JP4705319B2 - 創傷被覆材 - Google Patents

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Description

本発明は、創傷被覆材に関する。さらに詳しくは、細胞接着性ポリペプチドを有する創傷被覆材に関する。
従来、細胞接着性ポリペプチドを有する創傷被覆材として、天然由来のコラーゲンをシートやスポンジ状に加工した創傷被覆材(特許文献1)や、皮膚由来の線維芽細胞をコラーゲンシート上又はコラーゲンシート中で培養して得られる線維芽細胞含有コラーゲンシート(特許文献2)等が知られている。
特開平7−59812号公報 特開平9−47502号公報
従来の細胞接着性ポリペプチドを有する創傷被覆材は主たる構成物質が蛋白質であるため、人体に悪影響を及ぼす微生物や微生物由来物質等が創傷被覆材中に混入することによる感染等の問題があり、また、創傷からの滲出液により崩壊されて創傷被覆材の形態が失われてしまい、創傷被覆材を創傷面に適用する時に貼り替えができない等の問題点があった。すなわち、本発明の目的は、人体に悪影響を及ぼす微生物や微生物由来物質等の混入が極めて低く、且つ、滲出液等との接触があっても創傷被覆材の形態が保たれる創傷被覆材を提供することである。
本発明者は、鋭意研究を重ねてきた結果、特定のペプチド及び被覆材料を使用することにより上記目的を達成することを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明の創傷被覆材の特徴は、エンドトキシンの含有量が細胞接着性ポリペプチド(P)の重量に基づいて0.15EU/mg未満である細胞接着性ポリペプチド(P)と、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)と、被覆材料(N)とからなり、上記細胞接着性ポリペプチド(P)がArg Gly Asp配列と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) 配列(40)とを各々13個有し、数平均分子量10万のペプチドであり、上記化合物(AM)は、エチレンジアミン又はポリエチレンイミンであり、上記細胞接着性ポリペプチド(P)が上記化合物(AM)で修飾されているか、又は、上記被覆材料(N)に上記化合物(AM)が結合している点を要旨とする。
本発明の創傷被覆材は、エンドトキシン含有量が極めて少なく、また、創傷被覆材上に細胞を極めて効率良く接着できる。さらに、本発明の創傷被覆材を創傷面に適用すると、創傷面が感染や癒合することなく極めて良好な再生状態にできる。従って、本発明の創傷被覆材は、微生物や微生物由来物質等の混入の危険性が少なく、また創傷被覆材の貼り替えが容易で、且つ創傷の治癒を促進できる。
細胞接着性ポリペプチド(P)は、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)を含んでいる。細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)としては、例えば、「病態生理、第9巻 第7号、527〜535頁、1990年」や「大阪府立母子医療センター雑誌、第8巻 第1号、58〜66頁、1992年」に記載されているもの等が用いられる。
これらの最小アミノ酸配列(X)の中で、Arg Gly Asp配列、Leu Asp Val配列、Arg Glu Asp Val配列(1)、Tyr Ile Gly Ser Arg配列(2)、Pro Asp Ser Gly Arg配列(3)、Arg Tyr Val Val Leu Pro Arg配列(4)、Leu Gly Thr Ile Pro Gly配列(5)、Arg Asn Ile Ala Glu Ile Ile Lys Asp Ile配列(6)、Ile Lys Val Ala Val配列(7)、Leu Arg Glu配列、Asp Gly Glu Ala配列(8)、Gly Val Lys Gly Asp Lys Gly Asn Pro Gly Trp Pro Gly Ala Pro配列(9)、Gly Glu Phe Tyr Phe Asp Leu Arg Leu Lys Gly Asp Lys配列(10)、His Ala Val配列及びTyr Lys Leu Asn Val Asn Asp Ser配列(11)が好ましく、細胞接着性の観点から、さらに好ましくはArg Gly Asp配列、Tyr Ile Gly Ser Arg配列(2)及びIle Lys Val Ala Val配列(7)であり、特に好ましくはArg Gly Asp配列である。なお、アミノ酸配列は3文字表記で現し、( )内に配列表に対応する配列番号を記載する(以下、同じである。)。
細胞接着性ポリペプチド(P)は、前記最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞接着性の観点から、1分子中に2個以上有するものが好ましく、3個以上有するものがさらに好ましく、5個以上有するものが特に好ましく、また、1分子中に50個以下有するものが好ましく、30個以下有するものがさらに好ましく、20個以下有するものが特に好ましい。また、2種以上の配列が一分子中に含まれてもよい。
細胞接着性ポリペプチド(P)の数平均分子量(Mn)は、細胞接着性の観点から、3,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは1,000,000以下、特に好ましくは300,000以下であり、また300以上が好ましく、さらに好ましくは1,000以上、特に好ましくは3,000以上である。なお、細胞接着性ポリペプチド(P)のMnは、SDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法で、細胞接着性ポリペプチド(P)を分離し、泳動距離を標準物質と比較することによって求めるものである(以下、同じである。)。
細胞接着性ポリペプチド(P)としては、細胞接着性天然ポリペプチド(P1)及び細胞接着性人工ポリペプチド(P2)等が使用できるが、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)及び耐熱性アミノ酸配列(Y)の数や配置等を自由に設計でき、細胞接着性を高めたり、加熱処理による滅菌やエンドトキシンの分解を容易にできるという点で、細胞接着性人工ポリペプチド(P2)が好ましい。
細胞接着性天然ポリペプチド(P1)としては、基底膜に存在する糖タンパク(例えば、ラミニン、エンタクチン(ナイドジェン)、テネイシン、アグリン、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、フィブルイン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、アンカリン、バミン及びトロンボスポンジン等)、プロテオグリカン(例えば、アグリカン、パールカン、ビグリカン、デコリン、フィブロモジュリン、バーシカン、デュリン、ニューロカン、ブレビカン、ルーミカン、セルグリシン、シンデカン、CD44、ベータグリカン、トロンボモデュリン、グリピカン、セレブログリカン及びNG2プロテオグリカン等)、細胞膜に存在する糖タンパク(例えば、インテグリン、インテグリンスーパーファミリー、カドヘリン及びカドヘリンスーパーファミリー等)、及びタイトジャンクションに関する物質(例えば、オクルディン等)等が挙げられる。
細胞接着性人工ポリペプチド(P2)としては、例えば、Tyr Ile Gly Ser Arg配列(2)からなるポリペプチド、Ile Lys Val Ala Val配列(7)からなるポリペプチド、Arg Gly Asp Ser配列(14)からなるポリペプチド、Gly Arg Gly Asp Ser配列(15)からなるポリペプチド、Gly Arg Gly Asp Ser Pro配列(16)からなるポリペプチド、Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro配列(17)からなるポリペプチド、Ala Val Thr Gly Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ala配列(18)からなるポリペプチド、Pro Gly Ala Ser Ile Lys Val Ala Val Ser Ala Gly Pro Ser配列(19)からなるポリペプチド、Cys Ser Arg Ala Arg Lys Gln Ala Ala Ser Ile Lys Val Ala Val Ser Ala Asp Arg配列(20)からなるポリペプチド、Val Cys Glu Pro Gly Tyr Ile Gly Ser Arg Cys Asp配列(21)からなるポリペプチド、及び、これらの少なくとも一種のポリペプチドからなる重合体等が例示できる。これらの他に、重合体として、例えば、(Arg Gly Asp Ser)配列(22)からなる重合体、(Arg Gly Asp Ser)配列(23)からなる重合体、(Arg Gly Asp Ser)16配列(24)からなる重合体、(Gly Arg Gly Asp Ser)配列(25)からなる重合体、(Gly Arg Gly Asp Ser Pro)配列(26)からなる重合体、(Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro)配列(27)からなる重合体、(Ala Val Thr Gly Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ala)配列(28)からなる重合体、(Pro Gly Ala Ser Ile Lys Val Ala Val Ser Ala Gly Pro Ser)配列(29)からなる重合体、(Cys Ser Arg Ala Arg Lys Gln Ala Ala Ser Ile Lys Val Ala Val Ser Ala Asp Arg)配列(30)からなる重合体、又は、(Val Cys Glu Pro Gly Tyr Ile Gly Ser Arg Cys Asp)配列(31)からなる重合体等が挙げられる。この重合体の重合度(繰り返し単位個数)は、細胞接着性の観点より、2以上が好ましく、3以上がさらに好ましく、4以上が特に好ましく、また、50以下が好ましく、30以下がさらに好ましく、20以下が特に好ましく、16以下が最も好ましい。
細胞接着性人工ポリペプチド(P2)は、さらに細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)以外の耐熱性アミノ酸配列(Y)を含むことが好ましい。耐熱性アミノ酸配列(Y)としては、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(12)、Gly Val Gly Val Pro配列(13)、Gly Pro Pro配列、Gly Ala Gln Gly Pro Ala Gly Pro Gly配列(32)、Gly Ala Pro Gly Ala Pro Gly Ser Gln Gly Ala Pro Gly Leu Gln配列(33)、Gly Ala Pro Gly Thr Pro Gly Pro Gln Gly Leu Pro Gly Ser Pro配列(34)、Gly Ala配列、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr(35)配列、Gly Ala Gly Val Gly Tyr配列(36)、Gly Ala Gly Tyr Gly Val配列(37)、Asp Gly Gly (Ala)12 Gly Gly Ala配列(38)、Gly Val Pro Gly Val配列(39)、Gly、Ala、及びGly Gly Ala配列等が挙げられる。これらの耐熱性アミノ酸配列(Y)を含むと、熱に対する安定性がさらに増し、細胞接着性ポリペプチドや細胞接着性ポリペプチド含有基材をオートクレーブ等で熱滅菌しやすくなる。これら耐熱性アミノ酸配列(Y)のうち、優れた耐熱性が得られることから、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(12)、Gly Val Gly Val Pro配列(13)及びGly Pro Pro配列が好ましく、さらに好ましくはGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(12)である。
