JPH0256725B2 - - Google Patents

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JPH0256725B2
JPH0256725B2 JP4129684A JP4129684A JPH0256725B2 JP H0256725 B2 JPH0256725 B2 JP H0256725B2 JP 4129684 A JP4129684 A JP 4129684A JP 4129684 A JP4129684 A JP 4129684A JP H0256725 B2 JPH0256725 B2 JP H0256725B2
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JP
Japan
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fluorine
graft polymer
coating
based graft
film
Prior art date
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Expired
Application number
JP4129684A
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English (en)
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JPS60187921A (ja
Inventor
Toshuki Sugano
Hitoshi Watanabe
Yasutaro Yasuda
Shiro Kojima
Hiroyuki Kato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Olympus Corp
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Olympus Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd, Olympus Corp filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP4129684A priority Critical patent/JPS60187921A/ja
Priority to US06/707,046 priority patent/US4759991A/en
Priority to DE19853507987 priority patent/DE3507987A1/de
Publication of JPS60187921A publication Critical patent/JPS60187921A/ja
Publication of JPH0256725B2 publication Critical patent/JPH0256725B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は基体上に真空蒸着、オンプレーテイン
グ、スパツタリング又はメツキ法等により設けた
強磁性金属薄膜上及び/又は基体の裏面上に潤滑
被覆層を形成させてなる表面改質された磁気記録
媒体に関するものである。 その目的とするところは記録媒体として強磁性
金属薄膜を使用する磁気記録媒体の走行安定性、
耐久性及び耐食性を改善する事にある。 近年、強磁性金属粉末をバインダーと共に基体
上に塗布乾燥して作られた磁気記録媒体に代つ
て、更に高密度の磁気記録性に優れている強磁性
金属薄膜の磁性層と基体上に蒸着、スパツタリン
グ等によつて被着形成した磁気記録媒体が、オー
デイオ録音、ビデオ録画、8m/mビデオ録画用
テープをはじめ、垂直記録、光デイスク等の記録
メモリー等として特に注目されて来ている。 しかし、この金属磁性層は、空気中の酸素、水
分等によつて腐食し易く、また、磁気ヘツド、ド
ラム及びポスト等との接触走行により摩耗し易
い。そこで該テーブの表面に対し、電磁変換特性
を低下させることなく耐食性、耐摩耗性を向上さ
せると共に、低摩耗性で薄く均一な厚さを有し、
かつ強固な密着力と平面性を付与することが可能
