JPH0323177B2 - - Google Patents

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JPH0323177B2
JPH0323177B2 JP57132496A JP13249682A JPH0323177B2 JP H0323177 B2 JPH0323177 B2 JP H0323177B2 JP 57132496 A JP57132496 A JP 57132496A JP 13249682 A JP13249682 A JP 13249682A JP H0323177 B2 JPH0323177 B2 JP H0323177B2
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cleaning
water
membrane
endotoxin
module
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Takuichi Kobayashi
Yoshinari Fujii
Mutsumi Kimura
Hiroshi Tsukamoto
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Toray Industries Inc
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は分離膜,体液室および透過液室から構
成されてなる生体液の限外ろ過モジユールのパイ
ロジエン汚染防止方法に関するものである。 近年、分離膜を利用した人工臓器の発達はめざ
ましく、とりわけ透析膜を用いた人工腎臓を中心
として技術開発が進んできたが、最近では、さら
にこれより膜のポアサイズの大きな限外ろ過膜を
用いることによつて、血液中の血球成分と血漿成
分を分離する血漿分離膜、さらに血漿中のたんぱ
く成分をその分子量分画毎に分離するいわゆるた
んぱく分離膜などが研究されつつある。 かかる生体液の取扱いに際しては当然高度の安
全性が要求され、本発明の目的とする限外ろ過モ
ジユールにも種々の滅菌技術が適用されている。
しかしながら、かかる滅菌処理を受けたモジユー
ルの安全性試験を実施すると、殺菌効果について
は満足すべき結果が得られるが、パイロジエン試
験で不合格となるケースが頻発することが判明し
た。 パイロジエン物質とは細菌の内毒素と考えられ
これが血液中に混入すると悪寒,発熱などの現象
が生じ、場合によつては致死作用にまで到ること
がある。 パイロジエン物質の代表的なものは、グラム陰
性菌のエンドトキシンで、主成分が細胞壁に存在
する耐熱性のリポ多糖類(以下略してLPSと称す
る)であると云われている。 LPSは親水性の多糖体構造と疎水性のリピツド
構造をもつ重合体であつて、普通数百万の鎖状構
造をなしている。しかしメンブランフイルターで
分画すると30万以上のものが85%、30万から10万
のものが4%、5万以下のものが11%ぐらいの組
成を持つているといわれている(高分子,
VoL23,No.271,P723,1974)。 パイロジエン試験で不合格となる原因を調べた
結果、本発明の目的とする生体用の限外ろ過膜は
透析膜に比してポアサイズが0.01〜1μと比較的大
きく、パイロジエン物質たり得る死菌体および菌
体の破片の大きさと近似していることから、これ
らが製造工程において、膜の内部または表面に蓄
積することによるものであるらしいことが判つ
た。 このことは、本発明の目的とする生体用の限外
ろ過モジユールの安全性を充分に達成するために
は、従来の滅菌技術の適用だけでは不充分で、こ
れとは別に独自のパイロジエン汚染防止技術を確
立する必要があることを示唆したものと考えられ
る。 エンドトキシン物質の特徴は、通常の条件で熱
に対して非常に安定であり、発熱などの生理活性
を失活させるには180℃で2時間、または250℃で
30分間の加熱が必要である。 化学的にも安定で、失活能力をもつた化合物は
ほとんど知られておらず、デオキシコール酸ナト
リウム、高濃度過酸化水素水(特開昭56−63929
号)などが報告されているだけである。 したがつて、エンドトキシン物質の除去方法と
