JP2017148737A - 中空糸膜 - Google Patents
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Abstract
Description
ウイルス等の病原性物質を混入させない安全性として、ウイルス除去膜によりウイルスを十分に除去することが重要となる。非特許文献1には、マウス微小ウイルスやブタパルボウイルスの目標とすべきクリアランス(LRV)は、4とされている。
特許文献2では、熱誘起相分離法により製膜されたポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる膜にグラフト重合法により表面が親水化されたウイルス除去膜が開示されている。
特許文献4では、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドン(PVP)のブレンド状態から製膜されたウイルス除去膜が開示されている。
特許文献5では、ポリスルホン系高分子とビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体のブレンド状態から製膜された膜に多糖類又は多糖類誘導体がコーティングされたウイルス除去膜が開示されている。
特許文献2に開示される技術では、熱誘起相分離法により製膜しているため、膜厚方向で細孔の孔径が変化する傾斜型非対称構造を有する膜を作成することは難しく、一般的に均質構造を有する膜になる。従って、傾斜型非対称構造を有する膜に比べ、高い透過速度を得ることができない。
特許文献4に開示される技術は、0.5wt%の免疫グロブリン溶液をデッドエンドで60分にわたり1.0barで定圧濾過した時、濾過時間と濾液回収積算量が実質的に直線関係にあることを特徴とする膜であるが、濾過時間を横軸、濾液回収積算量を縦軸にとったグラフには、本来透過性の落ち込みが最も生じる期間である濾過開始後0乃至5分の濾液回収積算量はプロットされていない。そこで、原点を通して直線回帰させたグラフにしてみると、実質的には目詰まりを十分に抑制できていないことが分かる。また、一般的にウイルス除去膜が使用されるときは60分以上濾過を行うため、高効率なタンパク質の回収と長時間にわたるウイルス除去性能の維持を両立させるためには、濾過時間後期におけるFlux低下を抑制することが求められるが、60分以上濾過したときのFlux低下に関しては十分な検討がなされていない。
特許文献5に開示される技術では、多糖類をコートすることにより、タンパク質の濾過性が改善されたことが示されているが、これは、タンパク質の吸着を抑制したことによる効果である。しかし、定速濾過を行ったときに濾過圧力が3barに昇圧しているということは、実質的に濾過中に目詰まりが起きていることを意味しており、濾過中の孔の物理的閉塞は十分に抑制されていないと考えられる。また、経時的なFluxの低下を抑制するための方法も十分に検討されていない。
(1)
ポリエーテルスルホンと、親水性高分子とからなり、
前記ポリエーテルスルホンのポリスチレン換算重量平均分子量が70k〜100kDaであり、
前記親水性高分子のコート率が6.0〜14.0%である、ウイルスを含むタンパク質溶液からウイルスを除去するための中空糸膜。
(2)
前記親水性高分子が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含有する、請求項1に記載の中空糸膜。
本実施形態において、ポリエーテルスルホンと、親水性高分子とからなる中空糸膜とは、中空糸膜の主たる製膜原料としてポリエーテルスルホンと親水性高分子を用いていることを意味し、他の成分を含有していてもよい。
ポリエーテルスルホンのポリスチレン換算重量平均分子量が70kDa以上であることにより、高効率でウイルスを除去することができる。
ポリエーテルスルホンは、単独で使用しても、ポリスチレン換算重量平均分子量が70k〜100kDaとなるものであれば2種以上混合して使用してもよい。
タンパク質の吸着による膜の目詰まりによる濾過速度の急激な低下を防止する観点で、本実施形態の中空糸膜は、ポリエーテルスルホン表面上に、親水性高分子がコーティングされて存在する。
