JPH024374B2 - - Google Patents

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JPH024374B2
JPH024374B2 JP15132585A JP15132585A JPH024374B2 JP H024374 B2 JPH024374 B2 JP H024374B2 JP 15132585 A JP15132585 A JP 15132585A JP 15132585 A JP15132585 A JP 15132585A JP H024374 B2 JPH024374 B2 JP H024374B2
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JP
Japan
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straightening
metal plate
warpage
layer clad
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JP15132585A
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Michio Yamashita
Hiroshi Yoshida
Hideo Abe
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Priority to AU51936/86A priority patent/AU585926B2/en
Priority to KR1019860700494A priority patent/KR900002504B1/ko
Priority to US06/887,033 priority patent/US4768363A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、2層クラツド金属板の反り矯正方法
に関する。
[従来の技術] 従来、合せ材がステンレス鋼、キユプロニツケ
ル等、母材が炭素鋼からなる2層クラツド鋼板等
の2層クラツド金属板を製造する場合、両材の線
膨張率に差があるため、熱間レベラーによる矯正
後の両材間の熱収縮量に差を生じ、室温まで冷却
した後に収縮量の大きな部材を内側にして反りが
発生する問題点が生じていた。
これに対し、本発明者らは特開昭59−42122に
示す2層クラツド鋼板の反り矯正方法を開発し、
成果を得てきた。
すなわち、この特開昭59−42122に係る方法は、
熱間矯正以前あるいは途中において熱収縮量の大
きい鋼板側を矯正冷却することにより、熱収縮量
の小さい鋼板側との間に温度差を生じさせ、冷却
後と同じ量の反りを予め具現する状態とし、この
状態のものを熱間レベラー等によつて平坦に矯正
することにより室温冷却後の鋼板の反りを防止可
能とする方法である。
この方法によれば、熱間矯正直後の鋼板に均熱
化に伴なう逆方向の反りを発生させることになる
が、その後冷却中の熱収縮量差によりこの反りが
減少していき、常温時には略フラツトな状態を得
ることができるのである。そのため、冷却後の冷
間矯正における負担の軽減、更には冷間矯正工程
の省略等の効果をあげることが可能である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、実際に矯正を行なう2層クラツ
ド鋼板は、単一種類のものではなく、板厚、板
幅、クラツド比(=合せ材厚/板厚)、合せ材の
材質がそれぞれに多様に異なつている。そのた
め、特開昭59−42122に係る方法の実施において、
鋼板の表裏面に単に温度差を生じさせて矯正する
場合には、反りが全くなるなるものも存在するも
のの、反り矯正量が不足して反りが残るものや反
り矯正量が大きすぎて逆方向の反りの発生するも
のが存在する等の問題が生じる。
本発明は、各種2層クラツド金属板を常温で確
実に平坦となるように矯正可能とすることを目的
とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の第1は、母材と合せ材から成る2層ク
