JPH0244037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、内燃機関のアイドル回転数制御装置
に関し、特に始動性向上のための改良に関する。

〈従来技術〉 従来の内燃機関のアイドル回転数制御装置とし
て、例えば第１図に示すように、スロツトル弁１
をバイパスする補助空気通路２の途中にアイドル
制御弁３を設け、このアイドル制御弁３の開度を
制御することにより補助空気量を調整して、アイ
ドル回転数を制御するようにしたものがある。ア
イドル制御弁３は例えばロータリー式で、図示し
ない開弁用コイルと閉弁用コイルとにパルス信号
が互いに反転された状態で送られるようになつて
おり、パルス信号のデユーテイ比に応じて開度が
制御される。尚、第１図において、４はエアクリ
ーナ、５はエアフローメータ、６は燃料噴射弁、
７はエンジン本体である。

ところで、アイドル制御弁へのパルス信号のデ
ユーテイ比は例えば次式によつて計算される制御
値ISCdyによつて決定される。尚、この制御値の
単位は（％）で表わされ、開弁用コイルがONに
なつている時間割合として出力される。

ISCdy＝ISCtw＋ISCub ここで、ISCtwは冷却水温度（以下水温とい
う）依存の基本制御値、ISCubはバツテリ電圧依
存の補正量である。この他、必要に応じ各種補正
量及びフイードバツク補正量が設けられる。

しかしながら、このような従来のアイドル回転
数制御装置においては、水温に応じてアイドル制
御弁の開度が決定されるが、これは始動後の状態
において目標アイドル回転数が得られるような特
性となつていたため、始動時（クランキング時）
には補助空気量が少なすぎて、始動性が良くない
という問題点があつた。

〈考案の目的〉 本考案はこのような従来の問題点に鑑み、始動
性を向上させることを目的とする。

〈考案の構成〉 このため、本考案は、第２図に示すように、水
温に基づいて、該水温が低温である程アイドル制
御弁の開度を増大する方向に該アイドル制御弁へ
のパルス信号のデユーテイ比を設定するデユーテ
イ比設定手段を設ける他、スタートスイツチがオ
ンである機関始動時にデユーテイ比設定手段によ
り設定されるデユーテイ比をアイドル制御弁の開
度を増大する方向に水温に応じた補正量分補正す
る始動時補正手段を設け、例えば第３図Ａに示す
ような水温に対するアイドル制御弁の開度特性を
始動時には同図Ｂに示すような開度特性に補正す
るようにしたものであり、また、始動直後に時間
経過と共に始動時補正を除々に減少させる始動後
復帰手段を設け、始動後は徐々に通常の特性に復
帰させるようにしたものである。

〈実施例〉 以下に実施例を説明する。

第４図にハードウエア構成を示す。

８はCPU、９はＰ−ROM、１０はＡ／Ｄ変換
器、１１はアドレスコーダである。

アナログ入力信号としては、水温センサ１２か
らの水温信号とバツテリ１３からのバツテリ電圧
があり、これらはアナログ入力インタフエース１
４を介してＡ／Ｄ変換器１０に入力された後、
CPU８に入力される。

デジタル入力信号として、スタートスイツチ１
５からのオン・オフ信号があり、これはデジタル
入力インタフエース１６を介して、CPU８に入
力される。

CPU８からは位相反転ドライバ１７を介して
アイドル制御弁３の開弁用コイル３ａ及び閉弁用
コイル３ｂに互いにデユーテイ比が反転された状
態でパルス信号が出力される。

ここにおいて、CPU８は、第５図のフローチ
ヤート（アイドル制御弁３へのパルス信号のデユ
ーテイ比の制御値ISCdyの計算ルーチン）に基づ
くプログラムに従つて、入出力操作並びに演算処
理等を行うようになつている。

次に第５図のフローチヤートについて説明す
る。

Ｓ１で水温センサ１２によつて検出される水温
Twを読込み、Ｓ２で水温Twからこれに応じて
予め定められているアイドル制御弁３へのパルス
信号のデユーテイ比の基本制御値ISCtwを検索す
る。また、Ｓ３でバツテリ１３のバツテリ電圧
Ubを読込み、Ｓ４でバツテリ電圧Ubに基づいて
補正量ISCubを演算する。

そして、Ｓ５でスタートスイツチ１５がオンで
あるか否かすなわちクラツキング中であるか否か
を判定する。

スタートスイツチ１５がオン場合は、Ｓ６へ進
んで、水温Twからこれに応じて予め定められて
いる補正量ISCstを検索する。

その後、Ｓ１２へ進んで、制御値ISCdyを次式
に従つて演算し、Ｓ１３でこの制御値ISCdyを出
力し、この制御値ISCdyに相応するデユーテイ比
のパルス信号を位相反転ドライバ１７を介してア
イドル制御弁３の開弁用コイル３ａ及び閉弁用コ
イル３ｂに与える。

ISCdy＝ISCtw＋ISCst＋ISCub したがつて、クランキング中は補正量ISCstの
分、制御値ISCdyが大となり、アイドル制御弁３
の開度が増大する。

Ｓ５での判定でスタートスイツチ１５がオフの
場合は、Ｓ７へ進んでフラグFFの判定を行う。
このフラグＦは機関停止時にＦ＝０にリセツトさ
れ、後述のＳ１１でＦ＝１にセツトされるものの
で、始動直後はＦ＝０となつている。

したがつて、始動直後は、Ｓ７での判定でＳ８
へ進み、前回のISCstから予め定められた定数Ｃ
（微小値）を減算しその結果を新たにISCstとして
設定する。次のＳ９ではISCst≦０であるか否か
を判定し、NOの場合はＳ１２へ進む。つまり、
始動直後は補正量ISCstを徐々に減少させて、通
常時の特性に近づける。

Ｓ９での判定でYESの場合は、Ｓ１０へ進ん
でISCstを０にし、次いでＳ１１でフラグをＦ＝
１にセツトした後、Ｓ１２へ進む。ここで始動時
補正が終了する。

以降はＳ７での判定でそのままＳ１２へ進み、
ISCst＝０のままISCdyの計算を行う。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、始動時に
アイドル制御弁の開度を通常より大きくすること
ができ、始動性特に再始動性が良好になるという
効果が得られる。

また、始動後は始動時補正を徐々に減少させる
ことで滑らかに通常の特性に復帰させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアイドル回転数制御装置の概略
図、第２図は本考案の構成を示すブロツク図、第
３図は本考案による特性を示す線図、第４図は本
考案の一実施例を示すハードウエア構成図、第５
図は同上のフローチヤートである。 １……スロツトル弁、２……補助空気通路、３
……アイドル制御弁、８……CPU、１２……水
温センサ、１５……スタートスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロツトル弁をバイパスする補助空気通路に、
   パルス信号によつて駆動されそのデユーテイ比に
   応じて開度が調整されるアイドル制御弁を備え、
   かつ、冷却水温度に基づいて該冷却水温度が低温
   である程前記アイドル制御弁の開度を増大する方
   向に前記パルス信号のデユーテイ比を設定するデ
   ユーテイ比設定手段を備える内燃機関のアイドル
   回転数制御装置において、スタートスイツチがオ
   ンである機関始動時に前記デユーテイ比設定手段
   により設定されるデユーテイ比を前記アイドル制
   御弁の開度を増大する方向に冷却水温度に応じた
   補正量分補正する始動時補正手段と、スタートス
   イツチがオフとなつた始動直後に時間経過と共に
   始動時補正を徐々に減少させる始動時復帰手段と
   を設けたことを特徴とする内燃機関のアイドル回
   転数制御装置。