JPH0250030B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明はエレベータに関し、特に展望用エレ
ベータのように乗客が楽しみながら昇降できるエ
レベータに関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来、乗客が乗つて楽しめるエレベータとして
は展望用エレベータと称されているものがある。
これは第４図に示すような構成である。即ち、ビ
ル等の建屋に設けたエレベータ昇降路１内に乗り
かご２を巻上用吊りロープ３により吊持し、その
乗りかご２を該ロープ３を介して上部機械室等の
巻上機（図示せず）の巻上駆動により左右ガイド
レール４に沿つて昇降路１内を昇降させるように
なす。その乗りかご２はかご枠５とかご室６とか
らなり、そのかご室６はかご床７の周囲に巾木を
介して側板８を立設し、その上端に室内照明装置
９付き天井１０を設け、更には図示しないが前面
側に開閉ドア機構付き出入口が設けられて、建屋
の各階への着床停止に伴い当該階のエレベータ乗
場出入口から乗客が乗り降りできる構成となつて
いる。こうした乗りかご２のかご室６の例えば背
面側の側板８にガラス等を嵌込むことによりかご
室側窓１１を設けると共に、手摺１２を取付け、
一方そのかご室側窓１１と対向する昇降路１の背
面側にガラス等を嵌込むことにより上下に長く亘
つて建屋側窓１３を設けて、該かご室６内の乗客
がかご室側窓１１から建屋側窓１３を介して屋外
の景色を見ながら楽しく昇降できるようになつて
いる。

ところで、こうした屋外の景色が見える展望用
エレベータは、都会のビルが林立する密集地等で
は、隣のビルとの間隔が狭く接近しているので、
該展望用エレベータを設けたくても、隣のビルに
視界が阻まれてしまつて意味が無いと言つた問題
がある。また既に取付け使用されている展望用エ
レベータでも屋外の景色は殆ど一定であることか
ら短期間で乗客に見飽きられてしまう問題があつ
た。また一方では建物の用途にマツチした雰囲気
を乗客に与えて気分を盛上がらせる効果を狙えれ
ばと言つた要求が出て来ている。

〔発明の目的〕

この発明は上記事情に鑑みなされたもので、展
望用エレベータの如く屋外の景色を見せるのでは
なく、乗りかごのかご室内から昇降路内壁面の映
像スクリーンの迫力のある画像が見えるようにし
て、それを見ながら乗客が楽しく昇降できるよう
になし、これにて密集地のビルでの屋外の視界が
狭かつたり屋外の景色が単調であつたりすること
による展望エレベータの問題を良好に解消でき、
且つ屋外条件に一切係わり無く建物の用途にマツ
チした雰囲気の画像を昇降する乗客に見せて気分
を盛上がらせる効果を狙うと言つた要望等にに答
えられるようになるエレベータを提供することを
目的とする。

〔発明の概要〕

この発明のエレベータは、前記目的を達成する
ために、エレベータ昇降路内を昇降する乗りかご
のかご室に大きな窓を設ける一方、この窓からか
ご室内の乗客が見える昇降路内壁に、宇宙空間や
海底等の模様などの画像をカラーシルク印刷した
透過率の良い基板と、この基板の前面側に配置し
該基板の画像を立体的に見せるハーフミラーとか
らなる長大画面の映像スクリーンを設けると共
に、この映像スクリーンの基板裏面側から照射し
て該基板の画像を浮出させる照明ランプと、複数
本の光フアイバーの一端を前記基板に接続し他端
を光源部に接続して該光源部からの濃淡や色彩の
変化を持つ光を基板の複数個所に導き発光させる
光フアイバー照明具とからなる照明装置を設けた
構成である。

従つて、昇降路内壁の長大画面の映像スクリー
ンの基板にカラーシルク印刷された宇宙空間や海
底等の模様などの画像が照明装置の照明ランプに
より照射され、その画像がハーフミラーにより奥
行きの深い迫力のある立体大画像として浮き出さ
れると共に、光フアイバー照明具による各種濃淡
や色彩の変化を持つ光が前記基板の複数個所に導
き発光させられ、その各種の光もハーフミラーに
浮き出されて、前記立体大画像の雰囲気がより一
層高められて臨場感が出るようになる。これにて
乗りかごのかご室内に乗つた乗客は、昇降中、大
きな窓から前記奥行きの深い臨場感あふれた迫力
ある立体大画像を連続して見ながら、広大な宇宙
空間や海底等を自分が宇宙船や潜水艦に本当に乗
つて遊泳しているような錯覚を受けて、大いに楽
しめるようになる。