ラツド金属板の反り矯正方法において、2層クラ
ツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正中に熱
収縮量の大きい金属側を熱収縮量の小さい金属側
に比して、より強く冷却することにより、両金属
の間に以下に示す温度差△T、すなわち、 △T=(△α、、a、T0) ただし、 △α:両金属の線膨張率の差 a:クラツド比(合せ材の厚/板の全厚) To:熱間矯正入側温度(℃) :両金属の平均線膨張率 を生じさせて熱間矯正を行なうようにしたもので
ある。
本発明の第2は、母材と合せ材から成る2層ク
ラツド金属板の反り矯正方法において、2層クラ
ツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正中に熱
収縮量の大きい金属側を水冷装置によつて熱収縮
量の小さい金属側に比して、より強く冷却するに
際し、該合属板の常温時における最終反り量を零
とするのに必要な表裏面の温度差を演算し、熱間
矯正装置の内部に設けた金属板の表裏面の温度を
測定する上下の温度計の指示結果が上記温度差の
演算結果に合致するように上下の水冷装置の水流
密度と矯正装置の通板速度を制御するようにした
ものである。
また本発明の第3は、母材と合せ材から成る2
層クラツド金属板の反り矯正方法において、2層
クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正中
に熱収縮量の大きい金属側を水冷装置によつて熱
収縮量の小さい金属に比してより強く冷却するに
際し、該金属板の常温時における最終反り量を零
とするのに必要な表裏面の温度差を演算し、熱間
矯正装置の内部に設けた金属板の表裏面の温度を
測定する上下の温度計の指示結果が上記温度差の
演算結果に合致するように上下の水冷装置の水流
密度と矯正装置の通板速度を制御するとともに、
熱間矯正装置の出側で得られる均一復熱後の板情
報から該金属板の常温時における最終反り量を予
測し、この予測値を用いて次材に対する矯正に必
要な金属板の表裏面の温度差の演算を修正するよ
うにしたものである。
本発明の第4は、母材と合せ材から成る2層ク
ラツド金属板の反り矯正方法において、2層クラ
ツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正中に熱
収縮量の大きい金属側を熱収縮量の小さい金属側
に比してより強く冷却するに際し、2層クラツド
金属板の常温時における最終反り量を零とするの
に必要な上下の水冷装置の水流密度差と矯正装置
の通板速度とを設定し、この設定結果によつて上
下の水冷装置の水流密度と矯正装置の通板速度を
制御するようにしたものである。
また、本発明の第5は、母材と合せ材から成る
2層クラツド金属板の反り矯正方法において、2
層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正
中に熱収縮量の大きい金属側を熱収縮量の小さい
金属側に比してより強く冷却するに際し、2層ク
ラツド金属板の常温時における最終反り量を零と
するのに必要な上下の水冷装置の水流密度差と矯
正装置の通板速度とを設定し、この設定結果によ
て上下の水冷装置の水流密度と矯正装置の通板速
度を制御するとともに、熱間矯正装置の出側で得
られる均一復熱後の板情報から該金属板の常温時
における最終反り量を予測し、この予測値を用い
て次材に対する矯正に必要な上下の水冷装置の水
流密度差と矯正装置の通板速度の演算を修正する
ようにしたものである。
[作用] 本発明によれば、2層クラツド金属板の熱収縮
量の大きい金属側を必要かつ適正状態に矯正冷却
することとなり、各種2層クラツド金属板を常温
で確実に平坦となるように矯正することが可能と
なる。
[実施例] まず、本発明の第1に係る反り矯正方法につい
て説明する。
第1図A〜Dは、板厚25mm、板幅2850mmのステ
ンレスクラツド鋼板を2層クラツド金属板の代表
例として選定し、炭素鋼からなる母材金属とステ
ンレス鋼からなる合せ材金属の線膨張率の差△
α、両金属の平均線膨張率、クラツド比(合せ
材の厚/板の全厚)a、熱間矯正入側温度T0
