JPH057743A - 中空糸膜モジユール - Google Patents

中空糸膜モジユール

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JPH057743A
JPH057743A JP3161676A JP16167691A JPH057743A JP H057743 A JPH057743 A JP H057743A JP 3161676 A JP3161676 A JP 3161676A JP 16167691 A JP16167691 A JP 16167691A JP H057743 A JPH057743 A JP H057743A
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Shoichi Doi
正一 土井
Takayuki Yokoyama
高幸 横山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 疎水性高分子中空糸膜からなる中空糸膜モジ
ュールの保存液が(1)式で表す含浸率cの値で80%
以上500%以下封入されている中空糸膜モジュール。 c=(Wm−Wd)/Wf x100 (1) ここで c=含浸率 Wm=保存液込みのモジュールの重量(kg) Wd=乾燥状態でのモジュールの重量(kg) Wf=乾燥状態での中空糸膜の重量(kg) 【効果】 満水状態保存と比べ保存による性能の低下が
みられない一方、モジュールの重量を大幅に下げること
ができ取り扱い性が著しく向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期保存に適した中空
糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来技術】流体分離用中空糸膜モジュールは、最近で
は、大量の半導体製造用超純水を供給するため、特に1
モジュールあたりの造水能力を高く要求されることが多
く、モジュールの大型化が進んでいる。従ってモジュー
ルの可能な限りの軽量化及び取付取り外しの簡便化が要
求される。たとえば、半導体製造用超純水を供給する中
空糸膜モジュールは、通常ホルマリンなどの殺菌剤を満
水封入した状態で保存する。封入の方法としては、その
モジュールを内圧使用する場合は中空糸膜の中空部側か
ら保存液を供給し外側へろ過することにより外側には微
粒子などがより少ない保存液を供給することができる。
中空部側、外側両方とも保存液が満水になるまでろ過を
続ける。外圧使用の場合は逆に外側から供給ろ過すれば
良い。
【0003】この状態のまま保存し、使用直前に保存液
を抜き出せばよいが保存液が封入されたモジュールの総
重量は10キログラム以上になる場合も見られ取扱いが
たいへんである。また装置配管との接続口には蓋をして
おかねばならず、一般にはO−リングをあてた盲のフラ
ンジ板をV−バンドで締めて封止するため重くなる上取
付取り外しに当たっては手間がかかっていた。
【0004】一方、ポリビニルアルコールのような親水
性高分子膜では乾燥状態で保存しても通水すれば初期の
透水性能を有することは知られていたが、疎水性高分子
では一旦乾燥してしまうと初期の透水性能はでないとい
われていた。このため、疎水性高分子膜のモジュールを
保存液を満水封入しない状態で保存することはなされて
いなかった。特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ふっ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ンなどのように疎水性の強いものは、化学的な親水化を
しなければ空気中においておくだけで能力が落ちるとい
われていた。
【0005】
【本発明の目的】本発明は、本来の性能を低下させずに
軽量化及び長期保存できる中空糸膜モジュールを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【発明の構成】本発明は疎水性高分子中空糸膜からなる
中空糸膜モジュールにおいて(1)式で表す含浸率cの
値が80%以上500%以下になるよう保存液が封入さ
れていることを特徴とする中空糸膜モジュールである。
疎水性高分子としてはポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリふっ化ビニリデン、ポリイミド、ポリエー
テルイミドなどがあげられる。基材膜が疎水性高分子で
あれば複合膜も含まれる。
【0007】中空糸膜の内外径に特に規定はなくどんな
ものでも良い。膜の種類としては、限外ろ過膜、精密ろ
過膜等の公知の分離膜、特に液体分離膜に対して有効で
ある。精密ろ過膜のようにミクロンオーダーの孔があい
ている場合は完全に乾燥させてもアルコール等による処
理を行えば性能を回復できるが、そうした処理が不必要
の本発明は精密ろ過膜に対しても有効である。
【0008】保存液としては、純水、熱水、ホルムアル
