JPH0259358B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄肉金属等の可撓性材料からなり、環
状の山部及び谷部が交互に連なつてなるコルゲー
ト管を接続するための管継手に関する。

〔従来の技術〕

当初この種のコルゲート管は予じめ一定の長さ
に工場で切断し、両端部に管継手を溶接や塑性加
工により装着していた。しかし実際の配管現場で
は定尺のコルゲート管では必ずしも有効な配管が
出来ないので、長尺管を現場で必要な長さに切断
し、ゴムパツキンを管外径に圧着したり、予じめ
加工した管先端を継手本体の奥部にセツトしたパ
ツキンに圧着したりする方法により接続してい
た。しかしながらゴムパツキンを使用する場合、
熱老化等の問題があり、また配管現場で管先端を
加工することは困難であつた。

そこで接続作業が容易でかつコルゲート管の脱
着を防止することができ、しかもシール性の良好
な管継手を与えるために、種々の提案がなされ
た。例えば、実開昭57−46182号は長手方向の断
面が波形に成形された可撓性管の管継手であつ
て、前記可撓性管の端部から軸線方向に沿つて少
なくとも１ピツチを超える内方で可撓性管の外周
に固定されるスリーブ、前記可撓性管の端部に接
続される継手部、前記可撓性管の端部および継手
部間に介在される環状のシール部材、ならびに前
記スリーブおよび前記継手部を、前記可撓性管の
少なくとも１ピツチを超える範囲がつぶれるまで
相互に近接して固定するための袋ナツトを含むこ
とを特徴とする管継手を開示している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記管継手においては、スリー
ブは袋ナツトの内面と広い領域で接触するので、
袋ナツトの回転に応じてスリーブに回転力が作用
し、スリーブの回転やひいてはコルゲート管のね
じれが生ずるおそれがあつた。

従つて、本発明の目的は上記問題点のないコル
ゲート管用継手を提供することであり、具体的に
は配管現場での接続作素が容易であるとともに、
シール性が良好であり、かつ装着時にコルゲート
管のねじれ等が起らない管継手を提供することで
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は
継手本体に環状延長部を設け、この環状延長部の
内面とコルゲート管の外面との間にスリーブが嵌
挿されるような構造の管継手とすることにより、
袋ナツトの回転によつてもコルゲート管にほとん
ど回転力が伝わらないことを発見し、本発明に想
到した。

すなわち、本発明のコルゲート管接続用管継手
は、 (a) 外面におねじ部を有するとともに奥に向かつ
て僅かに小径となるようなテーパ状の内面を有
する環状延長部を有し、前記環状延長部内の奥
に壁部を設けた継手本体と、 (b) 前記環状延長部内の管受け壁部に装着したガ
スケツトと、 (c) 前記継手本体のおねじ部と螺合するめねじ部
を有する袋ナツトと、 (d) 前記袋ナツトの内端壁に係合するフランジ部
を一端に有するととに、他端に内方環状突起部
を有し、外面は前記環状延長部のテーパ状内面
と係合し、かつ軸線方向に分割されているスリ
ーブとを 有し、前記スリーブの内方環状突起部を前記コル
ゲート管の環状溝にはめ、前記スリーブを前記環
状延長部内に挿入して前記袋ナツトを前記継手本
体に螺合することにより、前記スリーブは前記環
状延長部内に進入するとともに内方に押圧され、
前記コルゲート管が前記スリーブの前記内方環状
突起部により前記スリーブに強固に固定されると
ともに、前記コルゲート管の端部が前記継手本体
の内奥壁部にガスケツトを介して圧着されること
を特徴とする。

〔実施例〕

以下、本発明を図面により詳細に説明する。第
１図は本発明の一実施例による管継手の袋ナツト
締付け前の状態を示し、第２図は第１図の管継手
の袋ナツト締付後の状態を示す。

第１図において、１は継手本体で、一端の外径
部にはテーパーねじ５が設けられており、中央に
は連通孔６が設けられている。継手本体１の他端
には環状延長部１０が連通孔６と平行に設けられ
ている。環状延長部１０の内面には奥側を小径と
したテーパー部７が形成され、その内奥部に、連
通孔６と連通するとともにコルゲート管４の端部
をうけるようになつている壁部８が設けられてい
る。なおこのテーパー部７は外側を大きな角度と
して奥側が小さな角度となる複数のテーパ角度か
らなるものでもよく、また奥側が小径となる曲面
でもよい。また環状延長部１０の外面には平行お
ねじ部９が設けられている。

スリーブ３は先端部にコルゲート管４の環状溝
部に係合する内方環状突起部３１を有する。この
突起部３１は全周にわたらなくてもよい。スリー
ブ３の外周側後部は袋ナツト２の締付けにより押
圧係合容易なように、また継手本体１のテーパ部
７の開口端７１に突き当つて袋ナツト２の締め代
が一定に規制されるように外周側に張出すフラン
ジ部１１を有する。フランジ部１１の外周は袋ナ
ツト２の内周より僅かに小径であるために、スリ
ーブ３の外周が袋ナツト２の回転力を受けること
はほとんどない。フランジ部１１より前方の外周
面３３は平行な円筒状であるか、継手本体１のテ
ーパー部７より小角度の傾斜を有する。本実施例
では、継手本体１のテーパー部７が片側約２度の
角度を有し、スリーブ３の外周面は０度の平行円
筒状に形成してある。またスリーブ３の内面は内
方環状突起部３１以外に凹凸部を有さない。なお
１２は、継手本体１から袋ナツト２を緩めてコル
ゲート管４を取外す際に、スリーブ３を継手本体
１から取外すためにドライバー等を引掛ける段部
であつて、シール性能とは何ら関係がない。

