JP2004130307A - 中空糸膜の濾過方法 - Google Patents

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Shigenobu Ishii
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Abstract

【課題】 逆洗やスクラビング等の物理的洗浄や薬洗を用いた中空糸膜の濾過方法において、より効果的に濾過性能を回復させ、長期にわたって安定した濾過状態を維持することができる中空糸膜の濾過方法を提供すること。
【解決手段】 被処理液中の微粒子や細菌類等を中空糸膜によって分離して濾過液を得る濾過操作と中空糸膜の物理的洗浄操作とを有する中空糸膜の濾過方法において、物理的洗浄操作500回に対して1回以上の割合で、有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液を用いた薬洗操作を実施することを特徴とする中空糸膜の濾過方法。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、中空糸膜を用いた濾過方法に関する。更に詳しくは、本発明は精密濾過、限外濾過、透析等に用いられる中空糸膜の寿命を延ばすことを可能にする中空糸膜の濾過方法に関する。
 近年、選択透過性を有する分離膜を用いた固液分離手段の技術がめざましく進展しており、従来の砂濾過を用いた固液分離手段に代わる新たな方法として注目されている。このような固液分離手段の技術は、例えば飲料水、超純水および医薬品の製造工程、醸造製品の除菌・仕上げなどの各分野において採用されている。中空糸膜を用いた固液分離方法としては、中空糸膜の外表面に沿って被処理液を通液し、中空糸膜を透過させて濾過液を得る外圧式中空糸膜濾過方法と中空糸膜の内表面に沿って被処理液を通液し、中空糸膜を透過させて濾過液を得る内圧式中空糸膜濾過方法とがある。
 いずれの膜濾過手段においても、濾過が進行するにつれて中空糸膜の表面や微細孔に固形分や細菌等が堆積してくるために、中空糸膜に目詰まりが生じて濾過性能が低下してくる。そのため濾過の過程において、気体や濾過液等を濾過する方向とは逆の方向から押し出す、「逆洗」と呼ばれる操作や、気体を導入することによって中空糸膜を振動させる、「スクラビング」と呼ばれる操作や、中空糸膜内あるいは外に溜まっている濾過液を気体によって中空糸膜外あるいは内に押し出した後に、濾過液を押し出した反対側から気体を導入することによって中空糸膜を振動させる、「エアー押し+エアーバブリング」と呼ばれる操作といった中空糸膜の表面や微細孔に堆積した固形分や細菌等を物理的に除去する操作から選ばれる少なくとも一つの物理的洗浄操作を濾過操作と交互に繰り返し実施することにより、安定した濾過状態を長期に亘って維持しようとしてきた。
 上記した物理的洗浄操作を実施することで、一時的に安定した濾過状態が維持されるが、そのような操作のみによっては中空糸膜表面や微細孔部に堆積した固形分や細菌等を完全には除去しきれておらず、ついには、上記した物理的洗浄操作を実施しても濾過性能を回復させることができなくなる。そのとき、膜をアルカリや酸、洗剤または酸化剤等の薬剤を含んだ液に接触させる、薬洗と呼ばれる操作を実施することにより、中空糸膜表面や微細孔部に堆積した固形分や細菌等を化学的に分解し、濾過性能をある程度回復させることができる(例えば、特許文献1 参照)。薬洗操作では、薬液によって中空糸膜自身の劣化をも引き起こす可能性が高いことから、回数をなるべく少なくすることが求められており、薬洗操作は通常物理的洗浄操作によっても濾過性能が向上しないほど目詰まりが進行した中空糸膜に対して行なわれるものであった。例えば、逆洗操作を30分に1回、薬洗操作を100日に1回行う等の事例が報告されているが、その場合、逆洗操作4800回に対して薬洗操作を1回行うことになる(例えば、特許文献2 参照)。しかし、このような薬洗によっても、濾過性能は完全には回復せず、薬洗の回数を重ねる毎に濾過性能の回復効果は小さくなっていき、2,3回薬洗を行うと薬洗によっても濾過性能は回復し難くなり、膜を交換せざるを得なくなっていた。従って、膜の交換間隔、すなわち膜の寿命を延ばすことを可能とする中空糸膜の濾過方法が求められていた。
