JPH0246659B2 - - Google Patents

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JPH0246659B2
JPH0246659B2 JP57204484A JP20448482A JPH0246659B2 JP H0246659 B2 JPH0246659 B2 JP H0246659B2 JP 57204484 A JP57204484 A JP 57204484A JP 20448482 A JP20448482 A JP 20448482A JP H0246659 B2 JPH0246659 B2 JP H0246659B2
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aluminum alloy
powder
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aluminum
silicon
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Tsunehisa Sekiguchi
Katsumi Yokoi
Takayuki Kato
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【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕 本発明はアルミニウム合金焼結体に関するもの
であり、更に詳しく述べるならば高ケイ素アルミ
ニウム合金粉末を用いた塑性加工用アルミニウム
合金焼結体に関するものである。 〔従来技術〕 従来耐摩耗性の良好なアルミニウム合金として
は、例えばJIS AC3A、AC4種、AC8種などの鋳
物用アルミニウム合金、及びJIS ADC1種、
ADC3種、ADC10種、ADC12種などのダイカス
ト用アルミニウム合金が知られている。しかしな
がらこれらの高ケイ素アルミニウム合金の通常の
鋳造法で鋳塊にした場合、組識が微細でなくまた
内部欠陥が多いため割れが発生し易く、これらの
冷間塑性加工、例えば、冷間鍛造はほとんど不可
能である。またこれらの従来の合金では耐熱性及
び強度が不充分であり、使用される用途が自ずか
ら限定されていた。 一方、さらに耐摩耗性を有するアルミニウム合
金として、ケイ素以外の第3元素(例えばCu、
Mg)を添加したA390、LM30(B.S.)、Mahle138
等の合金があるが、これらは鋳造用合金であり、
耐摩耗性はある程度満足するが耐熱性及び冷間塑
性加工性で劣つていた。 上述のような鋳造合金の欠点を克服するべく合
金粉末の押出し成形法によつてアルミニウム合金
焼結体を製造した例として、滑り特性あるいは耐
摩耗性の高い中空物体を製造する特公昭57−
27161号等の提案がある。 しかしながら、この提案では通常の押出法によ
り中空物体を製造しているので、強度が低く公知
の鋳造アルミニウム合金の強度を凌駕できない弱
点がある。 また特公昭40−4129号によると、無孔ダイスを
装着し、加熱した押出しコンテナ内にアルミニウ
ム合金粉末を装填し、圧縮して得られた緻密体を
有孔ダイスを装着した押出しコンテナ内に装填し
て熱間押出しあるいはその他の熱間加工を行う2
段階式粉末治金製法が記載されている。この製法
によると高強度アルミニウム合金粉末治金製品が
得られるが、2段階方式であるためにに経済的に
難点があるほか高ケイ素アルミニウム合金の場合
は、冷間塑性加工用に不可決な潤滑剤との濡れ性
が悪いため、潤滑処理が不充分となり、塑性加工