しては、上記のように加熱などの手段で失活させ
る方法と、吸着,ろ過,イオン交換などによつて
分離除去する方法が一般的である。さらにγ線や
超音波による方法も検討されているが必ずしも十
分な効果をもつものではないと云われている(特
開昭56−63924号)。 すなわち、γ線照射は人工腎臓透析装置におい
て生菌を殺菌し、増殖を防止する方法として知ら
れている(特公昭55−23620号)が、生体用限外
ろ過モジユールで発生するような濃縮された菌体
破片によるパイロジエン汚染の低減手段として
は、かかる現象が知られていなかつたこともあ
り、これまで定量的研究を行つた例は知られてい
ない。 本発明者らは、かかる点について鋭意研究を行
い、γ線照射によるパイロジエン汚染防止技術を
見出し、本発明に到つたものである。 すなわち、本発明は次の構成を有する。 分離膜によつて隔離された2つの室から構成さ
れてなる、限外ろ過モジユールを製造するに際
し、0.1ng/ml以下までエンドトキシン物質を除
去した精製水を用いて、該分離膜及びおよび該2
つの室を洗浄し、ついで、γ線照射することを特
徴とするパイロジエン汚染防止法。 以下本発明につき詳述する。 本発明はγ線照射に際して、モジユール中のエ
ンドトキシン物質を細心の注意を払つて極めて低
いレベルに低減しておくことを特徴とする。極微
量の残存エンドトキシン物質であれば、膜機能を
大巾に損わない程度のγ線照射によつても化学的
に分解可能なのである。換言すれば、0.1ng/ml
以下までエンドトキシン物質を除去した精製水を
用いて洗浄すれば、γ線照射によつてもパイロジ
エン試験に合格できる程度にエンドトキシン物質
を低減できるのである。 本発明の日的とする生体液の限外ろ過モジユー
ルに用いられる分離膜としては、中空糸タイプの
もの、平膜タイプのものがあるが最近では前者が
性能・経済性の点ですぐれており一般的である。
これらは血漿分離膜としては0.1〜1.0μの平均孔
径、たんぱく分離膜としては0.01〜0.1μの平均孔
径のものが適するとされている。 このようなポアサイズを有する限外ろ過膜の製
法としては、膜形成性の高分子重合体を溶媒に溶
かし、湿式成型する場合が一般的であり、その場
合ポア形成方法としては、原液中に水溶性高分子
を添加して凝固成型後に該高分子物質を抽出除去
する方法(特開昭54−118697)、ポア形成助剤と
して原液中に金属化合物、有機化合物などを添加
する方法(特開昭51−93786)などが知られてい
る。また、われわれは先にかかる手段として、ポ
リイオンコンプレツクスを形成し得るポリマを溶
媒に溶かし湿式成型する方法を提案している(特
願昭56−32544号)。 これらの製法に共通して云えることは、中空糸
形成後、溶媒を含めたいわゆる遊離化学物質を洗
浄除去する必要があることである。 また工程中の乾燥による性能低下防止のため、
水溶性多価アルコールを付与せしめて、モジユー
ル成型後、洗浄除去する方法(特開昭55−27053
号)も上記技術範囲に入る。 さらに、疎水性ポリマを乾式成型(溶融)し、
体液分離用中空糸膜をつくる技術も知られている
(特開昭57−49467号)が、一般に疎水性多孔膜は
体液との親和性が低いために製品化前に低級アル
コールなどを前処理として接触せしめた後、洗浄
除去と同時に親水化処理をするなどの方法を用い
る必要がある。 一方、本発明の対象とする体液分離用の膜、特
に中空糸膜は内径250〜500μ、膜厚40〜200μの寸
法を有しており、いわゆる衣料用繊維で用いられ
るデニール(繊度)で表示すると、100〜1000デ
ニールのモノフイラメントに相当し、溶液紡糸法
による製造法の場合、その遊離化学物質洗浄の生
産性が著しく低いことが問題である。 すなわち、通常知られているフイラメント水洗
装置では静止ないし流動下の洗浄液にフイラメン
トを接触させ、溶質の膜内部からの拡散移動によ
つて、除去を行うことを利用したものであるが上
記のような大きな膜厚をモノフイラメントにつて
は拡散による溶質(この場合遊離化学物質)の完
全除去にはきわめて長時間を要する。 また、上記水洗装置は大量の流水を使用するた
め、高精製度の純水を用いることは経済的にも技