耐熱性アミノ酸配列(Y)は、熱に対する安定性をさらに向上させるため、同種又は異種の(Y)が繰り返していることが好ましい。耐熱性アミノ酸配列(Y)の重合度(繰り返し単位個数)は、2〜100個が好ましく、さらに好ましくは3〜50個、特に好ましくは4〜30個であり、最も好ましくは4〜20個である。
耐熱性アミノ酸配列(Y)を含む場合、(Y)は細胞接着性人工ポリペプチド(P2)の何れかの位置に含まれていればよいけれど、(Y)とアミノ酸配列(X)とは、細胞接着性人工ポリペプチド(P2)のβターン構造の取りやすさの観点から、(Y)の重合体と(X)とが交互に位置することが好ましい。
細胞接着性人工ポリペプチド(P2)が耐熱性アミノ酸配列(Y)を有してなる場合、耐熱性アミノ酸配列(Y)の含有量は、熱に対する安定性の観点から、細胞接着性人工ポリペプチド(P2)の1分子中に、3個以上有するものが好ましく、さらに好ましくは10個以上、特に好ましくは30個以上有するものであり、また、10,000個以下有するものが好ましく、さらに好ましくは3,000個以下、特に好ましくは1,000個以下有するものである。
細胞接着性人工ポリペプチド(P2)が耐熱性アミノ酸配列(Y)を有してなるものとしては、例えば、特表平3−502935号公報及びHandbook of Biodegradable Polymers,Harwood Academic Publishers, Amsterdamに記載されている次のポリペプチドが挙げられる。すなわち、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド(SLPF)、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とTyr Ile Gly Ser Arg配列(2)とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とIle Lys Val Ala Val配列(7)とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、(Gly Val Gly Val Pro)配列(41)と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)12配列(42)とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約12個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、及び(Gly Ala Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro)(43)配列とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約6個ずつ有するMn約5万のポリペプチド等が挙げられる。
以上の他に耐熱性アミノ酸配列(Y)を有してなる細胞接着性人工ポリペプチド(P2)として、以下の(1)〜(3)に示す最小アミノ酸配列(X)と耐熱性アミノ酸配列(Y)とが交互に化学結合してなる構造を有するポリペプチド等も使用できる。
(1)最小アミノ酸配列(X)がArg Gly Asp配列(x1)の場合
(x1)の5個とSer Pro Ala Gly Gly (Ala Gly Ala Gly Ser Gly)Ala Ser Thr Gly配列(44)(y1)の4個とを有するポリペプチド(45)、(x1)の10個と(y1)の9個とを有するポリペプチド(46)、(x1)の15個と(y1)の14個とを有するポリペプチド(47)、(x1)の4個とSer Pro Ala (Gly Val Pro Gly Val) Gly Gly (Gly Ala Gly Ala Gly Ser)Ala Ser Thr Gly 配列(48)(y2)の3個とを有するポリペプチド(49)、(x1)の8個と(y2)の7個とを有するポリペプチド(50)、(x1)の12個と(y2)の11個とを有するポリペプチド(51)、(x1)の5個とSer Pro Ala Ala Ser Asp Gly Gly (Ala)12 Gly Gly Ala Ala Ser Thr Gly 配列(52)(y3)の4個とを有するポリペプチド(53)、(x1)の10個と(y3)の9個とを有するポリペプチド(54)、(x1)の15個と(y3)の14個とを有するポリペプチド(55)、(x1)の5個と(Gly Ala)13配列(y4)(56)の4個とを有するポリペプチド(57)、(x1)の10個と(y4)の9個とを有するポリペプチド(58)、及び(x1)の15個と(y4)の14個とを有するポリペプチド(59)等。
(2)最小アミノ酸配列(X)がTyr Ile Gly Ser Arg配列(2)(x2)の場合
(x2)の5個とSer Pro Ala Gly Gly (Ala Gly Ala Gly Ser Gly)Ala Ser Thr Gly配列(44)(y1)の4個とを有するポリペプチド(60)、(x2)の10個と(y1)の9個とを有するポリペプチド(61)、(x2)の15個と(y1)の14個とを有するポリペプチド(62)、(x2)の4個とSer Pro Ala (Gly Val Pro Gly Val) Gly Gly (Gly Ala Gly Ala Gly Ser)Ala Ser Thr Gly 配列(48)(y2)の3個とを有するポリペプチド(63)、(x2)の8個と(y2)の7個とを有するポリペプチド(64)、(x2)の12個と(y2)の11個とを有するポリペプチド(65)、(x2)の5個とSer Pro Ala Ala Ser Asp Gly Gly (Ala)12 Gly Gly Ala Ala Ser Thr Gly 配列(52)(y3)の4個とを有するポリペプチド(66)、(x2)の10個と(y3)の9個とを有するポリペプチド(67)、(x2)の15個と(y3)の14個とを有するポリペプチド(68)、(x2)の5個と(Gly Ala)13配列(y4)(56)の4個とを有するポリペプチド(69)、(x2)の10個と(y4)の9個とを有するポリペプチド(70)、及び(x2)の15個と(y4)の14個とを有するポリペプチド(71)等。
(3)最小アミノ酸配列(X)がIle Lys Val Ala Val配列(7)(x3)の場合
(x3)の5個とSer Pro Ala Gly Gly (Ala Gly Ala Gly Ser Gly)Ala Ser Thr Gly配列(44)(y1)の4個とを有するポリペプチド(72)、(x3)の10個と(y1)の9個とを有するポリペプチド(73)、(x3)の15個と(y1)の14個とを有するポリペプチド(74)、(x3)の4個とSer Pro Ala (Gly Val Pro Gly Val) Gly Gly (Gly Ala Gly Ala Gly Ser)Ala Ser Thr Gly 配列(48)(y2)の3個とを有するポリペプチド(75)、(x3)の8個と(y2)の7個とを有するポリペプチド(76)、(x3)の12個と(y2)の11個とを有するポリペプチド(77)、(x3)の5個とSer Pro Ala Ala Ser Asp Gly Gly (Ala)12 Gly Gly Ala Ala Ser Thr Gly 配列(52)(y3)の4個とを有するポリペプチド(78)、(x3)の10個と(y3)の9個とを有するポリペプチド(79)、(x3)の15個と(y3)の14個とを有するポリペプチド(80)、(x3)の5個と(Gly Ala)13配列(y4)(21)の4個とを有するポリペプチド(81)、(x3)の10個と(y4)の9個とを有するポリペプチド(82)、及び(x3)の15個と(y4)の14個とを有するポリペプチド(83)等。
市場から入手できる細胞接着性人工ポリペプチド(P2)としては、商品名を記載すると、例えばRGDS[Arg Gly Asp Ser配列(14)からなるポリペプチド、Mn約400、ペプチド研究所社製]、GRGDS[Gly Arg Gly Asp Ser配列(15)からなるポリペプチド、Mn約500、ペプチド研究所社製]、プロネクチンF[Arg Gly Asp配列と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とを各々約13個有し、遺伝子組み換え大腸菌により製造されるポリペプチド、Mn約10万、三洋化成工業(株)製]、プロネクチンFプラス[プロネクチンFをジメルアミノエチルクロライドと反応させて水可溶性にしたもの、三洋化成工業社製]及びプロネクチンL[Ile Lys Val Ala Val配列(7)と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とを各々約13個有し、遺伝子組み換え大腸菌により製造されるポリペプチド、Mn約10万、三洋化成工業社製]等が挙げられる。
細胞接着性人工ポリペプチド(P2)は、人工的に製造されるものであり、例えば、有機合成法(酵素法、固相合成法及び液相合成法等)、及び遺伝子組み換え法等によって容易に製造できる。有機合成法に関しては、例えば、生化学実験講座1、タンパク質の化学IV(1981年7月1日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)又は続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)(昭和62年5月20日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)に記載されている方法等が適用できる。遺伝子組み換え法に関しては、例えば、特表平3−502935号公報に記載されている方法等が適用できる。なお、遺伝子組み換え法による場合、組み換え微生物由来の不純物を含むことがあるため、抗ポリペプチド抗体等を用いたアフィニティ精製等によって精製し、ポリペプチドの純度を80重量%以上にすることが好ましく、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。これらのうち、細胞接着性ポリペプチドのアミノ酸配列を容易に設計・製造できるという観点から、遺伝子組み換え法が好ましい。
有機合成法による細胞接着性人工ポリペプチドとしては、例えば、Arg Gly Asp Ser配列(14)からなるポリペプチド(Mn約400)、Gly Arg Gly Asp Ser配列(15)からなるポリペプチド(Mn約500)、Gly Arg Gly Asp Ser Pro配列(16)からなるポリペプチド(Mn約600)、又は、Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro配列(17)からなるポリペプチド(Mn約1000)等のポリペプチド、及び、その他の重合体等が用いられる。上記重合体としては、例えば、(Arg Gly Asp Ser)配列(22)からなる重合体(Mn約1700)、(Arg Gly Asp Ser)配列(23)からなる重合体(Mn約3000)、(Arg Gly Asp Ser)16配列(24)からなる重合体(Mn約7000)、(Gly Arg Gly Asp Ser)(25)からなる重合体(Mn約4000)、(Gly Arg Gly Asp Ser Pro)(26)からなる重合体(Mn約5000)、又は、(Arg Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro)(27)からなる重合体(Mn約4000)等が挙げられる。これらの重合体の重合度(繰り返し単位個数)は、2〜50が好ましく、さらに好ましくは3〜30、特に好ましくは4〜20、最も好ましくは4〜16である。
