JPH0254880B2 - - Google Patents

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JPH0254880B2
JPH0254880B2 JP6188585A JP6188585A JPH0254880B2 JP H0254880 B2 JPH0254880 B2 JP H0254880B2 JP 6188585 A JP6188585 A JP 6188585A JP 6188585 A JP6188585 A JP 6188585A JP H0254880 B2 JPH0254880 B2 JP H0254880B2
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carbon dioxide
container
extraction
organic components
mixture
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JP6188585A
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Norimitsu Wakabayashi
Tokuji Yotsuya
Naoya Nogawa
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Resonac Gas Products Corp
Original Assignee
Showa Tansan Co Ltd
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Publication of JPH0254880B2 publication Critical patent/JPH0254880B2/ja
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は動植物材料から有機質成分を抽出分離
する方法に関する。詳しくは動植物材料に含まれ
ている油脂分、アロマ物質、ビタミン類、糖分等
の有機質成分を単味もしくはそれらの混合物とし
て抽出分離する方法である。
従来の技術 従来、種々の動植物材料から有機質成分を抽出
分離する手段として抽出法、吸収法、吸着法、イ
オン交換法など単独又は組合せにより行なわれて
いる。
従来の抽出分離技術のなかで抽出法については
圧搾抽出法、遠心分離抽出法、溶媒抽出法等があ
る。
例えば、油果実や油種子から採油するには圧搾
抽出法、溶媒抽出法が一般的で、ときには併用法
が用いられている。ところで、圧搾抽出法は抽出
率の悪い点が欠点であり、溶媒抽出法は有害のノ
ルマルヘキサンなどの溶媒を用いて抽出するため
に、抽出物から溶媒の除去および回収に大きなエ
ネルギーが必要であり、かつ溶媒残留という危懼
を払拭するために複雑な分離技術、品質管理が要
求され、さらに可燃性溶媒を大量に使用するため
に装置は防爆設備にする必要があることなど熱エ
ネルギー、設備面において費用の嵩む点が欠点と
なつている。
またバニラ殻からアロマ物質を抽出する方法と
しては、一般的に溶媒抽出法(例えば水又はエタ
ノール)が用いられ、その抽出物は食品香料用と
して有用なバニリン、バニリン酸及びその他の香
気成分の混合体となつたバニラエツセンスとして
使用されている。エチルアルコールを溶媒にして
バニラ殻からアロマ物質を抽出する方法として、
溶媒を循環させて行なうソツクスレー抽出濃縮法
が用いられている。この抽出法はエチルアルコー
ルの沸点温度もしくはその付近まで加温されるた
め、バニラ殻に含有する芳香性の揮発性成分が揮
散するし、かつ熱化学反応によりアルデヒド類の
