JPH026043B2 - - Google Patents

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JPH026043B2
JPH026043B2 JP61300616A JP30061686A JPH026043B2 JP H026043 B2 JPH026043 B2 JP H026043B2 JP 61300616 A JP61300616 A JP 61300616A JP 30061686 A JP30061686 A JP 30061686A JP H026043 B2 JPH026043 B2 JP H026043B2
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JP
Japan
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water
hollow fiber
container
filtration
contact lens
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JP61300616A
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JPS63153517A (ja
Inventor
Atsushi Kawai
Kazuo Shimizu
Kyoko Kanda
Michio Inoe
Hisao Tanaka
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication of JPS63153517A publication Critical patent/JPS63153517A/ja
Publication of JPH026043B2 publication Critical patent/JPH026043B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、コンタクトレンズ保存液の調製方法
に係り、特に水道水や地下水等の、家庭で容易に
入手し得る水を用いて、コンタクトレンズ、なか
でもソフトコンタクトレンズの安全な洗浄・保存
液を調製する方法に関するものである。 (従来技術とその問題点) 従来から、コンタクトレンズの保存やその洗浄
等には、市販の保存液が用いられているが、その
ようなメーカーで調製された保存液を使用するこ
とは著しく高価となり、また保存液の残存量に常
に気をつけて、その量が少なくなれば、薬局等か
ら買い求めて、かかる保存液が欠乏しないように
する必要がある等、面倒な問題があつた。また、
保存液自体ではないが、等張化剤や金属封鎖剤等
を含有する保存液調製用製剤も市販されており、
このような製剤を市販の精製水に溶解することに
より、コンタクトレンズの装用者が家庭等でも保
存液を自由に調製し得るようにしたものも考えら
れているが、これとても、精製水を薬局で買い求
める必要があり、その購入の不便さは依然として
内在しているのであり、また費用もかかる等の問
題があつた。 このために、特開昭60−61720号公報には、等
張化剤、金属封鎖剤、残留塩素除去剤等を含有す
る製剤を用いて、目的とするソフトコンタクトレ
ンズ保存液を調製するようにすることによつて、
保存液媒体として市販の精製水に限られることな
く、家庭の水道水等でも、保存液を調製すること
が出来るようにした技術が、明らかにされてい
る。 しかしながら、この新たな保存液調製用製剤に
は、従来の製剤とは異なり、残留塩素除去剤が添
加されているところから、水道水中の塩素を除去
することは出来るのであるが、水道水を初め、各
種の水にしばしば含まれる鉄さび、コロイド状の
鉄、マンガン等は除去出来ず、それ故に保存液の
調製に使用出来る水がかなり限定されることとな
り、また金属封鎖剤が多量に用いられているため
に、目の安全上も問題があり、更には使用される
水の汚染によつて、調製液中に微生物が増殖する