特開2002−96064号公報     (段落[0017]、[0018]および[0024]) 特開平8−141375号公報  (実施例)
 本発明は、物理的洗浄操作や薬液洗浄操作を用いた中空糸膜の濾過方法において、より効果的に濾過性能を回復させ、長期にわたって安定した濾過状態が維持できる中空糸膜の濾過方法を提供することを目的とする。
 本発明によれば上記課題は、物理的洗浄操作と薬洗操作との回数の比を特定の範囲にすることによって解決される。すなわち、本発明は、被処理液中の微粒子や細菌類等を中空糸膜によって分離して濾過液を得る濾過工程と中空糸膜の洗浄工程とを有する中空糸膜の濾過方法において、物理的洗浄操作500回に対して1回以上の割合で、有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液を用いた薬洗操作を実施することを特徴とする。
 本発明の中空糸膜濾過方法によれば、物理的洗浄操作とともに、薬洗操作を適度な頻度で組み入れることで、従来技術と比較して中空糸膜の濾過性能がより効果的に回復され、長期にわたり安定した濾過を実現することができる。
 本発明において用いられる中空糸膜の素材は特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、架橋または非架橋の親水性高分子が添加されたポリスルホン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、セルロース系樹脂、親水化されたポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができる。
 本発明において用いられる中空糸膜は限外濾過膜や精密濾過膜であれば特にその孔径は限定されないが、好ましくは孔径が0.001〜10μm、より好ましくは孔径が0.01〜8μm、さらに好ましくは孔径が1〜7μmである。孔径が大きくなると単位時間および単位膜面積当たりの処理流量を多くとることができ、本発明に従った薬洗操作を実施するとより効果が顕著であり、長期にわたり安定した濾過状態を維持することができる。なお、本発明において孔径とは、下記の定義からなる分画粒子径のことである。異なる粒子径を有する少なくとも2種類の粒子の阻止率を測定し、その測定値を基にして下記の近似式において、Rが90となるSの値を求め、これを分画粒子径とした。
 R=100/(1−M×exp(−A×log(S)))
 式中、AおよびMは中空糸膜によって定まる定数であって、2種類以上の粒子の阻止率の測定値をもとに算出される。ただし、0.1μm径の粒子の阻止率が90%以上の場合の分画粒子径は、<0.1μmと表記する。
 本発明において用いられる中空糸膜の外径は中空糸膜の強度およびモジュールあたりの膜面積を確保する観点から、200〜3000μmの範囲内に設定することが好ましく、500〜2000μmの範囲内であることがより好ましい。中空糸膜の厚さは、50〜700μmの範囲にあることが好ましく、100〜600μmの範囲であることがより好ましい。
 本発明において用いられる中空糸膜の多数本をケースに収容した中空糸膜モジュールとして用いられるのがよく、その場合の形状として、中空糸膜の両端を固定した構造や、一方の端を固定し他端を自由とする(片端フリー)構造等が挙げられ、スクラビングによる洗浄の効果が高い点で、片端フリー構造にするのがより好ましい。
 本発明において用いられる有機酸または塩素系薬剤は、中空糸膜表面に堆積した微粒子や細菌類等の洗浄除去に効果があれば特に限定されないが、例えば、有機酸の場合にはシュウ酸やクエン酸が、塩素系薬剤の場合には次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウムが好適に用いられる。
 上記した有機酸または塩素系薬剤は水溶液として用いられ、その濃度は中空糸膜に対して劣化等の悪影響を及ぼさない範囲であれば特に限定されないが、有機酸の場合、好ましくは0.1〜10%、塩素系溶剤の場合、好ましくは5〜1000mg/Lの範囲である。