4つの条件のうち、他の条件を基準条件にして、
1つの条件を変えた材料に対して、両金属の表裏
面の温度差△Tを水冷装置で変更して、熱間矯正
した結果を示している。なお、基準条件は△α=
0.4×10-5(1/℃)、=1.6×10-5(1/℃)、a
=0.3、T0=400℃である。図中「×」は、常温時
に反り(線膨張率の大きい金属を内側にした反
り)が存在していることを示し、「+」印は、常
温時に逆反り(線膨張率の大きい金属を外側にし
た反り)が存在していることを示し、「○」印は、
常温時に略フラツトになつたことを示している。
第1図から認められるように、常温時の最終反り
量を零にするためには、熱間矯正時に付与する表
裏面の温度差△Tを、下記(1)式で示される関数で
与える必要がある。
△T=(△α、、a、T0) ただし、 △α:両金属の線膨張率の差 a:クラツド比(合せ材の厚/板の全厚) To:熱間矯正入側温度 第1図A〜Dから例えば(1)式の関数を推定して
みると、 △T=k1 △α (温度差は、両金属の線膨張率
差に比例) =k2 1/ (温度差は、両金属の平均線
膨張率に逆反例) k3 a(1−a) (温度差は、クラツド比の
2次関数で示される) k4 T0 (温度差は熱間矯正入側温度に比
例) (k1〜k4は比例定数)となつているので、1つの
式で示すと下記(2)式となる。
△T=k0・△α/α・a(1−a)・T0 ……(2) ここで、室温における鋼板を略フラツトにするた
めのk0は、第1図より「4〜6」の値となる。但
し、上記本発明の第1の係る反り矯正方法の効果
の存在する範囲すなわち、全く上記本発明の第1
に係る方法を用いなかつた時の最終反り量より反
りを小さくできる範囲のk0は、「1〜11」の値で
あつて良い。なお、上記(2)式は、あくまでも各因
子により構成した1つの式であり、この式以外に
もこれらの因子を含んで構成される式により温度
差を制御する方法は、上記本発明の第1に係る方
法の範囲内に含まれる。
なお、第1図A〜Dは、2層クラツド金属板の
代表例としてのステンレスクラツド鋼板について
のものであるが、本発明によれば、この第1図A〜
Dの傾向は、広く一般の2層クラツド金属板にお
いて成立するものであることが認められている。
次に、本発明の第2、第3に係る反り矯正方法
について説明する。
第2図は本発明の第2、第3に係る反り矯正方
法の実施に用いられる反り矯正装置10を示す制
御系統図である。
2層クラツド鋼板11は、母材と合せ材とから
成り、たとえば熱収縮量(線膨張率)の比較的小
なる炭素鋼を母材とし、熱収縮量(線膨張率)の
比較的大なるステンレス鋼を合せ材としている。
鋼板11は、圧延機で圧延され、熱間矯正装置1
2において熱間矯正を施された後、テーブルロー
ラーによつて後工程に搬送される。
熱間矯正装置12は、ホツトレベラーロール1
3を有するとともに、ホツトレベラーロール13
の上及び下ローラー間に冷却ヘツダー14を配置
している。冷却ヘツダー14は、ホツトレベラー
ロール13による鋼板11の熱間矯正中に、鋼板
11の線膨張率の大なる合せ材側を母材側より強
く冷却し、母材と合せ材の間に常温における鋼板
11の反りを抑制するに必要な温度差を付与可能
としている。
なお、合せ材側を下面にして矯正する場合は、
冷却ヘツダーは当然、下面をより強く冷却する。
反り矯正装置10は、温度差演算装置15を有
している。温度差演算装置15は、ラインコンピ
ユータ16に入力されている鋼板11の寸法、母
材および合せ材両金属の線膨張率の差△α、両金
属の平均膨張率、クラツド比(合せ材の厚/板
の全厚)a、などの板情報また入側温度計17に
よつて測定される熱間矯正装置12の入側におけ
る鋼板11の温度T0を用い、たとえば前述の(1)
式、より具体的には(2)式によつて、鋼板11の常
温時における最終反り量を零とするのに必要な表
裏面の温度差△Tを演算する。
ところで、前記(1)式、より具体的には(2)式が演
算した温度差△Tを鋼板11に付与可能とするた
めの具体的操作は、鋼板11に対して水冷時間、
表裏面の熱伝達系数差を調整することとなる。す
なわち第3図は水冷時間が上記温度差△Tに及ぼ
す影響を示す線図、第4図は表裏面の熱伝達係数
