JPH0249043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車におけるパワーウインドウの
操作装置に係り、特にドアをロツクすると、ウイ
ンドウガラスが完全に閉まつていない場合には自
動的にモータが回転してウインドウガラスが全閉
となるようにしてパワーウインドウの閉め忘れを
防止するようにした操作装置に関する。

従来の自動車のパワーウインドウにおいては、
エンジンを止めると通常はパワーウインドウ用モ
ータが回転しなくなるので、エンジンを再始動さ
せるか、又はスタータスイツチをエンジン始動位
置の直前まで操作してパワーウインドウ用モータ
を回転させて閉め忘れたウインドウガラスを閉め
なければならない不便があつた。またウインドウ
ガラスが開いているのに気付かずに自動車を離れ
ることもあり、このような場合には、ドアをロツ
クしても盗難防止上何の役にも立たず、往々にし
て盗難が発生するおそれがあつた。

また実開昭58−57477には、自動車のパワーウ
インドウ装置が開示されているが、該従来例は、
自動車から降りてキー操作により自動車のドアを
ロツクする場合に、一定時間以上ドアを閉める側
又は開く側にキーを保持しているとパワーウイン
ドウ装置が作動して自動車のウインドウガラスを
開閉できるようにしたものであつて、まず自動車
から降りた場合にウインドウガラスを閉める意志
を以てキー操作をしなければウインドウガラスを
閉めることはできないので、ウインドウガラスの
閉め忘れを必ずしも防止できない不具合があると
共に、キーによらないドアロツクをする場合のこ
とが全く考慮されていないため、キーによらない
でドアロツクをした場合には全くウインドウガラ
スは閉まることがないので、この場合にもウイン
ドウガラスの閉め忘れが生じるおそれがあるとい
う不具合があつた。また該従来例では、シートに
人が居る場合の安全性を全く考慮しておらず、従
つてシートに人が居る場合でも、自動車を降りた
運転者がウインドウガラスを閉める意志がある以
上必ず該ウインドウガラスがドアロツクと同時に
閉まつてしまうことになり、例えばシートに残留
している人がその体の一部をウインドウガラスか
ら外に出している場合には突然閉まり始めるウイ
ンドウガラスに挟まれるおそれがあつた。

本考案は、上記した従来技術の欠点を除くため
になされたものであつて、その目的とするところ
は、少なくともキーによりドアをロツクすると、
自動的にパワーウインドウ装置が作動して、開い
ているウインドウガラスが全閉となり、ウインド
ウガラスの閉め忘れを完全に防止することにあ
る。また他の目的は、キーによらないでドアをロ
ツクする場合には、車内のシートが人が居ない場
合にのみパワーウインドウが自動的に作動するよ
うにして、車内の人の安全を確保することであ
る。更に他の目的は、夏期の暑い日にウインドウ
ガラスを少し開けておきたいときには、本考案装
置を解除して従来通りのパワーウインドウとして
操作できるようにすることである。

要するに本考案は、自動車のウインドウガラス
の開閉を行うようにした開閉スイツチと、該スイ
ツチの操作により電流の向きが逆方向となるモー
タ用駆動回路と、該モータ用駆動回路中に接続さ
れたパワーウインドウ用モータと、前記ウインド
ウガラスの全開・全閉位置を検出して前記モータ
を停止させるリミツトスイツチとを備えたパワー
ウインドウ装置において、前記開閉スイツチのウ
インドウガラスを閉じる側の接点に電源の正電圧
端子を接続する回路を形成し、該回路の途中に前
記自動車のドアがキーによりロツクされることで
閉路するドアロツクスイツチを設けると共に、該
ドアロツクスイツチとは並列に、キーによらない
でドアを閉める場合に閉路するドアロツクスイツ
チとシートに人間が居る場合に開路するシートス
イツチが直列に接続された安全用の回路を設けた
ことを特徴とするものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。第１図に示す電気回路は、４ドア車のパワー
ウインドウの操作装置１用のものであつて、自動
車のウインドウガラス２の開閉を行うようにした
開閉スイツチＳは、S₁，S₂，S₃，S₄の４個が設け
られており、該スイツチＳの操作により電流の向
きが逆方向となるモータ用駆動回路ＣはC₁，C₂，
C₃，C₄の４組が設けられている。そしてこれら
のモータ用駆動回路C₁，C₂，C₃，C₄中には、パ
ワーウインドウ駆動用モータＭ、即ちM₁，M₂，
M₃，M₄の４個が夫々接続されている。そして第
２図に示すように、各ウインドウガラス２には、
該ウインドウガラスの全開・全閉位置を検出して
モータＭを停止させるリミツトスイツチLSW₁，
LSW₂が設けられている。これらに加えて、本考
案パワーウインドウ操作装置１においては、開閉
スイツチＳのウインドウガラス２を閉じる側の接
点UP、即ちUP₁，UP₂，UP₃，UP₄に電源の正
電圧端子３を接続する回路４が形成されており、
該回路の途中には少なくとも自動車のドア５がキ
ーによりロツクされることで閉路するドアロツク
スイツチ６が設けられ、更に本考案装置解除用の
手動スイツチ８が回路４中に直列に接続されてい
る。

