JP2005329296A - 微粒子で構成される膜の再生方法および再生された膜のカスケード型リサイクル用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】
タンパクを主成分とした有機物質で目詰り状態の中空糸膜を安全に不活化再生処理し、濾過材料として再利用できる膜にリサイクルする方法を提供する。
【解決手段】
特定された孔構造を持つ膜に対して(1)膨潤性水溶液での不活化処理工程後(2)キャピラリー孔の目詰り除去処理工程後(3)ボイド孔の目詰り除去処理工程さらに(4)膨潤性水溶液での逆洗工程で構成される再生処理により物質透過性能を回復させることによってカスケード型リサイクル膜としてこの膜を再利用する。
タンパクを主成分とした有機物質で目詰り状態の中空糸膜を安全に不活化再生処理し、濾過材料として再利用できる膜にリサイクルする方法を提供する。
【解決手段】
特定された孔構造を持つ膜に対して(1)膨潤性水溶液での不活化処理工程後(2)キャピラリー孔の目詰り除去処理工程後(3)ボイド孔の目詰り除去処理工程さらに(4)膨潤性水溶液での逆洗工程で構成される再生処理により物質透過性能を回復させることによってカスケード型リサイクル膜としてこの膜を再利用する。
Description
本発明はタンパク水溶液をろ過して目詰りした膜を再生分離用として利用できるように再生する処理方法および処理された再生膜をカスケード型リサイクル品として利用することに関する。
従来より、透析型人工腎臓あるいはウイルス除去膜などに認められるようにタンパク水溶液をろ過あるいは透析(透析型人工腎臓でも実
際には膜間差圧によりろ過が行われている。)に利用された中空糸膜は1回限り(シングルユース)で、使用後廃棄されている。この廃棄の理由は(1)使用後の膜はウイルスや細菌による汚染により安全性対策上の問題、(2)ろ過性能が使用前に比較して低下している事の二点にある。
前者の理由が適用されるのはウイルス除去用中空糸膜および人工腎臓用中空糸膜である。一方後者の理由は除菌用あるいは除ウイルス用
中空糸膜の場合に適用できる。タンパクをろ過対象とする分野では膜を再生して使用することが(1),(2)の理由でタブー視されている。中空糸膜に比較して平面状態(平膜と略称)では目詰りの進行が著しく、そのため再生は不可能と考えられていた。
際には膜間差圧によりろ過が行われている。)に利用された中空糸膜は1回限り(シングルユース)で、使用後廃棄されている。この廃棄の理由は(1)使用後の膜はウイルスや細菌による汚染により安全性対策上の問題、(2)ろ過性能が使用前に比較して低下している事の二点にある。
前者の理由が適用されるのはウイルス除去用中空糸膜および人工腎臓用中空糸膜である。一方後者の理由は除菌用あるいは除ウイルス用
中空糸膜の場合に適用できる。タンパクをろ過対象とする分野では膜を再生して使用することが(1),(2)の理由でタブー視されている。中空糸膜に比較して平面状態(平膜と略称)では目詰りの進行が著しく、そのため再生は不可能と考えられていた。
本発明でいうタンパク水溶液をろ過して目詰りした膜とは(1)血液や血漿などのように複雑なタンパク組成を持つ水溶液であり、タンパクを主成分とする液に対して膜間差圧を駆動力としたろ過による水分移動がなされた膜(例、人工腎臓用中空糸膜、血漿分画用膜、血漿分画製剤の精製用に用いた膜),(2)タンパク濃度は15重量%以下で、タンパク水溶液中の細菌やウイルスを含めた異種微粒子除去用としてろ過用材料として利用された膜(ウイルス除去膜、細菌除去フィルター),(3)その他牛乳などのタンパク水溶液あるいは醗酵後の水溶液の精製用として食品製造工程で利用された膜を意味する、(1)〜(3)の膜のすべてにおいて目詰りの進んだ程度は同一ではなく(1)の場合には他の場合と比較して目詰りの程度は低い。(2)(3)の場合ではろ過速度て表現するとろ過初期の値のほぼ1/10以下になった時点の膜である。(3)の膜の場合では目詰りした中空糸膜に対しては再生する試みがある。この場合に目詰りの機構として膜表面でのファーリングと膜表面おける濃度分極によって起るゲル層が考えられる。この場合の再生処理方法としては膜表面の異物の除去が試みられる。