遺伝子組み換え法による細胞接着性人工ポリペプチドとしては、例えば、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド(SLPF)、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とTyr Ile Gly Ser Arg配列(2)とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とIle Lys Val Ala Val配列(7)とをそれぞれ約13個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、(Gly Val Gly Val Pro)配列(41)と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)12配列(42)とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約12個ずつ有するMn約10万のポリペプチド、及び(Gly Ala Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly Pro Pro)(43)配列とArg Gly Asp配列とをそれぞれ約6個ずつ有するMn約5万のポリペプチド等が挙げられる。
細胞接着性ポリペプチド(P)は、多くの細胞を創傷被覆材上に保持でき、治癒期間がより短縮できるという観点から、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)で修飾されていることが好ましい。
アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)としては、ポリアミン、アミノアルコール、アミノ基を有するハロゲン化物、アミノ基含有モノマー及びアミノ基含有モノマーの重合体並びにこれらの4級化物等が使用できる。
ポリアミンとしては、少なくとも1個の1級アミノ基又は2級アミノ基を有するポリアミン(炭素数2〜56)等が用いられ、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環式ポリアミン及び芳香族ポリアミン等が用いられる。
脂肪族ポリアミンとしては、アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)、アルキレン基の炭素数が2〜6であるポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等)、及びこれらのアルキル(炭素数1〜18)置換体(ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、メチルエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジオクタデシルエチレンジアミン、トリオクタデシルエチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等)等が挙げられる。
脂環式ポリアミンとしては、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン、1,3−ビス(ジヒドロキシアミノ)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン及び4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
複素環式ポリアミンとしては、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン及び1,4−ジアミノエチルピペラジン等が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、フェニレンジアミン、N,N’−ジメチルフェニレンジアミン、N,N,N’−トリメチルフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン及び2,6−ジアミノピリジン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ビス(メチルアミノ)ジフェニルメタン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、炭素数2〜58のアミノアルコール等が用いられ、炭素数2〜10のアルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及びN,N、N’、N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等]、これらのアルキル(炭素数1〜18)置換体[N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−オクタデシルジエタノールアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及びN,N,N’−トリオクタデシル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン等]等が挙げられる。
アミノ基を有するハロゲン化物としては、炭素数2〜17のアルキルアミンのハロゲン(塩素及び臭素等)化物等が用いられ、アミノエチルクロリド、N−メチルアミノプロピルクロリド、ジメチルアミノエチルクロリド、ジエチルアミノエチルクロリド、ジベンジルアミノエチルブロミド、ジメチルアミノプロピルブロミド、ジエチルアミノプロピルクロリド及びジベンジルアミノプロピルクロリド等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、炭素数5〜21のアミノ基含有ビニル化合物、エチレンイミン及び炭素数2〜20のアミノ酸等が用いられる。
アミノ基含有ビニル化合物としては、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素及びアミノ基含有アリルエーテル等が用いられる。なお、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを意味する。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート及びN−メチルピペチジノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、アミノエチルアクリルアミド、N−メチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリノエチル(メタ)アクリルアミド及びN−メチルピペチジノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素としては、アミノエチルスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジプロピルアミノスチレン及びN−ベンジル−N−メチルアミノスチレン等が挙げられる。
アミノ基含有アリルエーテルとしては、アミノエチルアリルエーテル、N−メチルアミノエチルアリルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルアリルエーテル及びN,N−ジエチルアミノエチルアリルエーテル等が挙げられる。
アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、システイン、リシン、セリン、グリシン、3−アミノプロピオン酸、8−アミノアクタン酸及び20−アミノエイコサン酸等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーの重合体としては、アミノ基含有ビニル化合物からなるビニルポリマー、ポリエチレンイミン及びポリペプチド(細胞接着性ポリペプチド(P)は含まない。)等が挙げられる。アミノ基含有モノマーの重合体の重量平均分子量500以上が好ましく、さらに好ましくは1,000以上、特に好ましくは2,000以上であり、また1,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは800,000以下、特に好ましくは500,000以下である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。なお、基準物質としては、例えば、分子量420〜20,600,000のポリスチレンスタンダード(東ソー製)が利用できる。
これらの4級化物としては、これらのアミノ基を4級化剤(メチルクロリド、エチルクロリド、ベンジルクロリド、ジメチル炭酸、ジメチル硫酸及びエチレンオキシド等)によって4級化したもの等が挙げられる。
アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)で修飾する方法としては、例えば、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)と修飾前の細胞接着性ポリペプチドとを反応させる方法、並びに、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)を修飾前の細胞接着性ポリペプチドに物理吸着させる方法等が適用でき、その方法は、後述する細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)との結合方法のうち(1)〜(3)と同様の化学的結合及び/又は物理吸着が使用でき、好ましい化学的結合及び/又は物理吸着も同様である。
アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)により修飾された細胞接着性ポリペプチドのアミノ基の平均個数(個)は、細胞接着性ポリペプチド(P)1分子あたり、100,000以下が好ましく、さらに好ましくは10,000以下、特に好ましくは1,000以下であり、また0.001以上が好ましく、さらに好ましくは0.01以上、特に好ましくは0.1以上である。
上記アミノ基の平均個数は、公知の方法により定量でき、公知の方法としては、例えば、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)法[タンパク質の化学IV(東京化学同人発行、1981年)等]や塩酸・指示薬(ブロムフェノールブルー等)滴定法による全アミン価測定法[JIS K7237−1986や、ASTM D2074−66等]等が挙げられる。
具体的には、例えば、アミノ基の個数が既知のアミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)を、単位容積当たりの濃度を変化させてTNBS法によって測定し、検量線(アミノ基の個数と吸光度のグラフ)を作製する。また修飾前の細胞接着性ポリペプチド(P)をTNBS法で測定し、得られた吸光度を、検量線を用いてアミノ基の個数に換算する。同時に修飾後の細胞接着性ポリペプチドをTNBS法で測定し、得られた吸光度を、検量線を用いてアミノ基の個数に換算する。これら修飾前後のアミノ基の個数の差を算出して、その値を測定に用いた細胞接着性ポリペプチド(P)の分子数で除することで、細胞接着性ポリペプチド(P)に修飾されるアミノ基の平均個数とする。
アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)は、被覆材料(N)に結合されていてもよい。アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)を被覆材料(N)に結合する方法としては、例えば、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)と被覆材料(N)とを反応させる方法、並びに、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)を被覆材料(N)に物理吸着させる方法等が適用でき、その方法は、後述する細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)との結合方法のうち、(1)〜(3)と同様の化学的結合及び/又は物理吸着が使用でき、好ましい化学的結合及び/又は物理吸着も同様であり、また、定量方法も同様である。
アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)により修飾された被覆材料(N)のアミノ基の平均個数(個)は、本発明の創傷被覆材の単位面積あたり、10個/cm以上が好ましく、さらに好ましくは1010個/cm以上、特に好ましくは1012個/cm以上であり、また、1022個/cm以下が好ましく、さらに好ましくは1020個/cm以下、特に好ましくは1018個/cm以下である。
細胞接着性ポリペプチドは、蛋白質と同様にアミノ酸から構成されるため、微生物の栄養素となり、微生物の混入を受けやすい。また、細胞接着性ポリペプチドを遺伝子組み換え微生物で生産する場合には、微生物内に蓄積された細胞接着性ポリペプチドを精製・抽出するため、微生物由来物質が細胞接着性ポリペプチドに混入されやすい。従って、細胞接着性ポリペプチドへの微生物や微生物由来物質の混入は、創傷材料(N)よりも厳しく管理し防ぐ必要がある。微生物や微生物由来物質の混入の指標としては、有害物質自体である点でエンドトキシンが適当である。エンドトキシンは、菌体構成成分そのものに毒性のある細菌から死後遊離する毒素であり、糖蛋白質と脂質が連結した基本構造をもつ(遺伝子工学キーワードブック改訂第2版 株式会社羊土社発行 2000年)。
本発明の細胞接着性ポリペプチド(P)中のエンドトキシンの含有量(EU/mg)は、細胞接着性ポリペプチド(P)の重量に基づいて、安全性の観点から、0.15未満が好ましく、さらに好ましくは0.015未満、特に好ましくは0.0015未満である。
エンドトキシン含有量の測定方法としては、カブトガニの血球抽出液がエンドトキシンに反応し、凝固することを利用したリムルステスト方法等が適用できる。市場から容易に入手できるリムルステスト用試薬キットとしては、商品名で示すと、例えば、リムルスFシングルテストワコー(和光純薬工業社製)及びリムルスES−2シングルテストワコー(和光純薬工業社製)等が挙げられる。試薬キットに用いる検体液の調製は、細胞接着性ポリペプチドを脱塩蒸留水(無菌)、エンドトキシン試験用水又は局方注射用水等のエンドトキシンが含有されない水に溶解することにより行われる。また、標準物質としては、日本薬局方で定められたエンドトキシン標準品、及びこのエンドトキシン標準品で検定された標準物質が使用できる。
市販のリムルステスト試薬キットを用いたエンドトキシン含有量の測定方法としては、例えば、エンドトキシンの検出感度が0.015EU/mLのリムルステスト試薬キットを使用する場合、1mgの測定試料(細胞接着性ポリペプチド)をエンドトキシン試験用水の1mLに溶解した検体液(1mg/mL)の0.2mLをLAL試薬と混合し、水不溶性のゲルを形成するか否かを目視判定し、ゲルが形成されるとエンドトキシン含有量が0.015EU/mg以上であると判定でき、ゲルが形成されていないとエンドトキシン含有量が0.015EU/mg未満であると判定できる。また、1mgの測定試料に替えて0.1mgの測定試料を用いると(0.1mg/mLの検体液)、同様に0.15EU/mg以上又は未満含有しているかの判定ができる。また、同様に10mgの測定試料を用いること(10mg/mLの検体液)により、0.0015EU/mg以上又は未満含有しているかが判定できる。
エンドトキシンは細菌の細胞壁等に含まれるため、細胞接着性ポリペプチドを細菌による遺伝子組み換え法で製造した場合や、細胞接着性ポリペプチドを無菌環境以外で取り扱った場合に、エンドトキシンが細胞接着性ポリペプチドに混入されることがある。このような場合、細胞接着性ポリペプチドに混入したエンドトキシンを除去する方法としては、例えば、エンドトキシン吸着アフィニティカラム、ゲル濾過カラム又は疎水性クロマトグラフィー用カラム等を用いてエンドトキシンを分離するカラム法、オートクレーブ又は乾熱滅菌器等を用いて熱によってエンドトキシンを失活させる加熱法、及び、これらの方法の組合せ等が適用できる。これらのうち、滅菌操作が簡便でエンドトキシンの除去が確実なのは、加熱法である。加熱温度としては、40℃以上が好ましく、さらに好ましくは60℃以上、特に好ましくは80℃以上であり、また、500℃以下が好ましく、さらに好ましくは300℃以下、特に好ましくは200℃以下である。加熱時間は、1秒以上が好ましく、さらに好ましくは10秒以上、特に好ましくは1分以上であり、また、5000分以下が好ましく、さらに好ましくは500分以下、特に好ましくは100分以下である。これらのエンドトキシンを除去する方法は、細胞接着性天然ポリペプチド(P1)及び細胞接着性人工ポリペプチド(P2)に利用できる。
本発明の被覆材料(N)は、細胞培養での使用時や創傷面への適用時に、培養液や創傷面に分散、溶解又は吸収され易い材料(以下、易生分解性材料(N1))、及び細胞培養での使用時や創傷面への適用時に、培養液や創傷面に分散、溶解又は吸収され難い材料(以下、難生分解性材料(N2))が使用できる。また易生分解性材料(N1)及び難生分解性材料(N2)を組み合わせて使用することもできる。これらの材料のうち、創傷面に適用する時に貼り替えが容易であり、取り扱いやすい点で、難生分解性材料(N2)が好ましい。なお、被覆材料(N)は、人体に重大な悪影響のある毒性物質を含むものは使用できない。
易生分解性材料(N1)としては、天然高分子(N1A)、合成高分子(N1B)及び無機物(N1C)等が使用できる。
天然高分子(N1A)としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、エラスチン、キチン、キトサン、フィブリン、アルギン酸、デンプン、デキストラン、アルブミン、ポリヒドロキシ酪酸、ペクチン、ペクチン酸、ガラクタン、プルラン、アガロース、セルロース、グルテン及びフィブロイン等が挙げられる。
合成高分子(N1B)としては、例えば、乳酸、ロイシン、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ジオキサノン、リンゴ酸、ラクチド及びグリコリドからなる群より選ばれた単量体を必須単量体としてなる(共)重合体(ポリグリコール酸)、並びに、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)を含まない合成ポリペプチド等が挙げられる。
無機物(N1C)としては、例えば、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウム等が用いられる。炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウム等が挙げられる。リン酸カルシウムとしては、ヒドロキシアパタイト、トリカルシウムフォスフェート及びこれらと他のリン酸カルシウム(例えば、モノカルシウムハイドロジェンフォスフェート等)との混合物等が挙げられる。
これらのうち、天然高分子(N1A)及び合成高分子(N1B)が好ましく、さらに好ましくは合成高分子(N1B)、特に好ましくは乳酸、ロイシン、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ジオキサノン、リンゴ酸、ラクチド及びグリコリドからなる群より選ばれた単量体を必須単量体としてなる(共)重合体(ポリグリコール酸)である。
難生分解性材料(N2)としては、天然高分子(N2A)、合成高分子(N2B)及び無機物(N2C)等が使用できる。天然高分子(N2A)としては、例えば、天然繊維(綿、毛、麻及び絹等)等が挙げられる。
合成高分子(N2B)としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらの変性物等)、オレフィン共重合体(エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース及び化学繊維(ビスコースレイヨン、キュプラレーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルニトリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン及びポリウレタン等)等が用いられる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
無機物(N2C)としては、例えば、金属(金、銀、プラチナ、チタン及びニッケル等)及びセラミックス(アルミナ、ジルコニア及び窒化アルミニウム等)等が用いられる。
これらのうち、取扱性等の観点から、難生分解性材料(N2)が好ましく、さらに好ましくは天然高分子(N2A)及び合成高分子(N2B)、特に好ましくはポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル及びポリアクリル酸、最も好ましくはポリウレタンである。
被覆材料(N)は、柔軟性、伸縮性、適度の水蒸気透過性、菌バリヤー性及び滅菌性を総合的に考慮して選択されるものである。被覆材料(N)の硬度は、取扱いが容易である点で、40以上が好ましく、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは60以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは90以下、特に好ましくは80以下である。なお、硬度は、JIS K6301−1995、5.2スプリング式硬さ試験(A形)に準拠して測定される。被覆材料(N)の透湿度(g/m、24hr)は、滲出液の創傷における貯留量を適度に保つため、200以上が好ましく、さらに好ましくは400以上、特に好ましくは2000以上であり、また15000以下が好ましく、さらに好ましくは10000以下、特に好ましくは7000以下である。なお、透湿度は、JIS Z0208−1976(40℃、90%RH)に準拠して測定される。
被覆材料(N)の表面の水に対する接触角(度)は、創傷治癒を促進させる観点より、15以上が好ましく、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは50以上であり、また120以下が好ましく、さらに好ましくは110以下、特に好ましくは100以下である。なお、被覆材料(N)の表面の水に対する接触角は、接触角計(例えば、協和界面科学株式会社製、CA−S150型)等を用いて測定することができる。測定条件としては、測定雰囲気温度:25±1℃、測定雰囲気相対湿度:65±5%、測定対象温度:25±1℃、液滴の液量:1.8±2μL、液滴の滴下針:18G、接触角の読み取り:滴下15±1秒後読み取りである。接触角の算出方法は、次式から算出される。