差が上記温度差△Tに及ぼす影響を示す線図であ
る。第3図によれば、鋼板11の冷却中における
表裏面の温度差は時間が経過するにしたがつて拡
大しており、水冷時間によつて表裏面の温度差を
制御可能であることが認められる。また、第4図
によれば、表裏面の熱伝達係数差を増加すること
により表裏面の温度差の増大速度が増し、より短
い時間で大きな温度差を付与することが可能とな
り、この表裏面の熱伝達係数差によつても表裏面
の温度差を制御可能であることが認められる。と
ころで、現実の上記熱間矯正装置12において、
上記水冷時間、表裏面の熱伝達係数差を調整する
ためには、次の2項目を制御する必要がある。
(a) 矯正装置12の通板速度を変化させて、鋼板
11上の各点が冷却領域に存在する時間を変え
ることによつて水冷時間を制御する。
(b) 水冷領域の面積を考慮しながら水量を調整し
て上下の水流密度差を変化させる、すなわち鋼
板上の各点が単位時間、単位面積当りに接する
水量を変えることによつて表裏面の熱伝達係数
差を制御する。すなわち、上記2項目(通板速
度、上下の水流密度差)の制御が表裏面の温度
差△Tを調整する手段として具体的に実行しや
すいものである。なお、上記2項目以外にも、
たとえば冷却時間に関しては第6図に示すよう
により長い矯正装置を製作し、ノズルをオン−
オフして冷却領域長さを変えて冷却時間を変更
することも可能である。また、表裏面の熱伝達
係数差に関しては、ノズル先端の孔の大きさや
冷却方法自体を変化させること(ミスト冷却か
らスプレー冷却、スプレー冷却からラミナー冷
却)も同様に可能であるが、上記2項目に比べ
て大幅な設備変更が必要となる。また、水温を
調整したり、鋼板11の熱収縮量の小さい金属
側を強制加熱することも可能であるが、この場
合にも大幅な設備変更が必要となる。
そこで、この反り矯正装置10は、前記温度差
演算装置15が前述のようにして演算した表裏面
の温度差△Tを水流密度・通板速度設定装置18
に伝達し、該温度差△Tを鋼板11に付与可能と
するに必要な冷却ヘツダー14の上下の水流密度
すなわち上下の水量QU・QDと、熱間矯正装置
12の通板速度Vを設定可能としている。すなわ
ち、水流密度・通板速度設定装置18は、各種寸
法、材質、クラツド比の鋼板11について、上記
上下の水量QU・QD、通板速度Vとの関係を予
め数式もしくは図式等の形式で保有しており、各
鋼板11の表裏面に所定の温度差△Tを与えるに
必要な上下の水量QU・QD、通板速度Vを設定
可能とする。
これにより、反り矯正装置10は、上記水流密
度・通板速度設定装置18の設定結果に基づき、
水量制御装置19を作動させて冷却ヘツダー14
の上下の水量を調整し、速度制御装置20を作動
させて矯正装置12の通板速度を調整する。
また、反り矯正装置10は、熱間矯正装置12
の内部に配置されている上温度計21、下温度計
22のそれぞれによつて測定した鋼板11の上面
温度TU、および下面温度TDを水流密度・通板
速度設定装置18に伝達している。水流密度・通
板速度設定装置18は、このようにして実測され
た鋼板11の現実の表裏面温度差(TU−TD)
が前記温度差演算装置15による演算温度差△T
に合致するように、水量制御装置19による冷却
ヘツダー14の水量制御、速度制御装置20によ
る熱間矯正装置12の通板速度制御をフイードバ
ツク制御可能としている。
ところで、上記反り矯正装置10にあつては、
鋼板11に対する矯正作業の終了後に、鋼板11
の室温における最終反り量を測定し、それによつ
て上記制御を適応修正することにより、後続材に
対してより正確な制御を施すことが可能である。
しかしながら、現実には、クラツド鋼板11が常
温になるまで待つていては、上記適応修正に時間
がかかりすぎ妥当でない。他方、本発明者によれ
ば、熱間矯正装置12の出側における2層クラツ
ド鋼板11の均一復熱直後の板温度、反り量と最
終反り量との間には、一定の関係があることが認
められている。第5図は、板厚20mm板厚3000mm、
クラツド比30%のステンレスクラツド鋼板の均一
復熱後の反りと板材平均温度との関係を示してい
る。この第5図から明らかなように、温度変化と
反り変化の勾配は、同じ材料に対して同一であ