重合反応を起こすことがあり、それらの原因が品
質低下の一因になることがあるし、さらにバニラ
殻に含有する自然体のものをそのまま完全抽出・
分離できないことが難点となつている。
またグリーンコーヒー豆から脱カフエインする
場合、ハロゲン系有機溶媒法、水蒸気蒸留法によ
り抽出・分離することが一般的に行なわれてい
る。これらの方法のうち前者の方法では有害有機
溶媒の残留という危懼、後者の方法ではコーヒー
豆中の成分の熱劣化などの問題点をかかえている
ことが欠点となつている。
また深海産サメ類の肝臓から肝油成分を抽出・
分離する方法として鉄製の釜に入れ直火加熱法で
肝油を溶出させる煎取法が一般的に行なわれてい
る。さらにタラ類の肝臓からビタミン類を含んだ
油成分を抽出する方法として蒸煮したのち圧搾す
る方法や水酸化ナトリウムを添加してから加熱
し、肝臓組織を溶解後、熱湯をかけて遠心分離法
によつて油状分と水分を分離している。これらの
方法は高圧蒸気や直火加熱で行なわれるため油脂
中の熱劣化しやすい物質とか酸化分解しやすい物
質が不快な変敗臭の原因になることがある。
上記せる一連の抽出・分離方法の欠点を改善す
るために、近時、二酸化炭素の臨界温度、臨界圧
力以上で行う超臨界ガス抽出技術が開発されるに
至つた。この方法は高圧容器内で臨界温度、臨界
圧力以上の条件にしたものが「超臨界ガス状態」
と云われ、温度一定で圧力が増加するにしたが
い、ガス密度が増大し、そのことが物質の溶解度
を増加させる。
次に、超臨界ガス抽出技術を用いたいくつかの
提案されている抽出分離方法について述べる。
特開昭49−99302号公報には動植物から油分を
分離する方法、また特開昭58−74797号公報には
バニラ殻からアロマ物質を抽出する方法、特開昭
46−1820号公報にはグリーンコーヒー豆から脱カ
フエインする方法などが提案されている。さら
に、液化炭酸ガスの状態下で植物性物質の抽出物
の製造方法、特開昭48−68754号公報には動植物
性物質の抽出物製造法、また特開昭48−68755号
公報には液化炭酸ガスと有機溶剤との混合状態下
で動植物性物質を抽出する方法が提案されてい
る。
発明が解決しようとする問題点 しかし、上記いずれの方法においても、有機質
成分の抽出時間が長く、かつ満足する抽出効果が
得られず、また期待する分離効果も得られない等
の実用上の不満足さを有している。
本発明の目的は、同一の抽出容器内で動植物材
料から有機質成分を短時間に抽出すると共に揮発
性性分から高沸点成分までの広い範囲の成分を高
い抽出率で抽出・分離する方法である。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、液化二酸化炭素を用いて動植物
材料に含まれる有機質成分の抽出・分離について
鋭意研究を続けた結果、液化二酸化炭素に、水、
エチルアルコール、エチルエーテル、n−ブタン
等の溶媒またはこれらの混合溶媒を添加し、加熱
することによつて液体状態から超臨界ガス混合状
態に相変化するときの溶解エネルギーを用いて被
抽出体としての動植物材料から有機質成分を取り
出し、かつ溶解させ、さらにガス混合状態から液
体状態に戻してその有機質成分を液化二酸化炭素
および溶媒又は混合溶媒に溶解もしくは混合させ
ることを同一の抽出用高圧容器内で行なわせるこ
とにより抽出時間の短縮が図られ、かつ有機質成
分の抽出率を高めること、さらに抽出物の含んだ
液化二酸化炭素混合溶媒を一部もしくは全部固体
二酸化炭素混合物として固定化させることによ
り、揮発性成分から高沸点成分までの広い範囲の
成分を効率良く分離することを知見し、本発明を
完成させるに至つた。すなわち、本発明の抽出方
法は高圧容器に動植物材料を入れ、抽出促進助剤
を添加した後、液化二酸化炭素の適量を圧入又は