(接触角)=2tan−1{(滴下後液滴の高さ)/(滴下後液滴の半径)}
被覆材料(N)の表面の水に対する接触角は、被覆材料(N)を表面処理してコントロールすることができ、例えば、官能基(パーフルオロアルキル基、ポリオキシエチレン基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基及びアミノ基等)を付与するための化学的処理、表面に凹凸を作製するための物理的処理、蛋白質等のブロッキングによる吸着処理等が挙げられるが、これらのうち、化学的処理及び吸着処理が好ましく、さらに好ましくは化学的処理である。
化学的処理としては、例えば、SG(Soil Guard)加工やSR(Soil Release)加工(高分子薬剤入門、藤本武彦監修、三洋化成工業株式会社発行)、シランカップリング剤処理、オゾン処理、電子線処理、酸化剤処理、プラズマ処理、コロナ放電処理及びゴロー放電処理等が利用できる。物理的処理としては、例えば、ダイヤモンドヤスリ(DT−101N)で表面を研磨する方法等が利用できる他に、被覆材料(N)の成型時に所望の表面形状にすることができる。吸着処理としては、例えば、被覆材料(N)を蛋白質含有溶液中に浸漬して蛋白質を吸着させる方法等が利用できる。蛋白質としては、アルブミン等の血清由来蛋白質及びカゼイン等の乳由来蛋白質等が挙げられる。
被覆材料(N)の形状としては、創傷(褥瘡、潰瘍及び熱傷等)の治療に使用できれば特に制限はないが、例えば、シート状及び糸状等が挙げられ、これらのうち、細胞培養や創傷への適用での取り扱い易さの点から、シート状が好ましい。シートの厚さとしては、1μm以上が好ましく、さらに好ましくは5μm以上、特に好ましくは15μm以上、最も好ましくは30μm以上であり、また5cm以下が好ましく、さらに好ましくは1cm以下、特に好ましくは3mm以下、最も好ましくは500μm以下である。
シート状の形態としては、例えば、フィルム、フォーム(スポンジ)、不織布、織布、編み布及びゲル状等が挙げられる。これらのうち、フィルム及びフォームが好ましく、さらに好ましくはフィルムである。
フィルムの目付量(g/m)は、特に制限はないが、10以上が好ましく、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは30以上であり、また150以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは75以下である。フォームの密度(Kg/m)は、15以上が好ましく、さらに好ましくは40以上、特に好ましくは60以上であり、また500以下が好ましく、さらに好ましくは250以下、特に好ましくは150以下である。不織布、織物及び編み物の目付量(g/m)は、特に制限はないが、20以上が好ましく、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは50以上であり、また300以下が好ましく、さらに好ましくは200以下、特に好ましくは100以下である。
なお、フィルム及びフォームには微細な孔を全面又は一部に有していてもよい。該孔の大きさは、空気及び水蒸気が容易に通過できる程度の大きさが好ましい。この穴の大きさとしては、孔の開孔面積(mm)として、0.005以上が好ましく、さらに好ましくは0.01以上、特に好ましくは0.05以上であり、また25以下が好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下である。またこの孔の形状は円形、楕円形、三角形、四角形、多角形、及び線上(スリット)等が挙げられるが、その目的とする滲出液の創傷における貯留量を適度に保てれば、いずれの形状を用いてもよい。
本発明の創傷被覆材において、細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)は、通常、化学結合(イオン結合、水素結合及び/又は共有結合等)及び/又は物理吸着(ファンデルワールス力による吸着)によって複合化される。細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)が強固に結合される点で、化学結合が好ましく、さらに好ましくは共有結合である。
細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)とを共有結合させる方法としては、例えば、(1)(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するもの(例えば、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、システイン、リシン、セリン、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、3−アミノプロピオン酸、8−アミノオクタン酸及び20−アミノエイコサン酸などを構成単位として含む細胞接着性ポリペプチド)と(N)のうちカルボキシル基を有するもの(例えば、ポリグリコール酸、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列(X)を含まない合成ポリペプチド、ポリエチレン又はポリプロピレンの変性物、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、エラスチン、フィブリン、アルギン酸、アルブミン、ペクチン、ペクチン酸、グルテン及びフィブロイン等の被覆材料)とを反応させる方法;(2)(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものと(N)のうちヒドロキシル基を有するもの(例えば、ポリグリコール酸、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、セルロース、化学繊維、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、エラスチン、キチン、キトサン、フィブリン、アルギン酸、デンプン、デキストラン、アルブミン、ポリヒドロキシ酪酸、ペクチン、ペクチン酸、ガラクタン、プルラン、アガロース、グルテン及びフィブロイン等の被覆材料)とを反応させる方法;(3)(P)のうちヒドロキシル基を有するもの(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、チロシン、チロニン及びヒドロキシプリン等を構成単位として含む細胞接着性ポリペプチド)と(N)のうちカルボキシル基を有するものとを反応させる方法;(4)(P)のうちハロゲン原子を有するもの(例えば、アミノ基を有するハロゲン化物で修飾された細胞接着性ポリペプチド)と(N)のうちヒドロキシル基又はメルカプト基を有するもの(例えば、上記のヒドロキシル基を有するもの以外に、ヒドロキシル基の一部又は全部をメルカプト基に置き換えた構造を有する被覆材料)とを反応させる方法;及び、(5)(P)のうちビニル基を有するもの(例えば、アミノ基含有モノマーで修飾された細胞接着性ポリペプチド)と(N)のうちアミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を有するものとを反応させる方法等が挙げられる。
これらの反応は公知の方法(例えば、「ペプチド合成の基礎と実験、平成9年10月5日、丸善株式会社発行」に記載の方法等)で行うことができる。具体的には、以下の(1)〜(6)の通りである。
(1)(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものと(N)のうちカルボキシル基を有するものとを反応させる場合、(N)のカルボキシル基を予めカルボジイミド化合物と反応させ、アシルイソ尿素{R’−N=C(OCOR)−NH−R’(−OCORが(N)に由来する部分)}とした後、(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものを加えることによって、(N)に(P)を、アミド結合を形成させて導入させることができる。カルボジイミド化合物としては、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等が挙げられる。
(2)(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものと(N)のうちヒドロキシル基を有するものとを反応させる場合、(N)のヒドロキシル基を予めカルボニルジイミダゾール化合物と反応させ、イミダゾール誘導体{R−Im、Imはイミダゾリン環、Rが(N)に由来}とした後、(P)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものを加えることによって、(N)に(P)を、N−C結合を形成させて導入させることができる。カルボニルジイミダゾール化合物としては、例えばN,N’−カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。
(3)(P)のうちヒドロキシル基を有するものと(N)のうちカルボキシル基を有するものとを反応させる場合、(N)のカルボキシル基を予めカルボジイミド化合物と反応させ、アシルイソ尿素とした後、(P)のうちヒドロキシル基を有するものを加えることによって、(N)に(P)をエステル結合を形成させて導入させることができる。
(4)(P)のうちハロゲン原子を有するものと(N)のうちヒドロキシル基又はメルカプト基を有するものとを反応させる場合、両者をアルカリ化合物の存在下又は非存在下に混合することによって、(N)に(P)を、エーテル結合又はチオエーテル結合を形成させて導入させることができる。アルカリ化合物としては、例えば無機アルカリ化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等)及び有機アルカリ化合物(ジメチルアミノピリジン、アンモニア、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド及びDBU(サンアプロ社登録商標)等)等が挙げられる。
(5)(P)のうちビニル基を有するものと、(N)のうちアミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を有するものとを反応させる場合、両者をアルカリ化合物の存在下あるいは非存在下に混合し、マイケル付加させることによって、(N)に(P)を導入させることができる。
細胞接着性ポリペプチド(P)を被覆材料(N)に、物理吸着、イオン結合及び/又は水素結合させる方法としては、例えば、溶媒等に(P)と(N)とを投入し、混合して作製する方法等が挙げられる。溶媒としては特に制限はないが、無機塩、有機酸塩、アミノ酸、ビタミン、アルコール、脂質・糖、酸及び/又は塩基を0.001〜50重量%(好ましくは0.01〜10重量%)含有する水溶液、水及び体液等が使用できる。
無機塩としては、ハロゲン化金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、硝酸金属塩、炭酸金属塩及び過ハロゲン酸金属等が使用でき、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸鉄、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、硫酸銅、硫酸鉄、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸リチウム等が挙げられる。