 本発明において実施される物理的洗浄操作は、濾過工程2時間、好ましくは1時間、より好ましくは30分に対して、少なくとも1回以上実施される。特に、孔径が大きくなると単位時間および単位膜面積当たりの処理流量を多くとることができ、短い濾過工程に頻繁に物理的洗浄操作を繰り返し実施するとより効果が顕著であり、長期にわたり安定した濾過状態を維持することができる。
 本発明においては、物理的洗浄操作500回に対して1回以上、好ましくは物理的洗浄操作300回に対して1回以上、より好ましくは物理的洗浄操作100回に対して1回以上の割合で、有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液を用いた薬洗操作を実施する。これは、従来の薬洗操作の間隔より極めて短い間隔で実施するものであり、透過水量および中空糸膜間差圧が濾過を開始した時点またはその直前に行なった薬洗の時点と計測可能な範囲での変化がほとんど認められないうちに薬洗を行なうことを意味している。このことにより、薬洗操作に必要な時間も1種類の薬液を使用した条件で比べてみると、従来は少なくとも半日かかっていたのに対して、本発明では2時間以内と比較的短時間しか必要としない。薬洗操作は、中空糸膜の表面に堆積した微粒子や細菌類等の洗浄除去効果により、有機酸水溶液または塩素系薬剤を含む水溶液を用いるが、もしくは有機酸水溶液および塩素系薬剤を含む水溶液を交互に用いても実施できる。
 上記した有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液は、前記中空糸膜の被処理液側または濾過液側のいずれからも供給することができるが、好ましくは濾過液側から供給される。
 本発明による中空糸膜の濾過方法は外圧式および内圧式のいずれの濾過方法にも適用することができる。
 以下、本発明の実施形態の1例を図1に基づいて説明する。図1に示した濾過装置において、通液路3内には原水(被処理液)供給ポンプ2と中空糸膜モジュール4とが配置されている。原水供給ポンプ2は被処理液L1を貯留する被処理液用タンク1と中空糸膜モジュール4の通液口4aに連結されている。中空糸膜モジュール4の長手方向Zは鉛直方向または水平方向のいずれでも良いが、図1においては鉛直方向に設定されている。
 本濾過装置は、また、図1に示すように濾過液導出口4bから延び、濾過液L2を中空糸膜モジュール4から導出させる濾過液導出路7を備える。濾過液導出路7の終端部7aの下方には濾過液用タンク5が配置されており、濾過液導出路7を通じて中空糸膜モジュール4から導出された濾過液L2がこの濾過液用タンク5に集められる。また、濾過液導出路7には、逆洗液通液路8が連結されており、逆洗時に濾過液L2が逆洗ポンプ6を通って濾過液導出口4bへと入るように構成されている。
 さらに、濾過液導出路7には、有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液を濾過液導出口4bを通じて中空糸膜モジュール内に通液する薬液通液路9が連結されている。薬液通液路9には、有機酸水溶液用タンク10に連結された薬液送液ポンプ12と、塩素系薬剤の入った水溶液用タンク11に連結された薬液送液ポンプ13とが連結されている。使用する薬液が有機酸のみの場合や、塩素系薬剤のみの場合は、1組のタンクと薬液送液ポンプが薬液通液路9に連結される。
 また、被処理液導出口4cから延び、被処理液L1を中空糸膜モジュール4から導出させる通液路3には、被処理液用タンク1へ戻る通液路3aと排出路14とが連結されている。排出路14を通じて、被処理液、逆洗液や薬液を排出する。
 次に、本実施形態にかかる濾過装置の動作について説明する。本濾過装置においては、原水供給ポンプ2の駆動により被処理液用タンク1内の被処理液L1は中空糸膜モジュール4内に供給され、中空糸膜モジュール4の下方から上方へ向けて長手方向Zに移動する。中空糸膜モジュール4が外圧式全濾過に用いられる場合、被処理液は全量中空糸膜モジュール4内の各中空糸膜の外側から内側へ透過して清澄な濾過液として4bから濾過液導出路7を通じて濾過液用タンク5に溜まる。
