JPH024487B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、丸木または同様の細長い物体を入口
側から出口側に１個づつ移送するための装置に関
する。本発明はとくに、少なくとも２対の円板を
有し、この各対の円板は、別個の軸上に取り付け
られて互に反対方向に回動され、かつ、各々が、
周囲に切欠部を有しており、円板の回動動作の始
端及び終端において、入口側円板体の切欠部は、
入口側に向き、出口側円板体の切欠部は、出口側
を向くようになつており、また、円板の回動動作
の反転の直前直後の間では、これらの円板体で切
欠部同士により溝部を形成するように構成されて
おり、かつ、この反転の直前直後の間で、この溝
部中に置かれた丸木を出口側の円板の切欠部に移
すための移送機構を有するような送り装置に関す
る。

この種の移動装置はフインランド特許第42.932
号の明細書及び特公昭46−11288号公報に開示さ
れている。この装置は、特定時間ごとに１度に１
個の丸木が装置を通るように丸木を互いから離す
ために用いるものであるが、その動作は次のよう
になされる。同時に複数の丸木が、円板により形
成される溝部中に送られる場合、円板の切欠部の
重なり合つた先端部が、円板がその最初の位置に
戻るべく反転し始めるとき溝部に置かれている丸
木間に突出して、受け入れた丸木等のうちの１本
のみを出口側円板に分離することにより、特定時
間ごとに１個のみの丸木が、出口側の円板の切欠
部に残され、その間、その他の丸木は入口側の円
板の切欠部中に戻される。入口側の円板が、１個
のみの丸木を溝部中に送り込む場合でも出口側の
円板中の切欠部に丸木を常に移送する必要がある
ため、この装置は、溝部中に置かれる丸木を出口
側の円板の切欠部側へ押すための移送機構を備え
ている。

前述の特許明細書等に開示された装置は、移送
機構は、押付けレバーとして構成されており、こ
のレバーの一端は、入口側の円板に回動可能に軸
支されており、この押付けレバーを溝部中に突出
させるような位置にレバーを軸支する機構により
駆動機構に結合されている。この駆動機構は、通
常圧力媒体シリンダーを有している。しかしなが
ら、これら従来の装置は、各押付けレバーを動か
すための駆動機構および圧力源および配管系統を
別個に設けなければならないという不利益を有し
ていた。さらに、この押付けレバーの押付け力
は、溝部中で押される丸木の直径や重量と関係な
く常に同一の大きさで与えられる。また、欠点と
して、丸木を適切に離すために、押付けレバーの
操作の間に、円板を一旦停止させる必要がある。

本発明の目的は、上述の従来装置の欠点を解決
し、移送機構の動作を簡易にする送り装置を提供
するにある。

この目的は、本発明に従つた装置により達成さ
れるものである。即ち、前記移送機構が、各対の
円板の両円板間にのびる傾動レバーを有し、前記
円板が、回動動作により１本の丸木だけを第１の
円板から第２の円板に移す移送及び分離位置に達
したとき、前記傾動レバーが、円板の側部に沿つ
て上昇して溝部（両円板の切欠部が交差すること
により構成される）の横を通るように設けられた
送り装置により達成される。

本発明に基づく送り装置は、円板の回動動作に
よつて直接、移送機構の動作が生ずることによ
り、移送機構を動作させる駆動機構を別個に設け
る必要がなく、構造が簡易化されるものである。
本発明はさらに、移送機構を傾動可能に取り付け
ることにより、溝部中の丸木の、出口側円板の切
欠部側への移動が丸木の自重により生ずる転動に
よりおこなわれる。本発明による装置は、丸木の
移送が円板の回動動作の間に、すでに開始され、
円板が、その反転位置に達したとき終了するの
で、円板が直ちにその原位置に復帰動作を開始で
きるため、装置の運転効率を高めることができ
る。

つぎに本発明による装置の実施例を図にしたが
つて説明する。

第１図ないし第４図は、本発明の好ましい１実
施例を示し、それぞれ、受け入れ位置、移送位
置、分離位置および取り出し位置における状態を
示す。第５図及び第６図は本発明による送り装置
の別の実施例を示すもので、それぞれ受け入れ位
置および移送位置における状態を示す。