上記抽出促進助剤を含む液化二酸化炭素の適量を
圧入後、該容器を加温して二酸化炭素の臨界温度
及び臨界圧力以上の条件下にして該容器内の混合
液体の全部又は一部を超臨界ガス状態にしてから
適当時間保持した後、該容器を冷却して臨界点以
下に戻して混合液化二酸化炭素に相変化させて有
機質成分を混合液化二酸化炭素相に抽出させるこ
とを特徴とする方法である。
また、上記抽出方法によつて得られた抽出有機
質成分と抽出促進助剤を含んだ混合液化二酸化炭
素相から抽出有機質成分を含んだ抽出促進助剤を
分離する方法とを結合した抽出・分離方法におい
ては、上記抽出方法の工程で得られた有機質成分
を含む混合液化二酸化炭素相を密閉分離容器内に
噴霧もしくは液状で移充填させた後、該容器から
二酸化炭素ガスとして放出するときの気化熱もし
くは外部からの冷熱又はこれらの組み合せにより
固体二酸化炭素混合物として固定させながら該固
体二酸化炭素混合物の昇華による二酸化炭素ガス
を放出して抽出有機質成分を含んだ抽出促進助剤
を分離する分離工程を付加させた抽出・分離の方
法として特徴付けられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
抽出工程について 高圧容器に乾燥もしくは自然体の動植物材料を
粗砕、破砕、粉砕、切断あるいは原形状態で入
れ、抽出促進助剤を添加した後、液化二酸化炭素
を適量圧入後、この容器を二酸化炭素の臨界点
(臨界温度31.1℃、臨界圧力75.28Kg/cm2)以上に
加温・加圧して、この容器内の混合液体を超臨界
ガス状態もしくは一部超臨界ガス状態になるよう
にしてから適当時間保持した後、この容器を二酸
化炭素の臨界点以下の条件に戻して混合液化二酸
化炭素として相変化させて動植物材料に含まれる
有機質成分を混合液化二酸化炭素相に移行させる
ことにある。
上記有機質成分を抽出する抽出溶媒は液化二酸
化炭素と抽出促進助剤の混合物であつて抽出用容
器に液状状態で適量添加するか、あらかじめ高圧
ボンベあるいは貯槽内で液状態で混合したもの
か、または配管内で液化二酸化炭素と抽出促進助
剤を液状態で混合したもののいずれかを使用し、
これらの混合抽出溶媒を液状態→全部気体状態も
しくは一部気体状態→液状態に相変化させたもの
である。
分離工程について 抽出有機質成分と抽出促進助剤の含んだ混合
液化二酸化炭素を分離用容器内に減圧噴霧させ
て固体二酸化炭素混合物として生成させる。気
化した二酸化炭素はこの容器から放出した後、
温水もしくは温風等を用いて加温し、固形二酸
化炭素混合物から液化二酸化炭素に相変化させ
ないで直接昇華、放出させて抽出物の含んだ抽
出促進助剤を分離させる方法である。
抽出物と抽出促進助剤の含んだ混合液化二酸
化炭素を分離用容器中に移充填させ、この容器
を固体二酸化炭素、低温液化ガス等の冷媒を用
いて0℃〜二酸化炭素の三重点近傍まで冷却、
保持しながらその容器から気化二酸化炭素を放
出し、二酸化炭素の気化潜熱及び冷媒での冷却
によりこの容器内の圧力、温度を二酸化炭素の
三重点(5.28Kg/cm2、−56.6℃)以下にして、
抽出物及び抽出促進助剤の含んだ液化二酸化炭
素の一部を固体二酸化炭素混合物として固定さ
せた後、温水もしくは温風等を用いて加温し、
固体二酸化炭素混合物から直接昇華させて二酸
化炭素ガスを放出させることによて、抽出物の
含んだ抽出促進助剤を分離させる方法である。
抽出物及び抽出促進助剤の含んだ混合液化二
酸化炭素を分離用容器内に移充填させ、この容
器を−80℃以下の低温液化ガス(液体窒素、液
化天然ガス等)を用いて冷却し、固体二酸化炭
素混合物から直接昇華し、二酸化炭素ガスを放
出させて抽出物の含んだ抽出促進助剤を分離さ
せる方法である。
分離用容器内で抽出物及び抽出促進助剤の含