り、均一復熱直後の反りと温度が測定できれば、
最終反り量が推定可能となる。
そこで、この反り矯正装置10は、熱間矯正装
置12の出側に出側温度計23と反り計24を配
置し、表裏面で均熱化してなる鋼板11の温度
Tmとその時の反り量△ymを最終反り演算装置
25に伝達可能としている。最終反り演算装置2
5は、上記温度Tm、反り量△ym及びラインコ
ンピユータからの板情報(板厚、板幅、クラツド
比、両材の材質等)から最終反り量△yfを演算
し、その演算結果を温度差演算装置15に伝達可
能としちる。温度差演算装置15は、この最終反
り量△yfを零とするように、前記温度差△Tの演
算を適応修正可能としている。これにより、反り
矯正10は、最も適正な反り矯正を行ない、最終
反り量を常にほぼ零とすることが可能となる。
ここで、上記温度差演算装置15による前記温
度差△Tの演算の修正は、たとえば以下のように
して行なわれる。温度差△Tが零のとき(本方法
を用いなかつたとき)の演算最終反り量をyoと
し、最終反り量を零にするように実際に設定した
温度差TRに対して最終反り量がyRだつたとす
る。すなわち、温度差TRに対する演算反り改善
量(計算上の改善量)はyo、温度差TRに対する
実績反り改善量はyo−yRとなるから、下記(1)式
の補正係数kTを算出し、次材に対する演算温度
差△TをtT倍すれば、より適正な矯正を行なう
ことが可能となる。
kT=yo/(yo−yR) ……(1) なお、本発明の実施において、上記最終反り演
算装置25による前記温度差△Tの適応修正は必
ずしも行なわなくてよい。
次に、本発明の第4、第5に係る反り矯正方法
について説明する。
第7図は本発明の第4、第5に係る反り矯正方
法の実施に用いられる反り矯正装置110を示す
制御系統図である。
2層クラツド鋼板111は、母材と合せ材とか
ら成り、たとえば熱収縮量(線膨張率)の比較的
小なる炭素鋼を母材とし、熱収縮量(線膨張率)
の比較的大なるステンレス鋼を合せ材としてい
る。鋼板111は、圧延機で圧延され、熱間矯正
装置112において熱間矯正を施された後、テー
ブルローラーによつて後工程に搬送される。
熱間矯正装置112は、ホツトレベラーロール
113を有するとともに、ホツトレベラーロール
113の上及び下ローラー間に冷却ヘツダー11
4を配置している。冷却ヘツダー114は、ホツ
トレベラーロール113による鋼板111の熱間
矯正中に、鋼板111の線膨張率の大なる合せ材
料を母材側より強く冷却し、母材と合せ材の間に
常温における鋼板111の反りを抑制するに必要
な温度差を付与可能としている。
反り矯正装置110は、水流密度・通板速度設
定装置115を有している。水流密度・通板速度
設定装置115は、鋼板111の各種寸法、材
質、クラツド比、熱間矯正装置112に対する入
側温度について、該鋼板111の常温時における
最終反り量を零とするに必要な冷却ヘツダー11
4の上下の水流密度差と、熱間矯正装置112の
通板速度を予め数式もしくは図式等の形式で保有
している。
すなわち、この反り矯正装置110は、鋼板1
11の各種寸法、材質、クラツド比、熱間矯正装
置112に対する入側温度を前述の(1)式、より具
体的には(2)式によつて処理することにより、各鋼
板111の常温時における最終反り量を零とする
に必要な表裏面の温度差△Tを演算し、さらに該
温度差△Tを鋼板111に付与可能とするに必要
な冷却ヘツダー114の上下の水流密度差すなわ
ち上下の水量QU・QDと、熱間矯正装置112
の通板速度Vを、前述のように、水流密度・通板
速度設定装置115に保有している。
したがつて、水流密度・通板速度設定装置11
5は、ラインコンピユータ116に入力されてい
る鋼板111の寸法、母材および合せ材の材質、
クラツド比、また入側温度計117によつて測定
される熱間矯正装置112の入側における鋼板1
11の温度T0に基づいて、鋼板111の常温時
における最終反り量を零とするのに必要な冷却ヘ
ツダー114の上下の水量QU、QD、熱間矯正
装置112の通板速度Vを設定する。
これにより、反り矯正装置110は、上記水流
密度・通板速度設定装置115の設定結果に基づ
き、水量制御装置を118を作動させて冷却ヘツ