率を高めることができない欠点がある。 〔発明の目的〕 本発明の第1の目的は、塑性加工時、特に冷間
塑性加工性に優れ且つ生産効率が高い高ケイ素ア
ルミニウム合金粉末焼結体を提供することにあ
る。本来高ケイ素アルミニウム合金は塑性加工に
は不向きであるが、これを冷間塑性加工可能にす
ると単に製造工程が簡単でエネルギー消費量も少
なく大量生産に適するほか、特に成形品の寸法精
度が著しく向上するという利点があるのみなら
ず、耐摩耗性を要求される各種形状の機械部品と
しての用途が大巾に拡大されるという利点があ
る。 本発明の第2の目的は、常温及び高温強度その
他の機械的性質が良好で且つ切削加工性が優れた
冷間塑性加工用アルミニウム合金粉末焼結体を提
供することである。上述のように高ケイ素アルミ
ニウム合金は耐摩耗性は概して良好であるが、特
に高温の強度特性は不足しており、また粗大初晶
ケイ素が切削加工性を悪化させていたので、これ
らの問題を解決すると高ケイ素アルミニウム合金
の用途の拡大が期待される。さらに、耐疲労性及
び耐衝撃性の向上が実現されると、長期に亘つて
繰返し衝撃荷重を受ける部材への応用も可能とな
る。 本発明の第3の目的は鋳ぐるみに適した高ケイ
素アルミニウム合金焼結体を提供することであ
る。一般に、高ケイ素アルミニウム合金は固相線
が高くなるために、特に相手材がアルミニウムで
あると鋳ぐるみの際の接合が不完全になり易いと
いう宿命がある。この点の解決を図り、高ケイ素
アルミニウム合金の特性を充分に発揮・利用する
ことも工業的意義が大きい。 上記諸目的を解決するうえで、本発明者等は通
常の押出法及び熱間圧縮・熱間加工の2段階加工
法等の従来の粉末治金技術について種々研究した
結果、従来の技術思想とは異質の粉末治金技術を
開発して本発明を完成した。 〔発明の構成〕 本願発明は、アルミニウム又はアルミニウム合
金の鞘状クラツド押出層が一体に被着された芯部
を含んでなり、この芯部は重量百分率で、(イ)13〜
30%のケイ素、(ロ)0.5〜5.0%の銅、(ハ)0.2〜1.5%
のマグネシウム、及び(ニ)0.2〜1.0%のニツケル、
0.3〜1.0%のクロム、0.2〜1.5%のマンガン、0.01
〜0.15%のチタン、及び0.1〜0.4%のジルコニウ
ムの少なくとも1種を含有し、残部がアルミニウ
ムおよび不純物からなるアルミニウム合金粉末
と、面積百分率で15%以下のB、Zr、Ti、Cr、
Moの窒化物、Ti、Zr、V、Wの炭化物及びAlの
酸化物の少なくとも1種からなる粉末または繊維
とからなり、前記芯部の各粉末又は繊維相互の間
が焼結押出により緻密に結合されているアルミニ
ウム合金焼結体である。要するに、アルミニウム
合金粉末が焼結し、分散している添加物を取り囲
むようにして全体が緻密に結合している。なお上
記の面積百分率とは、上記焼結体の任意断面の組
識面積に占める添加物の面積比率をいう。 以下、先ず本発明の高ケイ素アルミニウム合金
焼結体の構成を具体的に説明する。 本発明において、芯部のアルミニウム合金中に
初晶Siとして含有されるケイ素はアルミニウム合
金に良好な耐摩耗性、低熱膨張性及び耐カジリ特
性を与えるが、13%未満では初晶のSiが晶出が少
なく所期の特徴を与えることが出来ない。またケ
イ素の含有量が30%を超えると、過剰な初晶Siの
ため焼結の進行が妨げられると同時に、得られた
焼結材の切削性が極端に劣化する。 また、本発明において、アルミニウム又はアル
ミニウム合金の鞘状クラツド押出層は、以下述べ
る焼結押出を可能とするために必要であり、芯部
の高ケイ素アルミニウム合金焼結体の表面を薄く
被覆しており、冷間塑性加工例えば冷間鍛造に必
要なステアリン酸亜鉛等による潤滑処理を良好な