例えばシュウ酸による膜表面洗浄、あるいはスポンジによる膜表面の異物除去、純水を用いた膜表面洗浄による濃厚溶液層の除去、逆洗により膜表面での孔の入り口の目詰り成分を除去する方法が提案されている。これらの方法でろ過速度は一時的には回復するが、回復後の経時的なろ過速度の減少が新膜に較べてはるかに早く、再生の効率は必ずしも良くない。
中空糸膜の孔構造と目詰り機構との関連を検討した結果、目詰りの進行は2種の機構すなわち(a)キャピラリー孔の塞栓型目詰りと(b)ボイド孔内での滞留堆積型の目詰りで進行し、両者は膜の表面のみでなく膜の内部でも進行していることを明らかにした。この目詰り機構は平膜でも適用され、平膜では特に膜表面近傍で顕著に進行する。この発見によって本発明に至った。ここでキャピラリー孔とは中空糸膜を構成する1次粒子(直径約15nm)と1次粒子が疑集することによって生じる2次粒子(直径75nm〜300nm)の粒子間隙であり、この間隙の大きさは粒子径の約1/7である。ボイド孔とはこの1次粒子または2次粒子が欠損して生じる孔である。水溶液中に溶解している高分子(タンパクなど)はその大きさがはるかに大きいボイド孔にも堆積し滞留する。この機構も目詰りによるろ過速度の減少に寄与する。
中空糸膜の孔構造と目詰り機構との関連を検討した結果、目詰りの進行は2種の機構すなわち(a)キャピラリー孔の塞栓型目詰りと(b)ボイド孔内での滞留堆積型の目詰りで進行し、両者は膜の表面のみでなく膜の内部でも進行していることを明らかにした。この目詰り機構は平膜でも適用され、平膜では特に膜表面近傍で顕著に進行する。この発見によって本発明に至った。ここでキャピラリー孔とは中空糸膜を構成する1次粒子(直径約15nm)と1次粒子が疑集することによって生じる2次粒子(直径75nm〜300nm)の粒子間隙であり、この間隙の大きさは粒子径の約1/7である。ボイド孔とはこの1次粒子または2次粒子が欠損して生じる孔である。水溶液中に溶解している高分子(タンパクなど)はその大きさがはるかに大きいボイド孔にも堆積し滞留する。この機構も目詰りによるろ過速度の減少に寄与する。
[特許文献1] 特開2003―251157「中空糸膜モジュールの洗浄方法」
膜表面に付着した物質を除去するのに(1)逆洗(2)中空糸膜表面を微細気泡洗浄し(3)中空糸膜表面をエアバルブで洗浄する
[特許文献2] 特開平11−114384「中空糸膜モジュールの洗浄方法」
中空糸膜表面に薬液を通液循環後中空部を加熱して薬液をろ過する
[特許文献3] 特開平10−174848「中空糸膜の洗浄方法及び洗浄剤」
ハイト゛ロクルオロエーテルにより中空糸膜中の油状物質のみを選択上に除去する洗浄方法
[特許文献4] 特開平09−141068「中空糸膜の洗浄方法」
0,01〜1重量%の界面活性剤と0,1重量以上のアルカリ状物質とを含む水溶液中に中空糸膜を浸漬することにより膜表面の汚染有機物を加水分解除去を可能にする。
[特許文献5] 特開平05−057161「中空糸膜製ろ材の再生方法」
油汚染の中空糸の再生方法として、膜表面と 付着した油をケン化反応で除去する
[非特許文献1] 納崎克也、永田正典、中根堯、瀬口雄大、豊田稔、柳下宏著「めっき洗浄排水の再生に用いた低圧逆浸透膜の洗浄方法」、膜、28巻6号、288−295頁(2003)
膜表面に付着した物質を除去するのに(1)逆洗(2)中空糸膜表面を微細気泡洗浄し(3)中空糸膜表面をエアバルブで洗浄する
[特許文献2] 特開平11−114384「中空糸膜モジュールの洗浄方法」
中空糸膜表面に薬液を通液循環後中空部を加熱して薬液をろ過する
[特許文献3] 特開平10−174848「中空糸膜の洗浄方法及び洗浄剤」
ハイト゛ロクルオロエーテルにより中空糸膜中の油状物質のみを選択上に除去する洗浄方法
[特許文献4] 特開平09−141068「中空糸膜の洗浄方法」
0,01〜1重量%の界面活性剤と0,1重量以上のアルカリ状物質とを含む水溶液中に中空糸膜を浸漬することにより膜表面の汚染有機物を加水分解除去を可能にする。
[特許文献5] 特開平05−057161「中空糸膜製ろ材の再生方法」
油汚染の中空糸の再生方法として、膜表面と 付着した油をケン化反応で除去する
[非特許文献1] 納崎克也、永田正典、中根堯、瀬口雄大、豊田稔、柳下宏著「めっき洗浄排水の再生に用いた低圧逆浸透膜の洗浄方法」、膜、28巻6号、288−295頁(2003)