問題も解決されてはいないのである。 (発明の目的) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、従来から用いられている保存液調製用製剤
と同様の製剤をそのまま用いつつ、水道水や地下
水等を保存液媒体として使用しても安全な洗浄・
保存液を簡便に調製することの出来る方法を提供
することにある。 また、本発明の他の目的は、保存液調製用媒体
として鉄さびを多量に含有する赤水も使用可能で
あり、更には飲料水として不適な水に至るまで、
広範囲の水が使用可能であつて、しかも無菌また
は無菌に近い状態で、簡単に洗浄・保存液を供給
し得る方法を提供することにある。 (解決手段) そして、本発明は、上記の如き目的を達成する
ために、コンタクトレンズ保存液を調製するに際
して、(a)コンタクトレンズ保存液媒体となる水に
少なくとも金属封鎖剤を加えて処理する工程と、
(b)少なくとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止す
る微孔径を有する多孔質膜を用いて、前記処理さ
れた水を濾過する工程とを含むように構成したの
である。 なお、本発明の一つの実施形態によれば、前記
多孔質膜は、ポリオレフイン多孔質中空糸膜であ
り、そして前記金属封鎖剤は、クエン酸及び/又
はその塩である。 また、本発明の好ましい実施態様によれば、前
記濾過工程は、濾過液体出口を有し、挟圧可能
で、挟圧から開放された時原形に復し得る弾力性
材料からなる容器と、該容器内に収納された、少
なくとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止する微
孔径を有する多孔質中空糸膜束とを含み、且つ該
中空糸膜の外面と内面のうち一方のみが濾過液体
出口と連通する空間に面するように構成された液
体濾過装置を用いて、該装置の前記容器内に収容
せしめた前記処理水を、該容器の挟圧により前記
中空糸膜を通過せしめ、該容器の濾過液体出口か
ら取り出すことによつて、実施されることとな
る。 (構成の具体的な説明・作用) このように、本発明にあつては、先ず、コンタ
クトレンズ保存液媒体となる水、例えば水道水や
地下水等に対して、少なくとも金属封鎖剤を加え
て、かかる水を処理する工程が実施されることと
なるが、かかる金属封鎖剤は、一般に、製剤形態
において水に添加、溶解せしめられるものであつ
て、そしてそのような製剤には、従来の如き等張
化剤、金属封鎖剤等を含有する保存液調製用製剤
がそのまま使用出来るのである。 ところで、この本発明に従つて添加される金属
封鎖剤は、保存液媒体となる水中に溶存する金属
イオンを封鎖するためのものであつて、公知の化
合物が何れも使用可能であり、例えばエチレンジ
アミン四酢酸塩(EDTA塩)、ニトリロ三酢酸塩
(NTA塩)や、6メタリン酸ナトリウム、四重
合リン酸ナトリウム、三重合リン酸ナトリウム等
の縮合リン酸塩、またクエン酸及びそのナトリウ
ム、アンモニウムの如き塩等を挙げることが出来
る。なお、かかる金属封鎖剤の添加量は、対象と
なる水の水質により異なるが、EDTA塩やNTA
塩では0.01〜0.06重量%程度、クエン酸やクエン
酸塩では0.01〜0.8重量%程度、縮合リン酸塩で
は0.01〜0.5重量%程度が好ましい。 また、かかる金属封鎖剤と共に、通常、添加さ
れる等張化剤としては、一般に塩化ナトリウムが
好適に用いられるものであり、更にそのような等
張化剤や金属封鎖剤を添加してもなおPH緩衝能力
が不足する場合にあつては、それら添加剤の他
に、適当なPH緩衝剤等を添加しても何等差支えな
い。なお、このPH緩衝剤としては、上記金属封鎖
剤系の緩衝系を用いても良いし、またホウ酸緩衝
系、酢酸緩衝系等を加えても、何等差支えない。 そして、このように、少なくとも金属封鎖剤を
加えて処理された水は、次いで、多孔質膜による
濾過に付され、これによつて、かかる水からコロ
イド粒子や微生物が除去せしめられることとな
る。この意味において、かかる多孔質膜は、少な
くとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止する微孔
径を有するものである必要があり、その微孔径が