らしめる。一般に高ケイ素アルミニウム合金は通
常なされる潤滑処理、例えばボンデライト処理が
し難く、高加工度の塑性加工を施すことは不可能
とされいた。ところが、本発明の鞘状クラツド押
出層はこの難点を完全に克服し、所望の塑性加工
を可能とする。かかる鞘状クラツド押出層アルミ
ニウム合金は、塑性加工の種類によつて、鍛造用
としては、JIS 1000系、3000系、6000系、5000系
のような低SiAl合金が好ましい。本発明のアル
ミニウム合金焼結体に適用される加工法の一例と
して、これと素材として冷間鍛造し、表面にアル
ミニウム又はアルミニウム合金で薄く被覆されて
いる鍛造半製品を公知の鋳造法によつて鋳包みを
実施することも可能である。鋳ぐるみ用としては
上記の低SiAl合金のほか、より好ましくは相手
鋳物用合金、例えばJIS−ADC12合金など用途に
よつて各種組成のものが選択される。このような
場合に、鞘状クラツド押出層は従来の粉末治金製
品の溶湯とのなじみ性不足も克服する。 鞘状クラツド押出層の厚さは0.01〜1.0mm、特
に0.2〜0.6mmが好ましい。 芯部の高ケイ素アルミニウム合金は粉末焼結押
出されているために粒子間の結合強度が単なる焼
結あるいは単なる押出の場合よりも格別向上して
いる。従来の熱間押出材では、主としてダイスを
素材が通過するときの圧力により粉末粒子間の結
合強度が定められるが、本発明では押出直前の焼
結が結合強度に大きく貢献している。 本発明では鞘状クラツド押出層が焼結され且つ
押出された芯部の周りに長さ方向のほぼ全長に亘
つて一体に結合されているという特徴のある構造
を有し、しかもこれらの結合部自体も焼結による
拡散と押出による熱間塑性変形により一体に複合
化されているという点に構造上の特徴があり、従
来の粉末治金製品にはみられない特色を有する。
それゆえ、本発明のアルミニウム合金焼結体は従
来の焼結押出材と比較すると、気孔が殆んどない
極めて高い緻密度をもつために常温且つ高温の強
度が高く、しかも芯部の粉末粒子の焼結反応が高
度に行なわれているために、耐摩耗性が甚だ優れ
ている。 本願発明では、Al2O3の酸化物、BN、ZrN、
TiN、CrN、Mo2N等の窒化物、TiC、ZrC、
VC、WC等の炭化物等(以下添加物と総称する)
の粉末を芯部に含むものである。添加物は耐摩耗
性、高温強度を高める硬質粒子である。これらの
添加物は、初晶Siを第1相と表現すれば、第2相
として芯部に分散している。これらの添加物は、
夫々単独あるいは複合して、断面内の面積率で15
%以下で添加される。 第1図は上記添加物が粒径10μm及び20μmで
ある2つの群について、加藤健三著;金属塑性加
工学、丸善、に記載されているごときWedeg鍛
造試験法により本発明のアルミニウム合金焼結体
を冷間鍛造して求めた限界加工率(割れが発生し
ない加工率の上限)を示す。図中曲線A及び曲線
Bはそれぞれ添加物の粒径10μm及び20μmの場
合を意味する。第1図より添加物すなわち第2相
の面積百分率は15%以下であることが好ましいこ
とが分かる。またこれが15%を超えると焼結押出
中に割れが著しく発生し易くなることも確かめら
れた。 この冷間塑性加工性は、従来高ケイ素アルミニ
ウム合金の粉末機では実施が難しいか、ケイ素含
有量が多くなると実施が不可能とされていた。そ
のため鋳造、押出、あるいはその後の切削仕上等
によつて製品とされいた。しかし、我々は種々改
良することで本発明の合金組成、紛末粒子の押出
焼結、更にはアルミニウム又はアルミニウム合金
の鞘状クラツドにより、高ケイ素アルミニウム合
金の特性を失わずに鋳造等の塑性加工が可能とな