本発明では目詰りした膜を再生して目詰りが解消された膜にする膜処理方法を示す。目詰りした平膜については本処理方法をそのまま適用できるが処理条件(時間、温度)は中空糸膜の場合とは異なる。また再生処理後の膜はカスケード型のリサイクル品として再生前とは異なる分野での精製工程で利用できる。対象とする膜は湿式または乾式紡糸によって作製される。紡糸過程および製膜過程、においてミクロ相分離が生起し、結果的にミクロ相分離によって生じた1次粒子(直径15nm)あるいは1次粒子が凝集して成長した2次分子(直径75〜300nm)で中空糸膜及び平膜は構成されている。この構造を持つ中空糸膜および平膜を微粒子で構成される中空糸膜および平膜とそれぞれと略称する。本発明で対象とする膜の平均孔径は2nm〜2μmで目詰りの原因となる物質はタンパクを含んだ有機物である。すなわち本発明で対象とするのは特定物質で目詰りした特定構造を持つ中空糸膜および平膜である。中空糸膜および平膜の表面やキャピラリ孔の目詰りを解消する工程に引き続いて(3)ボイド孔内での滞留堆積型の目詰りを解消する工程後に(4)膨潤性水溶液で逆洗する工程で再生処理ことで課題はすべて解決する。ここで表面とは被ろ過液体に接する側の膜の表面を意味する。
本発明法の第1の特徴は特定の構造を持つ膜を特定した水溶液でろ過して生じた目詰りした膜を処理対象している点にある。微粒子を基本の構造単位とした特定の構造物である膜の孔は前述のようにキャピラリー孔とボイド孔とで構成される。キャピラリー孔での目詰りは主として被ろ過液体中に分散した粒子成分によって起こる。(塞栓型の目詰まり)分散粒子はキャピラリー径より大きい。ボイド孔での目詰まりはボイド孔の径よりも小さい粒子または分子の孔内での濃度の増加によって起こる(滞留堆積型の目詰まり)微粒子で構成される膜において、タンパクを含む水溶液をろ過して目詰りした後に(1)該膜を膨潤させる水溶液でウイルスや細菌を不活化処理する工程後(2)キャピラリー孔の塞栓型の目詰まり(Hermansの取扱でn=oに対応する)を解消する工程に引き続いて(3)ボイド孔内での滞留堆積型の目詰り(Hermansの取り扱いでn=3/2に対応する)を解消する工程後、(4)膨潤性水溶液で逆洗する工程で再生処理することによりろ過性能は使用前の膜にほぼ完全回復する。ボイド孔での目詰りは被ろ過液体中の粒子(タンパクのように分子も水溶液では粒子とみなす)のボイド孔内での滞留、堆積であることが膜中の目詰り成分の電子顕微鏡および光学顕微鏡観察によって明らかにされた。このような目詰りは膜表面のみでなく膜内部にも進行している。そのため膜表面のみの目詰り成分を除去しても膜は再生したとは言えない。また水溶液中の粒子成分としてタンパクは、その大部分は分子状に溶解した成分となっているが、この溶解成分は孔内部に滞留堆積型の目詰りを起こす。タンパクの会合体は塞栓型の目詰りをする。タンパクの種類としてはアルブミン,グロブリン,血液凝固困子,モノクロナール坑体などがある。特定の構造を持つ中空糸膜として人工腎臓用のポリスルホン中空糸膜、再生セルロース中空糸膜,酢酸セルロース中空糸膜などやウイルス除去用中空糸膜がその例である。特定の構造を持つ平膜として人工肝臓用再生セルロース膜,酢酸セルロース膜およびウイルス除去あるいは細菌除去用再生セルロース膜,酢酸セルロース膜がある。
本発明の第2の特徴は再生処理工程が4種以上の工程からなり,それぞれの工程の実施に順番があることである。すなわちまず(1)膨潤性水溶液に浸漬しウイルスや細菌を不活化する工程である。膨潤性であるために処理液は膜内部孔に容易に浸透し、直接不活化すべき微生物に作用する。不活化するにはPH>12のアルカリ水溶液、PH<3の酸水溶液、紫外線照射があるが膨潤性の要求から膜素材の組み合わせで溶液組成を選定する。次に(2)キャピラリー孔の塞栓型目詰りを解消する。具体的には従来の膜のファーリング対策が利用できるが、これらの方法に加えて中空部内あるいは平膜表面を粘度の大きい液体を高速で流すかあるいは逆洗する。(1)および(2)の工程に採用する処理液中には表面活性剤(たとえばサルコシル)、あるいは中性洗剤を混入させておくと後工程の(3)および(4)の工程が有効に働く。次に(3)ボイド孔内での滞留,堆積の目詰りを解消する。具体的には膜を膨潤状態にして孔径を増大させ、温度を高めて目詰り成分の拡散速度を早め、拡散機構を利用して目詰り成分をボイド孔内及び膜内で均質に分散させ、清浄な水溶液を用いて逆洗と通常のろ過とを繰り返すことにより分散した目詰り成分を除去する。次に(4)膨潤性水溶液で逆洗する工程をもうける。この工程に利用する具体的な水溶液として0.1規定のNaOHあるいはKOH水溶液で逆洗し、その後中和させるための酸水溶液と純水での逆洗を行う。