んだ混合液化二酸化炭素を噴霧したものと、−
80℃以下の低温液化ガスを噴霧したものを混合
させることにより、抽出物及び抽出促進助剤の
含んだガス状二酸化炭素を固体二酸化炭素とし
て固定したのち、この容器を温水もしくは温風
等を用いて加温し、固体二酸化炭素混合物から
直接ガス化させて抽出物の含んだ抽出促進助剤
を分離させる方法である。
上記いずれの分離方法を採用するかは、動植物
材料に含まれる有機質成分の特性によつて定めら
れる。
作 用 本発明においては、液化二酸化炭素と抽出促進
助剤との抽出溶媒の存在下で動植物材料を入れた
抽出用容器を加熱して、二酸化炭素の臨界温度・
圧力以上の条件にさせて、この混合液体の全部も
しくは一部を超臨界ガス状態にしてからその容器
を冷却させて臨界点以下に戻して混合液化二酸化
炭素に相変化させるときのエネルギー及び抽出溶
媒の抽出作用によつて動植物材料に含まれる有機
質成分は短時間に抽出されると共に、抽出率は著
しく向上する。この理由については現段階では明
らかでない。特公昭51−36341号公報には、二酸
化炭素の臨界温度及び臨界圧力以上で接触させて
生コーヒー豆からカフエインを除去することが記
載されているが、水に溶解したカフエインは臨界
温度・圧力以上の過臨界状のガス状二酸化炭素に
は比較的容易に吸収されるが、これに反して乾燥
したカフエインはそうでない旨が記載されてい
る。本発明においては、乾燥状の原料においても
何んら抽出率には影響されないのが特徴である。
動植物材料に含まれる有機質成分の特性によつ
ては、抽出物と抽出促進助剤を含んだ混合物を混
合液化二酸化炭素相から分離する必要がある。こ
の場合は、本発明の抽出方法に既述せる分離方法
が併用される。この併用の分離方法を採用するこ
とにより、有機質成分と抽出促進助剤を含んだ混
合液化二酸化炭素を固体二酸化炭素混合物として
固定させ、昇華する二酸化炭素ガスを放出するこ
とにより、分離成分が放出ガス中に移行せずに高
い分離率で抽出成分を分離することができると共
に揮発性成分から高沸点成分までの広い範囲の成
分を分離することができる。このように、固体二
酸化炭素混合物として固定させてから抽出有機質
成分を含んだ抽出促進助剤を分離する方法はこの
発明の特徴である。
発明の効果 本発明によれば、従来の抽出方法に較べて動植
物材料から有機質成分を短時間にしかも高い抽出
率でえられる。さらに抽出された抽出物を含む抽
出促進助剤の分離が高率で出来るとともに抽出成
分に見合う分離が可能である等、本発明の実施例
で示すような驚くべき抽出・分離効果をもたら
す。また、特に有害助剤を使用しないので安全で
あり、工業化した際に、防爆などの危険もなく、
設備上からも安全操業の上からも大きなメリツト
がある。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものでない。ま
た各図面中の類似部分は同一符号をもつて示して
ある。
実施例 1 第1図に示すように、ブロー弁BVと圧力計P
を頂板に設けた抽出用高圧容器1内に1.0Kgのコ
ーヒー豆を入れ、水槽2に連結される流路に設け
た流量計Lを通してポンプPoにて水約1をバ
ルブV1を介して圧送したのち、液化二酸化炭素
を充填した高圧ボンベ3から6Kgを秤Bで計量し
てポンプPoにてバルブV2を備えた流路から圧送
したのち、該容器の外周部に設けたジヤケツト1
aに温水を流し、60℃、180気圧の超臨界ガス状
態で4時間放置している間に、水を含んだ超臨界
二酸化炭素混合ガスが生コーヒー豆中のカフエイ
ンを抽出、溶解させた。その後、該容器のジヤケ
ツト1a内に冷水を流してその容器内のガス温
度、圧力を20℃、60気圧まで冷却させると、20℃
の液化二酸化炭素には抽出助剤としての水はほと