〔発明の実施例〕

以下この発明の一実施例を第１図乃至第３図に
より説明する。昇降路２１内に従来同様巻上用吊
りロープ（図示せず）を介して昇降駆動可能に設
けられた乗りかご２２のかご室２３は、かご床２
４周囲に巾木を介して側板２５が立設され、その
上端に室内照明装置２６付き天井２７が設けら
れ、更に図示しないが前面側に開閉ドア機構付き
出入口が設けられて、建屋の各階への着床停止に
伴い当該階のエレベータ乗場側出入口から乗客が
乗り降りできる構成となつている。こうした乗り
かご２２のかご室２３の背面側の側板２５にガラ
ス等を嵌込むことにより大きな窓２８が設けられ
ていると共に、手摺２９が取付けられ、更に窓２
８の上部に隣接して斜めに天井窓２８ａが設けら
れて、かご室２３内の乗客が大きな視野で該かご
室２３の背面側外部を覗くことが可能となつてい
る。

一方、その乗りかご２２のかご室２３内の乗客
が窓２８，２８ａから見える昇降路２１内の背面
側壁面２２ａに映像スクリーン３０が設けられて
いる。この映像スクリーン３０は昇降路２１内の
背面側壁面２２の幅一杯に亘り且つ乗りかご２２
の昇降範囲略全域に亘るよう上下に長い大きなも
ので、その大画面に宇宙空間や海底等の模様など
設置現場の建屋の用途の雰囲気にマツチした迫力
のある画像が表示されて、それを乗りかご２２の
かご室２３内の乗客が窓２８，２８ａから見なが
ら楽しく昇降できるようになつている。

更に前記映像スクリーン３０を詳述すると、こ
れは前述した宇宙空間や海底等の模様などの画像
（絵柄）３１を表面にカラーシルク印刷した透過
率の良いアクリル板等の基板３２と、その基板３
２の前面側に配設されて該基板３２の画像を立体
的に見せるハーフミラー３３とから構成されてい
る。またその基板３２の裏面側には該基板３２を
照射して画像３１を浮出させる照明装置としての
複数の蛍光燈等の照明ランプ３４が設けられてい
ると共に、同じく照明装置としての光フアイバー
照明具３５が設けられている。この光フアイバー
照明具３５は多数本の光フアイバー３６を用い、
その各光フアイバー３６の先端が前記基板３２に
この裏面側から表面の画像３１とマツチするよう
一本ずつバラバラの配置状態で貫通して接着材３
７により接続固定され、その各基端はその端面を
面一状態にして均一に束ねて光源部である光源箱
３８の保持金具３９に接続固定されている。その
光源箱３７内には前述の如く束ねて固定した状態
の光フアイバー３６の基端端面と対向する位置に
例えばハロゲンランプ等の電球４０及び反射板４
１が設けられ、それらと前記光フアイバー３６の
基端端面との間に介在するように回転フイルム板
４２が駆動モータ４３の軸４３ａに取付けられて
設けられている。その回転フイルム板４２は放射
区画的に色分けされて即ち、部分的に濃淡及び色
彩が異にされて、前記駆動モータ４３のコントロ
ール盤４４の制御による回転駆動で回転して、電
球４０からの光に濃淡及び色彩を持たせて前記各
光フアイバー３６に基端面から入射させる。その
入射した光が導かれる基板３２表面の各光フアイ
バー３６の先端にはビーズ４５が一体に固着され
ていて、この各ビーズ４５から光が点滅を繰返し
たり各種色彩に変化して出るようになつている。

而して、上述した構成のエレベータでは、エレ
ベータ運転時には各照明装置の電源を入れ、これ
にて点灯する照明ランプ３４が昇降路２１内の映
像スクリーン３０の基板３２全面を裏面側から照
射して、該基板３２にカラーシルク印刷した画像
３１を浮出させると共に、光フアイバー照明具３
５の光源箱３８からの各種濃淡及び色彩を持つ光
が多数本の光フアイバー３６により導びかれて、
基板３２表面の各ビーズ４５から点滅を繰返しな
がら発光して、該基板表面の画像３１の雰囲気を
より高める効果を与える。しかもそうした基板３
２の前面側にハーフミラー３３があることで、上
記基板３２の照射された画像３１及び各ビーズ４
５からの光の点滅状態が乗りかご２２のかご室２
２の窓２８，２８ａからは立体映像として見える
ようになり、その乗りかご２２に乗つた乗客はそ
の迫力ある立体大映像を見て大いに楽しみながら
昇降できるようになる。特にその映像効果と乗り
かご２２の昇降移動とにより乗客は、該映像の世
界に、例えば宇宙空間或いは海底等に自分が宇宙
船や潜水艦に本当に乗つて遊泳しているような臨
場感が味わい得て楽しみが倍加する。