また第１図中右方に示すものは、キーによらな
いドアロツクスイツチ９及びシートに人間が居る
場合に開路するシートスイツチ１０を直列に電源
の正電圧端子３と手動スイツチ８との間にドアロ
ツクスイツチ６に対しては並列に接続した回路１
１である。なお第１図において、DN，DN₁，
DN₂，DN₃，DN₄は夫々ウインドウガラス２の
全開用接点である。また各開閉スイツチS₁，S₂，
S₃，S₄の可動片Ｐ，P₁，P₂，P₃，P₄は夫々電源
の正電圧端子３に接続されている。

本考案は、上記のように構成されており、以下
その作用について説明する。通常のパワーウイン
ドウの操作についての説明は省略し、いずれかの
ウインドウガラス２を閉め忘れてドア５をキーで
ロツクした場合についてまず説明すると、キーで
ドアロツクしたことによつて、第１図において、
ドアロツクスイツチ６が閉じ、手動スイツチ８が
閉じられていれば、電源から回路４を経て給電さ
れ、モータ駆動用回路C₁，C₂，C₃，C₄にも給電
され、ウインドウガラス２が開いているいずれか
のモータＭが全閉方向に回転し、そのウインドウ
ガラス２が全閉となつてリミツトスイツチLSW₁
によりモータＭが停止する。

またシートに人が居ない場合には、シートスイ
ツチ１０が閉じており、キーによらないドアロツ
クをするとドアロツクスイツチ９が閉じているの
で同様にしていずれかのモータＭが回転して開い
ていたウインドウガラス２が全閉となる。またシ
ートに人が居る場合や手動スイツチ８を開路させ
た場合には、本考案装置は作動しない。

以上のようにして、パワーウインドウの閉め忘
れを防止することができる。

本考案は、上記のように構成され、作用するも
のであるから、少なくともキーによりドアをロツ
クすると、自動的にパワーウインドウ装置が作動
して、開いているウインドウガラスが全閉とな
り、ウインドウガラスの閉め忘れを完全に防止し
得る効果がある。またキーによらないでドアをロ
ツクする場合には、車内のシートに人が居ない場
合にのみパワーウインドウが自動的に作動するよ
うにしたので、車内の人の安全を確保できる効果
がある。更には、夏期の暑い日にウインドウガラ
スを少し開けておきたいときには、本考案装置を
解除して従来通りのパワーウインドウとして操作
できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に係り、第１図はパワー
ウインドウの操作装置の電気回路図、第２図はド
ア、ウインドウガラス及び全開・全閉リミツトス
イツチの相互関係を示す正面図である。 １はパワーウインドウの操作装置、２はウイン
ドウガラス、３は電源の正電圧端子、４は回路、
５はドア、６はドアロツクスイツチ、９はキーに
よらないでドアを閉める場合に閉路するドアロツ
クスイツチ、１０はシートスイツチ、１１は安全
用の回路、Ｃ，C₁，C₂，C₃，C₄はモータ用駆動
回路、Ｍ，M₁，M₂，M₃，M₄はモータ、LSW₁，
LSW₂はリミツトスイツチ、UP，UP₁，UP₂，
UP₃，UP₄は開閉スイツチのウインドウガラスを
閉じる側の接点である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のウインドウガラスの開閉を行うように
   した開閉スイツチと、該スイツチの操作により電
   流の向きが逆方向となるモータ用駆動回路と、該
   モータ用駆動回路中に接続されたパワーウインド
   ウ用モータと、前記ウインドウガラスの全開・全
   閉位置を検出して前記モータを停止させるリミツ
   トスイツチとを備えたパワーウインドウ装置にお
   いて、前記開閉スイツチのウインドウガラスを閉
   じる側の接点に電源の正電圧端子を接続する回路
   を形成し、該回路の途中に前記自動車のドアがキ
   ーによりロツクされることで閉路するドアロツク
   スイツチを設けると共に、該ドアロツクスイツチ
   とは並列に、キーによらないでドアを閉める場合
   に閉路するドアロツクスイツチとシートに人間が
   居る場合に開路するシートスイツチが直列に接続
   された安全用の回路を設けたことを特徴とするパ
   ワーウインドウの操作装置。