第１図ないし第４図に示す送り装置は、２個の
平行な回転軸１，２を有し、これらに、少なくと
も２個の、対関係に離された円板が取り付けられ
ている。対の円板を構成する一方の円板３が、一
方の軸１に固定され、他方の円板４が、同様に他
方の軸２に固定されている。これらの回転軸は、
互いに反対方向に同期して回動するように歯車等
の機構（図示せず）により連結されている。軸の
一方は、この軸を正転または逆転する、油圧シリ
ンダー等の駆動機構に結合されている。

本発明による送り装置はさらに、一端が円板４
の回転軸２に回転自在に支持されたブラツト７に
取り付けられ、他端がピボツト軸８により接続機
構としての接続腕９の一端に軸支された傾動レバ
ー６を有する移送機構５を備えている。接続腕の
反対側端部は、ピボツト軸１０により他方の円板
３にヒンジ接合されている。

各円板は、それそれ周囲にその半径方向及び軸
線方向に切欠部１１，１２を有しており、このた
め、傾動レバー６は、第１の円板３の切欠部１１
の一側部を構成する。

この送り装置の入口側に、この装置中に入れら
れる丸木１４を送り込むための傾斜表面１３が設
けられている。

前記の各円板は、以下に述べるような関連動作
を行なうように設けられている。即ち、各円板
が、第１図及び第４図にそれぞれ示す、円板の回
動過程の始端及び終端である受け入れ位置及び取
り出し位置に置かれた場合、各円板の切欠部は、
実質的に反対方向、即ち、円板３の切欠部１１
が、傾斜表面１３側（丸木を送り込むための入口
側Ａ）に向けられており、一方、円板４の切欠部
１２は、丸木の出口側Ｂ（丸木を送り装置から送
り出す側）に向けられている。これらの円板が回
動されて第２図および第３図に示す円板の回動動
作の反転の直前及び直後である移送位置および分
離位置にあると、丸木等を円板３から円板４に移
すために、切欠部１１及び１２により溝部１５が
形成される。傾動レバー６は、円板が第１図に示
す受け入れ位置に置かれている場合、傾動レバー
はほぼ水平に保たれ、円板が第２図中に示す移送
位置に回動すると、傾動レバー６が出口側Ｂの方
に傾く位置まで持ち上げられるような関係を有す
るように取り付けられている。

つぎに、本発明による装置の動作を説明する。

円板が、第１図中に示す受け入れ位置に置かれ
ると、１以上の丸木が傾斜表面１３から、入口側
Ａに向いた円板３の切欠部１１中に転入する。円
板が、第２図に示す移送位置側に回動するにつれ
て、傾動レバー６が上昇し、そして傾斜位置にな
つたまま、切欠部１１，１２により形成される溝
部１５の横に位置する。このため、この溝部中に
置かれる丸木が、自重のため出口側の円板４の切
欠部１２に向つてレバーに沿つて転動する。円板
がその回動方向を反転し、これらの最初の位置側
に動き始めると、両円板の切欠部１１，１２の重
なり合つた端部の先端部分が、第３図に示すよう
に溝部内に置かれた丸木の間に突出するため、丸
木が離され、出口側の円板の切欠部１２中に１個
の丸木のみが残される。円板が、第４図に示す取
り出し位置に回転すると、分離された丸木は、出
口側の円板４の切欠部１２から落下する。傾動レ
バーの接続腕９は、この傾動レバーが、第４図の
下向きに回動される時以外、表面１３上の丸木
が、この表面にそつて下方に移動しないように停
止部材として作用する。

注意すべきことは、円板自体の回転運動が傾動
レバーに動作を与えるため、駆動機構を別個に設
ける必要がないことである。また、溝部中に置か
れる丸木の移送は、丸木のすべり動作と転動動作
により生ずることにも注意すべきである。

第５図および第６図に示す本発明の別の実施例
は、移送機構２５が、傾動レバー２６のみを有す
る点で前述の実施例と異なり、この傾動レバー２
６は、この傾動レバーのみぞ孔２９中を滑動しう
るピボツト軸２８により入口側の円板２３の一側
の切欠部２１の先端２３ａにヒンジ結合されてい
る。このように前述の実施例中で用いられた接続
腕が不要となる。

