JPH0246254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、植付クラツチを切つた際には、交互
揺動自在の左右一対の推進車輪を自動的に平衡状
態に固定し、植付クラツチを入れると推進車輪が
交互揺動自在となつて運転操作を円滑かつ容易に
できるようにした歩行型田植機におけるローリン
グ規制装置に係るものである。

従来、歩行型田植機においては、田面を滑走す
るフロートと、耕盤を走行する昇降可能な左右一
対の推進車輪が備えられており、該左右一対の推
進車輪は、耕盤の起伏に対する追従性を良好にす
るため、交互揺動自在所謂シーソースイング状態
に装着したものが多い。

上記歩行型田植機においては、枕地で機体を回
行させたり、苗の植付けを伴わない機体の移動走
行時には、植付クラツチを切るが、左右の推進車
輪は交互揺動自在のままであるので、特に枕地で
機体を回行させる際には、左右一対の推進車輪が
一方へ傾き、それに伴つてフロート傾き、フロー
トによつて枕地が乱される許りでなく、その際の
運転操作も容易でない。もとより、機体の回行時
において左右一対の推進車輪を平衡状態に戻せば
上記不都合は生じないが、左右一対の推進車輪を
平衡状態に戻すには、機体を一旦左右に揺する操
作を必要とし、連続運転中にこのような操作を回
行時ごとに繰返すことは困難である。

本考案は、上記の如き従来の実状に鑑み、その
不都合を一掃することを目的とするものであつ
て、田面を滑走するフロートと、耕盤を走行する
左右一対の昇降可能な推進車輪を備え、上記左右
一対の推進車輪を、交互揺動自在の平衡支持体に
装着し、該平衡支持体にはそれを平衡位置に固定
するストツパを植付クラツチに連動させて設け、
上記植付クラツチを切ると平衡支持体が平衡位置
にロツクされ、該クラツチを入れるとそのロツク
が解除されるように構成した歩行型田植機におい
て、上記平衡支持体にはストツパ方向に拡開する
係止凹部を形成した案内体を設け、ロツク解除位
置で係止凹部から退避するストツパが平衡支持体
の交互揺動範囲規制体となるように構成したこと
により、機体の回行時や移動走行時に植付クラツ
チを切ると、左右一対の推進車輪を自動的に平衡
状態に戻して固定することができ、植付クラツチ
を入れると推進車輪が交互揺動自在となり、しか
も交互揺動範囲がストツパにより規制され適正な
ローリング量となつて運転操作を円滑かつ極めて
容易に行うことができる歩行型田植機におけるロ
ーリング規制装置を提供しようとするものであ
る。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、図面には歩行型田植機の一部が示
されており、１，１は左右一対の推進車輪であつ
て、該左右一対の推進車輪１，１は、枢支ピンａ
を介して機体に上下揺動自在に枢支されたチエン
ケース１ａ，１ａの一端に軸支されており、チエ
ンケース１ａ，１ａの上下揺動により機体に対し
上下昇降可能となつている。そして前記チエンケ
ース１ａ，１ａから延設されたアーム１ｂ，１ｂ
の上端は、連結棒２，２を介して左右に交互揺動
自在な平衡支持体３の両端部に枢着ピン４，４に
より装着されている。従つて左右の車輪１，１は
平衡支持体３を介して左右が交互に昇降する所謂
シーソースイングが行われるようになつている。
５は田植機のフレームであつて、該フレーム５に
は前後方向のガイド棒６，６が取付けられてお
り、ガイド棒６，６には上記平衡支持体３内に介
在する案内体７が摺動自在に嵌込まれている。そ
して、平衡支持体３の中間点は案内体７に枢支ピ
ン８によつて回動自在に枢着されている。９は油
圧シリンダ、１０はそのラムであつて、該ラム１
０の先端はホルダ１１を介して上記枢支ピン８に
連結されており、ホルダ１１とラム１０の基端部
に固着された弾機受１２間には圧縮弾機１３が介
在されている。また、上記案内体７の一端部には
係止凹部１４が形成されており、平衡支持体３に
は係止凹部１４に対向してストツパ１５が取付け
られている。すなわち、平衡支持体３の係止凹部
１４に対向する部位にはストツパ１５の出入孔１
６が穿孔され、かつその外側にストツパ受筒１７
が固着されており、ストツパ１５はストツパ受筒
１７に摺動自在に嵌装されている。そして、平衡
支持体３に固着されたサポート１８とストツパ１
５間には圧縮弾機１９が介装され、ストツパ１５
は係止凹部１４に底に押圧されるように付勢され
ており、ストツパ１５は田植機のハンドル２０に
備えられた植付クラツチ２１に連結ワイヤ２２に
よつて連動されている。植付クラツチ２１とスト
ツパ１５とは、クラツチを入れるとストツパ１５
が圧縮弾機１９に抗して退避して係止凹部１４の
押圧を解除し、クラツチを切ると圧縮弾機１９の
弾力ストツパ１５は係止凹部１４に押圧されて平
衡支持体の揺動をロツクする関係を有している。