デヒドの水溶液、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液、希硝
酸、水酸化ナトリウム水溶液、それらの混合液など公知
の保存液に対して適用できる。含浸率cは下記(1)式
で定義する。 c=(Wm−Wd)/Wf x100 (1) ここで c=含浸率 Wm=保存液こみのモジュールの重量(キログラム) Wd=乾燥状態でのモジュールの重量(キログラム) Wf=乾燥状態での中空糸膜の重量(キログラム) 保存液はこの含浸率cが80%以上500%以下の範囲
にあるよう封入されている。cが80%未満であると膜
の乾燥の影響が無視できなくなり透水性能の低下等をき
たしやすい。cが500%を越えていると保存液がかな
り残存していることになる。中空糸膜のモジュール内に
占める割合によってcの上限値は変わる。中空糸膜の本
数がモジュール内において少なくなればなるほどcの上
限値は大きくなる。通常市販されているモジュールでは
満水状態が約1000%である。500%を越えて満水
状態に至るまでの範囲では保存液がたとえば輸送中にモ
ジュール内で移動するため中空糸膜の切れなどの欠陥を
作りやすい。
【0009】cの最適な範囲は中空糸膜の空孔率によっ
て変わる。空孔率hを(2)式で定義する。 h=(Mw−Md)/((Mw−Md)+Md/D) x100 (2) ここで h=中空糸膜の空孔率 Mw=湿潤状態での中空糸膜の重量(グラム) Md=乾燥状態での中空糸膜の重量(グラム) D=中空糸膜構成ポリマーの比重 湿潤状態の中空糸膜の重量は以下のようにして測定す
る。すなわち、約20cmの湿潤状態の中空糸膜の表面
の付着水を濾紙等で拭き中空部内の水を2ccの空気を
注射器等で吹き込んで飛ばす。この状態での重量をMw
とする。引き続きこの中空糸膜を50℃にコントロール
した恒温乾燥機内で恒量になるまで乾燥させる。この時
の重量がMdである。
【0010】一般的な疎水性中空糸状限外ろ過膜、精密
ろ過膜等の空孔率hは65ないし85%の範囲にはいる
がこれらの場合は、含浸率cの値は200%以上400
%以下の範囲になるようにすることがより好ましい。2
00%を切ると透水性能には影響が出ないものの、乾燥
によるエアーリークが検出されることがある。空孔率h
の低い膜にあっては重力等で保存液を垂れきって抜くと
cは小さくなり易いので保存液をむしろ少し残しcの値
が400ないし500%の値になるようにすることがよ
り好ましい。
【0011】密封されているとは、モジュール内が外界
と隔離されていることをいう。具体的には原水供給出入
口、濾液出入口等をキャップ等で封止しても良い。ある
いは、各口を開放したままでもポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレートなど水蒸気透過性の低い材質よりな
る袋にしまって口を封止すれば良い。本発明の中空糸膜
モジュールは以下のようにして得られる。
【0012】すなわち前記疎水性高分子中空糸膜からな
る中空糸膜モジュールに前記保存液を原水側から供給す
る。モジュールを直立させ底部の入り口から供給するの
がよい。濾液側にはろ過された保存液が出てくる。原水
側、濾液側満水になったら、所定時間経過後保存液を所
定のcの値になるまで抜き出す。次亜塩素酸ナトリウム
などはその溶液の水素イオン濃度によって殺菌効果が大
幅に変わる。水素イオン濃度が高いとき、すなわちpH
が低いときは、短時間で殺菌効果が上がるが、pHが低
くなるにつれて時間が必要になる。従って、pH、温
度、濃度などについて殺菌が十分になされるまでの時間
をあらかじめ計測し保存液を抜き出すまでの時間等条件
を決定する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、透水量は25℃の超純水を用いモジュ
ール平均膜差圧が1kg/cm2のもとで測定した。透
水量の単位は(m3/hr)である。エアーリークは原
水側、濾液側ともに水を満水にした後濾液側から1kg
/cm2の清澄圧縮空気を送り込み中空糸内及び切断面
からの気泡発生の有無を水槽中で目視した。生菌の確認
は原水側から純水30mlを供給し濾液側に出てきた濾
液をサンプリングしミリポア社製ウオーターテスターT
OTALCOUNT(登録商標)を用いて生菌数を数え
た。
【0014】初期時点においては、透水量測定、エアー
リーク検査、生菌検査の順で実施した。保存後は生菌検
査、エアーリーク検査、透水量測定の順で行った。
【0015】
【実施例1】内径0.75mm、外径1.35mmのポ
リスルホン製中空糸状限外ろ過膜(空孔率h=72%)
2000本よりなる直径約90mm、長さ約1100m
mの円筒状モジュールを十分に湿潤させその能力を測定
したところ表1の結果を得た。このモジュール内の水を
抜き出して、かわりに1%ホルムアルデヒド水溶液を原
水側から供給した。原水側、濾液側ともに満水になった
らいったんすべての口にゴムキャップをはめて重量を測
定したところWt=7.76キログラムであった。直ち
に液抜きし、ゴムキャップを再びはめて測定した重量W