な、潤滑性表面処理剤と処理方法について多くの
研究開発がなされている。 従来提案されている方法のひとつとして金属薄
膜の表面自体を合金化したり、表面にマグネシウ
ム、アルミニウム、白金、パラジウム、クロム、
チタン又はSiO2等の如き金属又は無機酸化物の
膜を蒸着やスパツタリング等の方法により形成さ
せ、高硬度で耐食性を有する被膜で被覆する方法
が提案されている。この方法は、耐食性及び耐摩
耗性等の改善に効果はあるけれど、密着力は往往
にして不十分であり、一方高硬度のため急速に記
録媒体およびトランジユサーの破壊を生ずる等の
問題とともに複雑な処理を必要とし、コスト高と
なる問題があり、満足のいく結果は得られていな
い。又金属薄膜表面との吸着等を利用して表面の
潤滑性向上のためワツクス、脂肪酸/脂肪酸エス
テル、脂肪酸アミドおよびフツ素界面活性剤等の
処理剤を化学的に吸着させたり、シリコーン系オ
イル、およびフツ素系オイル等の処理剤を塗布す
る方法も提案されている。この方法では、磁気ヘ
ツド等に対する摩擦性を減じ、一時的に耐久性を
向上させるが、使用に伴い処理剤が揮発したりけ
ずり取られたりしてその効果を長く持続させる事
は困難である。 又別の方法として磁性層の表面、又は基体の裏
面を、テトラフルオロエチレンテロマーをはじめ
ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フツ素樹脂、エポ
キシ樹脂又は放射線、紫外線硬化型樹脂等の高分
子物質で被覆する事が多く提案されている。これ
は低摩耗性、耐食性及び耐久性等において、一時
的に効果があるが、スペーシングロスと称する電
磁変換特性の低下をもたらすことを考慮すれば、
高分子物質被膜はたかだか500Å、望ましくは200
Å程度の膜厚で均一平滑な平面性を有しなければ
いけない。ところがかかる膜厚では完全に水分の
浸入を防止する事は困難であり耐摩耗性、耐薬品
性の点で難点がある。また公知の高分子物質の塗
布による表面処理では出力変動の少ない均一な薄
膜を形成することは困難である。 又基体の裏面についても、テープ鳴き、走行安
定性及び耐久性を向上させる為に耐摩耗性、潤滑
性の付与が強く要求され、非磁性体金属Al,Cu,
Ag等の金属層を形成させたり、滑剤を含有した
高分子層を形成させたりしてバツクコート層を施
すことが提案されている。しかしいずれにしても
従来技術によれば、強磁性金属薄膜の保護層とし
て、又基体の裏面処理剤として未だ満足なものは
得られていない。本発明者らは従来より提案され
た公知の方法の欠点を克服すべく鋭意研究した結
果、本発明に到達したものである。 本発明の目的は上述の従来技術の諸欠点を解消
し、基体上に真空蒸着、イオンプレーテイング、
スパツタリング、又はメツキ法等により設けた強
磁性金属薄膜の磁性層表面及び/又は基体の裏面
上に、電磁変換特性を低下させることなく、低摩
擦性で耐摩耗性及び耐食性に優れた均一な保護膜
を設けてなる磁気記録媒体を提供せんとするもの
である。 本発明に係る磁気記録媒体の一例は、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム(以下PETフイル
ムとする)、ポリイミドフイルム又はポリアミド
フイルム等、或いはポリカーボネート板、アクリ
ル樹脂板又はガラス板等の基体上に、真空蒸着、
イオンプレーテイング、スパツタリング又はメツ
キ法等により、Fe,Co,Ni,Cr,Ga,Ge等を
はじめとした磁性を有した金属等又はこれらを主
成分とする合金の強磁性金属薄膜を磁性層として
設けた後、その表面及び/又は基体の裏面に、フ
ツ素系グラフトポリマー単独でもしくはこれと他
の表面処理剤と併用して、保護膜を設けてなるも
のである。 本発明においては、磁性層を設けた後、所要に
応じて該磁性層の耐久性及び密着性を向上させる
ため、磁性層表面上又は基体の裏面に、高分子化
合物、無機化合物(SiO2等)等の形成及び磁性
体自体の合金化等の下地処理を施して下地層を形
成させ、ついで潤滑被覆層を形成させても良い。 本発明によれば、磁性層表面に耐摩耗性、潤滑
性、磁性層の耐食性、磁性層との密着性に優れた
トツプコート層を形成でき、又基体裏面には耐摩
耗性、潤滑性、基体との密着性に優れたバツクコ
ート層を形成できる。このようにして形成した保
護膜は磁性層に悪影響をあたえず、電磁変換特性
