JPH0559178B2 - - Google Patents

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JPH0559178B2
JPH0559178B2 JP32645389A JP32645389A JPH0559178B2 JP H0559178 B2 JPH0559178 B2 JP H0559178B2 JP 32645389 A JP32645389 A JP 32645389A JP 32645389 A JP32645389 A JP 32645389A JP H0559178 B2 JPH0559178 B2 JP H0559178B2
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strip
buckling
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elastic
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Osamu Myamae
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続焼鈍過程において金属ストリツ
プがバツクリングや蛇行を生じることなく搬送で
きるようにした通板方法に関する。
〔従来の技術〕
ストリツプを移送しながら焼鈍する連続焼鈍過
程のおいて、ストリツプが薄くて幅が広いほど、
また焼鈍温度が高いほど、更に張力が高いほどヒ
ートバツクルが発生しやすい。また、急冷帯のよ
うに温度偏差の生じやすい個所で発生しやすいこ
とも経験的に知られている。
このようなヒートバツクルの発生を防ぐため、
従来では焼鈍炉の操業者が通板ストリツプのサイ
ズ、温度、張力等のプロセスデータから勘と経験
によりヒートバツクルの発生を予測し、これを未
然に防ぐように操業条件の選択を行つていた。し
かしながら、操業条件とヒートバツクル発生との
間の定量的関係が明確でないため、的確な予測判
断には困難さを伴うのが実情であつた。したがつ
て、予測判断を誤つた結果しばしばヒートバツク
ルが発生し、板破断やライン停止を引き起こして
いた。
〔発明が解決しようとする課題〕
操業条件とヒートバツクル発生の間の定量化に
ついては、たとえば特開昭61−207524号公報に記
載されたものがある。これは、ヒートバツクルは
ストリツプがロールに巻き付いて発生するという
観点に立ち、ストリツプがロールに巻き付いた後
のバツクリング現象に関して解析し、その発生メ
カニズムを求めたものである。しかし、ヒートバ
ツクルの発生は、ストリツプがロールに巻き付く
直前の部分が先行する部分からの影響を受けなが
ら発生する現象であるから、ロールに巻き付いた
後の現象のみを把握していても、実際の操業条件
に適合しない恐れがある。
そこで、本発明は、ロール入側パスにヒートバ
ツクル発生の根源があるという前提に立つて発生
予測精度をより一層高くし、薄手広幅で軟質なス
トリツプであつてもバツクリングや蛇行を発生す
ることなく安定通板できるようにすることを目的
とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
連続焼鈍設備の急冷室に凸クラウン付きのハー
スロールを用いて通板する場合に、ストリツプに
バツクリングが発生するメカニズムを第1図によ
つて説明する。
ハースロール1のテーパ部の手巻効果によつて
ストリツプ2には幅方向の求心力が働く。この求
心力がハースロール1の入側のストリツプ2の弾
性座屈限界を越えると、第1図aのようにハース
ロール1の入側のストリツプ2に弾性しわ2aが
発生する。更に、ストリツプ2の張力が上昇する
等の求心力を増大させる要因が働くと、第1図b
のように弾性しわ2aの先端部がハースロール1
側に進出し始める。そして、急にストリツプ2の
求心力が増大すると、第1図cのようにハースロ
ール1の周面上に弾性しわ2aが乗り上げ、この
結果永久歪みすなわちバツクリングが発生する。
このように、ハースロール1の入側での弾性し
わ2aの発生がバツクリング発生の「きつかけ」
となり、弾性しわ2aのハースロール1への乗り
上げ及び永久歪みの発生がバツクリングへの「発
展」となる。
従つて、バツクリング限界は、弾性しわ2aの
発生に関するハースロール1入側のストリツプ2
の弾性座屈限界と、永久歪への収束に関係するス
トリツプ2の降伏点によつて決定されると考えら
れる。弾性座屈限界はストリツプ2の幅方向の応
力なので、これに影響を与えるハースロール1の
形状及びストリツプ2との間の摩擦係数を考慮し
て弾性座屈発生限界張力σt-cr〔Kgf/mm2〕を設定
すれば、適切なパラメータとして使える。したが
つて、弾性座屈及び永久歪発生条件が成立してヒ