こうしたエレベータであれば、従来の展望用エ
レベータの如く乗客に屋外の景色を単に見せるの
ではなく、乗りかご２２のかご室２３内に乗つて
昇降する乗客に該かご室２３の大きな窓２８，２
８ａから昇降路２１内壁面の大きな映像スクリー
ン３０の迫力のある立体映像を見せて楽しませる
ので、屋外の条件に一切係わりなく即ち、屋外の
視界が狭い密集地のビルでも何ら問題なく設置使
用可能となると共に、殆ど一定で変化がない屋外
の景色のように短期間で乗客に見飽きられてしま
うと言つた問題も無くなる。また映像スクリーン
の基板３２の交換等により画像を各種選択・変更
することも可能で、建物の用途にマツチした雰囲
気を乗客に与えて気分を盛上がらせる効果を狙う
にも好都合であると共に、季節の変化に応じて画
像を変えれば雰囲気も変わりビルとしての宣伝効
果は大である。

なお、この発明では上記実施例の如く昇降路２
１内壁面に映像スクリーン３０を設けるだけでな
く、同様の映像スクリーンを乗りかご２２のかご
室２３の照明付き天井２７にも設けて、その映像
を昇降路内壁面の映像スクリーンの映像と同調さ
せて乗客に見せれば、更に迫力が増すなどの効果
が得られる。またエレベータに設備したスピーカ
ー等を介しての映像に合つた各種疑音などの音響
効果を加えることも非常に面白いものとなる。

〔発明の効果〕

この発明は上述した如くなしたから、展望用エ
レベータの如く屋外の景色を見せるのではなく、
乗りかごのかご室内から昇降路内壁面の映像スク
リーンの迫力のある画像が見えるようになるの
で、乗客が非常に楽しく乗りかごに乗つて昇降で
きるようになり、これにて密集地のビルでの屋外
の視界が狭かつたり屋外の景色が単調であつたり
することによる展望エレベータの問題を良好に解
消でき、且つ屋外条件に一切係わり無く建物の用
途にマツチした雰囲気の画像を昇降する乗客に見
せて気分を盛上がらせる効果を狙うと言つた要望
等に答えられるなど、非常に画期的で楽しいエレ
ベータとなる。しかも、乗りかごのかご室には大
きな窓を設ける一方、この窓からかご室内の乗客
が見える昇降路内壁には、宇宙空間や海底等の模
様などの画像をカラーシルク印刷した透過率の良
い基板と、この基板の前面側に配置し該基板の画
像を立体的に見せるハーフミラーとの組み合わせ
からなる長大画面の映像スクリーン、並びにその
映像スクリーンを照射して画像を浮出させる照明
ランプと、濃淡や色彩の変化を持つ光を基板の複
数箇所に導き発光させる光フアイバー照明具との
組み合わせからなる照明装置を設けたので、乗り
かごのかご室内に乗つた乗客は、大きな窓から奥
行きの深い臨場感あふれた迫力ある立体大画像を
連続して見ることができ、広大な宇宙空間や海底
等を自分が宇宙船や潜水艦に本当に乗つて遊泳し
ているような錯覚を受け、大いに楽しむことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの発明の一実施例を示す
もので、第１図は一部切欠して省略した斜視図、
第２図は映像スクリーンと照明装置の部分構成
図、第３図は基板に対する光フアイバーの接続部
の拡大断面図、第４図は従来の展望用エレベータ
の一部切欠して省略した斜視図である。 ２１……昇降路、２２……乗りかご、２３……
かご室、２８，２８ａ……窓、３０……映像スク
リーン、３１……画像、３２……基板、３３……
ハーフミラー、３４……照明ランプ、３５……光
フアイバー照明具、３６……光フアイバー、３８
……光源部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エレベータ昇降路内を昇降する乗りかごのか
   ご室に大きな窓を設ける一方、この窓からかご室
   内の乗客が見える昇降路内壁に、宇宙空間や海底
   等の模様などの画像をカラーシルク印刷した透過
   率の良い基板と、この基板の前面側に配置し該基
   板の画像を立体的に見せるハーフミラーとからな
   る長大画面の映像スクリーンを設けると共に、こ
   の映像スクリーンの基板裏面側から照射して該基
   板の画像を浮出させる照明ランプと、複数本の光
   フアイバーの一端を前記基板に接続し他端を光源
   部に接続して該光源部からの濃淡や色彩の変化を
   持つ光を基板の複数箇所に導き発光させる光フア
   イバー照明具とからなる照明装置を設けて構成し
   たことを特徴とするエレベータ。