JPH0249807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば下水道等の施工工事に採用さ
れる推進工法に於て使用する推進管の継手を製造
する装置に関する。

［従来の技術］ 下水道等の施工工事には、推進工法が広く採用
されており、この工法では、推進立坑から到達立
坑までを遠心力鉄筋コンクリート管等からなる推
進管を継ぎ足しながらジヤツキで圧入して管路を
築造するものであるが、第３図及び第４図に図示
するように、推進管１には、管体２の一端部に耐
食性に優れたステンレス鋼板からなる継手３が配
設されており、この継手３を使い、かつ止水ゴム
リング４を介在させて管体２を順に継ぎ足すよう
にしている。

この継手３は、その形状が大略円筒形をなし、
そのアンカー部５には継手３を遠心力鉄筋コンク
リート管の管体２に固定し一体構造とするため、
２本の内凸部６，７を円周方向に形成し、そのソ
ケツト部８には１本の内凸部９を円周方向に形成
するとともに端縁部を筒軸方向に曲げたカール部
１０を形成して、これらの内凸部９とカール部１
０との間で係止することで止水ゴムリング４を継
手３内面に装着できるようにしている。

ところで、このような形状構造をもつ継手３の
製造に際しては、まず、ステンレス鋼板の矩形状
の素材を、その長手方向に円曲させ両端部を突き
合わせて溶接することにより円筒部材を作り、次
にこの円筒部材を回転させながらその端縁にヘラ
を押し当ててヘラ絞り加工を行うことによりカー
ル部１０を形成し、次に別途の加工装置を使つて
回転する円筒部材に対して３個のロールを押し当
てて３本の溝を作りこれにより３本の内凸部６，
７，９を形作るものであつた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の推進管の継手の製造装置
では、特にカール部及び３本の内凸部の形成にあ
たつて、まず、手方向にてへらを回転する円筒部
材の端縁部に押し当ててヘラ絞り加工を行い、次
に円筒部材を別途に設けたローラーによる絞り加
工装置にセツトして３本の内凸部を形成しなけれ
ばならないため、製造作業能率が悪く生産性が上
がらず、製品コストが高くなるという問題があつ
た。

本発明は上記従来の問題点を解決するものであ
り、製造作業能率が良く生産性が向上し、より安
価な推進管の継手を供給することができる推進管
の継手の製造装置を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本発明の推進管の
継手の製造装置は、矩形のステンレス鋼板による
円筒部材１１を回転させながらその筒軸方向の一
端縁に、くびれ部２５を有し円筒部材１１の筒軸
と直角な軸２６で軸止したカールロール２４を押
付けてカール部１０を形成し、同時に円筒部材１
１の外周に、円筒部材１１の筒軸と平行な軸２
９，３０で軸止した溝付ロール２７，２８を押付
けて複数本の内凸部６，７，９を形成することを
特徴とする。

［作 用］ 上記手段を有する本発明の推進管の継手の製造
装置では、継手３の一端縁のカール部１０の成形
と円筒部材の内凸部６，７，９の成形とが同時に
一つの成形工程においてできる。

［実施例］ 本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は、円筒部材１１を示し、巾及び長さを
所要寸法にした矩形のステンレス鋼板を長手方向
に円曲させ、突き合わせた端部を溶接したもので
ある。

第２図は、この円筒部材１１にカール部１０及
び内凸部６，７，９を成形するための成形加工装
置を示すものである。１２は回転金型であつて、
円筒形の型部１３の外周の円周方向に３本の溝１
４，１５，１６を有し、型部１３の下部に水平な
載台部１７を備え、軸部１８がモータの回転軸
（図示せず）に連結されて回転駆動される。２０
は固定用ブロツクであり、回転金型１２の内側空
所１９に収容され、中心軸の上部にテーパー孔２
１を有し、かつ複数個に縦割に分割されており、
これら分割片が回転金型１２との間に介装した圧
縮バネ２２により常に中心軸方向へ付勢されてい
る。２３はテーパーコーンであり、固定用ブロツ
ク２０のテーパー孔２１内に沿つて上下動可能に
設けられている。２４はカールロールであり、く
びれ部２５を有し回転金型１２の一側上方部に回
転金型１２の中心軸と直角な軸２６で軸止されて
いる。２７，２８は溝付ロールであり、回転金型
１２の他側部には回転金型１２の中心軸と平行な
軸２９，３０で軸止し、その外周凸部３１，３
２，３３を回転金型１２の溝１４，１５，１６に
対応して位置させたものである。３４は回転押え
板であり、回転金型１２の上方に設けられてい
る。