ートバツクルが発生する張力をバツクリング発生
限界張力σHBとした場合に、これを弾性座屈発生
限界張力σt-cr及びストリツプ2の降伏点σypをパ
ラメータとして表現することとした。すなわち、 σHB=K1σt-cr+K2σyp+K3 ……(1) 但し、 σt-cr=l/w(σc+σTH)+g(φ,ψ) ……(2) σTH=αE/1−νΔT ……(3) σt-cr:弾性座屈発生限界張力 〔Kgf/mm2〕 σyp:ストリツプの降伏点 〔Kgf/mm2〕 K1,K2,K3:定数 σc:クラウンに起因する幅方向張力偏差
〔Kgf/mm2〕 σTH:ストリツプの幅方向温度偏差に起因する熱
応力 〔Kgf/mm2〕 w:ストリツプの幅 〔mm〕 l:クラウンロールのフラツト部長さ 〔mm〕 φ:ロール形状、摩擦係数によつて決まる変数 ψ:ストリツプの物性、サイズによつて定まる変
数 α:ストリツプの線膨脹係数 〔℃-1〕 E:ストリツプのヤング率 〔Kgf/mm2〕 ν:ストリツプのポアソン比 ΔT:ストリツプの幅方向温度偏差 〔℃〕 ここで、式(1)の導出を次に説明する。
バツクリングの「きつかけ」となる弾性座屈は
ハースロール1入側のストリツプ2が幅方向の求
心力(圧縮力)を受けて発生する。したがつて、
ハースロール1の入側のストリツプ2の座屈モデ
ルは第2図のように考えることができる。この場
合の座屈応力σcrは次式(4)のように表される。
−σcr=kπ2D/l2t〔Kgf/mm2〕 ……(4) D=Et3/12(1−ν2) ここに、kはa〔(幅方向圧縮力のかかるパス方
向の長さ(mm)〕とlとの比によつて決まる定数
である。
また、ハースロール1のクラウンによる求心力
σyは、ロールテーパ部の摩擦係数が一定と考えれ
ば、第3図を参照して次式にて表される。
σy=μw−l/dσM2〔Kgf/mm2〕 ……(5) d:ハースロール径(mm) ここで、ストリツプ2の弾性座屈は、−σcr=σy
の条件のときに発生し始める。そして、クラウン
部のフラツト部にかかるストリツプ2の張力σM1
とテーパ部にかかるストリツプ2の張力σM2とに
よつて、平均張力σMは以下のように表される。
σM=lσM1+(w−l)σM2/w〔Kgf/mm2〕 (6) σM1とσM2の差は、温度偏差による熱応力σTH
クラウン部に起因する張力σCの和として表される
ので、次式が成り立つ。
σM1−σM2=σTH+σC ……(7) 一方、熱応力σTHは温度偏差ΔTにより式(3)のよ
うに表される。
σTH=αE/l−νΔT〔Kgf/mm2〕……(3) σCはたとえばクラウンロールの勾配γ(第3図
参照)によつて次式のように表される。
σC=w−l/4LγE〔Kgf/mm2〕 ……(8) L:パス長さ(mm) そして、−σcr=σyとなるときが弾性座屈が発生
する条件なので、この条件を満たすσMがσt-cr
ある。しががつて、式(4)〜(7)を使つて式(2)が導出
される。
このように、バツクリング限界張力σHBはスト
リツプ2の弾性座屈発生限界及び降伏点をパラメ
ータとして式(1)で表すことができる。
式(1)〜(3)で示されるように、ヒートバツクル発
生に影響するパラメータは非常に多い。これらの
中で、発明者等はストリツプ2の幅方向温度偏差
ΔTが5〜10℃変化するだけでバツクリング限界
張力σHBが大きく変化する(0.5〜1.0Kgf/mm2)こ
とを実験的に確認した。
このことから、バツクリング限界張力σHBを越
えない条件を与えるには、幅方向温度偏差ΔTを
低く抑えることが好ましいことが判る。そこで、
特に鋼帯の連続焼鈍ラインのように最もヒートバ
ツクルの発生しやすい一次急冷帯では、幅方向の
温度偏差を抑制すればヒートバツクルの抑制が可
能になる。
〔実施例〕
以上の知見に基づく本発明の制御を連続焼鈍装
置の急冷室に適用した例を第4図に示す。
図において、均熱又は徐冷過程を経た後のライ
ンに組み込まれる急冷室3に、ストリツプ2を巻
き付けてこれを搬送するハースロール1が配列さ
れている。そして、ストリツプ2のパスラインに
沿つてストリツプ2の幅方向の温度偏差を制御す
るための冷却装置4が組み込まれている。
この冷却装置4は、適切な不活性の冷却ガスを
ストリツプ2の両面に吹付けできるように実際に
はストリツプ2のパスラインを挟んで一対設けら
れる。そして、ストリツプ2の表面に対向する姿
勢として図示の例では5個のユニツト4aに分割
され、それぞれの前面を放出ヘツド4bとして構
成されている。これらのユニツト4aにはブロワ
ー等によつて独立して冷却ガスが供給され、その
流量や温度を調整することによつて、5個のユニ
ツト4aによる冷却温度を変更できるようにして
いる。また、これに代えて、冷却装置4の前面を
多数の放出ヘツドとして区画し、冷却条件に一致
するようにこれらの放出ヘツドの開放パターンを
設定するようにしてもよい。
