JPH024987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転開錠軸の所定角度の回転によつ
て開錠される家具用錠前の操作装置に関するもの
であつて、前記回転開錠軸の軸方向に対して直交
する枢支軸の周りで起伏揺動自在な引き起しレバ
ーによつて前記回転開錠軸を回転操作し得るよう
にした操作装置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図乃至第５図に於て、１は
矩形浅箱状の埋設用ケース、２は引き起しレバ
ー、３は回転開錠軸である。前記引き起しレバー
２は、前記ケース１の開口部に丁度嵌合する外形
を有し且つ指先挿入用開口部４を備えているもの
であつて、その一端近傍部に於て前記ケース１に
枢支軸５により起伏揺動自在に軸支されている。
６は、倒伏して前記ケース１の開口部と面一の状
態となつた前記引き起しレバー２の裏面両側部に
当接するレバー受け部であり、ケース１の内側に
一体成形されている。７は、ケース１内を指先挿
入空間８と機構内装空間９とに区画する斜めの隔
壁であつて、ケース１の内側に一体成形されてい
る。前記回転開錠軸３は、前記ケース１の機構内
装空間９の底を形成する着脱自在の底板部１０に
円盤部１１を介して回転自在に支承され、ケース
１から後方に突出する横断面四角形の角軸部１２
を有し、その回転軸心は、前記レバー枢支軸５に
対して直角方向に指向している。１３は前記回転
開錠軸３の円盤部１１からケース１内に向けて突
設されたカムであり、該円盤部１１の中心を通る
直線の片側の領域に於てのみ存在し、その先端に
は、前記ケース１の隔壁７に一体成形された軸受
部１４に嵌合する半円柱状軸部１５を備え、更に
前記円盤部１１よりも一側方へ張り出す張り出し
部１６を備えている。１７はカム操作部であつ
て、前記レバー２の枢支軸５に対して指先挿入用
開口部４のある側とは反対側の端部に於て、前記
枢支軸５と平行な支軸１８により枢着した横長ロ
ーラー１９から構成されている。２０は前記レバ
ー２を倒伏姿勢に付勢するスプリングである。

第１図乃至第３図及び第５図に示すように、引
き起しレバー２がスプリング２０の付勢力によつ
て倒伏姿勢にあり、且つ前記回転開錠軸３が、そ
のカム１３の張り出し部１６が前記カム操作部１
７のローラー１９に当接する状態にあるとき、第
４図に示すように引き起しレバー２を、その指先
挿入用開口部４からケース１の指先挿入用空間８
内に指先を挿入して、スプリング２０に抗して引
き起すと、第５図にも示すようにカム操作部１７
のローラー１９が回転開錠軸３のカム張り出し部
１６を押圧する結果、回転開錠軸３には回転力が
作用し、カム１３の直壁部１３ａにローラー１９
が当接して回転開錠軸３の回転が不能となる状態
まで、回転開錠軸３が略45度にわたつて回転する
ことになる。

第６図及び第７図は上記の操作装置２１の使用
例を示し、２２は家具扉２３の内面に取付けられ
る錠前本体、２４は前記錠前本体２２と連動する
扉上下の係止手段である。前記錠前本体２２は、
前記操作装置２１の回転開錠軸３に於ける角軸部
１２が嵌合する角穴２５を同心状に備えた回転操
作片２６を有し、この回転操作片２６が45度にわ
たつて回転することにより、その先端操作ピン２
７が係止具２８をスプリング２９に抗して退入さ
せると共に、該回転操作片２６に突設の連動ピン
３０が上下動部材３１を引き込み、ロツド３２を
介して該上下動部材３１と連動する前記係止手段
２４の係止具３３をスプリング３４に抗して退入
させるように構成されたものである。

前記操作装置２１は、前記扉２３の表側から前
記ケース１を埋設する状態で該扉２３に取付けら
れ、その回転開錠軸３の角軸部１２が前記錠前本
体２２の回転操作片２６に於ける角穴２５内に相
対回転不能に嵌合せしめられる。そして、錠前本
体２２の係止具２８が突出状態（施状位置）にあ
るとき、この回転開錠軸３のカム張り出し部１６
の先端は第１図乃至第３図及び第５図に示すよう
に倒伏姿勢にあるレバー２のローラー１９に当接
している。従つて、前記のようにレバー２を引き
起して回転開錠軸３を45度にわたつて回転させる
ことにより、錠前本体２２の回転操作片２６が同
方向に45度にわたつて回転し、開錠動作が行われ
る。引き起したレバー２を戻すことにより、錠前
本体２２の係止具２８はスプリング２９によつて
突出移動し、施錠作用が行われる。このとき回転
開錠軸３は、回転操作片２６によつて復帰回動せ
しめられる。扉２３の閉動によつて係止具２８が
一旦退入し、家具本体側の被係止部に対し自動係
合するときには、回転操作片２６に連動して回転
開錠軸３も回転することになるが、この回転開錠
軸３の回転はレバー２には伝達されない。