つた高ケイ素アルミニウム合金の焼結体が提供で
きた。 本発明の高ケイ素アルミニウム合金粉末のSi以
外の組成限定理由は次のとおりである。 (イ) 0.5〜5.0%Cu:Cuは0.5%以上で強度及び切
削性を高めるが5.0%を超えると得られた製品
の冷間加工性が低下する。 (ロ) 0.2〜1.5%Mg:Mgは0.2%以上で強度及び熱
処理性を改善するが、1.5%を超えると強度特
性は向上するが、得られた素材の冷間加工性が
劣化する。 (ハ) Ni、Cr、Mn、Ti、Zrは強度、耐摩耗性、
加工性及び耐熱性を付与するために選択的に、
Ni0.2〜1.0%、Cr0.3〜1.0%、Mn0.2〜1.5%、
Ti0.01〜1.15%、Zr0.1〜0.4%の範囲内で添加
される。これを超える添加量であると、製品が
高価になつたりかえつて合金特性を劣化するこ
とになる。 本願発明の好ましい実施態様において、高ケイ
素アルミニウム合金粉末中の初晶Siの最大粒径
50μm以下、好ましくは30μm以下にすると冷間
加工性の更なる改善が達成される。第2図はケイ
素含有量が18.0%の高ケイ素アルミニウム合金焼
結体(ただし、添加物を添加していない)を芯部
としたときの初晶Si(第1相)最大粒径とWedge
鍛造試験による限界加工率との関係を示したグラ
フである。このグラフより初晶Si最大粒径は50μ
m以下、特に30μm以下で鍛造性が良好になるこ
とがわかる。初晶Siの平均粒径は15μm以下が特
に望ましいことが確かめられた。さらに加えて、
ケイ素アルミニウム合金粉末中に金属間化合物
(例えばCuAl2、Mg2Si、Al3Ni、Al6Mnなど)と
して分散している粒子の最大粒径が5μm以下で
あれば機械的特性が向上し、かつ塑性加工性特に
冷間鍛造性が向上する点で好ましい。 本発明のアルミニウム合金焼結体の製造方法
は、次のとおりである。先ずアルミニウム−ケイ
素系合金を溶製し、通常用いられる方法によつて
粉体に製造する。粉体の製法としては、スタンプ
ミル法、ボールミル法、カツタミル法、エツデイ
ミル法、マイクロナイザ法、噴霧法等一般的ない
ずれの方法でも良い。粉末の大きさは、一般には
0.5〜1000μm程度の大きさが用いられるが、好ま
しくは20〜300μm程度が良い。この粉体は初晶
のSiが30μm以下で好ましくは3〜15μmの大き
さにコントロールするよう急冷することが好まし
い。また、金属間化合物、例えばCuAl2
Mg2Si、Al3Ni、Al3Mn等の大きさが10μm以下、
好ましくは5μm以下が良い。これらのケイ素ア
ルミニウム合金粉末にAl2O3、BNなどの窒化物、
炭化物の添加物を必要に応じて単純あるいは2種
以上添加混合する。この場合、添加物の合計が、
製品の任意の断面内で15%以下、好ましくは12%
以下の面積率にあることが、冷間鍛造などの塑性
加工性をそこなわないために重要である。次に、
これらの粉末混合物を焼結押出加工するわけであ
るが先ず、コンテナ内の押出ダイスの手前の位置
にアルミニウムまたはアルミニウム合金製プレー
トを置き、次に高ケイ素アルミニウム合金粉体と
前述のAl2O3などの酸化物、BNなどの窒化物、
炭化物等の添加物との混合物を圧縮を行ない、焼
結を実質的に完了した後に、引き続いてプレート
と共に装填材をダイスから押出す。具体的には、
焼結に必要な最低30秒以上の時間に亘つてプレー
トが押出実効面積当り最大圧縮力10〜25Kg/mm2
耐えるようにプレートの厚さを定める。一方、プ
レートが余りに長時間に亘つて最大圧力に耐え過
ぎると、事実上押出しが実施できなくなるので上
限60秒を目標とする。このプレートの厚さとして
は5〜40mmが好ましい。このような最大加圧力が