術的にも困難であるとの他に、連続糸状を扱う関
係上、洗浄水は大気に開放となるため、落下細菌
および細菌破片、溶出物を含むエンドトキシン物
質の侵入を防ぎ得ず、本発明で必要とする精製程
度を実現ないし維持することは困難である。本発
明はかかる従来法の欠点に対する改善方法を鋭意
研究した結果到達したものである。すなわち本発
明は従来、中空フイラメント状態で洗浄していた
工程とは別に、モジユールに組込んだ後、比較的
少量の高精製水を用い、壁膜を通して洗浄液を流
すいわゆる膜間洗浄を行うことによつて大きな洗
浄効果を得、さらに生体液分離用限外ろ過モジユ
ールからパイロジエン物質を除去し、汚染防止す
る方法を見出したことによるものである。 本発明の実施に適する好ましい限外ろ過モジユ
ールの構造は第1図に示すごときものである。 中空繊維膜1の束2はその端部が管板3を貫通
し、管板3の外面4において開放されている。ケ
ーシング5は中央部の円筒6および両端部の鏡板
7,7′からなり両者はフランジ8,8′を介して
相互に固定されている。 鏡板7,7′には体液の入口ノズルおよび出口
ノズル11,12が設けられその流路13は体液
室を形成している。また円筒6には透過液の出口
ノズル9,10が設けられており、その流路14
は透過液室を形成している。ここで、体液室と
は、浄化されるべき生体液が通過する空間を形成
するものであつて、生体液の滞留量をできるだけ
小さく保つため、一般にはモジユール中の2つの
室のうち体積の小さい方をその目的で用いる。例
えば、中空糸モジユールにおいては中空糸の内部
に連通する空間は体液室として、中空糸の外部に
連通する空間は透過液室として使われる。すなわ
ち、入口ノズル11から、鏡板7と管板7′に囲
まれた空間は体液室であり、ケーシング5と管板
3に囲まれた空間は透過液室ということになる。
なお、生体液とは体液と実質的に同じ意味であ
り、代表的にも血液もしくは血液から血球を分離
された血漿などをいう。体液は入口11から体液
室13を通つて出口12に向つて流れる過程にお
いて中空糸分離膜1を介して溶質分離が行われ、
透過液は流路14の透過液室を通つて出口9,1
1から流出される。 かかる構造のモジユールを洗浄するには、透過
液出口ノズル9,10および体液入口、出口ノズ
ル11,12に適宜、洗浄水の供給管、排出管、
ノズル連結管メクラコツクを取りつけて流水洗浄
を行なう。 この際、各ノズルの流入量,流出量を測定する
ことによつて、膜を通して流れる洗浄水量すなわ
ち膜間洗浄の程度を定量的に知ることができる。 本発明の目的とする生体用限外ろ過膜はこれま
でに知られている透析膜にくらべて透水性が100
〜2000倍大きい(UFRml/mmHg・hr)ため膜間
洗浄下の透水量は、透析膜の場合無視できる微量
であるのに対し、限外ろ過膜の場合、洗浄液量の
何割かを占める量となる。 従つて、膜のポアサイズと近似したパイロジエ
ン物質たり得る死菌体および菌体の破片は、膜間
洗浄時に、膜内部または表面に残物として濃縮
蓄積されることになる。 このため、たとえ洗浄水原水が無菌状態を保
ち、死菌体,菌体破片が極微小量に抑えられてい
ても上記濃縮効果により、モジユール内にはパイ
ロジエン物質が増大してくることになる。これに
対し、従来の透析膜はポアサイズがこれら菌体の
破片より著しく少ないため膜表面でリジエクトさ
れることが一つとさらに膜間洗浄の透水量が少さ
いため前記限外ろ過膜で発生したような濃縮蓄積
現象は起らない。 通常、これらのモジユールに使われる洗浄水、
いわゆる無菌水は限外過,逆浸透膜ろ過,蒸
溜,吸着,イオン交換,化学殺菌などの手段で精
製されたものであつて、安全性の検査としては汚
染生菌数の測定とパイロジエン試験がある。 汚染生菌数はメンブラン・フイルター法によ
り、培地としてBacto−m T G E
Broth、およびBacto−m Yeast Broth(片山化
学製)を用いてて10日間の培養で測定することが
できる。 パイロジエン試験は日本薬局方による家兎法に
よる発熱性試験と、これと同等又はそれ以上の感
度をもつことがわかつているリムラス法およびパ
イロジエン物質を定量測定することを目的とした