尚、操作装置２１の取付けに際して、レバー２
が水平に起伏揺動する向きに取付けるか又は、レ
バー２が上下方向に起伏揺動する向きに取付ける
かを、任意に選択し得る。

本考案の家具用錠前操作装置は以上のように実
施し且つ使用し得るものであつて、矩形浅箱状の
埋設用ケースと、当該ケースの開口部に嵌合する
倒伏姿勢と前記ケースの開口部から起立突出する
引越し姿勢との間で一端近傍部が軸支された引き
起しレバーと、このレバーの軸支部の裏側位置で
前記ケースから後方に突出するように支承され且
つ前記レバーの枢支軸に対して直角方向の回転開
錠軸と、この回転開錠軸の内端側に突設されたカ
ムと、このカムに対接するように前記レバーの軸
支部から当該レバーのある側と反対側に連設され
たカム操作部と、前記レバーを倒伏姿勢に保持す
るスプリングとを備え、前記カム操作部には、前
記レバーの枢支軸と平行な横長ローラーを軸支
し、前記レバーを前記スプリングに抗して引き起
したとき、前記カム操作部の横長ローラーが前記
カムの張り出し部を介して前記回転開錠軸を所定
角度回転させた後、当該カムの直壁部に前記横長
ローラーが当接して前記回転開錠軸を回転不能な
状態とするように構成したものであるから、実施
例にも示したように、一般的に取付け面（扉面）
に対して直角な回転開錠軸を必要とする錠前を、
前記取付け面（扉面）に対して手前に引き起すこ
との出来るレバーによつて開錠操作することが出
来、従来の回転ノブとは異なる引き起しレバーを
備えた開錠操作部を簡単容易に構成することが出
来る。

更に上記のような本考案の構成によれば、引き
起しレバーを普段は扉の表面から突出しない状態
とし、開錠時に当該引き起しレバーを手前に引き
起こすことにより開錠し得るので、引き起しレバ
ーの引き起し操作に引き続いてそのまま扉の開動
操作を行なうことが出来、二操作を必要とする従
来の操作装置と比較して操作性の良いものが得ら
れる。勿論、普段は引き起しレバーが扉表面から
突出していないので、表面が平滑な意匠効果の高
い扉を構成することが出来るのである。

更に、引き起しレバーを引き起して開錠させた
とき、引き起しレバーを引き起している限り回転
開錠軸が回転不能な状態にロツクされるので、開
錠状態を確実に保持することが出来る利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断側面図、第２図は正面図、第３図
は縦断平面図、第４図は開錠操作時の状態を示す
縦断側面図、第５図は要部の正面図、第６図は使
用例を示す縦断側面図、第７図は同要部の縦断正
面図である。 １……埋設用ケース、２……引き起しレバー、
３……回転開錠軸、４……指先挿入用開口部、５
……レバー枢支軸、１１……円盤部、１２……角
軸部、１３……カム、１６……カム張り出し部、
１７……カム操作部、１９……ローラー、２０…
…レバー付勢用スプリング、２１……開錠操作装
置、２２……錠前本体、２３……扉、２４……扉
上下係止手段、２５……角穴、２６……回転操作
片、２８，３３……係止具、２９，３４……スプ
リング、３１……上下動部材、３２……ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形浅箱状の埋設用ケースと、当該ケースの開
   口部に嵌合する倒伏姿勢と前記ケースの開口部か
   ら起立突出する引越し姿勢との間で一端近傍部が
   軸支された引き起しレバーと、このレバーの軸支
   部の裏側位置で前記ケースから後方に突出するよ
   うに支承され且つ前記レバーの枢支軸に対して直
   角方向の回転開錠軸と、この回転開錠軸の内端側
   に突設されたカムと、このカムに対接するように
   前記レバーの軸支部から当該レバーのある側と反
   対側に連設されたカム操作部と、前記レバーを倒
   伏姿勢に保持するスプリングとを備え、前記カム
   操作部には、前記レバーの枢支軸と平行な横長ロ
   ーラーを軸支し、前記レバーを前記スプリングに
   抗して引き起したとき、前記カム操作部の横長ロ
   ーラーが前記カムの張り出し部を介して前記回転
   開錠軸を所定角度回転させた後、当該カムの直壁
   部に前記横長ローラーが当接して前記回転開錠軸
   を回転不能な状態とするように構成した家具用錠
   前操作装置。