ポリエーテルスルホンからなる基材膜に親水性高分子を含む溶液を用いてコーティングさせることで、ポリエーテルスルホン表面上に、親水性高分子をコーティングさせることができる。また、親水性高分子はコーティング後に架橋されてもよい。
親水性高分子のコート率が6.0%以上であることにより、親水性高分子によって基材膜の孔表面を十分に被覆させ、濾過中のタンパク質の吸着による目詰まりを抑制することができ、親水性高分子のコート率が14.0%以下であることにより、適切な厚さで被覆させ、孔径が小さくなりすぎてFluxが低下することを防ぐことができる。
また、本実施形態において、静電気がたちにくく、整束しやすい、中空糸膜とするためには、親水性高分子は中空糸膜の外表面のポリエーテルスルホンの表面上にもコーティングされていることが重要である。中空糸膜のコート率が6.0%以上である場合には、親水性高分子が外表面のポリエーテルスルホンの表面上へ十分にコーティングされ、静電気の発生が抑制される。
本実施形態において、コート率は、実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態において、親水性高分子の接触角は60度以下が好ましく、接触角40度以下がより好ましい。接触角が60度以下の親水性高分子を含有する場合には、中空糸膜が水に濡れ易く、接触角が40度以下の親水性高分子を含有する場合には、水に濡れ易くなる傾向が一層顕著である。
接触角とは、フィルム表面に水滴を落とした時に、水滴表面がなす角度を意味し、JIS R3257で定義される。
本実施形態においては、電気的に中性とは、分子内に荷電を有さない、又は、分子内のカチオンとアニオンが等量であることをいう。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含有する親水性高分子としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモポリマー、あるいは、スチレン、エチレン、プロピレン、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート等の疎水性モノマーと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの親水性モノマーのランダム共重合体、グラフト型共重合体及びブロック型共重合体等が挙げられる。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含有する親水性高分子は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
また、本実施形態の中空糸膜は、純水の透水量が高いことによって、タンパク質をより高効率で回収することができる。
本実施形態においては、耐圧性を有するポリエーテルスルホンを基材として用いることにより、高い濾過圧での操作を可能としている。
本実施形態においては、1.5質量%の免疫グロブリンを2.0barで定圧濾過したときの、180分間の積算免疫グロブリン透過量が8.0〜20.0kg/m2であることによって、経時的な孔の目詰まり(閉塞)を抑制することができると考えることができる。
本実施形態においては、ウイルス除去膜において、高効率なタンパク質の回収と持続的なウイルス除去性能を両立させたタンパク質処理用膜とすることができる。
本実施形態のタンパク質処理用膜の純水の透水量は200L/hr・m2・bar以上であることにより、高効率なタンパク質の回収は実現することができる。
本実施形態において、純水の透水量は、「透水量測定」として実施例に記載の方法により測定される。
(2)一般的に、血漿分画製剤やバイオ医薬品の精製工程における濾過は1時間以上行われる。タンパク質溶液を濾過した時に、タンパク質としては、ウイルス除去膜を用いて、最も多く濾過させる、免疫グロブリンを対象とすればよい。
濾過をするときの免疫グロブリンの濃度を考えた場合、近年、生産効率を向上させる目的で、免疫グロブリン溶液の濃度は高くなる傾向にあるので、1.5質量%の濃度に設定するのが好ましい。また、濾過圧力を考えた場合、高圧で濾過すればFluxが高くなり、高効率な免疫グロブリンの回収が可能となるが、濾過システムの密閉性保持の観点で、濾過圧力は2.0barとするのが好ましい。