印加されている時期に焼結と圧縮が同時に進行
し、焼結が完了するや否やその焼結がその前面で
焼結体の外周を被覆するように円筒状に変形され
つつあるプレートを介して放射状中心方向の主分
力をダイスから受けながら強制的に押出される。
したがつて、上述のように焼結及び押出を1段で
行うプロセスであるため、生産性の面でも優れて
おり、従来の押出焼結材に比較してその鍛造性が
特に改善されている。また、製造した粉体に添加
物を混合した混合粉体を予備(冷間)加圧成形し
てコンテナ内挿入に適した形状の成形体としても
よい。挿入した成形体をコンテナ内でさらに圧縮
しながら焼結して、そして押出すことになる。 装填材料はコンテナに装入前又は後に280〜350
℃に加熱される。コンテナ装入後に加熱の場合
は、加熱されたダイス、コンテナ、プレート等か
ら装填材料に熱を与える。プレートの形状は丸棒
材押出の場合は一般に円盤状であるが、中心部に
円錐状窪みを備えた円盤状その他コンテナ形状に
見合いまた適宜な押出フローを作りうる任意の形
状であつてよい。上述の窪みがあると、押出フロ
ーがdeadゾーンを生ぜずに、ダイスの背面部を
円滑に流れるので、クラツド被覆層と芯部の結合
が一段と強化される。 さらに、1回の装填量はプレートが本発明のア
ルミニウム合金の芯部ほぼ全長に亘りクラツドさ
れるように定められることはいうまでもない。 次に、図面によつて本発明の方法を説明するこ
とにする。第3図において、ダイスのセツトされ
た押出コンテナ2内にアルミニウム又はアルミニ
ウム合金よりなるプレート3を所定厚さでセツト
した後、高ケイ素アルミニウム合金粉体と添加物
との混合物を加熱後装填する。この添加物は、高
ケイ素アルミニウム合金で得られない耐摩耗性又
は高温強度を付与するために添加されることは言
うまでもない。 この後ラム5を降下させ、通常の押出法と同様
に加圧を行うとゆるく充填されている粉末4が圧
縮されるにつれて第4図に示すように押出圧力が
増加し初圧pが9に示すように粉末4に負荷され
る。この圧力が平衝し10に達するまでの時間Tを
少なくとも30秒とすることで粉体は完全に焼結さ
れる。その後プレート3が押出され、次に焼結体
がアルミニウム、アルミニウム合金でクラツド
(被覆)されながら、所定径で押出されて圧力11
の時間までの間に焼結体の表面にアルミニウム又
はアルミニウム合金が均一に鞘状にクラツドされ
た焼結体素材を得ることができる。圧力10から11
までの時間はTより長い。この間にも被押出材は
当然熱間加工温度を保つているが、焼結は圧力が
10の時T10にて完結しているために、T10以降で
は緻密な焼結体の押出のみが進行すると考えられ
る。 第5図は本発明の合金が丸棒の場合の断面図で
あるが、芯部8の表面にアルミニウム又はアルミ
ニウム合金が鞘状クラツド押出層7が一体に結合
されているのがわかる。鞘状クラツド押出層7は
プレート3の厚さを変えることによつて所望の厚
さにすることが可能である。 〔実施例〕 以下、本発明合金の諸特性について詳述する。 実施例 1 高ケイ素アルミニウム合金を第1表に示す組成
で供試材AおよびBのためにそれぞれ20Kg溶解
し、820℃にて溶湯からアトマイズ法によつて粒
径20〜50μmのアルミニウム合金粉末を製造し
た。供試材Aの粉末に平均粒径8μmのBN粉末を
面積率で12%となるように添加混合し、そして供
試材Bの粉末に平均粒径6μmのAl2O3粉末を面積
率で11%となるように添加混合した。それぞれの
粉末を約5Kg用いて、予備加圧成形して直径75mm
で長さ400mmの丸棒ビレツトにした。そして、第
1図に示すように押出し装置の押出しコンテナ内