0.4μmよりも大きくなると、阻止すべきコロイド
粒子や微生物が一部透過するようになり、本発明
の目的を充分に達成することが出来なくなるので
ある。なお、かかる多孔質膜の微孔径の大きさを
知るための試験においては、標準粒子としてポリ
スチレン標準粒子(米国:ダウケミカル社製)が
好適に用いられ、特に0.2〜0.3μmの標準粒子の
通過を阻止するものが、本発明において好適に用
いられることとなる。 ところで、かかる多孔質膜は、ポリオレフイ
ン、ポリビニルアルコール、ポリスルフオン、ポ
リアクリロニトリル、セルロースアセテート、ポ
リメチルメタクリレート、ポリアミド等の高分子
材料を用いて、公知の手法に従つて製造されるも
のであつて、その膜厚方向に貫通する多数の微細
孔を有する多孔質な親水性の膜である。なお、膜
の材質がポリオレフイン等の疎水性の場合には、
公知のように親水化剤による膜の表面処理等によ
つて、膜の全部または一部が親水化されることと
なる。この親水化剤としては、例えばプロピレン
グリコールモノステアレート等のような、水に難
溶性の界面活性剤が好適に用いられる。 また、かかる多孔質膜の形態としては、大きな
濾過面積が容易に得られて、装置のコンパクト化
が可能な点で、中空糸形態の多孔質膜が、本発明
にあつては、好適に用いられることとなる。そし
て、そのような多孔質膜としての中空糸の製造に
は、公知の適宜の手法が採用され、例えばポリオ
レフイン多孔質中空糸については、ミクロ相分離
法によるものや、混合成形後に可溶成分を溶出し
て多孔質化したものも使用可能であるが、延伸法
により多孔質化した中空糸はスリツト状の細孔を
有し、細菌の阻止と高い透水性が両立可能である
ため、本発明においては好ましく使用される。な
お、かかる中空糸の寸法については特に限定はな
いが、通常、内径:50〜2000μm、膜厚:10〜
200μmの範囲内で選択されることとなる。 そして、かくの如き多孔質膜を用いて、前記処
理された水を濾過するに際しては、一般的な膜濾
過手法の何れもが適用され得て、以て目的とする
濾過操作が行なわれることとなるが、特に本発明
にあつては、次のような簡易液体濾過装置(浄化
装置)を用いて濾過を行なうのが望ましい。 すなわち、先ず、第1図に示される装置におい
て、10はポツト状の容器本体であり、その上部
には所定大きさの開口部12が設けられ、その開
口部12を通じて所定の水性液体14、換言すれ
ば本発明に従つて金属封鎖剤等が加えられて処理
された保存液媒体となる水が、容器本体10内に
収容せしめられるようになつている。そして、こ
の容器本体10は、手指等により挟圧可能で、且
つそのような挟圧から開放された時に、容易に原
形に復し得る弾性部材から構成され、一般に適当
な樹脂材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の弾性
を有する各種の高分子材料を用いて形成されたも
のである。なお、かかる容器本体10の形状とし
ては、用途に応じて任意に決定されることとなる
が、一般に、ポツト状乃至は壜状等の、下部が有
底筒形状を為す構造のものが用いられる。 そして、かかる容器本体10の上記開口部12
を形成する円筒状の取付部16には、樹脂成形品
であるキヤツプ18が螺合、嵌合等の構造におい
て取り付けられ、かかる開口部12を閉塞してい
る。 より具体的には、第2図に示されているよう
に、キヤツプ18は、その中央部において外方に
突出する先細円筒状の液体流出部20を有し、そ
してこの液体流出部20の先端に、所定大きさ
の、好ましくは内径が3mm以下とされた流出口2
2が設けられている一方、キヤツプ18の内側に
一体的に形成されたリング状の液漏れ防止片24
の存在によつて、かかるキヤツプ18が容器本体
10の取付部16に装着された時に、かかる取付
部16を液密に保持し得るようになつている。 また、かかるキヤツプ18の内側には、前記液
漏れ防止片24の内周部に嵌合された状態におい
て、中空糸モジユール26が取り付けられて、キ
ヤツプ18と一体的に構成されている。この中空
糸モジユール26は、多数本の中空糸28をルー
プ状(U字状)に束ね、端部をポリウレタン樹脂