を低下させることがなく、低摩擦性で耐食性およ
び耐摩耗性等が優れているので、走行安定性およ
び耐久性に優れた磁気記録媒体が提供される。 本発明に用いられるフツ素系グラフトポリマー
としては、マクロモノマー即ち分子鎖の片末端に
重合性の官能基を持つオリゴマーを少なくとも一
つの原料成分として製造されたものが好適であ
る。このオリゴマーの末端重合性官能基の例とし
てはアクリロイルオキシ、メタクリロイルオキ
シ、アリルオキシ、スチリル等のビニル重合タイ
プ、ジカルボキシ、ジヒドロキシ等の重縮合付加
タイプのものをあげる事ができ、又オリゴマーを
構成するモノマーは目的に応じて適宜選べるが、
例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリ
レート、スチレン、ポリエチレングリコールメタ
クリレート、ジメチルシロキサン、フルオロアル
キルアクリレート等を挙げることができる。この
オリゴマーは例えばメタクリル酸メチルをチオグ
リコール酸共存下にラジカル重合して分子量1000
〜10000の片末端カルボン酸プレポリマーを得、
これをメタクリル酸グリシジルと反応させること
により得られるメタクリル酸エステル末端基を有
したオリゴマーである。 このオリゴマーに対し、例えば共重合成分とし
てフルオロアルキルアクリレート(CF3−(CF2
n−CH2CH2OCOCH=CH2、n=4〜12の混合
物)を使用すれば幹がフツ素成分で枝がポリメタ
クリル酸メチルのフツ素系グラフトポリマーが得
られる。このフツ素系グラフトポリマー中におけ
るフルオロアルキルアクリレート単位の含有量は
5〜90重量%が好ましく、10〜40重量%がさらに
好ましい。フルオロアルキルアクリレート単位の
含有量が5重量%未満からなるフツ素系グラフト
ポリマーでは摩擦性、耐食性等における所期の性
能が充分に発現せず、90重量%を越えるとフツ素
系グラフトポリマーの溶剤への溶解性が悪くなり
やすく、またフツ素による改質効果も向上しなく
なる。 本発明によれば、このフツ素系グラフトポリマ
ーは単独でも、磁性層の表面における密着性、低
摩擦性、耐摩耗性および耐食性等の向上とともに
基体の裏面においても同様の優れた被覆層を形成
し、所期の目的を充分に達成できる。 この場合には、フツ素系グラフトポリマーは成
膜性に優れたもの、磁性層と親和性にあるものが
よく、そのためにはカルボキシル基、ヒドロキシ
ル基等の官能基を有するグラフトポリマーを用い
るのがよく、例えばメタクリル酸エステル型マク
ロモノマーとフルオロアルキルアクリレート及び
アクリル酸及び又はメタクリル酸(以下(メタ)
アクリル酸という)又はそれらのアルキルエステ
ル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を
共重合して得られるフツ素系グラフトポリマーを
用いるのが好ましい。更に該フツ素系グラフトポ
リマーを、詳細は後述する表面処理剤に添加溶解
し、このフツ素系グラフトポリマー溶解表面処理
剤を磁性層の表面又は基体の裏面にコーテイング
しても優れた結果をもつて所期の目的を達成する
ことができ、目的、用途によつては単独の場合よ
り優れている事がある。何故ならば、該フツ素系
グラフトポリマーは表面移行能力に極めて優れて
いるため、表面処理剤に添加し通常の環境即ち空
気中あるいは不活性ガス例えば窒素中で成膜すれ
ば、塗膜表面に該フツ素系グラフトポリマーが移
行濃縮し、塗膜表面を容易に改質できるからであ
る。又該フツ素系グラフトポリマーはフツ素成分
と表面処理剤ポリマーに相溶性のある枝成分とか
ら構成されるため、塗膜表面に移行濃縮したフツ
素系グラフトポリマーは、その相溶性成分のアン
カー効果により、塗膜表面から容易に脱落せず、
改質効果の持続性に優れる。更にフツ素成分を有
している事から、被膜は低摩擦性、撥水性、撥油
性を有し又水分透過性がないため、耐食性に優れ
る等、多くの利点を有している。 よつて、本発明の目的を充分に達成できる被覆
層を得る事ができる。 本発明において、該フツ素系グラフトポリマー
を溶解した表面処理剤をトツプコートあるいはバ
ツクコートに用いる場合、使用できる表面処理剤
としては、該フツ素系グラフトポリマーを溶解し
該フツ素系グラフトポリマーの相溶性成分と相溶
性のある表面処理剤が好ましい。 表面処理剤はポリマー又はポリマーと溶剤とで