また、本実施形態においては、1.5質量%の免疫グロブリンを2.0barで定圧濾過したときの、免疫グロブリン積算透過量が180分で8.0〜20.0kg/m2となり、高効率なタンパク質の回収を行うことができる。
(3)純水の透水量はタンパク質溶液の濾過速度Fluxの目安となる。タンパク質溶液は純水に比べ溶液の粘度が高くなるため、純水の透水量よりも低くなるが、純水の透水量が高いほど、タンパク質溶液の濾過速度は高くなる。
高効率なタンパク質の回収の観点で、中空糸膜の純水の透水量は200L/hr・m2・barであることが好ましい。
本実施形態の中空糸膜によれば、Fluxの経時的な低下を抑制し、高効率なタンパク質の回収と持続的なウイルス除去性能を両立させることができる。
(1)濾過溶液の調製
田辺三菱製薬社より市販されている献血ヴェノグロブリン IH 5%静注(2.5g/50mL)を用いて、溶液の免疫グロブリン濃度が15g/L、塩化ナトリウム濃度が0.1M、pHが4.5になるように溶液を調製する。この溶液に0.5容積%のブタパルボウイルス(PPV)溶液をspikeして得られる溶液を濾過溶液とする。
(2)膜の滅菌
有効膜面積が3.3cm2になるように組み立てられたフィルターを122℃で60分高圧蒸気滅菌処理をする。
(3)濾過
(1)で調整した濾過溶液をデッドエンドで、2.0barの一定圧力で180分間濾過を行う。
(4)ウイルスクリアランス
濾過溶液を濾過して得られた濾液のTiter(TCID50値)をウイルスアッセイにて測定する。PPVのウイルスクリアランスはLRV=Log(TCID50)/mL(濾過溶液))−Log(TCID50)/mL(濾液))により算出する。
例えば、ポリエーテルスルホン、溶媒、非溶媒を混合溶解し、脱泡したものを製膜原液とし、芯液とともに二重管ノズル(紡口)の環状部、中心部から同時に吐出し、空走部を経て凝固浴に導いて膜を形成する。得られた膜を、水洗後巻取り、中空部内液抜き、熱処理、乾燥させる。その後、親水化処理させる。
ジオール化合物とは、分子の両末端に水酸基を有する化合物であり、ジオール化合物としては、下記式2で表され、繰り返し単位nが1以上のエチレングリコール構造を有する化合物が好ましい。
ジオール化合物としては、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TriEG)、テトラエチレングリコール(TetraEG)、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられ、DEG、TriEG、TetraEGが好ましく、TriEGがより好ましい。
製膜原液中の溶媒/非溶媒の比は、質量比で40/60〜80/20が好ましい。
脱泡工程は、以下のようにして行うことができる。完全に溶解された製膜原液が入ったタンク内を2kPaまで減圧し、1時間以上静置する。この操作を7回以上繰り返す。脱泡効率をあげるため、脱泡中に溶液を撹拌してもよい。
例えば、製膜原液の溶媒としてNMP、凝固液の良溶媒/非溶媒としてNMP/水を使用したならば、芯液はNMPと水から構成されることが好ましい。
芯液中の溶媒の量が多くなると、凝固の進行を遅らせ、膜構造形成をゆっくりと進行させる効果があり、水が多くなると、凝固の進行を早める効果がある。凝固の進行を適切に進行させ、膜構造を制御して中空糸膜の好ましい膜構造を得るためには、芯液中の良溶媒/水の比率を質量比で60/40〜80/20にすることが好ましい。
製膜原液は紡口から吐出された後、空走部を経て、凝固浴に導入される。空走部の滞留時間は0.02〜0.6秒が好ましい。滞留時間を0.02秒以上とすることにより、凝固浴導入までの凝固を十分にし、適切な孔径とすることができる。滞留時間を0.6秒以下とすることにより、凝固が過度に進行するのを防止し、凝固浴での精密な膜構造制御を可能にすることができる。
一般的に、湿式相分離法で製膜されるとき、製膜原液が空走部を経て、凝固浴を出たときに、大方の膜構造が決定される。膜内部は、高分子鎖が絡み合うことにより形成される実部と高分子が存在しない空孔部から構成される。詳細な機構は不明であるが、凝固が完了する前に膜が過度に延伸されると、言い換えると、高分子鎖が絡み合う前に過度に延伸されると、高分子鎖の絡み合いが引き裂かれ、空孔部が連結されることにより、過度に大きな孔が形成されたり、空孔部が分割されることにより、過度に小さな孔が形成される。過度に大きな孔はウイルス漏れの原因となり、過度に小さな孔は目詰まりの原因となる。