等の適当な接着剤により接着、固定せしめて中空
糸保持部30としたものであり、この保持部30
において、キヤツプ18の液漏れ防止片24に嵌
着せしめられて、固定或いは脱着可能に取り付け
られているのである。そして、かかる中空糸保持
部30のキヤツプ18に対する取付けによつて、
該キヤツプ18の液体流出部20内側に、その液
体流出口22に通ずる連通空間32が形成されて
いるのであり、またこの連通空間32に対して、
各中空糸28の端部開口34がそれぞれ開口せし
められている。 なお、かかる中空糸モジユール26を構成する
多数本の中空糸28は、それぞれ、本発明に従う
少なくとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止する
微孔径を有する多孔質構造のものであつて、ここ
では、疎水性部分と親水性部分とが共存する形態
の中空糸によつて構成されている。 そして、このような構造の濾過装置において、
その容器本体10の側部を挟圧することにより、
かかる容器本体10内に収容された液体14は、
中空糸モジユール26を構成する多孔質中空糸膜
28により濾過され、以て目的とするコンタクト
レンズ保存液が得られることとなるが、そのよう
な保存液は、キヤツプ18内に設けた連通空間3
2を通じて流出口22に至り、そしてかかる流出
口22から、外部に取り出されることとなるので
ある。一方、このような挟圧による濾過操作の後
に、かかる挟圧が解除されると、容器本体10の
弾性復元作用によつて、容器本体10内は減圧と
なるため、外気(大気)が流出口22から連通空
間32を通つて中空糸モジユール26の各中空糸
28内に導かれ、そして各中空糸28の疎水性部
分を通じて容器本体10内に流入することによ
り、容器本体10内は常圧に回復する一方、容器
本体10は原形に復することとなる。 なお、このような構造の濾過装置は、特願昭60
−266579号の明細書及び図面に詳細に明らかにさ
れており、本発明では、そこに開示されている構
造が何れも採用され得るものである。 また、第3図に示される装置にあつては、中空
糸モジユール26を構成する多孔質中空糸が全て
親水性部分から構成されており、容器本体10内
の液体14は、そのような多孔質中空糸28を通
じて濾過されることにより、目的とするコンタク
トレンズ用保存液がキヤツプ18の流出口22か
ら取り出されるようになつているのである。そし
て、そのような濾過操作後における容器本体10
内への空気の流入は、かかる容器本体10の上部
肩部に設けられた貫通孔36を覆蓋するように仕
切る疎水性多孔質膜38を通じて行なわれるよう
になつているのである。なお、このような構造の
濾過装置は、実願昭60−182732号の明細書及び図
面に詳細に明らかにされており、本発明では、そ
こで開示されている構造を何れも採用することが
出来る。 さらに、第4図及び第5図に示される濾過装置
にあつては、第3図の疎水性多孔質膜38に相当
する弁体40が、容器本体10の肩部やキヤツプ
18の下部裾部に設けられている。この弁体40
は、容器本体10内への外部の空気の流入は許容
するが、かかる容器本体10内からの液体の流出
は阻止し得るような構造とされ、空気入口として
の機能を為すようになつている。なお、このよう
な弁体40を備えた濾過装置の構造にあつても、
本願出願人の先の出願に係る実願昭61−139221号
の明細書及び図面に詳細に明らかにされており、
そこで開示されている構造のものが何れも本発明
に有利に用いられることとなる。 そして、このような本発明に従う膜濾過手法の
採用によつて、従来の金属封鎖剤では除去不能で
あつた鉄さび、コロイド状の鉄、マンガン等の完
全除去が可能となつたのであり、このため保存液
調製用媒体として、どのような水を用いても、レ
ンズの着色の問題を全く顧慮する必要がなくなつ
たのである。特に、水に溶解した鉄イオンは、金
属封鎖剤により封鎖されて、コンタクトレンズに
対して無害なものとされることとなるが、更に驚
くべきことには、本発明に従う膜濾過により、鉄
イオンは更に減少せしめられ得て、レンズ着色の
虞がより一層低減せしめられるのである。なお、