そして、上記係止凹部１４はストツパ１５の方
向に拡開する形状のテーパ状に形成されており、
これに対応してストツパ１５の先端も先細り状ね
テーパ状に形成されている。このため、植付クラ
ツチ２１を入れたロツク解除位置で、退避する、
ストツパ１５の先端の先端の係止凹部１４内に入
る長さを調節することにより、平衡支持体３の交
互揺動範囲を規制してローリング量を調節するこ
とができ、例えば耕盤の起伏が大きい場合にはロ
ーーリング量を大きくし、耕盤の起伏が小さい場
合にはローリング量を小さくすることができる。

叙上の如く構成されたものにおいて、苗の植付
けにあたつて植付クラツチ２１が入れられると、
ストツパ１５が案内体７の係止凹部１４の押圧を
解除し、平衡支持体３の交互揺動規制状態となる
ので、左右一対の推進車輪１，１は交互揺動自在
となつて耕盤の起伏によく追従して機体を推進さ
せる。ところで、機体の回行時や苗の植付けを伴
わない移動走行時には、植付クラツチ２１を切る
が、該植付クラツチ２１を切ることにより、スト
ツパ１５は圧縮弾機１９の弾力で係止凹部１４内
を進出して案内体７を押付けるので、平衡支持体
３は不平衡状態または平衡状態にかかわらず、平
衡位置に固定され、左右一対の推進車輪１，１は
平衡状態に保たれる。そして植付クラツチ２１を
入れたときには、拡開した係止凹部１４から退避
するストツパ１５が平衡支持体３０の交互揺動範
囲を規制するので、常に適正なローリング量とな
つて円滑かつ容易にその運転操作を行うことがで
きる。

これを要するに、本考案は、田面を滑走するフ
ロートと、耕盤を走行する左右一対の昇降可能な
推進車輪を備え、上記左右一対の推進車輪を、交
互揺動自在の平衡支持体に装着し、該平衡支持体
にはそれを平衡位置に固定するストツパを植付ク
ラツチに連動させて設け、上記植付クラツチを切
ると平衡支持体が平衡位置にロツクされ、該クラ
ツチを入れるとそのロツクが解除されるように構
成した歩行型田植機において、上記平衡支持体に
はストツパ方向に拡開する係止凹部を形成した案
内体を設け、ロツク解除位置で係止凹部から退避
するストツパが平衡支持体の交互揺動範囲規制体
となるように構成したから、機体の回行時や移行
時に植付クラツチを切ることにより、左右一対の
推進車輪を自動的に平衡状態に戻して、固定させ
ることができる。そして植付クラツチを入れると
ロツクが解除され、平衡支持体が交互揺動自在と
なるが、拡開した係止凹部から退避するストツパ
が平衡支持体の交互揺動範囲を規制するので、耕
盤の起伏に応じた適正なローリング量とすること
ができて運転を円滑かつ容易に行うことができる
等、きわめて有用な実用的効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機におけるロー
リング規制装置の一実施例を示すものであつて、
第１図は歩行型田植機の要部平面図、第２図は同
側面図、第３図は第１図要部の断面図およびハン
ドル部の斜視図、第４図は一部の縦断正面図であ
る。 図中、１，１は左右一対の推進車輪、２，２は
連結棒、３は平衡支持体、５は田植機のフレー
ム、６，６はガイド棒、７は案内体、８は枢支ピ
ン、９は油圧シリンダ、１０はそのラム、１４は
係止凹部、１５はストツパ、１７はストツパ受
筒、１８はサポート、１９は圧縮弾機、２０は田
植機のハンドル、２１は植付クラツチ、２２は連
結ワイヤである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 田面を滑走するフロートと、耕盤を走行する左
   右一対の昇降可能な推進車輪を備え、上記左右一
   対の推進車輪を、交互揺動自在の平衡支持体に装
   着し、該平衡支持体にはそれを平衡位置に固定す
   るストツパを植付クラツチに連動させて設け、上
   記植付クラツチを切ると平衡支持体が平衡位置に
   ロツクされ、該クラツチを入れるとそのロツクが
   解除されるように構成した歩行型田植機におい
   て、上記平衡支持体にはストツパ方向に拡開する
   係止凹部を形成した案内体を設け、ロツク解除位
   置で係止凹部から退避するストツパが平衡支持体
   の交互揺動範囲規制体となるように構成したこと
   を特徴とする歩行型田植機におけるローリング規
   制装置。