んど溶解しないから、カフエインを含んだ水と液
化二酸化炭素が分離し、水は該容器の底部1bの
溜水中に溶け込み、液化二酸化炭素は水層の上層
部に分けられた。該容器内の水層部の液をバルブ
V3を備えた抜取り管を通して回収用容器4に取
り出した。まだ完全に脱カフエインされていない
ときは、該容器1内に水1を圧送し、ジヤケツ
トに温水を流して60℃、200気圧の超臨界ガス状
態で4時間放置する。以降の操作は上記方法と同
様に行なつたのち、容器内の液化二酸化炭素は抜
取管に分岐される管に設けたバルブV4を通して
抜き出した。
この発明の方法で行なつた1回の操作で生コー
ヒー豆中のカフエイン残存量は当初の1.3%から
0.6%に減少し、2回の操作で、0.6%から0.1%ま
で減少した。
実施例 2 第2図に示す抽出用容器1内に破砕大豆1Kgを
入れ、エタノール2%を溶存させた液化二酸化炭
素を充填した高圧ボンベ3から秤Bによつて7Kg
を計量してポンプPoにてバルブV2を通して容器
1内に圧送したのち、1時間放置した。次いで、
該容器の外周部に設けたジヤケツト1aに温水を
流して容器内のガス温度と圧力を80℃、200気圧
の超臨界状態で5時間放置した後、ジヤケツト1
aに水を流して容器内の温度、圧力を20℃、60気
圧まで冷却して抽出物とエタノールを含んだ液化
二酸化炭素混合物に相変化させ、その状態下で2
時間放置した後、この容器の底部に設けた抜取管
のバルブV3を通して上記抽出物を含んだ液化二
酸化炭素混合物を密閉分離容器5内へ噴霧してガ
ス化した二酸化炭素は容器1の頂部に設けたブロ
ー弁BVよりガス放出して抽出物を含んだエタノ
ールと二酸化炭素とを分離した。この容器内の圧
力は圧力計Pで観視した。分離された抽出物を含
んだエタノールは、分離容器5の底部に設けた流
出管のバルブV5を通して抜出し、このものを常
法の蒸留法を用いてエタノールを除去したとこ
ろ、黄色状の大豆油0.16Kgを得た。なお、原料大
豆中の油分量は17.8%で本発明の方法で実施した
大豆中の残油分量は1.8%であつた。また、抽出
促進助剤としてエタノールを使用するため、大豆
中の油が配管、バルブ等にほとんど付着しなかつ
た。
実施例 3 第2図の抽出用容器1内に粉砕バニラ殻0.5Kg
を入れ、エタノール3%を含む液化二酸化炭素混
合物を充填した高圧ボンベ3から7Kgの液化二酸
化炭素混合物をポンプPoにて該容器に圧送した
のち、ただちに該容器のジヤケツト1aに温水を
流して、容器内の温度、圧力を74℃250気圧の超
臨界状態で4時間放置後、該容器のジヤケツトに
水を流して容器内のガス温度、圧力を20℃、60気
圧まで冷却し、抽出物及びエタノールを含んだ液
化二酸化炭素混合物に相変化させ、その状態で2
時間放置後、この容器の底部に設けた抜取管のバ
ルブV3を通して液化二酸化炭素混合物を分離容
器5内へ移充填し、この容器5のジヤケツト5a
に、固体二酸化炭素で−30℃に冷却したブライン
溶液を流し、冷却しながら容器5の頂部に設けた
ブロー弁BVを介して二酸化炭素として放出し、
この容器内が二酸化炭素の三重点以下になると液
化二酸化炭素混合物から固体二酸化炭素混合物に
なる。次に冷却を中止し、容器のジヤケツト5a
に温水を流し、昇華した二酸化炭素を容器5の頂
部に設けたブロー弁BVから放出すると、バニラ
エツセンスを含むエタノール溶液190gが得られ
た。その中に含まれている樹脂と精油の結合物
(オレオレジン)は94gで、エタノール中のオレ
オレジン濃度は49.5%であつた。収率は原料バニ
ラ殻比18.8%でバニリンに対して97.8%であつ
た。
抽出物の評価は常法のアルコール抽出法で得ら
れた抽出物を、本発明で得られたものと同濃度に
なるように調整して下記の官能検査を行なつた。