この理由は未だ明らかではないが、多孔質膜の吸
着能によるものと考えられている。 また、本発明に従う膜濾過によれば、驚くべき
ことに、残留塩素が大幅に低下せしめられ、実質
的に無害の状態となるところから、保存液調製用
媒体である水に対して残留塩素除去剤をわざわざ
添加する必要もなくなるのである。更に、金属封
鎖剤やPH緩衝剤としてクエン酸若しくはその塩を
用いると、そのような化合物は残留塩素の低下に
も作用し、そしてそのような化合物の添加された
水を膜濾過することによつて、残留塩素は更に完
全に除去されることとなつて、それに基因する問
題も悉く解消され得るのである。 そして、かくの如き本発明に従う膜濾過によれ
ば、処理水中に微生物が存在しても、かかる微生
物は除去されることとなり、濾過液である洗浄・
保存液は無菌または無菌に近い状態で供給される
こととなるところから、その安全性が極めて高め
られ得るのである。 なお、上記のように、多孔質膜濾過のみでも、
得られる保存液中に存在する残留塩素量は低下せ
しめられることとなるが、更にこの効果を完全な
ものとするためには、塩素に対する還元作用を有
する物質或いは触媒を、かかる多孔質膜に固定化
せしめても、何等差し支えない。そのような多孔
質膜に固定化される物質としては、例えばアスコ
ルビン酸ステアレート、白金黒、マンガン、コバ
ルト等が用いられることとなる。 (実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発
明を更に具体的に明らかにすることとするが、本
発明がそのような実施例の記載によつて、何等の
制約をも受けるものでないことは、言うまでもな
いところである。 また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。 実施例 1 名古屋市水道水の蛇口を2日間止めた後、最初
の水5を採取し、そのうちの100mlを第1図に
示された濾過装置の容器本体10内に収容せし
め、これに、H3BO3:0.39g、Na2B4O7
10H2O:0.03g、NaCl:0.7g、EDTA3Na塩:
0.03gをそれぞれ添加、溶解せしめて、かかる水
道水の処理を行なつた。 次いで、かかる容器本体10の挟圧により、そ
の内部に収容された処理水道水14を中空糸モジ
ユール26の多孔質中空糸28を通じて濾過し、
その流出口22から、目的とするコンタクトレン
ズ用保存液を取り出した。 なお、用いられた多孔質中空糸28は、ポリエ
チレン多孔質中空糸であつて、その微孔径は、
0.25μmの標準粒子阻止率が100%のものである。 かくして得られた濾過水(保存液)と原水につ
いて、それぞれ鉄、マンガンの含有量を分析した
結果を下記第1表に示すが、本発明に従つて濾過
された水にあつては、鉄、マンガン共に検出され
ず、完全にその除去が為されており、コンタクト
レンズ用保存液として有効なものであることが認
められる。
【表】 実施例 2 第4図に示される濾過装置を用い、その容器本
体10内に精製水:100mlを入れ、これに酸化第
2鉄を30mg/になるように添加した。なお、か
かる濾過装置にセツトされた中空糸モジユール2
6の多孔質中空糸28は、ポリエチレン製多孔質
中空糸で、その微孔径は0.3μmの標準粒子を100
%阻止するものである。そして、かかる容器本体
10内の水中に、NaCl:0.9g、EDTA3Na塩:
0.025gを均一に溶解することにより、かかる容
器本体10内の水の処理を行なつた。 次いで、かかる濾過装置の容器本体10の側部
を挟圧せしめることにより、該容器本体10内の
処理水を中空糸モジユール26にて濾過せしめ、
その流出口22から取り出された濾液を分析した
結果、濾液中の鉄分は2×10-6mg/以下であつ
た。 また、かくして得られた濾液に、人工白濁処理
したソフトコンタクトレンズ(東洋コンタクトレ
ンズ株式会社製メニコンソフトM)を浸漬して、
30分間煮沸、冷却、乾燥する操作を、5回繰り返
した。そして、この処理の後、白色プレートを背
景として、レンズの汚れ付着度合を観察したとこ
ろ、コントロールと全く差は認められず、汚れ付