有機酸塩としては、例えば、蟻酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム及び酒石酸ナトリウム等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン及びグリシン等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、コリン、イノシトール、ニコチンアミド、グルタミン、ビタミンA、ビタミンB12及びビタミンC等が挙げられる。
アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコール等が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及びブタノール等が挙げられる。
脂質・糖としては、例えば、脂質、単糖、2糖、オリゴ糖、アミノ糖及び酸性糖等が挙げられる。
酸としては、無機酸及び炭素数1〜6の有機酸等が使用でき、例えば、塩酸、燐酸、酢酸、蟻酸、フェノール及び硫酸等が挙げられる。
塩基としては、無機塩基及び炭素数2〜6の有機塩基等が使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア及びトリエチルアミン等が挙げられる。
水としては、蒸留水、イオン交換水、水道水及びイオン交換蒸留水等が挙げられる。
体液としては、血液、血漿、血清及び尿等が挙げられる。
これらの溶媒の中で、無機塩、酸及び/又は塩基を含有する水溶液、並びに、水が好ましく、さらに好ましくは無機塩、酸及び/又は塩基を含有する水溶液である。
本発明の創傷被覆材中の細胞接着性ポリペプチド(P)の含有量は、細胞接着性を向上させる観点より、創傷被覆材の単位面積あたり、0.1ng/cm以上が好ましく、さらに好ましくは1ng/cm以上、特に好ましくは10ng/cm以上、最も好ましくは100ng/cm以上であり、また、100mg/cm以下が好ましく、さらに好ましくは10mg/cm以下、特に好ましくは1mg/cm以下、最も好ましくは100μg/cm以下である。
単位面積あたりの細胞接着性ポリペプチド(P)の含有量の測定方法は特に限定されないが、例えば、免疫学的測定法が利用できる。具体的には、創傷被覆材の表面の一部(例えば、1cm×1cmの正方形状)を切り取り、細胞接着性ポリペプチド(P)と結合する抗体に酵素を標識したもの(以下、酵素標識抗体1)を反応させ、この反応した酵素標識抗体1の酵素量を測定することにより、単位面積あたりの細胞接着性ポリペプチド(P)の含有量を測定することができる。
酵素標識抗体1は通常、酵素と特異抗体とを化学結合させたものであり、公知の方法で化学結合できる。例えば、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素等)と特異抗体とをグルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、マレイミド法及びピリジルジスルフィド法等によって化学結合させる方法等(超高感度酵素免疫測定法、石川榮治著、株式会社学会出版センター、1993年;エンザイムイムノアッセイ、石川榮治訳、株式会社東京化学同人、1989年;及び酵素抗体法、渡辺慶一ら編、学際企画株式会社、1992年)が適用できる。また、特異抗体は細胞接着性ポリペプチド(P)に特異的に結合する抗体であり、公知の方法で作製できる。例えば、ポリクローナル抗体作製法及びモノクローナル抗体作製法(エンザイムイムノアッセイ、石川榮治訳、株式会社東京化学同人、1989年;及び酵素抗体法、渡辺慶一ら編、学際企画株式会社、1992年)等が適用できる。尚、特異抗体の交差反応性抗原に対する親和定数は小さいほど好ましく、例えば、特異抗体の細胞接着性ポリペプチド(P)への親和定数を1とした場合、交差反応性抗原に対する親和定数は、1以下が好ましく、さらに好ましくは0.1以下、特に好ましくは0.01以下である。これらの親和定数はエンザイムイムノアッセイ(石川榮治訳、株式会社東京化学同人、1989年)に記載の方法で得ることが出来る。
本発明の創傷被覆材は、必要に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法としては、例えば、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、プラズマ滅菌、γ線滅菌、アルコール滅菌、オートクレーブ滅菌、及び乾熱滅菌等が挙げられる。これらのうち、滅菌操作が簡便な点で、オートクレーブ滅菌及び乾熱滅菌が好ましい。
オートクレーブ滅菌及び乾熱滅菌する場合の加熱温度としては、40℃以上が好ましく、さらに好ましくは60℃以上、特に好ましくは80℃以上であり、また、180℃以下が好ましく、さらに好ましくは160℃以下、特に好ましくは140℃以下である。
オートクレーブ滅菌及び乾熱滅菌する場合の加熱時間としては、1秒以上が好ましく、さらに好ましくは10秒以上、特に好ましくは1分以上であり、また、5000分以下が好ましく、さらに好ましくは500分以下、特に好ましくは100分以下である。
オートクレーブ滅菌する場合の槽内圧力としては、0.002MPa以上が好ましく、さらに好ましくは0.01MPa以上、特に好ましくは0.05MPa以上であり、また、5MPa以下が好ましく、さらに好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.2MPa以下である。
本発明の創傷被覆材は、創傷治癒を促進させるため、細胞増殖因子(G1)及び/又は細胞増殖因子結合物質(G2)を含有させることが好ましい。
細胞増殖因子(G1)としては、細胞の増殖を促進する物質、例えば、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、コンドロモジュリン、テノモジュリン、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチド等の生理活性ポリペプチド等が用いられる(例えば、財団法人名古屋大学出版会発行「上田実編ティッシュエンジニアリング」(1999年)に記載)。
これらの細胞増殖因子(G1)の中で、適用できる組織細胞の範囲が広く、治癒期間がより短縮できるという観点から、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、骨形成因子、インターロイキン及び腫瘍壊死因子が好ましく、さらに好ましくは線維芽細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、インターロイキン及び腫瘍壊死因子である。
細胞増殖因子結合物質(G2)としては、イオン結合等によって細胞増殖因子と結合可能な物質であり、例えば、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸、ゼラチン、コラーゲン、ポリ乳酸、アガロース及びアルギン酸等が用いられる(例えば、財団法人名古屋大学出版会発行「上田実編ティッシュエンジニアリング」(1999年)や、株式会社羊土社発行「細胞接着のしくみと疾患」(1998年)に記載)。
なお、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸、ゼラチン、コラーゲン、ポリ乳酸又はアルギン酸には、これらのアルカリ金属(リチウム、カリウム及びナトリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩又はアンモニウム塩を含む。
これらの細胞増殖因子結合物質の中で、適用できる組織細胞の範囲が広く、治癒期間がより短縮できるという観点から、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸及びゼラチンが好ましく、さらに好ましくは、ヘパリン、ヒアルロン酸及びゼラチンである。
細胞増殖因子(G1)及び/又は細胞増殖因子結合物質(G2)は、通常、被覆材料(N)に結合された状態で存在する。その結合は、上記の細胞接着性ポリペプチド(P)と被覆材料(N)の結合と同様の化学結合及び/又は物理吸着が使用でき、好ましい化学結合及び/又は物理吸着も同様である。
本発明の創傷被覆材中の細胞増殖因子(G1)及び/又は細胞増殖因子結合物質(G2)の含有量は、治癒期間の短縮という観点から、本発明の創傷被覆材の単位面積あたり、0.01pg/cm以上が好ましく、さらに好ましくは0.1pg/cm以上、特に好ましくは1pg/cm以上、最も好ましくは10pg/cm以上であり、また、100μg/cm以下が好ましく、さらに好ましくは10μg/cm以下、特に好ましくは1μg/cm以下、最も好ましくは0.1μg/cm以下である。なお、細胞増殖因子(G1)及び細胞増殖因子結合物質(G2)を含有する場合、これらの含有量比(G1/G2)は、0.00001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0001以上、特に好ましくは0.001以上、最も好ましくは0.01以上であり、また、1000以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは1以下である。
単位面積あたりの細胞増殖因子(G1)及び/又は細胞増殖因子結合物質(G2)の含有量の測定方法は特に限定されないが、例えば、免疫学的測定法が利用できる。具体的には、創傷被覆材の表面の一部(例えば、1cm×1cmの正方形状)を切り取り、(G1)及び/又は(G2)と結合する抗体に酵素を標識したもの(以下、酵素標識抗体2)を反応させ、この反応した酵素標識抗体2の酵素量を測定することにより、単位面積あたりの(G1)及び/又は(G2)の含有量を測定することができる。尚、酵素標識抗体2は上記の酵素標識抗体1と同様にして作製できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
細胞接着性ポリペプチド[P2−1]の準備
特表平3−502935号公報中の実施例記載の方法に準じて、Arg Gly Asp配列と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列(40)とを各々約13個有し、数平均分子量約10万のペプチド”SLPF”を遺伝子組み換え大腸菌により製造し、カラムクロマトグラフィーにて精製して細胞接着性ポリペプチド[P2−0]を得た。さらに、この[P2−0]をオートクレーブ滅菌(120℃、20分)することにより、細胞接着性ポリペプチド[P2−1]を得た。
難生分解性材料[N2]の準備
水性ウレタン(商品名:パーマリンUA200、三洋化成工業株式会社製)の6.67gとイオン交換水の3.33gを混合し、ウレタン水溶液を調製した。このウレタン水溶液を、縦20cm×横20cm×高さ1mmのポリプロピレンシート(株式会社メディカルエイジェント製)上に投入し、室温(約25℃)に放置した。室温放置24時間後に、順風乾燥機中で120℃、1時間乾燥した。乾燥後、ポリプロピレンシート上に形成されたウレタンフィルムを、ポリプロピレンシートから剥離し、難生分解性材料[N2]を得た。
創傷被覆材[S1]の調製
細胞接着性ポリペプチド[P2−1]の1mgを4.5M過塩素酸リチウム水溶液の1mLに溶解し、さらに、99.5%の塩化ナトリウムを0.85重量%で含有する0.02M,pH7.2のリン酸緩衝液(以下、PBS)で20倍希釈して、P2−1水溶液(50μg/mL)を作製した。このP2−1水溶液の50mLと難生分解性材料[N2]の10cm×10cmとをガラスシャーレに投入し、25℃で1時間静置させ、[N2]に[P2−1]を吸着させた。最後に、[P2−1]が吸着した[N2]を100mLのイオン交換水で5回洗浄し、37℃の順風乾燥機の中で12時間乾燥させ、創傷被覆材[S1]を調製した。(P2−1の付着量(含有量):0.5μg/cm