本発明の第3の特徴は再生処理後の膜は目詰りの直接原因となったタンパクの精製工程以外の産業用に限って利用される点である(リサイクル品のカスケード型の利用)。本発明の再生を多数回繰り返すと平均孔径はわずかに増加する。そのため粒子の除去状態が低下する可能性がある。そのため粒子の除去機能としてろ液中の粒子濃度がろ過前溶液中の粒子濃度の1万分の1以下となる性能が要求される分野には再生処理後の膜についてその性能を確認することなく、再生処理後の膜を適用することはできない。本発明における再生率は下記の2種の再生率で定義される。
キャピラリー孔再生率=(再生後中空糸および平膜の水のろ過速度/使用前中空糸および平膜の水のろ過速度)*100(%) (1)
ボイド孔再生率=(再生後の膜のろ過容量/使用前の膜のろ過容量)*100(%) (2)
ここでろ過容量とは20℃で1重量%のアルブミン水溶液を膜間差圧として0.06気圧の条件下でろ過し、ろ過速度が初期ろ過加速度1/10に達するまでのろ過量を意味する。
キャピラリー孔再生率=(再生後中空糸および平膜の水のろ過速度/使用前中空糸および平膜の水のろ過速度)*100(%) (1)
ボイド孔再生率=(再生後の膜のろ過容量/使用前の膜のろ過容量)*100(%) (2)
ここでろ過容量とは20℃で1重量%のアルブミン水溶液を膜間差圧として0.06気圧の条件下でろ過し、ろ過速度が初期ろ過加速度1/10に達するまでのろ過量を意味する。
タンパクを含む水溶液をろ過することにより目詰りした膜を本再生処理を施すとろ過性能(選択透過性,ろ過速度)は回復し、かつウイルスや細菌等の感染性の恐れも解消する。そのため再生処理後の膜は一般産業用の物質分離精製用材料として利用できる。
タンパクを含む水溶液を中空糸膜でろ過する現場としては透析型人工腎臓がその典型例である。一度使用された後中空糸膜は廃棄されている。現在中空糸膜の素材はポリスルホン、再生セルロース,酢酸セルロース膜などである。使用後のポリスルホンあるいは再生セルロース中空糸膜を0.1規定のカセイソーダ水溶液に浸漬する。中空糸膜は該カセイソーダ水溶液中では膨潤する。この状態で時々超音波を負荷しつつ24時間放置する。この処理によりウイルス、細菌などの微生物は不活化され、また一部のタンパクは分解する。処理後の中空糸膜を純水で間欠的に数回逆洗する。逆洗後の中空糸膜を再び0.1規定のカセイソーダ水溶液中に浸漬する。これらの一連の処理の際に中空糸膜中に気泡が混入しないように注意することが肝要である。そのためにはあらかじめ処理液を脱気しているとよい。超音波を時々負荷し処理液温を30℃まで昇温させ約一日間放置後、純水で逆洗しボイド孔再生率を高める。逆洗後再び0.1規定のカセイソーダ水溶液で逆洗しさらに純水で逆洗する。ろ過後の中空糸膜の目詰りの程度が激しい場合には(3)のボイド孔再生率を高める工程での処理時間を増やす必要がある。これらの処理により有機性の目詰り物質はほとんど除去可能で、微生物の不活化も達成できる。無機の微粒子による目詰りの可能性がある場合には(3)の工程の後、稀塩酸または稀酢酸でゆっくりと逆洗すれば大部分の微粒子は溶解除去できる。酢酸セルロース膜で同様の再生処理を行うとややろ過速度が目詰り前の値より減少し、かつ膜の親水性が増加する。
平均孔径3.0nm、水中での空孔率40%の再生セルロース中空糸膜(有効ろ過面積100平方センチメートル)を用いてγ‐グロブリン1重量%の水溶液を一定膜間差圧(0.06気圧)で平行ろ過(タンジェンシャルろ過)した。ろ過量が20mlになった時点でろ過を停止した。ろ過後の再生セルロース中空糸膜をそのまま0.1規定のカセイソーダ水溶液(20℃)中に浸漬した(不活化工程)。24時間後、純水によって膜間差圧0.3気圧で逆洗した。逆洗によるろ過量は約100mlであった(塞栓型の目詰り解消工程)。この際キャピラリ孔の再生率は101%であった。逆洗後の膜を0.1規定のカセイソーダ水溶液(30℃)に浸漬し30時間放置後(滞留堆積型の目詰り解消工程)、30℃の純水で膜間差圧0.6気圧で逆洗した。逆洗の際のろ過量は約200mlであった。逆洗後の中空糸膜を再び0.1規定のカセイソーダ水溶液(20℃)で約20ml膜間差圧0.3気圧で逆洗し(膨潤性水溶液で逆洗する工程)、さらに純水(20℃)0.3気圧で100ml逆洗した。逆洗後の再生中空糸膜のキャピラリ孔再生率は102%でボイド孔再生率は100%であった。