 また、中空糸膜モジュール4が内圧式循環濾過に用いられる場合、通液路3及び3aを循環し、この間に被処理液の一部は中空糸膜モジュール4内の各中空糸膜の内側から外側へ透過して清澄な濾過液として4bから濾過液導出路7を通じて濾過液用タンク5に溜まる。上記のいずれの濾過方法においても、濾過液用タンク5に溜まった濾過液は、被処理液がプール水であればプールへ循環され、河川水等であれば飲料水や工程水等として利用される。
 物理的洗浄操作は、中空糸膜モジュール4における膜間差圧の変化が大きくならない程度に実施される。濾過液用タンク5から濾過液L2が逆洗ポンプ6、逆洗液通液路8、濾過液導出路7の順に通じて濾過液導出口4bから中空糸膜モジュール4内に通液される。中空糸膜モジュール4では被処理液の濾過とは逆方向に濾過液が流れ出し、中空糸膜表面に堆積した微粒子や細菌類等を剥離させる。剥離した微粒子や細菌類等は通液路3、排出路14を通じて外部に排出される。なお、本濾過装置では、逆洗を濾過液用タンク5に溜まった濾過液を使用して実施するが、清浄な液であれば特に限定されない。
 本発明では、前記物理的洗浄操作の前または後に薬液洗浄を実施し、物理的洗浄操作500回に対して1回以上の薬洗操作を実施する。例えば、30分間濾過を行なう毎に1度の物理的洗浄操作を実施している場合、6時間に1度薬洗操作を実施すると、物理的洗浄操作12回に対して、薬洗操作を1回実施することになる。薬洗操作において有機酸と塩素系薬剤の両方を使用する場合、使用する順番は洗浄効果が最大限に発揮されればどちらでも良い。例えば、有機酸水溶液で洗浄した後、塩素系薬剤を含む水溶液で洗浄する場合について説明する。先ず、中空糸膜モジュール4内の被処理液L1または逆洗液を排出した後、タンク10から有機酸水溶液が薬液送液ポンプ12、薬液通液路9、濾過液導出路7の順に通じて濾過液導出口4bから中空糸膜モジュール4内に通液される。中空糸膜モジュール4内では物理的洗浄操作時と同じ現象が生じており、有機酸水溶液を被処理液導出路4cを通じ、タンク10に戻して循環した(図1には経路を示していない)後、中空糸膜を所定の時間(微粒子や細菌類等の除去に効果のある時間)まで浸漬する。
 浸漬後に有機酸水溶液を排出路14から排出し、被処理液や濾過液等を使用して水洗する。水洗は、被処理液を使用する場合は通常の濾過を、濾過液等を使用する場合は逆洗と同様の操作で、有機酸がほとんど検出されなくなるまで繰り返し実施する。水洗後は、中空糸膜モジュール4内から水洗水を排出路14から排出する。
 次に、タンク11から塩素系薬剤を含む水溶液が薬液送液ポンプ13、薬液通液路9、濾過液導出路7の順に通じて濾過液導出口4bから中空糸膜モジュール4内に通液される。有機酸と同様に、循環後に所定の時間浸漬する。浸漬後、水洗を実施する。薬液洗浄では、必ず循環と浸漬の両方を実施する必要はなく、循環だけでも、また、浸漬だけでも良い。薬液洗浄後に、通常の濾過を再開する。
 以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
 外径/内径が1.3/0.9mmで孔径が3μmのポリビニルアルコールをコートしたポリスルホン製中空糸膜モジュール(公称膜面積:2m)を使用して、平均濁度3の河川表流水を原水(被処理液)に処理量2m/Hrの定流量で外圧全濾過を実施した。濾過を5分間行なう毎にエアー物理的洗浄操作を、濾過を6時間行なう毎に薬洗操作を実施した。このときの薬洗操作は、エアー逆洗操作72回に対して1回の割合で実施した。エアー逆洗操作は設定圧200kPaで実施し、エアー逆洗操作後は中空糸膜内の被処理水を排出し、濾過を再開した。薬洗操作は物理的洗浄操作前に実施し、薬液として、1%シュウ酸水溶液と50mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用した。1%シュウ酸水溶液を中空糸膜モジュール内に濾過液側から通液し5分間循環した後、30分間浸漬を行った。シュウ酸水溶液を排出後、中空糸膜モジュールの濾過液側から濾過液を通液して水洗を行った。続いて、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、中空糸膜モジュール内に濾過液側から通液し5分間循環した後、15分間浸漬を行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を排出後、中空糸膜モジュールの濾過液側から濾過液を通液して水洗を行った。さらに、物理的洗浄操作を行った後に濾過を再開した。本操作を繰り返すことで、長期にわたり安定した濾過を実施することができた。この時の中空糸膜間差圧の変化を図2に示す。