構成される。ポリマーとしては、例えばα,β−
エチレン性不飽和単量体、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸およびこれらの誘導体の多元重合
体、重縮合反応による重合体、重付加反応による
重合体等のごときポリマーそれ自体を使用できる
他、ラジカル重合性成分からなる硬化性組成物等
をポリマー前駆物質として用いる事もできる。ポ
リマーの具体例を示せば、α,β−エチレン不飽
和単量体としてはスチレン、アクリロニトリル、
塩化ビニル等があげられ、α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸として(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸等の一価及び二価のカルボン酸があげられ
る。又α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の誘
導体としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエ
ステル、例えばエチル、ブチル、2−エチルヘキ
シル等のエステルであり、又アクリル酸又はメタ
クリル酸のヒドロキシアルキルエステルとしては
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、
ヒドロキシプロピルエステル等をあげることがで
きる。これらの単量体を組み合わせて重合するこ
とにより得られる常乾型ラツカーあるいは焼付型
クリヤーエナメルが表面処理剤の例として挙げら
れる。 上記重縮合反応による重合体としては通常の重
縮反応により得られる線状ポリエステル樹脂、ア
ルキツド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等
を挙げることができる。また重付加反応による重
合体としては通常の重付加反応により得られるポ
リウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂等を挙げることが
できる。その他シリコーン樹脂およびフツ素系樹
脂コーデイング剤も挙げることができる。 また、エチルセルローズ、ブチルセルローズ、
ニトロセルローズ等のセルローズ誘導体等をこれ
らのポリマーと併用する事もできる。ポリマー前
駆物質としてのラジカル重合性成分からなる硬化
性組成物を用いる場合は、ラジカル重合開始剤を
用いて加熱重合硬化する方法、ラジカル重合開始
剤と重合硬化促進剤を併用し、常温付近でレドツ
クス重合硬化する方法や、光重合開始剤を用いた
紫外線硬化、又は光重合開始剤を用いても用いな
くてもよい電子線硬化等の種々の硬化手段があ
り、かかる手段によつて重合硬化する組成物であ
ればいずれも使用できる。ラジカル重合性成分と
しては、具体的には(メタ)アクリル酸エステル
単量体、不飽和ポリエステル、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド
(メタ)アクリレートおよびチオール/エン系ポ
リマー等を挙げる事ができる。 フツ素系グラフトポリマーの表面処理側への添
加量は、表面処理剤のポリマー又はラジカル重合
性成分に対し0.01重量%以上が好ましい。添加量
が0.01重量%未満では塗膜表面に所期の目的の効
果を充分発揮できない。 これら表面処理剤は有機溶剤に溶解して用いて
も、又有機溶剤に溶解しなくても用いることはで
きるが、一般には有機溶剤型表面処理剤として用
いた方が好ましい。それはフツ素系グラフトポリ
マーの溶解性を高めフツ素系グラフトポリマーの
塗膜表面への移行性、フツ素成分の表面への配向
性を高め、電磁変換特性に悪影響を与えない薄膜
を形成させる事ができるとともに、粘度低下によ
る均一な平滑面を得ることができるからである。
使用可能な溶剤としてはトルエン、キシレン、シ
クロヘキサン等の炭化水素系溶剤や酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶剤、あるいはメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ
等があり、これらの各種の溶剤のうち一種又は二
種以上の混合溶剤が好ましく用いられる。又処理
剤を塗布する際の手段によつては帯電防止剤、体