創傷被覆材[S1]の細胞接着性ポリペプチド[P2−1]の付着量(含有量)は、以下の手順で測定した。
(1)細胞接着性ポリペプチド[P2−1]の付着量(含有量)が既知の標準創傷被覆材[H1]及び付着量が未知の創傷被覆材[S1]を各々1cm×1cmの正方形状に切り取り、牛血清アルブミンを1重量%で含有するPBSの3mL中に1枚を投入し、室温(25℃)で2時間浸漬した。
尚、標準創傷被覆材の調製は、上記の創傷被覆材[S1]の調製と同様に行うが、付着量は、細胞接着性ポリペプチドが付着後のP2−1水溶液を濃縮、凍結乾燥して、未付着の細胞接着性ポリペプチド重量を求め、付着前の細胞接着性ポリペプチド重量から未付着の細胞接着性ポリペプチド重量を差し引くことにより求めた。
(2)各創傷被覆材を取り出し、ペルオキシダーゼ標識抗P2−1抗体を10μg/mL、牛血清アルブミンを1重量%及びTween20を0.2重量%で含有するPBSの2mL中に各創傷被覆材1枚を投入し、37℃で2時間反応した。反応後、Tween20を0.2重量%で含有するPBSの5mLで各創傷被覆材を3回洗浄した。
尚、ペルオキシダーゼ標識抗P2−1抗体の調製は、ポリクローナル抗体作製法(エンザイムイムノアッセイ、石川榮治訳、株式会社東京化学同人、1989年)にしたがってウサギに細胞接着性ポリペプチド[P2−1]を免役して抗P2−1抗体を得て、その抗P2−1抗体とペルオキシダーゼ(東洋紡績株式会社製)とをマレイミド法(エンザイムイムノアッセイ、石川榮治訳、株式会社東京化学同人、1989年)によって結合させることにより、ペルオキシダーゼ標識抗P2−1抗体を得た。
(3)各創傷被覆材を取り出し、OLYDAS専用試薬の発色液セット(三洋化成工業株式会社製)の0.2mLとイオン交換水の1.8mLとの混合液中に各創傷被覆材1枚を投入し、37℃で1時間反応した。反応後、380nmの波長で吸光度測定した。
(4)標準創傷被覆材[H1]の吸光度を用いて検量線を作成し、その検量線から、創傷被覆材[S1]の付着量を得た。以下、同様にしてポリペプチドの付着量を測定した。
<実施例2>
創傷被覆材[S2]の調製
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(シグマ社製)の0.479gを50mLのイオン交換水に溶解し、カルボジイミド水溶液を作製した。このカルボジイミド水溶液の50mLと難生分解性材料[N2]の10cm×10cmとをガラスシャーレに投入し、25℃で1時間静置した。その後、100mLのイオン交換水で5回洗浄した。次に、P2−1水溶液の50mLを投入し、25℃で1時間静置させ、[N2]に[P2−1]を結合させた。最後に、[P2−1]が結合した[N2]を100mLのイオン交換水で5回洗浄し、37℃の順風乾燥機の中で12時間乾燥させ、創傷被覆材[S2]を調製した。(P2−1の付着量(含有量):1μg/cm
<実施例3>
創傷被覆材[S3]の調製
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(シグマ社製)の0.479gを50mLのイオン交換水に溶解し、カルボジイミド水溶液を作製した。このカルボジイミド水溶液の50mLと難生分解性材料[N2]の10cm×10cmとをガラスシャーレに投入し、25℃で1時間静置した。その後、100mLのイオン交換水で5回洗浄した。次に、P2−1水溶液の50mLを投入し、25℃で1時間静置させ、[N2]に[P2−1]を結合させた。その後、100mLのイオン交換水で5回洗浄した。さらに、細胞増殖因子(G1)である線維芽細胞増殖因子(ベクトンディッキンソン社製)[G1−1]を50ng/mLで含む細胞増殖因子含有水溶液[GS11]50mLを投入し、25℃で1時間静置させ、[N2]に[G1−1]を結合させた。その後、100mLのイオン交換水で5回洗浄し、創傷被覆材[S3]を調製した。(P2−1の付着量:1μg/cm
<実施例4>
創傷被覆材[S4]の調製
実施例3の細胞増殖因子含有水溶液[GS11]の代わりに、細胞増殖因子(G1)であるインターロイキン2(ベクトンディッキンソン社製)[G1−2]を5ng/mLで含む細胞増殖因子含有水溶液[GS12]を使用し、実施例3と同様にして、創傷被覆材[S4]を調製した。(P2−1の付着量:1μg/cm
<実施例5>
創傷被覆材[S5]の調製
実施例3の細胞増殖因子含有水溶液[GS11]の代わりに、細胞増殖因子結合物質(G2)であるヘパリンナトリウム(ナカライテスク株式会社製)[G2−1]を50ng/mLで含む細胞増殖因子結合物質含有水溶液[GS21]を使用し、実施例3と同様にして、創傷被覆材[S5]を調製した。(P2−1の付着量:1μg/cm
<実施例6>
創傷被覆材[S6]の調製
実施例3の細胞増殖因子含有水溶液[GS11]の代わりに、細胞増殖因子結合物質であるヒアルロン酸[G2−2](ICNバイオメディカル社製)を50ng/mLで含む細胞増殖因子結合物質含有水溶液[GS22]を使用し、実施例3と同様にして、創傷被覆材[S6]を調製した。(P2−1の付着量:1μg/cm
<実施例7>
細胞接着性ポリペプチド[P2−2]の準備
N,N’−カルボニルジイミダゾール(和光純薬株式会社製)の0.096gをジメチルスルフォキシド5mLに溶解したものに、実施例1で得られた細胞接着性ポリペプチド[P2−1]10mgを投入し、37℃で10分間反応させた。
次にエチレンジアミン0.107gを加え、37℃で20時間反応させた。反応後、透析チューブに投入し、1Lのイオン交換水で2時間の透析を5回行い、細胞接着性ポリペプチド[P2−2]を得た。(P2−2の修飾されたアミノ基の個数:60個/分子)
尚、P2−2の修飾されたアミノ基の個数は、以下の手順で測定した。
(1)L−リジンの0mg,10mg,30mg,100mgを0.6M,pH9.5の炭酸緩衝液(以下、CB)の1Lに各々溶解して標準系列とした。またP2−1およびP2−2の1mgをCBの1mLに各々溶解して、それぞれ検体液1、検体液2とした。
(2)ガラス試験管中に標準系列、検体液1及び検体液2を各々100μL/試験管で投入し、さらに2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(TNBS)を7.2mg重量%で含む水溶液を20μL/試験管で加えて攪拌し、室温(25℃)で2時間放置した。
(3)2時間後、イオン交換水を1mL/試験管で加え、367nmで吸光度測定した。
(4)標準系列の吸光度とアミノ基の個数と検量線を作成し、その検量線から、検体液1及び検体液2のアミノ基の個数を算出し、検体液2の個数から検体液1の個数を差し引くことで、修飾されたアミノ基の個数とした。以下同様にしてアミノ基の個数を定量した。
創傷被覆材[S7]の調製
実施例2のP2−1水溶液の代わりに、細胞接着性ポリペプチド[P2−2]を50μg/mLで含むPBS(P2−2水溶液)を使用し、実施例2と同様にして創傷被覆材[S7]を調製した。(P2−2の付着量:1μg/cm
<実施例8>
創傷被覆材[S11]の調製
実施例3の細胞増殖因子含有水溶液[GS11]の代わりに、ポリエチレンイミン(和光純薬工業株式会社製)を100μg/mLで含むポリエチレンイミン水溶液[GS13]を使用し、実施例3と同様にして、創傷被覆材[S11]を調製した。(P2−1の付着量:1μg/cm
<実施例9>
細胞接着性ポリペプチド[P2−3]の準備
N,N’−カルボニルジイミダゾール(和光純薬株式会社製)の0.096gをジメチルスルフォキシド5mLに溶解したものに、実施例1で得られた細胞接着性ポリペプチド[P2−1]10mgを投入し、37℃で10分間反応させた。次にポリエチレンイミン0.357gを加え、37℃で20時間反応させた。反応後、透析チューブに投入し、1Lのイオン交換水で2時間の透析を5回行い、細胞接着性ポリペプチド[P2−3]を得た。(P2−3の修飾されたアミノ基の個数:3個/分子)
創傷被覆材[S12]の調製
実施例2のP2−1水溶液の代わりに、細胞接着性ポリペプチド[P2−3]を100μg/mLで含むPBS(P2−3水溶液)を使用し、実施例2と同様にして創傷被覆材[S12]を調製した。(P2−3の付着量:1μg/cm
<比較例1>
創傷被覆材[S8]の調製
実施例1の難生分解性材料[N2]を、そのまま創傷被覆材[S8]とした。
<比較例2>
創傷被覆材[S9]の調製
コラーゲンフィルム(株式会社高研製、厚さ約1mm)を、そのまま創傷被覆材[S9]とした。
<比較例3>
創傷被覆材[S10]の調製
実施例1の「創傷被覆材[S1]の調製」において、細胞接着性ポリペプチド[P2−0]のオートクレーブ滅菌を省略する以外は、実施例1と同様にして調製し、創傷被覆材[S10]を調製した。
<評価1(エンドトキシン濃度)>
細胞接着性ポリペプチド[P2−0]、細胞接着性ポリペプチド[P2−1]、細胞接着性ポリペプチド[P2−2]及び細胞接着性ポリペプチド[P2−3]を、エンドトキシン含有量測定用の測定試料とした。この測定試料の各々について、1mg及び0.1mgを脱塩蒸留水(無菌)(和光純薬工業株式会社製)1mLに投入して、1mg/mL及び0.1mg/mLの検体液を調製した。また測定キットとして、エンドトキシンの検出感度が0.015EU/mLのリムルスES−2シングルテストワコー(和光純薬工業社製)を用い、測定キットの使用説明書に従って検体液を測定した。
<評価結果1>
細胞接着性ポリペプチド[P2−0]は、1mg/mL及び0.1mg/mLの検体液の両方ともゲルが形成され(エンドトキシン陽性)、測定試料のエンドトキシン含有量は、0.015EU/0.1mg以上、即ち0.15EU/mg以上であった。
細胞接着性ポリペプチド[P2−1]、[P2−2]及び[P2−3]は、1mg/mL及び0.1mg/mLの検体液の両方ともゲルが形成されず(エンドトキシン陰性)、測定試料のエンドトキシン含有量は、0.015EU/mg未満であった。
<評価2(細胞培養A)>
実施例1〜7、比較例1〜3の創傷被覆材[S1]〜[S10]を各々1cm×1cmの大きさに切り取ったものを、24穴ポリスチレンプレート(ベクトンディッキンソン社製)の底面に1枚/穴で投入し、創傷被覆材の四隅をビニールテープで底面に貼付した後に、クリーンベンチ中でUV照射を8時間行い、滅菌した。なお、1種類の創傷被覆材につき、4穴分を使用し、4穴分同じ操作を行った。以下同様である。
次に、正常ヒト皮膚線維芽細胞増殖用低血清培地(倉敷紡績株式会社製)1mL及び正常ヒト皮膚線維芽細胞(倉敷紡績株式会社製)2万個を、24穴ポリスチレンプレート1穴に投入して、37℃、CO濃度5容量%のインキュベーター中にて3日間の細胞培養を行った。
培養3日後に、創傷被覆材[S1]〜[S10]をプレートの底面から各々剥がし、新しい24穴ポリスチレンプレートの底面に創傷被覆材[S1]〜[S10]を1枚/穴で投入し、さらに0.25重量/容量%のトリプシン溶液(100mL中に0.25gのトリプシンが溶解されている溶液、商品名:Trypsin−EDTA、インビトロジェン株式会社製)を200μL/穴で投入して、25℃で3分間放置した。
3分後に、牛胎児血清(ギブコBRL社製)を20μL/穴で投入し、ピペットで吸排することで混合液にした。その混合液の20μL、NaClを0.85重量%で含有するリン酸緩衝液(0.02M,pH7.2)の30μL及びテトラカラーワン(生化学工業社製)の10μLを、96穴ポリスチレンプレート(ベクトンディッキンソン社製)の1穴に投入し、37℃、CO濃度5容量%のインキュベーター中にて4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を492nm(対照波長630nm)の吸光度で分光光度計を用いて測定し、この値を細胞活性とした。細胞活性は、当該吸光度の高さに比例する。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々4穴分の平均データである。)。なお、テトラカラーワンのテトラゾリウム塩が細胞内ミトコンドリアのデヒドロゲナーゼにより還元されて、ホルマザンを生成することにより発色する。また、比較例2の創傷被覆材[S9]は、培養3日後に創傷被覆材をプレートの底面から剥がすことが形状の崩壊によりできず、細胞活性は測定できなかった。
