クリツプ１０を介してブロツク体４０の所定
箇所に強力に装着され、不本意に外れることがな
い。

『考案の効果』 以上説明した通に、本考案は係止クリツプによ
る係止力をボタンクリツプの脚部、ブロツク体の
円形凹孔など、これら双方に効かせて所定の係止
構造を得るようにしており、この際、係止クリツ
プの係止孔にある爪を介してボタンクリツプの脚
部が脱抜なく係止されるばかりか、係止クリツプ
自身も、これの延伸部がブロツク体の円形凹孔内
壁に応じた円曲状となつているので、その円形凹
孔内壁に対する圧接性能が高まり、総じてボタン
クリツプ係止構造の信頼性が確保できる。

一方、係止部材たる係止クリツプは、一定幅の
金属板バネの一部を傾斜状に曲げたり、他の一部
を打ち抜くだけであるから、簡易なプレス加工に
より経済的に作製することができ、取り扱いの容
易な簡潔な構成となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の係止クリツプを示した斜視図、
第２図、第３図は本考案における係止クリツプの
平面図と斜視図、第４図は本考案に係る係止構造
の断面図である。 １０……係止クリツプ、１１……係止クリツプ
の基板部、１２……係止クリツプの延伸部、１３
……係止クリツプの爪、１４……係止クリツプの
係止孔、２０……ボタンクリツプ、２２……ボタ
ンクリツプの脚部、４０……ブロツク体、４１…
…ブロツク体の円形凹孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属板バネ製の係止クリツプを介し、ボタンク
   リツプの脚部をブロツク体の円形凹孔内に係止固
   定するための構造において、係止クリツプは、一
   定幅の基板部と、その基板部の板面に複数の爪を
   有して穿設された係止孔と、その基板部の両端よ
   り同一幅で傾斜起立され、外側へ膨出する円曲状
   に形成された一対の延伸部とからなり、上記ボタ
   ンクリツプの脚部が係止クリツプの爪を有する係
   止孔内に挿通かつ係止されてこれらボタンクリツ
   プ、係止クリツプが相互に組み合わされ、ボタン
   クリツプの脚部が係止クリツプと共に上記ブロツ
   ク体の円形凹孔内に挿入され、その係止クリツプ
   の延伸部が円形凹孔内壁に圧接されて、当該脚部
   が円形凹孔内に係止固定されてなるボタンクリツ
   プの係止構造。