JPH0247332Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、内燃機関のクランクケース脈動圧
を利用する燃料ポンプのチエツク弁の取り付け構
造に関するものである。

（従来の技術） 一般に内燃機関の運転時に発生する脈動圧を利
用してポンプ作用を行う燃料ポンプ装置では、第
６図に示すように、燃料ポンプ室１を構成するポ
ンプ膜２を境にして、圧力作用室３が設けられ、
ポンプ膜２の往復運動に伴つて燃料ポンプ室１の
入口、および出口の開閉作用を行う吸入側チエツ
ク弁４および吐出側チエツク弁５とが設置されて
おり、前記脈動圧を圧力作用室３に作用させ、ポ
ンプ膜２・吸入側チエツク弁４・吐出側チエツク
弁５の相互作用で燃料ポンプ室１上流の燃料通路
６より燃料ポンプ室１内の燃料を吸引するととも
に、燃料ポンプ室１よりその下流の燃料通路７へ
燃料を吐出するように構成されている。このよう
に構成される燃料ポンプの吸入側チエツク弁４お
よび吐出側チエツク弁５は、一般にSUS材等の
金属薄板状に形成され、一端がポンプ本体８に植
設された弁軸９を支点にして回転運動を行うた
め、弁座１０に対して適正に設置するのは、非常
に高精度であることが必要である。と同時にチエ
ツク弁４，５の取り付け位置決めが適正に行われ
る必要があり、これはチエツク弁４，５の弁部１
１が弁座１０にあたるとき密着度をそこなう原因
となり、燃料漏れを生じさせるおそれがある。従
つて前記チエツク弁４，５の位置決めにして弁軸
９の他に、ポンプ本体８に位置決め突起部１２を
設け、チエツク弁４，５の作動部１３を挟持する
よう構成されている。

（この考案が解決しようとする問題点） ところで、このようにチエツク弁４，５をポン
プ本体８に設けられた位置決め突起部１２にて挟
持するように取り付けられたものは、チエツク弁
４，５の作動部１３が位置決め突起部１２に干渉
し、作動をそこない応答性が悪くなるという不具
合があつた。

（問題を解決するための手段） この考案は上述の不具合点を解消するために、
チエツク弁４，５の弁部１１とは反対側の弁軸９
側端部を延伸させて突片１４を設けるとともに、
ポンプ本体８にはこの突片１４を据え付けるに適
した相補的な形状の位置決め突起部１２を設け
て、突片１４を挟持することによりチエツク弁
４，５の作動部１３が位置決め突起部１２に干渉
することを防止しようとするものである。

（実施例） 以下、図面につき、この考案の実施例を説明す
る。第１図は、この考案に係るチエツク弁４，５
の取付状態を示す正面図、第２図は、第１図の断
面図、第３図は、従来のチエツク弁の取付け状態
を示す正面図、第４図、第５図は、この考案に係
る別の実施例を示す正面図、第６図は、燃料ポン
プ装置の断面図である。

第６図において、ポンプ本体８とポンプカバー
１５との間に燃料ポンプ膜２を挟持させ、圧力作
用室３と燃料ポンプ室１を区画形成し、ポンプ本
体８の反対側にはポンプ本体８とダンパー室カバ
ー１６との間に膜１７を挟持させ、ダンパー室１
８と燃料吸入室１９および燃料吐出室２０が区画
形成されている。また燃料吸入室１９から燃料ポ
ンプ室１への燃料通路６および燃料ポンプ室１か
ら燃料吐出室２０への燃料通路７には吸入側チエ
ツク弁４、吐出側チエツク弁５がそれぞれ設置さ
れている。このチエツク弁４，５はSUS材等の
金属薄板状に形成されている。燃料吸入室１９は
燃料流入口２１を介して図示しない燃料タンクへ
通じ、燃料吐出室２０は燃料流出口２２を介して
図示しない内燃機関の気化器等へ接続されてい
る。また、圧力作用室３は脈動圧取入口２３を介
して図示しない内燃機関のクランクケースに連通
している。チエツク弁４，５は第１図、第２図に
示されるように、一端がポンプ本体８に弁軸９で
支持され、他端はポンプ本体８の燃料通路６，７
の弁座１０の役目をするシート部に対して密着し
て、燃料通路６，７を閉塞する弁部１１として構
成されている。また、作動部１３は弁軸９を支点
として弁座１０の面に垂直な面に回動するよう構
成されている。チエツク弁４，５の弁部１１とは
反対側の弁軸９側端部は延伸して突片１４に形成
されるとともに、ポンプ本体８にはこのチエツク
弁４，５の突片１４を据え付けるに適した相補的
な形状の位置決め突起部１２が設けられ、突片１
４を挟持するよう取り付けられている。

上記、チエツク弁４，５の取り付け方法の他の
実施例として第４図、第５図のように弁軸９側端
部を延伸させた突片１４を作動部１３とは大略直
角方向に曲折させ、ポンプ本体８に設けられた位
置決め突起部１２にて挟持するよう取り付けても
よい。

（効果） この考案の燃料ポンプのチエツク弁４，５の取
り付け構造によれば、ポンプ本体８に設けられた
位置決め突起部１２をチエツク弁４，５の弁軸９
を境にして、作動部１３とは反対側に設けてある
ため、チエツク弁４，５が弁座１０の面に垂直な
面内で運動させても位置決め突起部１２に干渉す
ることがない。従つて、この考案によれば極めて
簡単な改造でもつて、チエツク弁４，５の追従が
良くなり、燃料吐出性能を向上させ得るものであ
るとともに、チエツク弁４，５の耐久性を向上さ
せ得るもので、実用上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るチエツク弁の取付状態
を示す正面図、第２図は第１図の断面図、第３図
は従来のチエツク弁の取付状態を示す正面図、第
４図・第５図はこの考案に係る別の実施例を示す
正面図、第６図は燃料ポンプ装置の断面図であ
る。 ４……チエツク弁（吸入側）、５……チエツク
弁（吐出側）、８……ポンプ本体、９……弁軸、
１１……弁部、１２……位置決め突起部、１４…
…突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関のクランクケースの脈動圧を作用さ
   せ、ポンプ膜を振動させることにより、燃料を機
   関に送り込む板弁を具備した燃料ポンプにおい
   て、チエツク弁４，５の弁部１１とは反対側の弁
   軸９側端部を延伸して突片１４を形成するととも
   に、ポンプ本体８には、前記突片１４を取り付け
   るに適した相補的な形状の位置決め突起部１２を
   設けて突片１４を挟持するように構成したことを
   特徴とした燃料ポンプ装置。