“パイロデイツク”法を適用することができる。 リムラス法は検出試薬“プレゲル”(生化学工
業(株))と検液とのゲル化点を判定するもので、プ
レゲルアンプルに蒸溜水0.1mlを入れ、溶解後調
製した検液0.1mlを添加し、ゆるやかに混合した
のち、37℃で4時間放置した後、ゲル化状態を規
定の方法によつて判定する。 “パイロデイツク”法は、エンドトキシンで活
性化された凝固酵素がGly−Arg配列をカルボキ
シル末端側にもつペプチド基質を水解するので、
そのアミダーゼ活性を測定することによりエンド
トキシンの定量ができることを利用したもので、
生化学工業(株)製の試薬を用い、規定の方法に従つ
て測定する。 本発明に用いる洗浄水は極めて高純度に精製さ
れている必要があり、パイロジエンの主成分たる
エンドトキシン物質が0.1ng/ml以下、好ましく
は0.05ng/ml以下に抑えられていることが好まし
い。 かかる精製水は実験室的には蒸溜法によつて作
ることができるが、これを工業的に多量に使用す
ることは経済性の点で好ましくない。 膜過法でつくる場合、通常の限外ろ過膜では
原水中のエンドトキシン物質を前記精度まで除去
することは難しく逆浸透膜ろ過法を用いる必要が
ある。この場合でも工業用装置では極少量のリー
クはさけられず、本発明の純度を維持するために
は高性能膜を使用する必要がある。 また、規定には完全にエンドトキシンフリーの
洗浄水をつくることは不可能なので本発明の目的
である生体液用の限外ろ過モジユールをつくるに
は本発明で開示した技術を用いる必要がある。上
記の洗浄水に必要とされる純度は、通常、日本薬
局方による家兎法による発熱法テストで陽性とな
る最少量が、3〜10ng/mlとされており、プレ
ゲル法によるゲル化限界濃度がおよそ1ng/ml
(“プレゲル”使用説明書、生化学工業(株))であ
るので、上記洗浄水は極めて高純度に精製される
ことが要求されている。 これ以上のエンドトキシン物質を含む洗浄水を
用いると、洗浄の過程で分離膜ポアの内部に限界
以上の補捉蓄積がなされる結果、後工程での洗浄
方法の工夫、γ線照射などによつても、エンドト
キシンの除去,失活化が不可能となる。 本発明における洗浄工程の目的は前記のように
紡糸溶媒,ポア形成用添加剤,工程助剤などの完
全除去にあるが、さらに製品の安全面での完成度
を高める上からも該モジユールを構成している体
液室,分離膜,透過液室をすべて通液洗浄するこ
とが好ましい。 このために前記モジユール構造の項で記した体
液室入口ノズルB1,出口ノズルB2および透過液
室出口ノズルF1,F2に導管を連結し、前記洗浄
水を流す方法がとられる。 この際導管の連結方法はB1→F1(B2,F2閉)、
F1→B1(F2,B2閉)、とすると全量膜間洗浄を行
なうことになる。また、F1→F2→B2→B1として
も膜を通して大量のF→B流動が起り、膜間洗浄
の比率は大きくなる。 F1→F2(B1,B2閉)、B1→B2(F1,F2閉)ある
いはF1→F2とB1→B2の同時通液方式としても本
発明の生体液の限外ろ過膜は透水抵抗が低いため
相当量の膜間流動が起つているがその比率は前者
に比して小さい。膜間圧力差は小さい方が好まし
く100mmHg以下、好ましくは50mmHg以下である
ことが望ましい。 本発明の目的を達する上に障害となるのは、か
かる膜間洗浄を行つた工程において流れの一次側
にエンドトキシン物質が残として濃縮されると
共に、膜ポア内に蓄積されることである。 このため洗浄方法としては、膜間洗浄の起り易
い流路方式を一連の洗浄工程の前半に行い、洗浄
の後半の仕上げ段階で膜間洗浄をさけて、体液室
および透過液室を独立に洗浄することが必要であ
る。 具体的には、膜間洗浄を含む流路方式たとえば
B→F,F→B,F−F−B−B方式は前段にて
行ない、後半の仕上げ段階で体液室(B−B)、
透過液室(F−F)それぞれを独立に洗浄するこ
とをもつて工程を完了する方法が好ましい。 各室を独立に洗浄するためには当然それぞれ入
口ノズルと出口ノズルを必要とする関係上、本発
明の生体液の限外ろ過モジユールの構造として
は、体液室口は当然必要な入口、出口ノズルが必
要であるが、透過液室にも本来排出孔は一つでも
