JPH11254014A - 板クラウン制御方法及び装置 - Google Patents

板クラウン制御方法及び装置

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JPH11254014A
JPH11254014A JP10059733A JP5973398A JPH11254014A JP H11254014 A JPH11254014 A JP H11254014A JP 10059733 A JP10059733 A JP 10059733A JP 5973398 A JP5973398 A JP 5973398A JP H11254014 A JPH11254014 A JP H11254014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼、アルミニウム、銅等の金属板製品の製
造工程である熱間圧延工程において、特に、幅広の圧延
機を用いて幅狭の板材を圧延する場合に板クラウンを効
果的に制御する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 金属板の熱間圧延において、圧延材の少
なくとも最終圧延工程時に圧延材をクーラントスプレー
又は電熱ヒータ等の冷却/加熱装置21,22によって
板幅方向に冷却/加熱することで、その板幅方向の温度
分布を変化させ、圧延材の板クラウンを目標とされる板
クラウンに近づけるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼、アルミニウ
ム、銅等の金属板製品の製造工程である熱間圧延工程に
おける板クラウン制御方法及び装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】鉄鋼、アルミニウム、銅等の金属
板製品の品質を定める重要な要素の一つとして、板厚精
度が挙げられる。そして、近年の品質要求の高度化に伴
い、この板厚精度は、圧延した板材の長手方向のみなら
ず、幅方向にも要求されるようになってきた。即ち、板
材の長手方向の板厚変動分を減少させるだけでなく、幅
方向の板厚変動分をも減少させる必要が生じてきた。
【0003】このような板材の幅方向の板厚分布を一般
に板クラウンといい、この板厚変動分の最大値を板クラ
ウン量という。そして、最終的に製品となった段階の板
クラウン量は、熱間圧延工程での板クラウンによってほ
ぼ決定される。このように、熱間圧延工程での板クラウ
ンは、最終製品の板クラウン量と密接な関係を有するた
め、熱間圧延工程での板クラウン制御のための様々な制
御方法及び装置が開発され、導入されてきた。
【0004】このような制御方法を例示すると、例え
ば、イニシャルクラウン方式ワークロールベンダー
方式クロスロール方式スリーブ付バックアップロー
ル方式シフトロール方式ヒートクラウン方式等が挙
げられる。 イニシャルクラウン方式とは、研磨時に適正なロール
クラウンを与えたワークロールを用いることで、板クラ
ウンを制御する方式である。
【0005】ワークロールベンダー方式とは、ワーク
ロール軸受箱を油圧ジャッキで押し付け、ロールの撓み
を変化させて板クラウンを制御する方式である。 クロスロール方式とは、上下ワークロールに可変の交
差角をもたせてロールギャップを幾何学的に変化させる
ことで板クラウンを制御する方式である。 スリーブ付バックアップロール方式とは、スリーブ付
バックアップロールの表面形状を油圧力等で変形させて
板クラウンを制御する方式である。
【0006】シフトロール方式とは、上下ワークロー
ルに特殊な非対称クラウンや片テーパを付与してこれら
を夫々、逆方向にシフトさせてロールギャップを幾何学
的に変化させることで、板クラウンを制御する方式であ
る。 ヒートクラウン方式とは、冷却スプレーをロールの幅
方向に強弱のパターンを付けながらワークロールに噴射
し、ワークロールを幅方向に不均一に冷却することで、
ワークロールの熱膨張量の分布を制御し、これによっ
て、板クラウンを制御する方式である。
【0007】以上の方法は、板クラウンを制御するに当
たって、ロール面長に対する圧延材の板幅の比率が充分
に大きい場合には、有効に機能してきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】圧延材の生産性の向上
や圧延機の設備費の低減の為に、大型の圧延機で様々な
板幅を有する圧延材を生産する必要がある。幅狭の圧延
材を大型の圧延機で生産しようとすると、圧延材の板幅
は、上述の方式に従って圧延機が板クラウンを適切に制
御できる板幅の1/2以下、或いは1/3以下の板幅と
なる場合がある。
【0009】上述の様々な板クラウン制御方法はいずれ
も、圧延材の板幅が充分にある場合に有効に機能するも
のであるので、このように圧延材の板幅が極端に狭くな
ると、板クラウンを適切に制御できなくなることがあ
る。一方、圧延材の板幅が狭くても、板クラウンを有効
に制御できるようにすると、板幅のいかんに係わらず板
クラウンを常に有効に制御する必要が生じ、その為の機
構的な構造が非常に複雑になる。又、通常の板幅を有す
る圧延材の板クラウン制御にとって不必要な制御を行う
ことになる。更に、幅狭の板材の場合のみ、板クラウン
を有効に制御しようとすると、幅広の板材の圧延時に板
クラウンの制御が不安定になってしまうことも考えられ
る。
【0010】更に、板材端部には、エッジドロップと呼
ばれる局部的且つ急激な板クラウン変化が生じることが
あるが、このようなエッジドロップを修正して理想的な
形状の板クラウンを得るためには、局部的に限定された