m=4.04キログラムであった。さらにポリエチレン
製の袋にいれて口を封止し段ボール箱に格納して25な
いし30℃の環境にて1ヶ月保存した。この時の能力等
を比較のため満水封入保存していたモジュールのデータ
と共に表1にまとめた。乾燥によるエアーリーク、透水
能力の低下、菌の発生はまったく認められなかった。こ
のモジュール内の水をぬいた後に50度の乾燥空気を3
日間流し続けて乾燥させたときの重量Wd=2.46キ
ログラムであった。(使用した中空糸膜の重量Wf=
0.48キログラムであった。)この結果から含浸率c
=329%であった。満水状態保存に比べ3.72キロ
グラム(約50%)も軽い状態で取り扱いできた。
【0016】
【実施例2および3】実施例1と同じ銘柄のモジュール
を2本用意し保存期間のみ変えて同様な実験を行った。
結果を表2に示す。
【0017】
【実施例4】内径0.75mm、外径1.35mmのポ
リエーテルスルホン製中空糸状限外ろ過膜(空孔率h=
75%)2000本よりなる直径約90mm、長さ約1
100mmの円筒状モジュールを十分に湿潤させその能
力を測定したところ表3の結果を得た。このモジュール
内の水を抜き出して、かわりに100ppm次亜塩素酸
ナトリウム水溶液(pH=約9.8)を原水側から供給
した。原水側、濾液側ともに満水になったらいったんす
べての口にゴムキャップをはめて重量を測定したところ
Wt=7.70キログラムであった。1日後に液抜き
し、ゴムキャップを再びはめて測定した重量Wm=4.
14キログラムであった。さらにポリエチレン製の袋に
いれて口を封止し段ボール箱に格納して25ないし30
℃の環境にて1ヶ月保存した。この時の能力等を表3に
まとめた。乾燥によるエアーリーク、透水能力の低下、
菌の発生はまったく認められなかった。このモジュール
内の水をぬいた後に50度の乾燥空気を3日間流し続け
て乾燥させたときの重量Wd=2.25キログラムであ
った。(中空糸膜の重量Wf=0.50キログラムであ
った。)この結果から含浸率c=378%であった。満
水状態保存に比べ3.56キログラム(約45%)も軽
い状態で取り扱いできた。
【0018】
【実施例5】内径0.67mm、外径1.25mmのポ
リエチレン製中空糸状精密ろ過膜(空孔率h=70%)
4200本および内径4.0mm、外径5.5mmのポ
リエチレン製中空糸状精密ろ過膜77本よりなる直径約
141mm、長さ約2485mmの円筒状モジュール
(組立時は乾燥状態であり、その時の重量Wd=15キ
ログラムであった。中空糸膜の乾燥重量は両者あわせて
Wf=であった。)を100%エタノールで親水化した
のち十分に水で湿潤させその能力を測定したところ表4
の結果を得た。このモジュール内の水を抜き出して、か
わりに1%ホルムアルデヒド水溶液を原水側から供給し
た。原水側、濾液側ともに満水になったらいったんすべ
ての口にゴムキャップをはめて重量を測定したところW
t=38キログラムであった。直ちに液を抜き出して、
ゴムキャップを再びはめて測定した重量Wm=21キロ
グラムであった。さらにポリエチレン製の袋にいれて口
を封止し段ボール箱に格納して25ないし30℃の環境
にて1ヶ月保存した。この時の能力等を表4にまとめ
た。乾燥によるエアーリーク、透水能力の低下、菌の発
生はまったく認められなかった。なお、含浸率c=10
5%であった。満水状態に比べ17キログラムも軽い状
態で取り扱いできた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】本発明により以下の効果が得られた。 (1)満水状態保存と比べ保存による性能の低下がみら
れない一方、モジュールの重量を大幅に下げることがで
き取り扱い性が著しく向上した。 (2)副次的効果として、従来装置取付時に保存液を排
出していたため保存液を使い捨てにしていたが、本発明
では、モジュールの製造行程で保存液を抜き出すため再
利用することができコストダウンにもつながった。
【0024】(3)さらに廃液量を減らすこともでき環
境汚染防止にも貢献できた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 疎水性高分子中空糸膜からなる中空糸膜
    モジュールにおいて(1)式で表す含浸率cの値が80
    %以上500%以下になるよう保存液が封入されている
    ことを特徴とする中空糸膜モジュール。 c=(Wm−Wd)/Wf x100 (1) ここで c=含浸率 Wm=保存液こみのモジュールの重量(キログラム) Wd=乾燥状態でのモジュールの重量(キログラム) Wf=乾燥状態での中空糸膜の重量(キログラム)
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JP5113304B2 (ja) * 2011-02-11 2013-01-09 日清食品ホールディングス株式会社 アルコール濃縮方法

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