アイスクリーム混合物1000gに常法のアルコー
ル抽出法で得られたバニラエキスアルコール溶液
(オレオレジン20%含有)1mlと本発明方法で得
られたバニラエキスアルコール溶液(オレオレジ
ン20%含有)1mlを添加したものの検査を10人の
パネルテストで行なつた。その結果、本発明方法
で得られたバニラエキスを添加したアイスクリー
ム混合物が全員一致で良好との判定を得た。さら
に官能検査の結果によれば、本発明の方法で得た
バニラエキスは揮発性の甘い香りのものが、常法
で得られたものより多く含まれているとの判定で
あつた。
実施例 4 第2図の抽出用容器1にアイザメの肝臓100g
を入れ、エタノール1%を含有する二酸化炭素混
合物を充填した高圧ボンベ3を秤Bでその混合物
を6Kg計量して該容器にポンプPoにて圧送した
のち、該容器のジヤケツト1aに温水を流して該
容器内の温度、圧力を80℃、200気圧の超臨界ガ
ス状態で4時間放置後、該容器のジヤケツトに水
を流して容器内のガス温度、圧力を20℃、60気圧
まで冷却して抽出物およびエタノールの含んだ液
化二酸化炭素混合物にし、その状態で2時間放置
後、該容器の抜取管のバルブV3から液化二酸化
炭素混合物を分離用容器5へ噴霧しガス化した二
酸化炭素はこの容器のブロー弁BVより放出して
抽出物を含んだエタノール混合物を得た。エタノ
ールは常法の蒸留法を用いて除去し、その油脂状
残分は64gであつた。肝臓含油量の87%が抽出さ
れ、その油脂は二酸化炭素およびエタノール雰囲
気下で数時間あたためたが、酸化および変臭はな
かつた。
上記実施例2〜4で実施した分離法以外の実施
態様を次に示す。
第3図の分離用容器5は構造においては、第2
図に示す分離用容器5と変らないが、容器1の外
周部に有底の外套体5a′を設けこの外套体の下側
部に、バルブV6を備えた抜取管を設けた点が異
なる。この分離用容器に、実施例3で得られた抽
出物およびエタノールを含む二酸化炭素混合物を
移充填し、この容器のまわりの外套体内に液化窒
素を入れて容器を冷却し、液化二酸化炭素混合物
を固体二酸化炭素混合物として固定したのち、液
化窒素をバルブV6を通して抜き取つてから常温
水(または温風)を用いて該容器を加温する。昇
華した二酸化炭素はブロー弁BVから放出し、抽
出物を含んだエタノール溶液として流出管のバル
ブV5を通して取出した。得られたバニラエツセ
ンスを含むエタノール溶液には、実施例3の分離
工程で得られたものよりエタノール溶液中の成分
は揮発性で甘味のあるものが多く含まれていた。
第4図は分離用容器5に液体窒素噴霧用ノズル
6a,6bを上下に設け、容器5内でノズルから
液体窒素を噴霧しながら実施例3で得られた抽出
物およびエタノールを含む液化二酸化炭素混合物
を該容器内にノズル6cから噴霧する。液化二酸
化炭素混合物は噴霧時にガス化した二酸化炭素混
合ガスが霧状の液体窒素と接触して雪状二酸化炭
素となつて容器内の底部に堆積する。堆積した雪
状二酸化炭素は、容器5の下部に連設される分離
器5′に移し、分離器のジヤケツト5a″に温水を
流して昇華した二酸化炭素はガス放出管BPを通
して放出し、分離された抽出物を含むエタノール
は抜取管のバルブV5を通して取り出される。得
られた抽出物は第3図の分離方法で得られたもの
と同等であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はこの発明を実施する装置の一
例を示す説明図、第3図、第4図は分離方法の別
の実施態様を示す説明図である。 1……抽出用容器、2……水槽、3……高圧ボ
ンベ、4……回収容器、5……抽出用分離容器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高圧容器に動植物材料を入れ、水、エチルア