着物のないことが判つた。 比較例 1 ヘキサメタリン酸ナトリウム:0.10g、
EDTA2Na:0.15g、チオ硫酸ナトリウム:1.2
×10-3g、ホウ酸:0.14g、ホウ砂:0.08g、塩
化ナトリウム:0.32gを、水道水:50mlに溶解し
た。次いで、、これに、酸化第2鉄を実施例2と
同様に30mg/となるように添加した。そして、
この得られた液に、実施例2と同様のソフトコン
タクトレンズを浸漬し、同様の処理を行なつた。
そして、その5回の処理の後、同様にして観察し
た結果、レンズには明瞭な着色が認められた。 実施例 3 実施例2と同様の濾過装置を用い、その容器本
体10内にFe3+:50mg/を含む水を入れ、こ
れに、NaCl:0.9g、EDTA3Na塩:0.032gを溶
解せしめた。 次いで、このように処理された水を、容器本体
10の側部の挟圧によつて、その中空糸モジユー
ル26を介して濾過せしめ、その濾過前後の液
を、原水と共に採取した。この採取された試料の
各10mlに過硫酸アンモニウム:30mg、チオシアン
酸アンモニウム水溶液(10%):2mlを加え、そ
れぞれの液について、分光光度計により、その吸
収曲線を求めた。また、比較のために、精製水に
ついても、同様の測定を行なつた結果を、第6図
に示す。なお、第6図において、液は精製水、
液はFe3+:50mg/を含む水溶液、液は本
実施例の未濾過液、液はその濾過液である。 第6図の結果から明らかなように、濾過前の溶
液でもFe3+がある程度封鎖されていることが認
められるが、本発明に従う中空糸による濾過を行
なうと、吸収曲線は更に精製水()に近づき、
コンタクトレンズに対してより安全な溶液になつ
ていることが認められる。 実施例 4 実施例2と同様の濾過装置を用い、その容器本
体10内に有効塩素濃度:2ppmに調製された水
道水:100mlを入れ、これに実施例1と同様の製
剤を溶解せしめた。次いで、かかる容器本体10
の側部を挟圧することにより、中空糸モジユール
26を介して濾過を行なつたところ、濾液の有効
塩素濃度は0.38ppmに低下していた。そして、こ
の得られた濾過液にソフトコンタクトレンズ(東
洋コンタクトレンズ株式会社製メニコンソフト
M)を浸漬し、目に装用したところ、何等刺激を
感ずることなく、また角膜に何等の障害も認めら
れなかつた。 実施例 5 プロピレングリコールモノステアレートを5%
濃度において含むエタノール溶液の100mlを用い
て(処方)、或いはプロピレングリコールモノ
ステアレートを5%濃度において、且つアスコル
ビン酸ステアレートを0.5%濃度において、それ
ぞれ含むエタノール溶液の100mlを用いて(処方
)、それぞれのエタノール溶液に多孔質中空糸
膜を浸漬し、次いで風乾した後、熱処理(80℃×
1時間)を行なつて得たものを多孔質中空糸28
として用い、中空糸モジユール26を作製し、実
施例2と同様の濾過装置にそれぞれセツトして、
有効塩素濃度の異なる水に実施例1と同様の製剤
を溶解せしめた後、濾過操作を施したときの有効
塩素濃度の変化を調べた。 処方によるアルコール溶液にて処理された中
空糸膜を用いたものにあつては下記第2表に、ま
た処方に係るアルコール溶液を用いて処理され
ものを用いた場合にあつては下記第3表に、それ
ぞれ、その結果を示したが、何れの処方による処
理の場合にあつても、有効塩素濃度のかなりの低
下が認められ、特に処方による処理の施された
中空糸膜を用いた場合にあつては、濾過後の濾液
の有効塩素濃度が著しく低減されていることが認
められる。
【表】
【表】 実施例 6 実施例2と同様の濾過装置を用い、その容器本
体10内に有効塩素濃度:0.6ppmの水道水100ml
を入れ、これに、処方として、塩化ナトリウ
ム:0.8g、クエン酸3ナトリウム2水塩:0.29
g、クエン酸1水塩:0.008gを溶解せしめた。
溶液のPHは6.50であつた。次いで、かかる容器本
体10の側部を挟圧することにより、中空糸モジ
ユール26を介して濾過を行ない、その濾過前後
の液を採取して有効塩素濃度を測定したところ、
濾過前の有効塩素濃度:0.11ppmが、濾過後にお
いては、0.03ppmの有効塩素濃度まで低下してい