一方、上段のハースロール1の近傍にはストリ
ツプ2の温度を検出する温度検出器5が備えられ
ている。この温度検出器5は冷却装置4によつて
幅方向の温度偏差が適正に設定されているかどう
かを検出するものであり、ストリツプ2の幅全体
の温度分布を測定可能である。
冷却装置4によるストリツプ2に対する温度偏
差の制御は、この例では各ユニツト4aからの流
量を制御することによつて行う。すなわち、流量
を大きくすれば冷却度合も大きくなつてストリツ
プ2の温度を低下させ、逆に流量を小さくすれば
温度降下が小さくなる要領である。そして、この
ような制御は、風量分布制御システム6によつて
各ユニツト4aに向かう冷却ガスの流量を制御す
ることによつて行われ、たとえ配管系のバルブの
開度を設定する等の手段が採用される。
また、風量分布制御システム6を駆動するドラ
イバとして、先の式(1)〜(3)によるモデル式が適用
される。そして、制御の情報として、ストリツプ
2の板厚、板幅、焼鈍温度及び搬送速度等を連続
的に入力し、更に温度検出器5によつてストリツ
プ2の温度偏差をフイードバツクする。このよう
な情報によつて、式(1)に基づいてバツクリング限
界張力σHBがバツクリングを生じない値に抑えら
れるように幅方向温度偏差ΔTの値に制御する。
以上の制御により、バツクリング限界張力σHB
を限界値よりも低い値に保持でき、ストリツプ2
は蛇行やバツクリングを生じることなく急冷室3
の中をパスし、良好な通板が可能となる。
なお、バツクリング限界張力σHBの理論値と実
測値を比較したところ、第5図のように高い相関
係数(γ=0.857)を示し、充分実用に供し得る
ことが確認された。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明では、ストリツプがロー
ルに巻き付く前の段階で発生する弾性座屈と巻き
付き後の永久歪との合体によつてバツクリングが
生じることから、弾性座屈の発生限界及びストリ
ツプの降伏点のそれぞれの張力を基準としてバツ
クリング限界張力を計算し、この値よりも以下に
なるようにストリツプの張力を制御するようにし
ている。このため、ロールに巻き付く前の弾性座
屈の影響がバツクリング限界張力にも表れ、従来
のようにロールに巻き付き後に判断する場合に比
べると、バツクリングの発生予想がより一層高い
精度で行えるようになる。
また、弾性座屈にはストリツプの幅方向の温度
偏差が関係してこれがバツクリング限界張力に大
きな影響を与えるので、急冷室等のように温度偏
差が生じやすい雰囲気中でのパスでは、この温度
偏差を検知して制御すれば、バツクリングの発生
を未然に防いだ通板が可能となり、連続焼鈍処理
の効率向上も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はストリツプのバツクリング発生のメカ
ニズムを示す図、第2図はハースロール入側での
ストリツプの座屈モデルを示す図、第3図はハー
スロール上でのストリツプの張力分布を示す図、
第4図は本発明を連続焼鈍装置の急冷室に適用し
た例の概略図、第5図はバツクリングの理論モデ
ルの推定精度を示したものである。 1……ハースロール、2……ストリツプ、2a
……弾性しわ、3……急冷室、4……冷却装置、
4a……ユニツト、4b……放出ヘツド、5……
温度検出装置、6……風量分布制御システム。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストリツプをロールに巻き付けながら加熱帯
    や冷却帯の中を搬送する通板方法であつて、スト
    リツプがロールに巻き付く前の段階で発生する弾
    性座屈の弾性座屈発生限界張力及び巻き付き後の
    永久歪に対応するストリツプの降伏点の張力から
    バツクリング限界張力を求め、該バツクリング限
    界張力の値よりも小さくなるようにストリツプの
    張力の制御することを特徴とする連続焼鈍におけ
    るストリツプの通板方法。 2 前記バツクリング限界張力に変数として含ま
    れるストリツプの温度偏差を制御することを特徴
    とする請求項1記載の連続焼鈍におけるストリツ
    プの通板方法。
JP32645389A 1989-12-15 1989-12-15 連続焼鈍におけるストリップの通板方法 Granted JPH03188224A (ja)

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JP5699663B2 (ja) * 2011-02-15 2015-04-15 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍ラインの制御装置

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