JPH026102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、地中連続壁、あるいは地中本体壁
など地中に壁体を横築するさいに使用するプレキ
ヤスト板の接続装置に関する。

〔従来の技術、及びその問題点〕

従来、方形状のプレキヤスト板を使用して地中
壁体を横築するさいにおけるプレキヤスト板の接
続は、第１に、プレキヤスト板どうしを連続して
建込み、その当接面間にモルタルなどの接合剤を
介在せしめて接続するもの、第２に、一側面に係
合凸条を形成すると共に他側面に係合溝を各々形
成したプレキヤスト板を連続的に建込み、隣合う
プレキヤスト板の係合凸条を係合溝に各々係合せ
しめることにより接続するもの、第３に、両側面
に各々略Ｔ字形状の係合溝を形成したプレキヤス
ト板を連続的に建込み、その対向する係合溝間に
横断面略Ｈ字形状とされた中実状の継手を挿入す
ることにより接続する（特開昭51−86214号公報
参照）などの方法がとれていた。

しかしながら、第１の方法は、単にプレキヤス
ト板どうしの当接面間にモルタルなどを介在せし
めるものであるから、プレキヤスト板どうしがず
れたり、また、非常に離別しやすいものであつ
た。また、第２、第３の方法は係合溝に係合凸条
ないし継手を挿入して係合し、プレキヤスト板ど
うしを接続するものであるから、離別しにくい反
面、ガタつきやすく、しかも止水効果の点におい
て問題があつた。

この考案は、従来の問題点を一挙に解決し、プ
レキヤスト板どうしを確実に、しかも強固に一体
接続せしめ、土止め作用は勿論、止水作用をも有
効に発揮することができるプレキヤスト板の接続
装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、この考案は、接続面に略Ｔ字形状の係止
溝６を備えたプレキヤスト板５と、該係止溝６に
遊嵌係合自在な略Ｔ字形状の係止凸条３を両側に
備えた継手１とよりなるプレキヤスト板の接続装
置において、上記継手１を構成する継手本体２は
筒状に形成されると共に、その外周壁には所要数
の透孔４が形成され、他方、プレキヤスト板５の
接続面は継手本体２の一部を遊嵌すべく凹面状に
形成された構成よりなるものである。

〔作用〕

直列状に建込んだプレキヤスト板５の隣合う係
止溝６に係止凸条３を遊嵌係合せしめることによ
り継手１でもつてプレキヤスト板５を順次連結せ
しめ、ついで、継手本体２内に接合剤Ｂを注入す
ることにより透孔４よりプレキヤスト板５の係止
溝６や接続面との間隙に流し込み、継手１とプレ
キヤスト板５とを一体に固着して接続せしめる。

〔実施例〕

以下に、この考案を図面に示す１実施例につい
て説明する。

第１図はプレキヤスト板用継手１を示すもの
で、同図中、２は横断面円形とされた筒状の金属
製継手本体、３は該継手本体２の両側外周面にそ
の長手方向に沿つて対向状に形成された一対の断
面倒Ｔ字形係止凸条、４は同継手本体２の外周壁
に所要数千鳥足状にあけられた透孔である。５は
接続すべき両側面が各々凹面状に形成された方形
状のプレキヤスト板（第２図参照）、６は該プレ
キヤスト板５の両側面に各々形成された係止溝で
ある。その他、７は壁体、Ａはソイルセメント、
Ｂはセメントモルタルなどの接合剤を示す。

次に、この考案に係る接続装置の作用について
説明する。

先づ、所要の地盤を堀削機でもつて堀削しつつ
堀削土砂にソイルセメントＡを注入し、撹拌・混
合してソイルセメント壁体を形成する。そして、
ソイルセメントＡの固着前において該壁体内に壁
枠７を挿入し、該壁枠７に沿つてプレキヤスト板
５を所定間隔でもつて順次壁体内に建込む。プレ
キヤスト板５の建込みが完了すると、隣あうプレ
キヤスト板５側面の係止溝６に係止凸条３を嵌入
して継手１を順次係止せしめ、プレキヤスト板５
どうしを接続する。このさい、継手本体２内のソ
イルセメントＡは透孔４を通つて係止凸条３との
間隙内、並びに継手本体２の周囲のソイルセメン
トＡと連結する。しかるのち、継手本体２内、及
び係止溝６と係止凸条３との間のソイルセメント
Ａをモルタル、ないしコンクリートなどの接合剤
Ｂと入れ替える。接合剤Ｂは透孔４を通つて継手
本体２内、及び係止溝６と係止凸条３との間隙内
に充填し、のち、固着して継手１と隣あうプレキ
ヤスト板５とを一体的に接合せしめる（第４図参
照）。

なお、上記実施例において、継手本体２は断面
円形の筒状とされているが、この形状に限定され
るものでなく、楕円形、方形、多角形状等の筒状
のものを採用してもよい。また、透孔４は千鳥足
状に継手本体２の外周壁に形成されているが、規
則正しく、あるいは不規則に形成してよいこと勿
論である。

〔考案の効果〕

この考案は上述のように構成されているから、
直列状に建込んだプレキヤスト板５の隣合う係止
溝６に係止凸条３を遊嵌係合せしめることにより
継手１でもつてプレキヤスト板５を順次連結せし
め、ついで、継手本体２内に接合剤Ｂを注入する
ことにより透孔４よりプレキヤスト板５の係止溝
６や接続面との間隙に流し込み、継手１とプレキ
ヤスト板５とを一体に固着して接続せしめること
ができ、前記係止凸条３と係止溝６との係止とも
相まつて、プレキヤスト板５どうしを確実に、し
かも強固に接続することができるものでであつ
て、土止め作用は勿論のこと、止水作用をも有効
に発揮せしめることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すもので、第１
図は継手１を示す斜視図、第２図はプレキヤスト
板５の一部を示す斜視図、第３図は接続状態を示
す平面図である。 １……継手、２……継手本体、３……係止凸
条、４……透孔、５……プレキヤスト板、６……
係止溝、Ｂ……接合剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接続面に略Ｔ字形状の係止溝６を備えたプレキ
   ヤスト板５と、該係止溝６に遊嵌係合自在な略Ｔ
   字形状の係止凸条３を両側に備えた継手１とより
   なるプレキヤスト板の接続装置において、上記継
   手１を構成する継手本体２は筒状に形成されると
   共に、その外周壁には所要数の透孔４が形成さ
   れ、他方、プレキヤスト板５の接続面は継手本体
   ２の一部を遊嵌すべく凹面状に形成されてなるこ
   とを特徴とするプレキヤスト板の接続装置。