ダー114の上下の水量QU・QDを調整し、速
度制御装置119を作動させて熱間矯正装置11
2の通板速度を調整する。
ところで、上記反り矯正装置110にあつて
は、鋼板111に対する矯正作業の終了後に、鋼
板111の室温における最終反り量を測定して上
記制御を適応修正することにより、後続材に対し
てより正確な制御を施すことが可能である。しか
しながら、現実には、クラツド鋼板111が常温
になるまで待つていては、適応修正に時間がかか
りすぎて妥当でない。他方、本発明者によれば、
熱間矯正装置112の出側における鋼板111の
均一復熱直後の板温度、反り量と最終反り量との
間には、前述の第5図に示したような一定の関係
があることが認められている。
そこで、この反り矯正装置110は、熱間矯正
装置112の出側に出側温度計120と反り計1
21を配置し、表裏面で均熱化してなる鋼板11
1の温度Tmと、その時の反り量△ymを最終反
り演算装置112に伝達可能としている。最終反
り演算装置112は、上記温度Tm、反り量△
ym及びラインコンピユータからの板情報(板厚、
板幅、クラツド比、両材の材質等)から最終反り
量△yfを演算し、その演算結果を水流密度・通板
速度設定装置115に伝達可能としている。水流
密度・通板速度設定装置115は、この最終反り
量△yfを零とするように前記水量Q、通板速度V
の設定を適応修正可能としている。これにより、
反り矯正装置110は、最も適正な反り矯正を行
なうことが可能となり、最終反り量を常にほぼ零
とすることが可能となる。
ここで、上記水流密度・通板速度設定装置11
5による上下の水量QU・QD、通板速度Vの演
算の修正は、たとえば、以下のようにして行なわ
れる。上下の水量QU・QDに関しては、水量差
が零であるとき(本方法を用いなかつたときQU
=QD)の演算最終反りを量をyoをし、最終反り
量を零にするように実際に使用した水量差△QR
(=QUR−QDR)に対して最終反り量がyRだつ
たとする。すなわち、水量差△QRに対する演算
反り改善量(計算上の改善量)はyo、水量差△
QRに対する実績反り改善量はyo−yRとなるか
ら、下記(3)式の補正係数kQを算出し、次材に対
する設定水量差△QをkQ倍すれば、より適正な
矯正を行なうことが可能となる。
kQ=yo/(yo−yR) ……(3) また通板速度Vに関しては、本方法を用いなか
つた時に演算最終反り量をyoとし、最終反り量
を零にするように実際に設定した通板速度VRに
対して最終反り量がyRだつたとする。すなわち、
通板速度VRに対する演算反り改善量(計算上の
改善量)はyo、通板速度VRに対する実績反り改
善量はyo−yRとなるから、下記(4)式の補正係数
kVを算出し、次材に対する設定通板速度VをkV
倍すれば、より適正な矯正を行なうことが可能と
なる。
kV=(yo−yR)/yo ……(4) なお、本発明の実施において、最終反り演算装
置122による上下の水量QU・QD、通板速度
Vの適応修正は必ずしも行なわなくてよい。
また、本発明の実施において、水流密度・通板
速度設定装置115は、水流密度と通板速度の一
方を一定に保ち、他方を調整するものであつても
よい。
[発明の効果] 以上のように、本発明の第1は、母材と合せ材
から成る2層クラツド金属板の反り矯正方法にお
いて、2層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは
熱間矯正中に熱収縮量の大きい金属側を熱収縮量
の小さい金属側に比してより強く冷却することに
より、両金属の間に以下に示す温度差△T、すな
わち △T=(△α、、a、T0) ただし、 △α:両金属の線膨張率の差 a:クラツド比(合せ材の厚/板の全厚) T0:熱間矯正入側温度(℃) :両金属の平均線膨張率 を生じさせて熱間矯正を行なうようにしたもので
ある。
また、本発明の第2は、母材と合せ材から成る
2層クラツド金属板の反り矯正方法において、2
層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正
中に熱収縮量の大きい金属側を水冷装置によつて
熱収縮量の小さい金属側に比してより強く冷却す