質顔料、ワツクスおよびレベリング剤等の添加剤
を添加してもよい。 上述したフツ素系グラフトポリマー単独又は上
記各種処理剤とを併用してなる潤滑特性を有した
処理剤を、各種プラスチツクおよびガラス等の基
体上に真空蒸着、イオンプレーテイング、スパツ
タリングおよびメツキ法等によつて設けられた強
磁性金属薄膜からなるテープ、垂直記録及び光磁
気デイスク等の各種記録媒体の表面及び/又は基
体の裏面に塗布するが、この方法は記録媒体の形
状によつて異なり、公知の方法であるグラビヤコ
ート、グラビヤオフセツト、スリツトリバースコ
ート、スプレーコート、スビンナーコート、デイ
ツピングコートおよびカーテンフローコート等の
方法により表面に塗布、乾燥し、しかる後用いる
処理剤に応じて又所望によりイソシアネート系樹
脂により架橋したり、ラジカル重合性組成物を用
いた場合は熱、紫外線あるいは電子線により重合
硬化し強固な塗膜とすれば磁性層の表面及び/又
は基体の裏面に、数+Å以上の平滑な膜で所期の
目的に合つた被覆層を形成させる事ができ、今ま
でに得られなかつた優れた効果が発現できるので
ある。 次に本発明を実施例、比較例をあげて説明する
が、これは多くの実験の中の一部を挙げたのみ
で、これに限定されるべきものではない。なお、
各例における部は重量部を、%は重量%を表わ
し、また蒸着テープ走行時における摩擦係数は次
式によつて求めた。 T0:インテンシヨン μ1/θlnT1/T0 T1:アウトテンシヨン スピード:14.2mm/sec 参考例 1 撹拌機、環流冷却器、滴下ロート、温度計およ
びガス吹込口を取り付けたガラスフラスコに、メ
チルメタクリレート(以下MMAと略記する)10
部と、アセトン(17.5%−トルエン混合溶媒0.3
部を仕込み、N2導入後、環流下に重合開始剤と
してアゾビスイソブチリニトリル(以下AIBNと
略記する)0.5部と連鎖移動剤としてチオグリコ
ール酸0.32部を加えて重合を開始させた。その後
4.5時間の間に、MMA90部を連続的に滴下し、
またチオグリコール酸2.08部をトルエン7部に溶
解して。30分毎、9回に分けて追加、同様に
AIBN1.5部を1.5時間毎、3回に分けて追加し、
重合を行なつた。さらにその後2時間環流して重
合を終了し、下記構造式〔〕のポリマー溶液を
得た。反応温度は77〜87℃であつた。反応液の一
部をn−ヘキサンにて再沈澱、乾燥して酸価を測
定したところ、0.340mg当量/gであつた。 次に、上記反応液からアセトンの一部を留去し
た後、触媒としてトリエチルアミン0.5%、重合
禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル
200ppmを添加し、酸価に対して1.2倍モルのグリ
シジルメタクリレートを加え、環流下(約110℃)
に11時間反応させた。酸価の減少から求めた反応
液は96%であつた。反応液を10倍量のn−ヘキサ
ン中に投入、沈澱させた後80℃で減圧乾燥して、
下記構造式〔〕のマクロモノマー90部を得た。
ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ(以下
GPCと称する)によるポリスチレン換算分子量
は、2040(数平均)および6.470(重量平均)であ
つた。また水酸基価は0.350mg−当量/gであつ
た。 参考例 2 マクロモノマー法によるフツ素系グラフトポリ
マーの合成 フルオロアルキルクリレート(幹)/メチルメ
タクリレート(枝)−くし型グラフトポリマーの
合成 参考例1と同様の装置に、参考例1で得たマク
ロモノマー70部と、下記構造式〔〕のフルオロ
アルキルアクリレート30部、トリフルオロトルエ
ン(C6H5CF3)270部、AIBN0.35部を仕込み、
N2導入、環流化(約100℃)に、5時間反応させ
た。 〔〕 CF3−(CF2−)oCH2−CH2 −OCO−CH=CH2 において n=4〜12の混合物。(nの平均値約7) この反応液を10倍量のメタノール中に投入、沈
澱させ、80℃減圧乾燥してグラフトポリマー67部
を得た。 このものはGPCにより単一のピークを示し、
プリスチレン換算分子量は10800(数平均)および
21700(重量平均)であつた。 また、内部標準物質としてトリフルオロトルエ
ンを加えて、CDCl3溶媒にてH−NMRスペクト