に、第6図aおよびbの形状のアルミニウム合金
(A1100P、JIS H4000)プレートMおよびNのい
ずれかを配置して上述の丸棒ビレツトを入れ、第
1表に示した条件で直径20mmで約4.5mのアルミ
ニウム合金鞘状クラツド層で被覆された丸棒供試
材AおよびBを製造した。 得られた押出製品は、プレートMを使用した場
合の鞘状クラツド層(第5図aおよびb)の厚さ
が製品先端部で1.2mmでありかつ製品後端部で0.6
mmであつた。また、プレートNを使用した場合の
鞘状クラツド層の厚さは製品先端部で1.1mmであ
り、製品後端部で0.8mmであつた。このように鞘
状クラツド層の厚さは凹みのあるプレートN(第
6図b)を用いたほうが均一に得られる。なお、
後述の実施例においてはプレートNを用いて供試
材を製造した。
【表】 得られた直径20mmの丸棒の特性は第2表のとお
りであつた。供試材はいずれもT6処理(500℃×
8Hr溶体化→水焼入れ→170℃×8Hr焼戻し)を
施したものであるが、強度特性が優れた焼結体で
あることが認められる。
【表】 本発明の供試材が押出機内で焼結完了したもの
であることはミクロ組織及び上記強度試験によつ
て確認された。 実施例 2 実施例1の方法により焼結押出を行つて下記供
試材D〜Fを製造した。また比較材としてAl−
17%Si−4.5%Cu−0.6%Mg−0.01%Ti合金を通
例の金型鋳造した供試材Cを製造した。 供試材D:供試材Cと同じ組成の高ケイ素アル
ミニウム合金のアトマイズ粉末にさらに面積率で
13%のAl2O3が製品中に含まれるような出発粉体
とした。 供試材E:供試材Cと同組成のアルミニウム合
金粉末にさらに面積率で12%のZrNおよびZrCが
製品中に含まれるような出発粉体とした。 供試材F:供試材Cと同組成のアルミニウム合
金粉末にさらに面積率で14%のTicが製品中に含
まれるような出発粉体とした。 得られた焼結押出供試材D〜FおよびCに、
T6処理(500℃×8時間溶体化、60℃水焼入れ、
170℃×8時間焼戻し)を施し、常温・高温強度
特性の試験を行なつた。なお、高温引張試験は供
試材(クラツド被覆層あり)を試験温度に10時間
保持し、引張強度を4m/minの速度で試験し
た。 試験結果を第3表に示す。
【表】 本発明の供試材D〜Fの常温強度は金型鋳造材
(供試材C)と大差ないが、高温において有意差
耐熱性向上を示している。このことより本発明合
金焼結体が優れた耐熱性をもつことが明らかであ
る。 実施例 3 第4表に示す本発明のアルミニウム合金焼結体
の耐摩耗性を以下に述べる方法で調査した。なお
表中、A〜Fは前記実施例1、2の供試材であ
り、通例の金型鋳造法による供試材C以外は本発
明の実施例である。供試材Cは低ケイ素アルミニ
ウム合金を通常の金型鋳造法で調製した比較例で
ある。それ以外の供試材H−Kは第6図のNのプ
レートを用いた実施例の供試材Bと同様の方法で
調製した。 これらの供試材を大越式摩耗試験機により、相
手材をFC−30とし、潤滑剤なしの乾式摩耗試験
を摩擦速度0.32〜4.0m/secで行つた。上記供試
材の摩耗試験片は(焼結)押出材の縦断面部が相
手材と摺動されるようにした。
【表】 各供試材の摩擦速度1.98m/secにおける比摩
耗量(mm3/Kg)を第5表に示す。
〔効 果〕
従来の高ケイ素含有アルミニウム粉末治金製
品、特に熱間押出材に比較すると、本発明の塑性
加工用アルミニウム焼結体は熱間押出中の焼結が
十分であるために緻密性が高く、この結果特に高
温強度、及び耐摩耗性が高くなつている。なお従
来鋳造用高ケイ素アルミニウム合金が耐摩耗性を
要求される用途に使用されていたが、その性能改