るに際し、該金属板の常温時における最終反り量
を零とするのに必要な表裏面の温度差を演算し、
熱間矯正装置の内部に設けた金属板の表裏面の温
度を測定する上下の温度計に指示結果が上記温度
差の演算結果に合致するように上下の水冷装置の
水流密度と矯正装置の通板速度を制御するように
したものである。
また、本発明の第3は、母材と合せ材から成る
2層クラツド金属板の反り矯正方法において、2
層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正
中に熱収縮量の大きい金属側を水冷装置によつて
熱収縮量の小さい金属側に比してより強く冷却す
るに際し、該金属板の常温時における最終反り量
を零とするのに必要な表裏面の温度差を演算し、
熱間矯正装置の内部に設けた金属板の表裏面の温
度を測定する上下の温度計の指示結果が上記温度
差の演算結果に合致するように上下の水冷装置の
水流密度と矯正装置の通板速度を制御するととも
に、熱間矯正装置の出側で得られる均一復熱後の
板情報から該金属板の常温時における最終反り量
を予測し、この予測値を用いて次材に対する矯正
に必要な金属板の表裏面の温度差の演算を修正す
るようにしたものである。
また、本発明の第4は、母材と合せ材から成る
2層クラツド金属板の反り矯正方法において、2
層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正
中に熱収縮量の大きい金属側を熱収縮量の小さい
金属側に比してより強く冷却するに際し、2層ク
ラツド金属板の常温時における最終反り量を零と
するのに必要な水冷装置の上下の水流密度差と矯
正装置の通板速度とを設定し、この設定結果によ
つて上下の水冷装置の水流密度と矯正装置の通板
速度を制御するようにしたものである。
また、本発明の第5は、母材と合せ材から成る
2層クラツド金属板の反り矯正方法において、2
層クラツド金属板の熱間矯正前あるいは熱間矯正
中に熱収縮量の大きい金属側を熱収縮量の小さい
金属側に比してより強く冷却するに際し、2層ク
ラツド金属板の常温時における最終反り量を零と
するのに必要な上下の水冷装置の水流密度差と矯
正装置の通板速度とを設定し、この設定結果によ
て上下の水冷装置の水流密度と矯正装置の通板速
度を制御するとともに、熱間矯正装置の出側で得
られる均一復熱後の板情報から該金属板の常温時
における最終反り量を予測し、この予測値を用い
て次材に対する矯正に必要な上下の水冷装置の水
流密度差と矯正装置の通板速度の演算を修正する
ようにしたものである。
したがつて、各種2層クラツド金属板を常温で
確実に平坦となるように矯正することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは両金属の線膨張率差と表裏面の温度
差と最終反りとの関係を示す線図、第1図Bは両
金属の平均線膨張率と表裏面の温度差と最終反り
との関係を示す線図、第1図Cはクラツド比と表
裏面の温度差と最終反りとの関係を示す線図、第
1図Dは熱間矯正装置入側温度と表裏面の温度差
と最終反りとの関係を示す線図、第2図は本発明
の第2、第3に係る反り矯正方法の実施に用いら
れる反り矯正装置を示す制御系統図、第3図は水
冷時間と表裏面温度差との関係を示す線図、第4
図は表裏面の熱伝達係数差と表裏面温度差との関
係を示す線図、第5図は板材の平均温度と反り量
との関係を示す線図、第6図は他の反り矯正装置
を示す模式図、第7図は本発明の第4、第5に係
る反り矯正方法の実施に用いられる反り矯正装置
を示す制御系統図である。 10……反り矯正装置、11……2層クラツド
鋼板、12……熱間矯正装置、14……冷却ヘツ
ダー、15……温度差演算装置、17……入側温
度計、18……水流温度・通板速度設定装置、1
9……水量制御装置、20……速度制御装置、2
1……上温度計、22……下温度計、23……出
側温度計、24……反り計、25……最終反り演
算装置、110……反り矯正装置、111……2
層クラツド鋼板、112……熱間矯正装置、11
4……冷却ヘツダー、115……水流密度・通板
速度設定装置、118……水量制御装置、119
……速度制御装置、120……出側温度計、12