ルを測定し、トリフルオロトルエンのHと、ポリ
マー中のMMA単位の−O−CH3のHとのピーク
面積比から、グラフトポリマー中のMMA単位の
含有量を求めたところ、60%であつた。 従つて、フルオロアルキルアクリレート単位の
含有量は40%であつた。 参考例 3 参考例1と同様にしてマクロモノマー法により
同一装置、同一操作により合成したが、その際フ
ルオロアルキルアクリレートの仕込量を減らして
フルオロアルキルアクリレート単位含有量が31
%、分子量は約12000(数平均)のフツ素系グラフ
トポリマーを得た。 実施例1,2および比較例1〜4 12μ厚のPETフイルム上に強制的に酸素ガスを
導入しながら真空蒸着法により80%Co−20%Ni
からなる強磁性金属薄膜の磁性層を形成して蒸着
テープを得た。 この蒸着テープの表面又は基体の裏面に下記の
組成よりなる処理剤をスリツトリバースコート法
又はグラビヤコート法により塗布し、熱風乾燥硬
化および紫外線照射によつて硬化させた。磁性層
の表面には約200Åの膜を形成し、裏面側には1μ
の厚さの膜を実施例、比較例共に形成させた。磁
性層の表面側及び基体の裏面側について、各特性
の測定結果を表−1及び第1図、第2図に示し
た。 実施例 1 参考例2によつて得られたフツ素系グラフトポ
リマーをトルエン/MEK=1/1(重量比)の混
合溶剤に対し5重量%の濃度とし、これをスリツ
トバースコート法により塗布し、90℃、3分間熱
風乾燥した。 実施例 2 参考例1によつて得られたフツ素系グラフトポ
リマーを 紫外線硬化型エポキシ変性アクリレート(昭和
高分子(株)製 VR−77) ……35部 DPHA(日本化薬(株)製)(ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート) ……29部 オリゴエステルアクリレート(東亜合成化学工
業(株)製商品名アロニツクスM−7200X)
……30部 光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フエ
ニルアセトフエノン/クロロチオキサントン
2:1) ……5部 帯電防止剤(第一工業製薬(株)製商品名レジスタ
ントRE132) ……1部 上記樹脂組成に対して30%添加した組成物を、
トルエン/酢酸エチル/MEK=2/1/2(重量
比)の混合溶剤中5%とし、これを塗布し岩崎電
機社製高圧水銀灯(集光型、80W/cm)3本によ
つて50m/minの速度で硬化させた。 上記実施例1,2における基体の裏面処理后 参考例1によつて得られたフツ素系グラフトポ
リマー ……12部 ウレタン変性多官能アクリレート系レジン(大
日本インキ社製コンデイツク17−824)
……50部 ニトロセルロース系誘導体(イーストマンコダ
ツク社製CAB−551−001) ……5部 グラフトカーボン(アセチレンブラツク)
……30部 光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フエ
ニルアセトフエノン/クロロチオキサントン=
2/1) ……3部 から成る組成物をトルエン/酢酸エチル/
MEK=2/1/2(重量比)の混合溶剤に対し15
%配合した溶液とし、200meshのグラビヤ版によ
つて塗布し、高圧水銀灯(集光型、80W/cm)3
本で50m/minの速度で紫外線照射して硬化させ
た。 比較例 1 上記で得た蒸着テープの表面にパーフルオロア
ルキルエチレンオキシド付加物(住友スリーエム
(株)製フロラードFC−430)の5%エタノール溶液
をスリツトリバースコートにより塗布し、90℃、
3分間乾燥処理を施した。 比較例 2 磁性層の表面にポリビニル硫酸カリウム(和光
純薬工業社製)の0.05g/の濃度の水溶液をデ
イツピング法によつて塗布した。その後、多量の
純水で洗浄してから乾燥空気を吹きつけ、洗浄水
を除き、80℃の熱風で乾燥させた。 比較例 3 磁性層の表面にチタン膜を200Åの厚さに真空
蒸着により形成させた。 比較例 4 実施例2におけるフツ素系グラフトポリマーを
除き新たに潤滑剤として脂肪酸エステル(理研ビ
タミン(株)製リケマールPL−002)を3部加え、実
施例2と同様にして形成させた。 上記比較例1〜4における裏面処理として、多
塩基性有機酸とポリオールとから製造されるポリ
エステルポリイソシアネートから製造されたポリ