よいが洗浄液入口,出口ノズルとして2個のノズ
ルを有していることが好ましい。 実際の洗浄は前記趣旨にそつて各流路方式を適
宜組合せて実施すればよいが、前段に実施するこ
とが好ましいと記したB−F,F→B,F−F−
B−B方式の膜間洗浄は必ずしも必須ののではな
く、後段のF−F,およびB−B方式あるいは両
者の同時通液方式の実施だけでも前記のように膜
間洗浄の機能は果たされているので本発明の目的
は達することができる。 洗浄完了の目安としては、数時間経過後に、体
液室,透過液室のそれぞれについて、充填状態に
ある水を抜き出しサンプリングして、先ず汚染生
菌数が零個であることおよびエンドトキシン測定
を行い、1.5ng/ml以下、好ましくは1.0ng/ml以
下であれば、本発明の洗浄効果は満足されたと云
える。 ついでモジユールはγ線照射をうけるが、この
方法については人工腎臓用透析装置の滅菌法とし
て公知の方法(特公昭55−23620号)が適用でき
る。 γ線照射に供する場合、洗浄後のモジユールに
水が充填された状態で密栓し、完全に包装したの
ちγ線を所定量照射するのが好ましい。 照射量は、同時に滅菌効果を確保することも望
ましいため、滅菌前の汚染菌数とγ線照射に対す
る細菌の生残率をもとに出したD値との関係から
決められた最低量を越え、しかも、満足できるエ
ンドトキシン物質の活性低減効果を考慮して決め
られる。過大量の照射は膜その他部材の劣化をも
たらすので好ましい照射量は2.0〜5.0Mradの範
囲である。PMMAに対するγ線照射時の物質変
化等の知見は特公照55−23620号に示されている。
かかる量の照射によつてゲル化限界濃度近傍のエ
ンドトキシン物質の活性はおよそ1/2〜1/3に低減
する。 生体用限外ろ過モジユールの最終製品での望ま
しいエンドトキシン許容限界は局方による兎の発
熱性試験で陽性となる最少量が3〜10ng/mlで
ある点および検出感がさらにすぐれていると云わ
れているリムラス法でのゲル化限界濃度がおよび
1ng/mlである点を勘案すると0.5ng/ml以下にす
ることが好ましい。 したがつて製品段階で上記基準を満足する程度
にエンドトキシン量を抑えるにはγ線照射にかか
る前段階のモジユール充填液中に許容できるエン
ドトキシン物質の濃度は、およそ1.5ng/ml以下、
好ましくは1.0ng/ml以下にする必要があり、こ
の量を越えた場合はγ線照射による失活効果では
上記基準を満足することは容易でない。 本発明の適用を受ける生体液の限外ろ過モジユ
ールとしてはγ線照射に対して、材質的配慮がな
されている部材、ろ過膜を用いたモジユール容器
はすべて使用可能であると考えてよい。 限外ろ過膜の素材としてはポリメチルメタクリ
レート,ポリビニルアルコール,ポリアクリロニ
トリル,エチレン−ビニルアルコール共重合体,
セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリエ
チレンなどの合成重合体などが好適例である。 以下にその実施例を示す。 実施例1 スルホン酸塩を有するポリメチルメタクリレー
ト(以下PMMA)共重合体と4級アンモニウム
塩を有するPMMA共重合体をジメチルスルホキ
シド(以下DMSO)とグリセリンを主体とする
溶媒に溶かし、中空口金を用い乾湿式紡糸法によ
り水中へ紡糸し、内径370μ,壁厚み85μの中空糸
をつくつた。この中空糸の水によるUFRは4500
ml/hr・m2・mmHgであり、平均ポアサイズは
0.4μであつた。 中空糸を走糸状態のまま簡単な水洗の後、グリ
セリン75%を含む水溶液に含浸し、ついで、ロー
ルによるスクレーピング操作により表面液滴を除
いた後、糸束として巻きとつた。糸束は中空糸
3500本から構成されている。ついで該糸束をポリ
スチレン製の容器中に組込み両末端をウレタン樹
脂でポツテイングし、図1に示めすような限外ろ
過モジユールをつくつた。 ついで該モジユールを導入管,排出管を備えた
洗浄装置にかけた。洗浄水は水道水を酢酸セルロ
ース製の逆浸透膜モジユール(塩排除率96%)を
装備したろ過装置を通したもので、汚染菌数は本
文中に詳記した方法で測定したが零であつた。ま
た、エンドトキシン含有濃度はパイロデイツク法