善はほぼ限界に達しており、また合金粉末の単な
る熱間押出焼結では滑り特性の向上は図れても耐
摩耗性向上は不充分であつた。本発明のアルミニ
ウム合金焼結体は鞘状クラツド押出層と接着され
ているので、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤との濡
れ性が高く、従来のソリツド押出材には見られな
い高度の冷間塑性加工性を備え、結果として加工
寸法精度向上、自由な成形が可能になる。さらに
クラツド被覆層がアルミニウム合金溶湯との良好
な濡れ性をもつので、鋳包み性の改善も可能にな
る。以上のようにな優れた特性を有するために、
本発明は従来適用が困難であつた高ケイ素アルミ
ニウム合金の鍛造、圧延等の塑性加工品の各種用
途に用途拡大を図りうる。例えば二輪車用とし
て、シフトセグメント、ギヤ(スタータ・スプロ
ケツトギヤー、クラツチギヤー)、エンジン自動
車用として、バルブガイド、シンクロナイザハ
ブ、プーリ(カムシヤフトタイミングプーリー)、
ギヤシヤフトカム、各種ベアリング、バルブレー
ト、家電用として、VTR用ドラム、軸受、洗濯
用ギヤ、電動工具スプロケツト、電動工具ヘリカ
ルギヤ、同プーリー、ジユーサー摩擦ドラム、冷
凍機コンプレツサーバルブプレート、コンプレツ
サー用ライナー、事務機用として、加算機用ギヤ
ー、スイツチ・カム、複写機用クラツチハブ、
又、一般産業用としてデイーゼルエンジンバル
ブ、同ライナー、同エンジンカム、ギヤー、カメ
ラ用巻上げ等広い領域に応用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の塑性加工用アルミニウム合金
焼結体の芯部の第2相総面積とWedge試験によ
る鍛造限界加工率の関係を示すグラフ、第2図は
添加物なしでのアルミニウム合金焼結体の合金の
芯部の初晶Si粒径とWedge試験による鍛造限界
加工率の関係を示すグラフ、第3図は押出焼結を
行なう方法の一例を説明する概念断面図、第4図
は押出圧力の時間変化を示すグラフ、第5図は本
発明のアルミニウム合金焼結体の概念的横断面図
及び縦断面図、第6図は実施例で使用したプレー
トの図面、第7図は摩耗試験結果を示すグラフ、
第8図〜第11図はそれぞれ供試材F、E、B及
びCの金属顕微鏡組織写真(60倍)である。 1……ダイス、2……コンテナ、3……プレー
ト、4……粉体、7……クラツド被覆層、8……
芯部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウム又はアルミニウム合金の鞘状ク
    ラツド押出層が一体に被着された芯部を含んでな
    り、この芯部は重量百分率で、 (イ) 13〜30%のケイ素、 (ロ) 0.5〜5.0%の銅、 (ハ) 0.2〜1.5%のマグネシウム、及び (ニ) 0.2〜1.0%のニツケル、0.3〜1.0%のクロム、
    0.2〜1.5%のマンガン、0.01〜0.15%のチタン、
    及び0.1〜0.4%のジルコニウムの少なくとも1
    種を含有し、残部がアルミニウムと不純物から
    なるアルミニウム合金粉末と、 面積百分率で15%以下のボロン、ジルコニウ
    ム、チタン、クロム、モリブデンの窒化物、チ
    タン、ジルコニウム、バナジウム、タンズステ
    ンの炭化物及びアルミニウム酸化物の少なくと
    も1種の粉末又は繊維とからなり、芯部の各粉
    末粒子又は繊維相互の間が焼結押出により緻密
    に結合されている塑性加工用アルミニウム合金
    焼結体。
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