1……反り計、122……最終反り演算装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 母材と合せ材から成る2層クラツド金属板の
    反り矯正方法において、2層クラツド金属板の熱
    間矯正前あるいは熱間矯正中に熱収縮量の大きい
    金属側を熱収縮量の小さい金属側に比してより強
    く冷却することにより、両金属の間に以下に示す
    温度差△T、すなわち △T=(△α、、a、T0) ただし、 △α:両金属の線膨張率の差 a:クラツド比(合せ材の厚/板の全厚) To:熱間矯正入側温度(℃) :両金属の平均線膨張率 を生じさせて熱間矯正を行なうことを特徴とする
    2層クラツド金属板の反り矯正方法。 2 母材と合せ材から成る2層クラツド金属板の
    反り矯正方法において、2層クラツド金属板の熱
    間矯正前あるいは熱間矯正中に熱収縮量の大きい
    金属側を水冷装置によつて熱収縮量の小さい金属
    側に比してより強く冷却するに際し、該金属板の
    常温時における最終反り量を零とするのに必要な
    表裏面の温度差を演算し、熱間矯正装置の内部に
    設けた金属板の表裏面の温度を測定する上下の温
    度計の指示結果が上記温度差の演算結果に合致す
    るように上下の水冷装置の水流密度と矯正装置の
    通板速度を制御することを特徴とする2層クラツ
    ド金属板の反り矯正方法。 3 母材と合せ材から成る2層クラツド金属板に
    反り矯正方法において、2層クラツド金属板の熱
    間矯正前あるいは熱間矯正中に熱収縮量の大きい
    金属側を水冷装置によつて熱収縮量の小さい金属
    側に比してより強く冷却するに際し、該金属板の
    常温時における最終反り量を零とするのに必要な
    表裏面の温度差を演算し、熱間矯正装置の内部に
    設けた金属板の表裏面の温度を測定する上下の温
    度計の指示結果が上記温度差の演算結果に合致す
    るように上下の水冷装置の水流密度と矯正装置の
    通板速度を制御するとともに、熱間矯正装置の出
    側で得られる均一復熱後の板情報から該金属板の
    常温時における最終反り量を予測し、この予測値
    を用いて次材に対する矯正に必要な金属板の表裏
    面の温度差の演算を修正することを特徴とする2
    層クラツド金属板の反り矯正方法。 4 母材と合せ材から成る2層クラツド金属板の
    反り矯正方法において、2層クラツド金属板の熱
    間矯正前あるいは熱間矯正中に熱収縮量の大きい
    金属側を熱収縮量の小さい金属側に比してより強
    く冷却するに際し、2層クラツド金属板の常温時
    における最終反り量を零とするのに必要な水冷装
    置の上下の水流密度差と矯正装置の通板速度とを
    設定し、この設定結果によつて上下の水冷装置の
    水流密度と矯正装置の通板速度を制御することを
    特徴とする2層クラツド金属板の反り矯正方法。 5 母材と合せ材から成る2層クラツド金属板の
    反り矯正方法において、2層クラツド金属板の熱
    間矯正前あるいは熱間矯正中に熱収縮量の大きい
    金属側を熱収縮量の小さい金属側に比してより強
    く冷却するに際し、2層クラツド金属板の常温時
    における最終反り量を零とするのに必要な上下の
    水冷装置と水流密度差と矯正装置の通板速度とを
    設定し、この設定結果によて上下の水冷装置の水
    流密度と矯正装置の通板速度を制御するととも
    に、熱間矯正装置の出側で得られる均一復熱後の
    板情報から該金属板の常温時における最終反り量
    を予測し、この予測値を用いて次材に対する矯正
    に必要な上下の水冷装置の水流密度差と矯正装置
    の通板速度の演算を修正することを特徴とする2
    層クラツド金属板の反り矯正方法。
JP60151325A 1984-12-03 1985-07-11 2層クラツド金属板の反り矯正方法 Granted JPS6213214A (ja)

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