第３図に示すように、スリーブ３は軸線方向に
複数に分割されている。これにより、環状の山部
及び各部が交互に連なつてなるコルゲート管に、
スリーブ３を容易に装着することができる。

袋ナツト２は端部に管挿入穴２１を有し、また
内面には環状延長部１０の平行おねじ部９と螺合
するめねじ部２３を有する。

コルゲート管受け用内奥壁部８には耐火性のガ
スケツト１４が装着されているが、これはコルゲ
ート管４の管端４１と管受け壁部８との密着性を
良好にしてシール性を保持するのに役立つ。

コルゲート管４の接続に当つては、まず袋ナツ
ト２にコルゲート管４を挿入し、次にスリーブ３
をコルゲート管４の波山が１〜５個程度突出する
ようにコルゲート管４に装着する。コルゲート管
４に装着したスリーブ３を１図のようにテーパ部
７に挿入して袋ナツト２のめねじ部２３を継手本
体１の平行おねじ部９と螺合する。袋ナツト２を
継手本体１に螺合するにつれて、スリーブ３は環
状延長部１０とコルゲート管４の間に進入すると
ともにテーパ部７との係合によつて押圧され、コ
ルゲート管４に圧着される。またスリーブ３から
前方に突出する管部４２もスリーブ３と同時に進
行し、管部４２の先端４１は継手本体１の管受け
壁部８に突き当たり、遂には管受け壁部８とスリ
ーブ３の内方環状突出部３１との間に圧着され
て、第２図に示すように圧着管部４３が形成され
る。この圧着管部４３と管受け壁部８との間でシ
ール作用が行われる。

本実施例ではスリーブ３の内方環状突起部３１
の断面形状を四角形状としたが、この突起部３１
の断面形状は第４図乃至第７図に示すように半円
形状や半円弧形状、三角形状等としてもよい。ま
た第８図に示すように突起部３１をスリーブ３の
端面３２よりわずか内側にずらせてもよく、これ
らの形状を選定することによりコルゲート管４と
継手との引抜阻止力をコントロールすることが出
来る。

なお本発明の管継手により種々のコルゲート管
を接続することができるが、特に薄肉金属製のコ
ルゲート管の接続に好適である。

〔発明の効果〕

以上の通り、本発明の管継手により、環状の山
部及び谷部が交互に連なつてなるコルゲート管４
を接続する際、スリーブ３は継手本体１の環状延
長部１０内に入り、袋ナツト２と後端面以外で接
触しないので、袋ナツト２の回転力が実質的に伝
導されない。従つて、コルゲート管４は管継手に
よる接続中、回転力によりねじれたりするおそれ
がない。

なお継手本体１のテーパー部７を奥側が小さな
角度となるような複数の段とすることで、スリー
ブ３の本体テーパー部７への挿入が容易となり、
作業性が向上する。

また本体のテーパー部７を奥側が小径となるよ
うな曲面とすれば、前記複数の段を設けた場合と
同様にスリーブ３を継手本体のテーパー部７に挿
入するのが容易となり、作業性が向上する。

さらに袋ナツト２の挿入穴２１とコルゲート管
４とのすき間にゴム等の弾性物質２４を装着する
ことにより、外部からの水分の侵入を防止するこ
とができ、継手内部での腐食を防止し、より長期
にわたる継手の漏れ止め性能が確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による管継手により
コルゲート管を接続する状態を示す一部断面正面
図であり、第２図は第１図の管継手によりコルゲ
ート管を接続後の状態を示す一部断面図であり、
第３図は第１図のスリーブの側面図であり、第４
図乃至第８図はそれぞれスリーブの別の実施例を
示す部分断面図である。 １：継手本体、２：袋ナツト、３：スリーブ、
４：コルゲート管、７：テーパー部、９：平行お
ねじ部、１１：フランジ部、１４：ガスケツト、
２３：めねじ部、３１：内方環状突起部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 環状の山部及び谷部が交互に連なつてなるコ
   ルゲート管の接続用管継手において、 (a) 外面におねじ部を有するとともに奥に向かつ
   て僅かに小径となるようなテーパ状の内面を有
   する環状延長部を有し、前記環状延長部内の奥
   に壁部を設けた継手本体と、 (b) 前記環状延長部内の管受け壁部に装着したガ
   スケツトと、 (c) 前記継手本体のおねじ部と螺合するめねじ部
   を有する袋ナツトと、 (d) 前記袋ナツトの内端壁に係合するフランジ部
   を一端に有するとともに、他端に内方環状突起
   部を有し、外面は前記環状延長部のテーパ状内
   面と係合し、かつ軸線方向に分割されているス
   リーブとを 有し、前記スリーブの内方環状突起部を前記コル
   ゲート管の環状溝にはめ、前記スリーブを前記環
   状延長部内に挿入して前記袋ナツトを前記継手本
   体に螺合することにより、前記スリーブは前記環
   状延長部内に進入するとともに内方に押圧され、
   前記コルゲート管が前記スリーブの前記内方環状
   突起部により前記スリーブに強固に固定されると
   ともに、前記コルゲート管の端部が前記継手本体
   の内奥壁部にガスケツトを介して圧着されること
   を特徴とする管継手。