平均孔径35nm、水中での定孔率80%の再生セルロース中空糸膜(有効ろ過面積300平方メートル)で牛血漿を一定膜間差圧(0.3気圧)で垂直ろ過(デットエンドろ過)した。ろ過量が100mlになった時点でろ過を停止した。ろ過後の中空糸膜内部の血漿を空気で追い出しそのまま0.1規定のカセイソーダ水溶液(20℃)中に浸漬した。48時間後純水によって膜間差圧0.3気圧で逆洗した。逆洗によるろ過量は約400mlであった。キャピラリー孔の再生率は100%であった。逆洗後の膜を0.1規定のカセイソーダ水溶液(30℃)に浸漬し、62時間放置後、30℃の純水で膜間差圧0.6気圧で逆洗した。逆洗の際のろ過量は約800mlであった。逆洗後の中空糸膜に再び0.1規定のカセイソーダ水溶液(20℃)で約100ml膜間差圧0.3気圧で逆洗した。さらに純水(20℃)で0.3気圧で400ml逆洗した。逆洗後の再生中空糸膜のキャピラリー孔再生率は101%でボイド孔再生率は99%であった。この再生膜を特公平4−13006号に用いられる膜として実施した場合の除湿効率は新しい使用前の膜と同等以上であった。
膜の物質分離能力を利用すれば原理上除去.分離.濃縮.精製等が可能であるがコスト面で産業上で利用できなかった分野のすべてに本再生処理法で得られた再生膜は利用できる。たとえば排水処理分野やリサイクル関連分野などである。
Claims (5)
- たんぱく水溶液をろ過して目詰りした状態にある膜において(1)膨潤性水溶液でウイルスや細菌を不活性化処理する工程後、(2)キャピラリ孔の塞栓型の目詰りを解消する工程に引き続いて(3)ボイド孔内での滞留堆積型の目詰りを解消する工程後、(4)膨潤性水溶液で逆洗する工程で再生処理することを特徴とする特定された粒子構造を持つ膜の再生方法および再生後の中空糸膜をカスケード型リサイクル品として産業用用途に利用すること。
- 請求項1において処理対象の膜が再生セルロースあるいはポリスルホンであり不活化処理工程ではPHが12以上のアルカリ水溶液中に処理
対象の膜を浸漬する工程であること。 - 請求項1、2において不活化処理工程、およびキャピラリ孔の塞栓型の目詰りを解消する工程のそれぞれあるいは両工程で採用される水溶液中に界面活性剤を混入させること。
- 請求項1、2、3において塞栓型の目詰りを解消する工程として、膜として中空糸膜であり膜表面の水溶液に速度勾配を与えること。
- 請求項1、2、3、4において再生された膜を廃水処理用あるいは電子工業用あるいは潜熱回収による乾燥空気のリサイクル用としてカスケード型リサイクル品として利用すること。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004148471A JP2005329296A (ja) | 2004-05-19 | 2004-05-19 | 微粒子で構成される膜の再生方法および再生された膜のカスケード型リサイクル用途 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017069219A1 (ja) * | 2015-10-20 | 2017-10-19 | 三菱ケミカル株式会社 | 膜の殺菌方法および該殺菌方法を実施し得るガス溶解液製造装置 |
JP2019166449A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 積水化学工業株式会社 | 膜モジュールの洗浄方法 |
-
2004
- 2004-05-19 JP JP2004148471A patent/JP2005329296A/ja active Pending
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