構造制御の観点で、ドラフト比は極力小さくすることが好ましいが、ドラフト比は1.1〜6が好ましく、1.1〜4がより好ましい。
良溶媒は凝固を遅らせる効果があり、水は凝固を早める効果があるため、凝固を適切な速さで進め、適当な膜構造を有する膜を得るため、凝固液組成として、良溶媒/水の比は、質量比で50/50〜5/95が好ましい。
凝固浴温度は、孔径制御の観点で、10〜40℃が好ましい。
水洗工程では、良溶媒と非溶媒を確実に除去することが好ましい。膜が溶媒を含んだまま乾燥されると、乾燥中に膜内で溶媒が濃縮され、ポリエーテルスルホンが溶解又は膨潤することにより、膜構造を変化させる可能性がある。
除去すべき溶媒、非溶媒の拡散速度を高め、水洗効率を上げるため、温水の温度は50℃以上が好ましい。
十分に水洗を行うため、膜の水洗浴中の滞留時間は10〜300秒が好ましい。
カセに巻き取られた状態の膜の中空部には、白濁した液が残存している。この液中には、ナノメートルからマイクロメートルサイズのポリエーテルスルホンの粒子が浮遊している。この白濁液を除去せず、膜を乾燥させると、この微粒子が膜の孔を塞ぎ、膜性能が低下することがあるため、中空部内液を除去することが好ましい。
熱水処理工程では、膜内側からも洗浄されるため、水洗工程で除去しきれなかった、良溶媒、非溶媒が効率的に除去される。
熱水処理工程における、熱水の温度は50〜100℃が好ましく、洗浄時間は30〜120分が好ましい。
熱水は洗浄中に数回、交換することが好ましい。
コート工程は、例えば、基材膜のコート液への浸漬工程、浸漬された基材膜の脱液工程、脱液された基材膜の乾燥工程からなる。
浸漬工程において、基材膜は親水性高分子溶液に浸漬される。コート液の溶媒は親水性高分子の良溶媒であり、ポリエーテルスルホンの貧溶媒であれば特に制限されないが、アルコールが好ましい。
コート液中の親水性高分子の濃度は、親水性高分子によって基材膜の孔表面を十分に被覆させ、濾過中のタンパク質の吸着による経時的なFlux低下を抑制する観点から1.0質量%以上が好ましく、適切な厚さで被覆させ、孔径が小さくなりすぎて、Fluxが低下することを防ぐ観点から、10.0質量%以下が好ましい。
コート液への基材膜の浸漬時間は8〜24時間が好ましい。
フィルター加工のしやすさから、中空糸膜の内径は200〜400μmであることが好ましく、膜厚は30〜80μmであることが好ましい。
溶離液に10mM臭化リチウム/N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)溶液、カラムにTSK−gel α―M(東ソー社製)、標準試料にポリスチレン(東ソー社製)を用いて、gel permeation chromatographyにより、ポリエーテルスルホンのポリスチレン換算分子量を測定した。
コート率は以下の式より算出した。
(コーティング後の膜重量−コーティング前の膜重量)/コーティング前の膜重量×100
中空糸膜の内径及び膜厚は、中空糸膜の垂直割断面を実体顕微鏡で撮影することにより求めた。(外径−内径)/2を膜厚とした。
また、膜面積は内径と膜の有効長より算出した。
有効膜面積が3.3cm2になるように組み立てられたフィルターを1.0barの定圧デッドエンド濾過による25℃の純水の濾過量を測定し、濾過時間から透水量を算出した。
有効膜面積が3.3cm2になるように組み立てられたフィルターを122℃で60分高圧蒸気滅菌処理をした。田辺三菱製薬会社より市販されている献血ヴェノグロブリン IH 5%静注(2.5g/50mL)を用いて、溶液の免疫グロブリン濃度が15g/L、塩化ナトリウム濃度が0.1M、pHが4.5になるように溶液を調製した。調製した溶液をデッドエンドで、2.0barの一定圧力で180分間濾過を行った。
そして、180分間の積算免疫グロブリン透過量は、180分間の濾液回収量、濾液の免疫グロブリン濃度、フィルターの膜面積より算出した。
(5)免疫グロブリンの濾過試験において調製した溶液に0.5容積%のPPV溶液をspikeした溶液を濾過溶液とした。調製した濾過溶液をデッドエンドで、2.0barの一定圧力で180分間濾過を行った。