表1の結果から、本発明の創傷被覆材S1〜S7は、比較例の創傷被覆材S8〜S10に比べて、創傷被覆材に接着される細胞の細胞活性が極めて高いことが判る。また、本発明の創傷被覆材は、比較例2のような形状の崩壊は生じなかった。
<評価3(細胞培養B)>
実施例2、8、9、比較例1の創傷被覆材[S2]、[S11]、[S12]、[S8]の各々を直径1cmの大きさに切り取り、クリーンベンチ中でUV照射を8時間行って滅菌した。
一方で、三次元培養組織構築キットのPreTissue−Dermal(東洋紡績株式会社製)を用いて本キットの取扱説明書にしたがって、培養真皮を作製した。作製後、本キットで使用されている血清培地を無血清培地であるDMEM培地(ICN Biomedicals社製)へ培地交換して、無血清環境下の培養真皮とした。
この培養真皮の上面に、上記の創傷被覆材[S2]、[S11]、[S12]、[S8]を被せ37℃、CO濃度5容量%のインキュベーター中にて5日間の細胞培養を行った。培養5日後に、創傷被覆材[S2]、[S11]、[S12]、[S8]を培養真皮の上面から各々剥がし、新しい24穴ポリスチレンプレートの底面に創傷被覆材[S2]、[S11]、[S12]、[S8]を1枚/穴で投入し、さらにPBSを125μL/穴およびテトラカラーワン(生化学工業社製)を25μL/穴で投入し、37℃、CO濃度5容量%のインキュベーター中にて4時間放置した。4時間後に、ホルマザン生成量を492nm(対照波長630nm)の吸光度で分光光度計を用いて測定し、この値を細胞活性2とした。細胞活性2は、当該吸光度の高さに比例する。これらの結果を表2に示す(これらの結果は各々4穴分の平均データである。)。
表2の結果から、本発明の創傷被覆材S2、S11、S12は、比較例の創傷被覆材S8に比べて、培養真皮から創傷被覆材に遊走される細胞の細胞活性が極めて高いことが判る。
<評価4(動物実験A)>
DMマウス(C57BLK Jcl db/db、日本クレア株式会社製)に対し、ジエチルエーテルによる吸気麻酔を実施し、フェザー剃刀を用いて背部全面を剃毛し、その中央部に円形(直径1cm)の全層皮膚欠損創を作製した。なお、DMマウスは、糖尿確認用ストリップ(ウロピース、藤沢薬品工業株式会社製)を用いて、糖尿病発症が確認されているものを使用した。
実施例2の創傷被覆材[S2]、比較例1の創傷被覆材[S8]及び比較例2の創傷被覆材[S9]を各々2cm×2cmの大きさに切り取ったものを、粘着フィルム(商品名:マルチフィックス、アルケア株式会社製)に貼り合わせ、創傷被覆材側が該創面に当たるように貼り付けし、さらに創面との密着性を上げるための脱脂綿を重ね、粘着性バンデージ(商品名:シルキーテックス、アルケア株式会社製)で体幹部全周を巻き付け、固定した。
生育環境は室温24℃、飼料、給水ともに自由摂取状態とした。観察点は14日目として、14日目に創傷治療材料を創面から取り外し、対象となる再生組織を含む創傷全体を再生組織下に存在する筋層を含め実験動物より採取し、固定、パラフィン包埋処理を実施し、組織切片を作製した。作製された組織切片をヘマトキシリン・エオジン染色(H−E染色)処理し、再生組織を評価した。この再生組織の写真を図1(創傷被覆材[S2])及び図2(創傷被覆材[S8])に示す。
なお、肉眼所見において、創傷被覆材[S2]及び創傷被覆材[S8]を用いた創面には感染が生じていなかったが、創傷被覆材[S9]を用いた創面には感染が生じていた。また、創傷被覆材[S9]は組織との癒合により組織採取が不可能であった。
図1より、実施例2の本発明の創傷被覆材[S2]を用いたものは、再生組織、細胞浸潤が多く見られ、再生組織内のマトリックス産生を多量に認める良好な再生状態と言える。
図2より、比較例1の創傷被覆材[S8]を用いたものは、再生組織及び細胞浸潤が乏しく、再生状態は不良と言える。
<評価5(動物実験B)>
(1)実施例8の創傷被覆材[S11]の適用
創傷被覆材[S2]、[S8]及び[S9]に代えて、実施例8で調製した創傷被覆材[S11]を用い、全層皮膚欠損創の大きさを直径1cmから直径1.4cmに変更したこと及び粘着フィルムをジョンソン&ジョンソン社製のバイオクルーシブ(商品名)に変更したこと以外は、評価4(動物実験A)と同様にして、DMマウスを生育して創傷治癒の動物実験を開始した。なお開始後3日目に創傷被覆材を創面から取り外し、再度、粘着フィルムと共に創傷被覆材[S11]を適用した。
(2)比較例1の創傷被覆材[S8]およびトラフェルミン溶液の適用:
医薬品の褥瘡・皮膚潰瘍治療剤であるフィブラストスプレー250(科研製薬株式会社製)の250μgを2.5mLの生理食塩水に溶解し、100μg/mLのトラフェルミン溶液を調製した。
創傷被覆材[S11]に代えて、比較例1で調製した創傷被覆材[S8]を用い、創傷被覆材を粘着フィルムと共に張り合わせる前に、トラフェルミン溶液の0.2mL(トラフェルミン20μgに相当)を上記の全層皮膚欠損創にピペットで滴下すること以外は、上記(1)と同様にして、DMマウスを育成し創傷治癒の動物実験を開始した。
なお開始後3日目に創傷被覆材を創面から取り外した後、トラフェルミン溶液0.2mLを欠損創に滴下し、再度、粘着フィルムと共に創傷被覆材[S8]を適用した。
(3)創傷治癒状態の観察
観察日は7日目および14日目として、観察日に創傷被覆材を創面から取り外し、創面の肉眼観察を行った。その写真を図3(7日目、創傷被覆材[S11])、図4(7日目、創傷被覆材[S8]およびトラフェルミン溶液)、図5(14日目、創傷被覆材[S11])及び図6(14日目、創傷被覆材[S8]およびトラフェルミン溶液)に示す。
7日目の結果として、実施例8の本発明の創傷被覆材[S11]を用いたものは、創縁全周囲からの表皮形成が認められた(図3)。一方比較例1の創傷被覆材[S8]およびトラフェルミン溶液を用いたものは、表皮形成が認められなかった(図4)。
14日目の結果として、実施例8の本発明の創傷被覆材[S11]を用いたものは、創面全体に表皮形成が認められた(図5)。一方、比較例1の創傷被覆材[S8]およびトラフェルミン溶液を用いたものは、創面の一部には表皮形成が認められたが創面全体には表皮形成が認められなかった(図6)。
本発明の創傷被覆材は、創緑部等に含まれる細胞や創傷より滲出する滲出液等に含まれる細胞が本発明の創傷被覆材に接着することにより、良好な創傷治療効果を発揮する。特に表皮形成の点では驚異的な効果を示す。
本発明の創傷被覆材に接着可能な細胞としては、ヒト由来の細胞が適しており、例えば、皮膚に関与する細胞(上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞及び平滑筋細胞等)、血管に関与する細胞(血管内皮細胞、平滑筋細胞及び線維芽細胞等)、筋肉に関与する細胞(筋肉細胞等)、脂肪に関与する細胞(脂肪細胞等)、神経に関与する細胞(神経細胞等)、肝臓に関与する細胞(肝実質細胞等)、膵臓に関与する細胞(膵ラ島細胞等)、腎臓に関与する細胞(腎上皮細胞、近位尿細管上皮細胞及びメサンギウム細胞等)、肺・気管支に関与する細胞(上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞及び平滑筋細胞等)、目に関与する細胞(視細胞、角膜上皮細胞及び角膜内皮細胞等)、前立腺に関与する細胞(上皮細胞、間質細胞及び平滑筋細胞等)、骨に関与する細胞(骨芽細胞、骨細胞及び破骨細胞等)、軟骨に関与する細胞(軟骨芽細胞及び軟骨細胞等)、歯に関与する細胞(歯根膜細胞及び骨芽細胞等)、血液に関与する細胞(白血球及び赤血球等)、及び幹細胞{例えば、骨髄未分化間葉系幹細胞、骨格筋幹細胞、造血系幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞(oval cell、small hepatocyte等)、脂肪組織幹細胞、胚性幹(ES)細胞、表皮幹細胞、腸管幹細胞、精子幹細胞、胚生殖幹(EG)細胞、膵臓幹細胞(膵管上皮幹細胞等)、白血球系幹細胞、リンパ球系幹細胞、角膜系幹細胞、前駆細胞(脂肪前駆細胞、血管内皮前駆細胞、軟骨前駆細胞、リンパ球系前駆細胞、NK前駆細胞等)等}等が挙げられる。
本発明の創傷被覆材の創傷面への適用としては、創傷面に被覆できれば制限なく適用でき、例えば、接着剤若しくは粘着剤付きのカバー、包帯、伸縮自在メッシュ又は眼帯等を用いて固定してもよく、縫合又は接着してもよい。また、創傷が潰瘍等の慢性創傷の場合、黄色期から赤色期の創傷への適用が好ましく、また創傷が熱傷や外傷性皮膚欠損症等の急性創傷の場合、炎症期から肉芽形成期の創傷への適用が好ましい。
さらに、本発明の創傷被覆材は、上記の細胞を体外で培養するための基材としても適用できる。
実施例2で得た本発明の創傷被覆材[S2]を用いた<評価4(動物実験A)>における組織切片の顕微鏡写真(倍率45倍)である。 比較例1で得た比較用の創傷被覆材[S8]を用いた<評価4(動物実験A)>における組織切片の顕微鏡写真(倍率45倍)である。 実施例8で得た本発明の創傷被覆材[S11]を用いた<評価5(動物実験B)>における7日目の創面の写真(倍率3倍)である。 比較例1で得た比較用の創傷被覆材[S8]を用いた<評価5(動物実験B)>における7日目の創面の写真(倍率3倍)である。 実施例8で得た本発明の創傷被覆材[S11]を用いた<評価5(動物実験B)>における14日目の創面の写真(倍率3倍)である。 比較例1で得た比較用の創傷被覆材[S8]を用いた<評価5(動物実験B)>における14日目の創面の写真(倍率3倍)である。

Claims (5)

  1. エンドトキシンの含有量が細胞接着性ポリペプチド(P)の重量に基づいて0.15EU/mg未満である細胞接着性ポリペプチド(P)と、アミノ基及び/又はアンモニオ基を含有する化合物(AM)と、被覆材料(N)とからなり、
    前記細胞接着性ポリペプチド(P)がArg Gly Asp配列と(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) 配列(40)とを各々13個有し、数平均分子量10万のペプチドであり、
    前記化合物(AM)は、エチレンジアミン又はポリエチレンイミンであり、
    前記細胞接着性ポリペプチド(P)が前記化合物(AM)で修飾されているか、又は、前記被覆材料(N)に前記化合物(AM)が結合していることを特徴とする創傷被覆材。
  2. 被覆材料(N)が難生分解性材料(N2)である請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 細胞接着性ポリペプチド(P)が細胞接着性人工ポリペプチド(P2)である請求項1又は2に記載の創傷被覆材。
  4. 細胞接着性ポリペプチド(P)が被覆材料(N)に化学結合されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  5. さらに、細胞増殖因子(G1)及び/又は細胞増殖因子結合物質(G2)を含んでなる請求項1〜のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
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