JPS632173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば送風機の送風口等に取り付
けられるベルマウス半製品の成型装置に関するも
のである。

従来ベルマウスは、第１図に示す如く、ベルマ
ウス完成品１の外径Ｄと等しい内径及びその外側
曲面１ａに等しい凸曲面２ａを有する環状の雌型
２内に装着された、外径Ｄを有する短円筒状のベ
ルマウス素材１′内に、ベルマウス完成品１の内
側曲面１ｂに等しい凹曲面３ａを有する雄型３を
圧入することにより、プレス成型していたが、こ
の方法によると、ベルマウス完成品１の外径に応
じてそれぞれ別個に金型を用意しなければならな
いため、使用時の選択、保管などの手間がかか
り、更に、金型の型代も高いため、結局、ベルマ
ウスの製造原価が高くなる、という問題があつ
た。

この考案は前記の問題に鑑みて為されたもの
で、外周部に環状突起が形成された円筒状のベル
マウス素材の前記環状突起側に配置されると共
に、外周面に前記環状突起と嵌合する環状突起受
溝が設けられた凸曲面を有する第１のローラー、
及び前記ベルマウス素材の内周面側に配置される
と共に外周面に凹曲面を有する第２のローラーか
ら成り、両ローラー間にベルマウス素材を圧着保
持しながら両ローラーの少なくとも一方を回転さ
せて変形させベルマウス半製品を成型することに
より、一組のローラーで異なる外径のベルマウス
を容易に且つ安価に製作し得るようにした、ベル
マウス半製品の成型装置を提供することも目的と
したものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第２図はベルマウス完成品の半製品を得るため
のベルマウス素材の半径方向断面図で、ベルマウ
ス素材５は所望のベルマウス完成品の外径Ｄに等
しい外径Ｄを有する円筒状をなし、円筒部５ａの
外周面５ｂの中央部には環状突起（リブ）５ｃが
一体に形成されている。この環状突起５ｃは、例
えば溶接により仮付けして形成しておくと、後述
する仕上げ工程の際の作業が容易になる。

第３図は前記ベルマウス素材５をベルマウス半
製品に成型するこの考案装置の断面図を示し、同
図中、６はベルマウス素材５の環状突起５ｃ側に
配置される第１のローラーとしての駆動ローラー
で、軸部６ａを介して回転駆動源（図示せず）に
結合されており、また、その外周面６ｂがベルマ
ウス完成品の外側曲面に等しい凸曲面に形成され
且つその中央部にはベルマウス素材５の環状突起
５ｃの半径方向高さl₁以上の深さl₂を有する環状
突起受溝６ｃが穿設されている。一方、７は第１
のローラー６と共に本成型装置を構成する第２の
ローラーとしての従動ローラーで、ベルマウス素
材５の内周面５ｄ側に配置されると共に、ベルマ
ウス素材５の内径D₁以下の外径ｄを有し且つ外
周面７ｂがベルマウス完成品の内側曲面に等しい
凹曲面に形成されている。７ｃは従動ローラー７
の軸部である。

かかる構成の装置において、ベルマウス素材５
を、第３図中一点鎖線５′で示す如く、その環状
突起５ｃを駆動ローラー６の環状突起受溝６ｃに
嵌合させた状態で、従動ローラー７を軸７ｃに同
図中上方向の力を加えることによりベルマウス素
材５の内周面５ｄ側に押付け、ベルマウス素材５
を両ローラー６及び７間に圧着挾持して前記回転
駆動源により駆動ローラー６を回転させると、ベ
ルマウス素材５及び従動ローラー７が共に回転し
ながら、ベルマウス素材５の加圧変形がなされ
る。この場合、ベルマウス素材５は、環状突起５
ｃが設けられているため、両ローラー６及び７間
での回転中に軸方向にずれたりがたついたりする
ことがなく従つて加圧変形が正確に行なわれ、ま
た、強度に関しては円筒部５ａの中央部分が高く
両縁部分が低くなるため、従つて両縁部分が曲り
易くなつて加圧変形が円滑に行われる。かくし
て、第４図に示す如く、ベルマウス素材５はベル
マウス半製品５′に成型されるので、適宜の工具
により、環状突起５′ｃを除去した後、同図中鎖
線にて示す如く切断し、所定の研磨等仕上加工を
施せば、第１図に示したようなベルマウス完成品
１が得られる。なお、この装置は、ベルマウスの
曲面部の形状が同一である限り、その外径Ｄが変
つても、そのまま上記の如く使用することができ
る。また、前記回転駆動源からの回転力は、第１
のローラー６ではなく、第２のローラー７に与え
るようにしてもよい。

以上述べた如く、この考案によれば、外周部に
環状突起が形成された円筒状のベルマウス素材の
前記環状突起側に配置されると共に、外周面に前
記環状突起と嵌合する環状突起受溝が設けられた
凸曲面を有する第１のローラー、及びベルマウス
素材の内周面側に配置されると共に外周面に凹曲
面を有する第２のローラーの間にベルマウス素材
を圧着挾持して両ローラーのうち少なくとも一方
のローラーを回転させることによりベルマウス素
材をベルマウス半製品に成型する構成となつてい
るから、一組のローラーによつて、外径の異なる
多種のベルマウスを容易に製造し得る上、従来の
ように各外径毎に金型を用意する必要従つて金型
の選択、保管等の手間がかからず、また金型代も
全くかからなくなるので、ベルマウスの製造原価
が格段に低くなる、という優れた効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のベルマウスの製造法及びベルマ
ウス完成品を示す断面図、第２図ないし第４図は
この考案に係るベルマウス半製品の成型装置の一
実施例に関するもので、第２図はベルマウス素材
の、第３図は前記装置の、また第４図は前記装置
により成型されたベルマウス半製品の、各断面図
である。 なお図中１はベルマウス完成品、１ａは外側曲
面、１ｂは内側曲面、５はベルマウス素材、５′
はベルマウス半製品、５ｂは外周面、５ｃは環状
突起、５ｄは内周面、６は第１のローラー、６ｂ
は外周面、６ｃは環状突起受溝、７は第２のロー
ラー、７ｂは外周面、D₁はベルマウス素材５の
内径、ｄは第２のローラー７の外径である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面の略中央部に環状突起が形成された円筒
   状のベルマウス素材の該環状突起側に配置される
   と共に、外周面がベルマウス完成品の外側曲面に
   等しい凸曲面に形成され且つその略中央部に上記
   環状突起の半径方向高さ以上の深さを有する環状
   突起受溝が穿設された第１のローラー、及び該ベ
   ルマウス素材の内周面側に配置されると共に、該
   ベルマウス素材の内径以下の外径を有し且つ外周
   面がベルマウス完成品の内側曲面に等しい凹曲面
   に形成された第２のローラーから成り、該ベルマ
   ウス素材をその環状突起を該第１のローラーの該
   環状突起受溝に嵌合させた状態で該両ローラー間
   に圧着挾持して該両ローラーの少なくとも一方を
   回転させる構造としたことを特徴とするベルマウ
   ス半製品の成型装置。