濾液のTiter(TCID50値)をウイルスアッセイにて測定した。PPVのウイルスクリアランスはLRV=Log(TCID50)/mL(濾過溶液)−Log(TCID50)/mL(濾液)により算出した。
内径2cm、高さ12cmの筒状ポリプロピレン(PP)製容器を平面上に立てる。次に、糸長15cmの中空糸50本を立った状態でPP製容器内に入れる。そして、PP製容器を持ち上げ、すべての中空糸がPP製容器から抜けたときを○と評価し、静電気がたちにくく、整束しやすい中空糸とした。
PES(BASF社製ULTRASON(登録商標)E6020P、ポリスチレン換算重量平均分子量88kDa)24質量部、NMP(キシダ化学社製)36質量部、TriEG(関東化学社製)40質量部を35℃で混合した後、2kPaでの減圧脱泡を7回繰り返した溶液を製膜原液とした。二重管ノズルの環状部から紡口温度は35℃に設定して、製膜原液を吐出し、中心部からNMP75質量部、水25質量部の混合液を芯液として吐出した。吐出された製膜原液と芯液は、密閉された空走部を経て、20℃、NMP25質量部、水75質量部からなる凝固液が入った凝固浴に導入された。
凝固浴から引き出された膜は、55℃に設定された水洗槽をネルソンロール走行させた後、水中でカセを用いて巻き取った。紡糸速度は5m/minとし、ドラフト比を2とした。
巻き取られた膜はカセの両端部で切断し、束にし、弛まないように支持体に把持させ、80℃の熱水に浸漬させ、60分間洗浄した。洗浄された膜を128℃、3時間の条件で、高圧熱水処理した後、真空乾燥させることにより中空糸状の基材膜を得た。
得られた中空糸状の基材膜を、重量平均分子量80kDaのポリヒドロキシエチルメタクリレート(ヒドロキシエチルメタクリレート(関東化学社製)を用いて製造した。)2.5質量部、メタノール97.5質量部のコート液に24時間浸漬させた後、12.5Gで30min遠心脱液した。遠心脱液後、18時間真空乾燥させて、中空糸膜を得た。
得られた中空糸膜の(1)〜(8)の測定結果を表1に示した。
コート液組成を重量平均分子量80kDaの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC、東京化成工業社製)とn−ブチルメタクリレート(BMA、関東化学社製)のランダム共重合体(モル分率、MPC/BMA=3/7)3.5質量部、メタノール96.5質量部にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
コート液組成を5.0質量部、メタノール95.0質量部のコート液にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
コート液組成を1.0質量部、メタノール99.0質量部のコート液にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
PES(BASF社製ULTRASON(登録商標)E2020P、ポリスチレン換算重量平均分子量50kDa)にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
コート液組成を0.5質量部、メタノール99.5質量部のコート液にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
コート液組成を6.0質量部、メタノール94.0質量部のコート液にした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を得た。
Claims (2)
- ポリエーテルスルホンと、親水性高分子とからなり、
前記ポリエーテルスルホンのポリスチレン換算重量平均分子量が70k〜100kDaであり、
前記親水性高分子のコート率が6.0〜14.0%である、ウイルスを含むタンパク質溶液からウイルスを除去するための中空糸膜。 - 前記親水性高分子が、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含有する、請求項1に記載の中空糸膜。
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