ることが認められた。 また、かかる処方に従つて処理された水を、
その試験開始後3日、5日、7日、10日後におい
て、それぞれ採取して、それぞれの生菌数の測定
を行なつた。更に、比較のために、処方とし
て、同様な水道水の100mlに塩化ナトリウム:0.9
gを溶解したPHが5.50の水溶液と、処方として
何等の物質も添加しなかつたPHが5.60の水道水:
100mlについて、同様な生菌数の測定を行なつた。
なお、各処方における溶液の保存濃度は25℃であ
つた。各処方における溶液中の生菌数は、下記第
4表の通りである。
【表】 さらに、試験の開始から10日の後における処方
、、溶液の生菌数を測定した後、実施例1
と同様な濾過装置を用いて、その容器本体10に
セツトされたポリエチレン多孔質中空糸膜にて、
それぞれの溶液の全量(約90ml)を濾過し、その
濾過液を第11改正日本薬局方「一般試験法37 無
菌試験法」に基づいて無菌試験を行なつたとこ
ろ、何れも細菌及び真菌共に陰性であつた。 一方、硬度:120mg/に相当するカルシウム
を含有する水を用いて、下記に示すような処方の
キレート剤を溶解せしめ、実施例1と同様の容器
を用いて濾過し、得られた溶液に煮沸及びオート
クレーブ処理を繰り返したところ、何れの処方に
おいても、カルシウム結合体の沈着は認められな
かつた。 処方A(キレート剤;6メタリン酸Na) 6メタリン酸Na 0.06g 塩化ナトリウム 0.93g 蒸留水 100ml 処方B(キレート剤;クエン酸Na) クエン酸3Na・2H2O 0.6g クエン酸 0.005g 塩化ナトリウム 0.75g 蒸留水 100ml また、上記処方AまたはBの溶液を添加し、実
施例1と同様の容器で濾過した、硬度:120mg/
のカルシウム水溶液に、ソフトコンタクトレン
ズ(n=5)を浸漬し、1時間の煮沸処理(約
100℃)を3回繰り返し、冷後、観察したところ、
何れの処方でも、ソフトコンタクトレンズにカル
シウムの沈着は全く認められなかつた。 さらに、上記処方AまたはBの溶液を添加した
硬度:120mg/のカルシウム水溶液を実施例1
と同様の容器で濾過し、ソフトコンタクトレンズ
(n=5)を浸漬し、前記煮沸処理より更に過酷
な加熱状態であるオートクレーブ処理(121℃×
20分)を施し、冷後、観察したところ、何れの処
方においても、ソフトコンタクトレンズにカルシ
ウム沈着物は全く認められなかつた。 実施例 7 名古屋市の水道水に塩化カルシウムを添加し
て、硬度:120mg/に調整し、この水の100mlを
実施例2と同様な濾過装置の容器本体10内に収
容し、これに、EDTA3Na・3H2O:0.05g、
Na2B4O7・10H2O:0.03g、H3BO3:0.39g、
NaCl:0.72gからなる製剤を添加、溶解して処
理を行なつた。次いで、かかる容器本体10の側
部の挟圧により、中空糸モジユール26を介して
濾過を行ない、得られた濾液は、PH=6.8、有効
塩素濃度:0.2ppmであつた。また、この得られ
た濾液を、ソフトコンタクトレンズ(東洋コンタ
クトレンズ株式会社製メニコンソフトM)のすす
ぎ・保存液として、6ケ月間使用した。なお、洗
浄液としては、メニクリーン(東洋コンタクトレ
ンズ株式会社製)を用いて、それをスポンジに滲
み込ませて、レンズをこすり洗いする一方、また
煮沸消毒は、メニコンライザーD(タニカ電器株
式会社製)を用いて、毎日実施した。また、濾過
装置の容器本体10内の溶液は、10日毎に更新し
た。 6ケ月の後、ソフトコンタクトレンズを仔細に
調査したところ、レンズには、何等の異常も認め
られなかつた。また、濾液の微生物を調べたとこ
ろ、10個/ml以下であつた。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う
コンタクトレンズ用保存液の調製手法によれば、
以下の如き各種の効果が奏され得るのである。 (1) 水道水や地下水等、如何なる水でも使用可能
となり、鉄さび等の多い水でも、全く問題なく
使用することが出来る。また、金属封鎖剤と残
留塩素除去剤と併用する従来の方法に比べて、
