JPH024961Y2 -

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はコンクリート版を鉄骨梁に取付けるコ
ンクリート版の取付構造に関するものである。

（従来の技術）従来において耐震性を考慮したコンクリート版
の鉄骨梁への取付構造は種々公知である。

しかしながら従来のものは施工能率において改
良すべき点があつた。

（考案が解決しようとする問題点）本考案は以上の従来の問題を解決し施工能率が
よく十分な耐震性を有するコンクリート版の取付
構造の提供を目的とする。

（実施例）以下本考案のコンクリート版の取付構造（以下
本考案の取付構造という）を図面に示す実施例に
従い説明する。

第１図及び第２図は本考案の取付構造を示し、
該取付構造はコンクリート版１を鉄骨梁２に固定
するものである。

該コンクリート版１の両側端部の各々には略Ｌ
字状の取付金具４の一片がボルト等により固定さ
れる。

一方鉄骨梁２（図示のものはＨ形鋼）には側方
に突出して台板１０が溶接１９等により固定され
る。

又図示の実施例においては台板１０はリブ１３
により補強されている。

次に台板１０には寸法誤差の吸収を考慮してボ
ルト１５の直径に比較してルースにされた孔１１
が設けられる。

次に略コ字状のカバー体７が設けられ、該カバ
ー体７の足の間隔は前記取付金具４を跨げる距離
にされる。

又カバー体７は前記ボルト１５が挿入される孔
８を有する。

以上の実施例に示した本考案の取付構造の施工
方法を次に説明する。

すなわちコンクリート版１の両側端部の各々に
取付金具４を固定する一方鉄骨梁２に台板１０を
固定する。

次にコンクリート版１をクレーン等により吊下
げてその取付金具４において台板１０上に載置す
る。

次に取付金具４を跨いだ状態で略コ字状のカバ
ー体７を台板１０上に載置する。

次にボルト１５（図示のものはプレート状の頭
１６を有する）を下方から台板１０の孔１１、取
付金具４の孔５及びカバー体７の孔８を貫通して
挿入する。

この際台板１０の孔１１はルースにされている
ためボルト１５の挿入は容易である。

次にカバー体７の上方に突出したボルト１５に
ナツト１７を嵌着しこれを締付ける。

これによりカバー体７は台板１０上に強固に固
定されることになる。

前記取付金具４はカバー体７に囲まれその孔５
にボルト１５が挿入された状態でカバー体７内を
上下動可能にされることになる。

以上の作業をコンクリート版１の両側端部の
各々の取付金具４毎に行つてコンクリート版１の
鉄骨梁への取付を完了する。

次に本考案の取付構造の地震時の作用について
説明する。

すなわち地震時には鉄骨梁２、柱等の骨組体は
撓んで変位する。

ところがコンクリート版１を梁２に固定する取
付金具４はカバー体７内を上下動可能にされてい
るため骨組体の変位がそのままコンクリート版１
に伝わることはない。

すなわち取付金具４はボルト１５に沿つて上下
動して骨組体の変位のコンクリート版１への直接
の伝達、従つてコンクリート版１のひび割れが防
止される。

（考案の効果）本考案のコンクリート版の取付構造の実施例は
以上の通りでありその効果を次に列記する。

(1) 本考案の取付構造は実用新案登録請求の範囲
に記載した構成であり、特に取付金具を跨いだ
状態で台板上に載置され固定される略コ字状の
カバー体を有するためコンクリート版を台板上
に載置した後カバー体をボルトで固定するだけ
の簡単な作業となり、その結果施工能率が極め
てよい。

(2) 本考案の取付構造は同上の構成であり、特に
取付金具を跨いで略コ字状のカバー体が台板上
に固定されるため取付金具はカバー体内を上下
動可能となり、その結果十分な耐震性が確保さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の取付構造の完成状態の斜視
図、第２図は同上取付構造の分解斜視図。１……コンクリート版、２……鉄骨梁、４……
取付金具、５……孔、７……カバー体、８……
孔、１０……台板、１１……孔、１３……リブ、
１５……ボルト、１６……頭、１７……ナツト、
１９……溶接。

【実用新案登録請求の範囲】