で測定し、0.04ng/mlであつた。 洗浄水は導入管をモジユールの透過液ノズル
F1に接続し透過液室を通した後、出口F2から連
結管により体液室入口B1につなぎ、一方の出口
B2から排出させた。この流路にて500ml/minの
流量で30分洗つた後、透過液室(F−F)、体液
室(B−B)をそれぞれ独立に500ml/minの流
量で30分ずつ洗つた。洗浄水を充填したまま30分
放置後透過液室および体液室から充填水を抜き出
して細菌検査を行つたところ、汚染菌数は両者と
も零であつたがエンドトキシン量はF側0.4,B
側0.7ng/mlの値を示した。ついで、このモジユ
ールにγ線を2.5Mrad照射した後、測定したとこ
ろ汚染菌数は零、エンドトキシン量はF側0.2,
B側0.3ng/mlで、リムラステストの結果は両者
とも合格(−値)であつた。 実施例2,3 実施例1でつくつた限外ろ過モジユールを洗浄
に供するに際し、透過液室,体液室をそれぞれ独
立に洗浄する流路、すなわちF→F,B→B流路
をとることをもつて洗浄を完了させた例について
の結果を表1に示す。この場合は洗浄後のエンド
トキシン蓄積を抑えることができ、γ線照射によ
つてリムラステスト結果とも満足すべき値を得る
ことができた。 比較例1 実施例1と同様にしてつくつた中空糸をモジユ
ールに組込んだ後、洗浄水として上水道水を酢酸
セルロース製の0.2μ孔径の除菌フイルター
(PALL Corp製)を通した水を用いた。この原
水は汚染菌数零,エンドトキシン量3.2ng/mlの
値を示した。 洗浄方法は実施例2と同じ方法をとり、γ線照
射は2.5Mrad行なつた。この結果は表1に示した
が、原水のエンドトキシン濃度が高いため、γ線
照射による失活効果だけではリムラステストの合
格値を得ることはできなかつた。
【表】 * エンドトキシン濃度
** リムラステスト判定結果
参考例1 アイソタクチツクPMMAとシンジオタクチツ
クPMMAをDMSOに溶解し、中空口金を用い乾
湿式紡糸法により水中へ紡糸し、内径240μ,壁
厚370μの中空糸をつくつた。 この中空糸の水によるUFRは8ml/hr・m2
mmHgであり、水力学的毛細管モデルから求めた
ポアサイズ(“膜”VoL1,No.3,P187,1976)
はおよそ40Åの透析膜である。この中空糸を走糸
状態のまま簡単な水洗の後、グリセリン65%を含
む水溶液に含浸し液切りを行つた後、9500本の糸
束としてポツテイングを行い図1と同一構造のモ
ジユールをつくつた。 ついで、実施例1で用いたと同じエンドトキシ
ン量が0.04ng/mlの逆浸透膜ろ過水を用い、洗浄
流路としてF1→F2→B1→B2方式を用い2hr,500
m/minの流量で洗浄した。 洗浄後F側およびB側の充填水の汚染菌は両者
とも零、エンドトキシン量は、F側0.04ng/ml,
B側0.03ng/mlであつた。 ついでこのモジユールにγ線を2.5Mrad照射し
た後、細菌検査を行うと汚染菌数は零,エンドト
キシン量は下側0.015ng/ml,B側0.01ng/mlで、
リムラステストの結果は両者との合格(−値)で
あつた。 このことにより、ポアサイズの小さい透析膜は
膜間洗浄が起りうる洗浄方式で洗つても、エンド
トキシン物質の蓄積が生じないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される生体液の限外過
モジユールの例を示す。1は中空糸膜、3は管
板、5はケーシング、9,10は透過液の出口ノ
ズル、11は体液の入口、12は体液の出口、1
3は体液室、14は透過液室である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポアサイズが0.01〜1.0μの分離膜によつて隔
    離された2つの室から構成されてなる、限外ろ過
    モジユールを製造するに際し、0.1ng/ml以下ま
    でエンドトキシン物質を除去した精製水を用い
    て、該分離膜及び該2つの室を洗浄し、ついで、
    γ線照射することを特徴とするパイロジエン汚染
    防止法。
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