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製:パラ
プレン)90部に対してセルロース誘導体(イース
トマン・コダツク社製CAB551−001)5部、PE
ワツクス3部および脂肪酸アマイド2部円添加し
た組成物をトルエン/MEK=1/1(重量比)の
混合溶剤の15%溶液とし、グラビアコート法で塗
布し90℃、3分間熱風乾燥した。
【表】 以上の結果より本発明のフツ素系グラフトポリ
マーによつて得られた磁気記録媒体は電磁変換特
性を低下させる事なく、低摩擦性、耐摩耗性、撥
水性および耐食性が向上している。故に耐久性に
優れ、また第1図より摩擦係数の変化もない走行
安定性に優れた磁気記録媒体を得る事が出来た。
更に基体の裏面側においてもリール、ハブなどに
よるキズが付く事なく、又結露したり、ブロツキ
ング等を起す事のない優れた記録媒体を得る事が
出来た。 実施例 3 ガラス板上にTeを300Åの厚さに真空蒸着しそ
の表面に下記の組成物を、酢酸エチル/MIBK/
エタノール/フツ素不活性液体(スリーエム社製
商品名フロリナート77)=35/35/15/15(重量
比)の混合溶剤中10%の濃度でスピンナーコート
により塗布し、その後水冷式高圧水銀灯(オーク
製作所製ジエツトライトJL−4300)を用い30秒
間紫外線照射によつて硬化させ、200Å厚の保護
膜を形成させた。この光学的記録材のR/W特性
は保護膜のない場合とまつたく同一となり、耐久
性試験後においても変化する事もなく、再生出力
も同一となり優れた効果を得た。又記録材の表面
と保護層との間又はその上にSiO22μ厚真空蒸着
により形成させてもよく、より効果を上げる事が
できる。 参考例2のフツ素系グラフトポリマー……35% 紫外線硬化型樹脂(旭電化工業(株)製商品名アデ
カB−6136J) 60〃 触媒(PP−33) 3〃 レベリング剤(旭硝子(株)製商品名サーフロンS
−281) ……2〃 実施例 4 表面性を有した50μのPETフイルム基板の上に
Co−Cr(85:15)の垂直異方性をもつ磁性膜をス
パツタ法により形成された垂直磁気記録媒体の表
面に参考例2で得たフツ素系グラフトポリマーを
トルエン/MEK/フロロカーボンソルベント
(スリーエム社製フロリナート77)=1/1/1
(重量比)の混合溶剤中5%の濃度とし、スピン
コート法によつて約100Å厚の保護膜を形成させ
た。 その結果摩擦係数μ=0.08、引掻強度180gの耐
摩耗性に優れた潤滑層を得ることができた。又、
フツ素系特有の水蒸気透過性からS/N比を低下
させる事のない耐食性のよい垂直記録媒体を得
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2で得られた蒸着テープについ
ての走行時間と摩擦係数の関係を表わす図であ
り、第2図は比較例4で得られた蒸着テープにつ
いての走行時間と摩擦係数の関係を表わす図であ
る。 T0……インテンシヨン、T1……アウトテンシ
ヨン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基体上に設けられた強磁性金属薄膜からなる
    磁性層の表面及び又は基体の裏面にフツ素系グラ
    フトポリマーから成る潤滑被覆層を形成してなる
    磁気記録媒体。
JP4129684A 1984-03-06 1984-03-06 磁気記録媒体 Granted JPS60187921A (ja)

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JP4129684A JPS60187921A (ja) 1984-03-06 1984-03-06 磁気記録媒体
US06/707,046 US4759991A (en) 1984-03-06 1985-03-01 Magnetic recording medium having a lubricating coating layer
DE19853507987 DE3507987A1 (de) 1984-03-06 1985-03-06 Magnetisches aufzeichnungsmedium mit einer gleitbeschichtung

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