    ルコール、エチルエーテル、n−ブタン等の溶媒
    もしくはその混合物を抽出促進助剤として添加し
    た後、液化二酸化炭素の適量を圧入又は上記抽出
    促進剤を含む液化二酸化炭素の適量を圧入後、該
    容器を加温して二酸化炭素の臨界温度及び臨界圧
    力以上の条件下にして該容器内の混合液体の全部
    又は一部を超臨界ガス状態にしてから適当時間保
    持した後、該容器を冷却して臨界点以下に戻して
    混合液化二酸化炭素に相変化させて有機質成分を
    混合液化二酸化炭素相に抽出させることを特徴と
    する動植物材料から有機質成分を抽出する方法。 2 高圧容器に動植物材料を入れ、水、エチルア
    ルコール、エチルエーテル、n−ブタン等の溶媒
    もしくはその混合物を抽出促進助剤として添加し
    た後、液化二酸化炭素の適量を圧入又は上記抽出
    促進助剤を含む液化二酸化炭素の適量を圧入後、
    該容器を加温して二酸化炭素の臨界温度及び臨界
    圧力以上の条件にして該容器内の混合液体の全部
    又は一部を超臨界ガス状態にしてから適当時間保
    持した後、該容器を冷却して臨界点以下に戻して
    混合液化二酸化炭素に相変化させて有機質成分を
    混合液化二酸化炭素相に移行させる抽出工程と、 上記抽出工程の混合液化二酸化炭素相を密閉分
    離容器内に噴霧もしくは液状で移充填させた後、
    該容器から二酸化炭素ガスとして放出するときの
    気化熱もしくは外部からの冷熱又はこれらの組み
    合せにより固体二酸化炭素混合物として固定させ
    ながら該固体二酸化炭素混合物の昇華により二酸
    化炭素ガスを放出して抽出有機質成分を含んだ抽
    出促進助剤を分離する分離工程よりなることを特
    徴とする動植物材料から有機質成分を抽出・分離
    する方法。 3 抽出有機質成分と抽出促進助剤を含んだ混合
    液化二酸化炭素を固体二酸化炭素混合物に生成さ
    せた分離容器を、温水又は熱風で加温し、該固体
    二酸化炭素混合物を液化二酸化炭素に相変化させ
    ずに昇華した二酸化炭素を放出し、固体二酸化炭
    素混合物から抽出有機質成分を含んだ抽出促進助
    剤を分離する特許請求の範囲第2項記載の動植物
    材料から有機質成分を抽出・分離する方法。 4 抽出有機質成分と抽出促進助剤を含んだ混合
    液化二酸化炭素を移充填した分離容器を固体二酸
    化炭素、低温液化ガスの冷剤を直接又は間接に用
    いて二酸化炭素の三重点近傍まで冷却保持しなが
    ら該容器から二酸化炭素ガスとして放出し、混合
    液化二酸化炭素を固体二酸化炭素混合物として固
    定化させる特許請求の範囲第2項記載の動植物材
    料から有機質成分を抽出・分離する方法。 5 抽出有機質成分と抽出促進助剤を含んだ混合
    液化二酸化炭素を移充填した分離容器を−80℃以
    下の低温液化ガスで冷却し、混合液化二酸化炭素
    を完全に固体二酸化炭素混合物として固定化させ
    る特許請求の範囲第2項記載の動植物材料から有
    機質成分を抽出・分離する方法。 6 抽出有機質成分と抽出促進助剤を含んだ混合
    液化二酸化炭素を噴霧したものと、−80℃以下の
    低温液化ガスを噴霧したものとを混合させ、ガス
    状混合二酸化炭素を直接固体二酸化炭素混合物と
    して固定化させる特許請求の範囲第2項記載の動
    植物材料から有機質成分を抽出・分離する方法。
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