レンズや目に対してより安全であり、且つ適用
出来る水の範囲が広くなる。 (2) コンタクトレンズに対する着色に最も影響す
る鉄、マンガン等は、コロイドとして多くが濾
過により除去されるものであるところから、金
属封鎖剤を過剰に用いる必要がない。なお、金
属封鎖剤は、大量に用いると角膜に対して有害
である。 (3) 溶液中の微生物が殆ど完全に除去され得ると
ころから、目に安全である。 (4) 残留塩素除去剤の添加が不要となるところか
ら、従来の市販の保存液調製用製剤も、使用可
能となる。 (5) 装置は簡単で、取り扱いも、従来の容器と変
わらず、経済的にも有利である。 (6) 手近な水がそのまま利用出来、しかも安全性
が高いので、極めて便利となる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第4図及び第5図は、それぞ
れ本発明において好適に用いられ得る簡易濾過装
置のそれぞれ異なる一例を示す縦断面図であり、
第2図は第1図における濾過装置の要部拡大断面
図であり、第6図は実施例3において求められた
Fe3+の吸収曲線を示すグラフである。 10:容器本体、14:処理液、18:キヤツ
プ、22:流出口、26:中空糸モジユール、2
8:多孔質中空糸、32:連通空間、38:疎水
性多孔膜、40:弁体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コンタクトレンズ保存液媒体となる水に少な
    くとも金属封鎖剤を加えて処理する工程と、 少なくとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止す
    る微孔径を有する多孔質膜を用いて、前記処理さ
    れた水を濾過する工程とを、 含むことを特徴とするコンタクトレンズ保存液の
    調製方法。 2 前記多孔質膜が、ポリオレフイン多孔質中空
    糸膜である特許請求の範囲第1項記載のコンタク
    トレンズ保存液の調製方法。 3 前記濾過工程が、濾過液体出口を有し、挟圧
    可能で、挟圧から開放された時原形に復し得る弾
    力性材料からなる容器と、該容器内に収納され
    た、少なくとも0.4μm以上の粒子を実質的に阻止
    する微孔径を有する多孔質中空糸膜束とを含み、
    且つ該中空糸膜の外面と内面のうち一方のみが濾
    過液体出口と連通する空間に面するように構成さ
    れた液体濾過装置を用いて、該装置の前記容器内
    に収容せしめた前記処理水を、該容器の挟圧によ
    り前記中空糸膜を通過せしめ、該容器の濾過液体
    出口から取り出すことによつて、実施される特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載のコンタクトレ
    ンズ保存液の調製方法。 4 前記金属封鎖剤が、クエン酸及び/又はその
    塩である特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れ
    かに記載のコンタクトレンズ保存液の調製方法。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5573390A (en) * 1978-11-27 1980-06-03 Kuraray Co Ltd Treatment method for water
JPS58163490A (ja) * 1982-03-23 1983-09-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水の浄化方法及び装置
JPS6061720A (ja) * 1983-09-16 1985-04-09 Santen Aragan Kk ソフトコンタクトレンズ保存液調製用製剤
JPS60190283A (ja) * 1984-03-08 1985-09-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器

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