継手３の成形は上記構成の装置を使用して実施
するものであり、第１図のようなステンレス鋼板
からなる円筒部材１１を回転金型１２の載台部１
７上に載せテーパーコーン２３を下方へ移動させ
ると、これが固定用ブロツク２０の各分割片を外
側に押し広げるように働き、円筒部材１１は固定
用ブロツク２０に内側で固定される。回転金型１
２を回転させることにより円筒部材１１を回転さ
せ、その間に、円筒部材１１の一端縁に、カール
ロール２４を第２図図示の矢印のように、すなわ
ち円筒部材１１の中心方向へ水平に移動させ、次
に下方へ垂直に移動させることにより、カールロ
ール２４のくびれ部２５によつて円筒部材１１の
一端内側にカール部１０が形成される。

なお、カールロール２４の移動については製品
形状に合せて適宜に制御される。

カール部１０の成形が終ると、テーパーコーン
２３を上方へ持ち上げて固定用ブロツク２０によ
る円筒部材１１の固定を解き、さらに回転金型１
２の一側上部のカールロール２４を逃がすととも
に上方より回転押え板３４を降して円筒部材１１
の上端部を押える。

しかして、回転金型１２を回転させるとともに
これに同期して回転押え板３４を回転することに
より円筒部材１１を回転させながら、回転金型１
２の他側部に設けた溝付けロール２７，２８を円
筒部材１１の外側面に押付けこの外側面に３本の
溝、すなわち３本の内凸部９，７，６を円筒方向
に形成する。

なお、回転金型１２の外径は円筒部材１１の内
径より小さく、円筒部材１１は溝付けのローラー
２７，２８が設けられる他側部で回転中常に回転
金型１２の型部１３と接触する。

［発明の効果］ 本発明の推進管の継手の製造装置は、継手の一
端部に形成するカール部と外周部に形成する複数
本の内凸部とを同時に一つの成形工程で形成でき
るため、製造作業能率が良く生産性が向上し、し
たがつてより安価な継手を大量に供給することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は製造過程の製品の斜視図、第２図は本
発明方法を実施するための加工装置の説明図、第
３図は推進管の側面図、第４図は第３図Ａ部の部
分拡大断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 型部１３の外周の円周方向に溝１４，１５，
   １６を有し型部１３の下部に水平な載台部１７及
   び軸部１８を備えた回転金型１２と、 回転金型１２の内側空所１９に収容され、中心
   軸の上部にテーパー孔２１を有し、複数個に縦割
   に分割されており、これらの分割片が回転金型１
   ２との間に介装した圧縮バネ２２により常に中心
   軸方向へ付勢された固定用ブロツク２０と、 固定用ブロツク２０のテーパー孔２１内に沿つ
   て上下動可能に設けられたテーパーコーン２３
   と、 くびれ部２５を有し回転金型１２の一側上方部
   に回転金型１２の中心軸と直角な軸２６にて軸止
   されたカールロール２４と、 回転金型１２の他側部に回転金型１２の中心軸
   と平行な軸２９，３０で軸止し、その外周凸部３
   １，３２，３３を回転金型１２の溝１４，１５，
   １６に対応して位置させた溝付ロール２７，２８
   と、 回転金型１２の上方に設けた回転押え板３４
   と、 よりなることを特徴とする推進管の継手の製造装
   置。