本発明に関する上述の説明ならびに添付の図面
は単なる例示であり、本発明はこられに限定され
るものではない。したがつて、円板の回動動作に
より傾動レバー６または２６の上下動作を与える
ための別の接続機構をも用いうる。円板を入口側
に回動させるかわりに、円板を出口側に回動させ
ることにより傾動レバーを動かすようにすること
も可能であり、この場合、円板の反時計運動は適
切な歯車機構を用いることにより、これと対応さ
せて傾動レバーの時計方向運動に変えることがで
きる。出口側の円板の軸に傾動レバーを取り付け
るかわりに、別の位置に固定されたブラケツト上
に取り付けうる。

以上詳述したように、本発明による丸木等の送
り装置によれば、出口側円板の切欠部へ丸木等を
押す傾動レバーは、入口側円板の回転動作により
作動されるので、傾動レバーを動かすための専用
動力源を設ける必要がない。また、傾動レバーに
よる丸木等の出口側円板の切欠部への移動は、円
板の回転を停止させることなく可能であるので作
業効率が上がる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、本発明による送り装置
の実施例の、受け入れ位置、移送位置、分離位置
および取り出し位置での動作状態をそれぞれ示す
側面図；および、第５図および第６図は、本発明
の別の実施例における受け入れ位置および移送位
置をそれぞれ示す側面図である。 １，２……回転軸、３，４……円板、５……移
送機構、６……傾動レバー、９……接続腕、１
１，１２……切欠部、１３……傾斜表面、１４…
…丸木、１５……溝部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互に平行な軸１，２と、 該軸の各々に外周縁部同士が重り合うように取
   り付けられる少なくとも２対の円板３，４と、 該円板３，４を互に同期して反対方向に回動す
   るとともに、これらの回転を反転する機構と、 該円板の各々の外周囲に半径方向及び厚さ方向
   に渡つて形成された切欠部１１又は２１，１２で
   あつて、丸木等の受け入れ・取り出し位置である
   該円板３，４の回動動作の始端及び終端では、丸
   木等が入り込む入口側Ａの円板３の切欠部１１又
   は２１が、該入口側Ａを向き、丸木等を送り出す
   出口側Ｂの円板４の切欠部１２が、該出口側Ｂを
   向き、丸木の移送・分離位置である該円板の反転
   持には、丸木等を入口側円板３から出口側円板４
   に移せるように、入口側円板３の切欠部１１又は
   ２１と出口側円板４の切欠部１２の双方が交差し
   て丸木等の移送用の溝部１５をなし、さらに該円
   板３，４の反転後には、両切欠部の重なり合つた
   端部の先端部分が該溝部に突出して、受け入れた
   丸木等のうち１本のみを出口側円板４に分離する
   ように、該円板３，４の各々に形成される切欠部
   と、 該溝部１５に入つた丸木１４等を出口側円板４
   の切欠部１２に押す移送機構５又は２５とからな
   る、丸木または同様の細長い物体を入口側Ａから
   出口側Ｂに１個ずつ送る送り装置において、 前記移送機構５又は２５は、 一端が前記出口側円板４の軸２に関し、回転自
   在に支持され、他端が前記入口側円板３の軸１を
   越えてのびる傾動レバー６であつて、該他端を該
   一端よりも上昇させると前記溝部１５中の丸木１
   ４等を上昇させこれを該出口側切欠部１２に押し
   やれる長さを有する傾動レバーと、 該円板３，４の反転時には、該入口側円板３の
   回転動作により該傾動レバー６又は２６の該他端
   を該一端よりも上位に上昇させて該傾動レバー６
   又は２６を前記溝部１５の横を通つて上昇させる
   ように該傾動レバー６又は２６の他端を該入口側
   円板３の側面に接続する機構８及び９、又は２８
   及び２９とからなることを特徴とする丸太材等の
   送り装置。 ２ 前記接続する機構は、一端が前記傾動レバー
   ６の他端に接続され、他端が前記入口側Ａの円板
   ３にヒンジ結合された接続腕９からなる、特許請
   求の範囲第１項記載の丸太材等の送り装置。 ３ 前記接続する機構は、前記入口側Ａの円板２
   ３の切欠部２１の側面の先端２３ａに、前記傾動
   レバー２６の他端をヒンジ結合することにより構
   成される、特許請求の範囲第１項記載の丸太材等
   の送り装置。