〔比較例1〕
 薬洗操作を中空糸膜間差圧が98kPaとなった時点で実施する以外は、実施例1と同様にして濾過を行った。この時の中空糸膜間差圧の変化を図2に示す。実施例1では中空糸膜間差圧の上昇がほとんど認められなかったのに対して、比較例1では、薬洗操作の間隔が濾過を開始してから7日、6日(13日目)、4日(17日目)と薬洗操作の回数が増えるに従って短くなり、中空糸膜の性能が回復し難くなっている。薬洗操作はエアー逆洗操作に対して、それぞれ2016回目、1728回目、1152回目に実施したことになる。
 外径/内径が1.3/0.9mmで孔径が2.5μmのポリビニルアルコールをコートしたポリスルホン製中空糸膜モジュール(公称膜面積:2m)を使用して、プール水を原水に処理量1m/Hrの定流量濾過を実施した。濾過を15分行なう毎にエアー逆洗操作を、濾過を12時間行なう毎に薬洗操作を実施した。このときの薬洗操作は、エアー逆洗操作48回に1回の割合で実施した。エアー逆洗操作は設定圧200kPaで実施し、エアー逆洗操作後は中空糸膜内の被処理水を排出し、濾過を再開した。薬洗操作は物理的洗浄操作前に実施し、薬液として、1%クエン酸水溶液を使用した。1%クエン酸水溶液を中空糸膜モジュール内に濾過液側から通液し5分間循環した後、30分間浸漬を行った。クエン酸水溶液を排出後、中空糸膜モジュールの濾過液側から濾過液を通液して水洗を行った。さらに、物理的洗浄操作を行った後に濾過を再開した。本操作を繰り返すことで、長期にわたり安定した濾過を実施することができた。この時の中空糸膜間差圧の変化を図3に示す。
〔比較例2〕
 薬洗操作を中空糸膜間差圧が98kPaとなった時点で実施する以外は、実施例2と同様にして濾過を行った。この時の中空糸膜間差圧の変化を図3に示す。実施例2では中空糸膜間差圧の上昇がほとんど認められなかったのに対して、比較例2では、薬洗操作の間隔が濾過を開始してから10日、8日(18日目)、7日(25日目)と薬洗操作の回数が増えるに従って短くなり、中空糸膜の性能が回復し難くなっている。薬洗操作はエアー逆洗操作に対して、それぞれ960回目、768回目、672回目に実施したことになる。
本発明に用いられる濾過装置の概略図である。 実施例1および比較例1において濾過試験を実施して得られた中空糸膜間差圧に関するデータである。 実施例2および比較例2において濾過試験を実施して得られた中空糸膜間差圧に関するデータである。
符号の説明
1  被処理液用タンク
2  原水供給ポンプ
3  通液路
4  中空糸膜モジュール
5  濾過液用タンク
6  逆洗ポンプ
7  濾過液導出路
8  逆洗液通液路
9  薬液通液路
10、11  薬液タンク
12、13  薬液送液ポンプ
14 排出路
L1 被処理液
L2 濾過液

Claims (5)

  1.  被処理液中の微粒子や細菌類等を中空糸膜によって分離して濾過液を得る濾過工程と中空糸膜の洗浄工程とを有する中空糸膜の濾過方法において、物理的洗浄操作500回に対して1回以上の割合で、有機酸および/または塩素系薬剤を含有する水溶液を用いた薬洗操作を実施することを特徴とする中空糸膜の濾過方法。
  2.  有機酸がクエン酸またはシュウ酸である請求項1に記載の中空糸膜の濾過方法。
  3.  塩素系薬剤が次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、またはジクロロイソシアヌール酸ナトリウムである請求項1に記載の中空糸膜の濾過方法。
  4.  中空糸膜が、孔径1〜7μmである請求項1に記載の中空糸膜の濾過方法。
  5.  濾過時間30分に対して、少なくとも1回の物理的洗浄操作を実施することを特徴とする請求項4に記載の中空糸膜の濾過方法。
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