範囲で非常に大きなクラウン変化量を必要とする。その
為、上述のような板幅全体に亘って板クラウンを制御す
る方法を用いて局所的なエッジドロップのみを修正する
ことは非常に困難であり、且つ無駄が多い。
【0011】特に、厚板の熱間圧延に代表される、板厚
が厚く且つ圧下量の大きい圧延では、材料の横流れ(3
次元変形)が起こり易い。その為、このような圧延工程
では、板材のエッジドロップ量が大きくなり、板クラウ
ン量を低減することは困難である。一方、以上のような
不都合を回避するために、ワークロール間を通過する板
材の幅毎に複数の板クラウン制御用の機構を設置した
り、板材の幅に応じてワークロールを交換したりして、
どのような幅の板材であっても板クラウンを適正に制御
できるようにすることも可能であるが、このような対策
を講じるためには圧延機の設備費の増大や圧延材の生産
性の低下を招いてしまい、好ましくない。
【0012】本発明の目的は、鉄鋼、アルミニウム、銅
等の金属板製品の製造工程である熱間圧延工程におい
て、特に、幅広の圧延機を用いて幅狭の板材を圧延する
場合に板クラウンを効果的に制御する方法及び装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成すべ
く、本発明に係る板クラウン制御方法及び板クラウン制
御装置は、金属板の熱間圧延において、圧延材の少なく
とも最終圧延工程時に圧延材を板幅方向に冷却/加熱す
ることで、その板幅方向の温度分布を変化させ、圧延材
を目標とされる板クラウンに近づけるように制御するこ
とを特徴としている。
【0014】圧延材の板クラウンがほぼ決定される最終
パス圧延時において、圧延材の板幅方向の温度分布を変
化させることで、特に、板端部の温度を中央部に比較し
て低温とすることで、板端部の変形抵抗が高くなり、板
端部が変形しにくくなる。その結果、材料の横流れが抑
制されるので、エッジドロップを抑制でき、クラウン量
の小さな圧延板を得ることができる。
【0015】本発明の請求項2又は4に係る板クラウン
制御方法及び板クラウン制御装置は、圧延材の板幅方向
の温度が均一であると仮定して、圧延材の板クラウンを
予測し、予測された板クラウンと、目標とされる板クラ
ウンとの偏差を求め、予測された板クラウンを目標とさ
れる板クラウンに近づけるために、当該偏差に基づき、
板端部の板中央部に対する必要温度変化量を推定して、
この推定値に基づき、圧延材を板幅方向に冷却/加熱す
ることを特徴としている。
【0016】予測された板クラウンと目標とされる板ク
ラウンとを正確に比較できるので、圧延材を目標とされ
る板クラウンに近づけるための正確な必要温度変化量を
推定でき、圧延材の板クラウン制御をより正確に行うこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る板クラウン制御方法及び装置の実施の形態について説
明する。本発明に係る板クラウン制御装置1は、図1及
び図2に示すように、可逆式圧延機10と、この圧延機
10の板材搬入及び搬出側に配設された冷却装置21,
22と、圧延機10及び冷却装置21,22を制御し、
板材の板クラウンを効果的に制御する制御装置30等と
から構成されている。
【0018】可逆式圧延機10は、圧延ロール11,1
2、圧延板搬送テーブル40等を備えて構成されてい
る。圧延ロール11,12は、上下各一対のワークロー
ル11a,12a、ワークロール11a,12aより大
径のバックアップロール11b,12bを備えている。
ワークロール11a,12aは、この2つのロールでワ
ークの圧延材を挟み込んで圧延するもので、図1中、実
線及び波線の矢印で示すように可逆的に回転駆動され
る。
【0019】ワークロール11a,12aの圧延荷重
は、バックアップロール11b,12bにより加えられ
る。下側バックアップロール12bの下方には、油圧圧
下装置13が配置されている。圧下装置13には、図2
に示すように、圧下用油圧制御回路13aが接続され、
この圧下用油圧制御回路13aから圧下装置13に作動
油が供給され、その圧下装置13によって下側バックア
ップロール12bのロール軸に圧延荷重が加えられる。
【0020】圧下用油圧制御回路13aは、制御装置3
0の圧下制御装置30aに接続されており、この圧下制
御装置30aは、予め決定したパススケジュールに基づ
いて圧下用油圧制御回路13aを制御し、油圧圧下装置
13を介して圧延材の各パス毎に圧延ロール11,12
を圧下する。ワークロール11a,12aの各両端部に
は、図1に2点鎖線で示すように、ワークロールベンダ
ー14が配設されている。ワークロールベンダー14
は、図2に示すように、ベンダー用油圧制御回路14a
を介して圧下制御装置30aによって制御される。この
ワークロールベンダー14によってワークロール11
a,12aをベンディングし、圧延材の形状を修正す
る。
【0021】ワークロール11a,12aの前後には、
ワークロール11a,12aにクーラントを直接噴射す
るスプレー装置15,16が配設されている。各スプレ
ー装置15,16は、ワークロール11a,12aの軸
方向に所定の間隔でロールに対向して配置された多数の
ノズル15a,16aと、各ノズルに対応したヒートク
ラウン用電磁弁15b,16bとを備えている。そし
て、このヒートクラウン用電磁弁15b,16bは、図
2に示すように、圧下制御装置30aに接続されてお
り、圧下制御装置30aによって所定のパススケジュー
ルに応じて各スプレー装置15,16を作動させること
ができる。
【0022】圧延板搬送テーブル40は、ワークロール
間に正逆方向に搬入・搬出される圧延材を支持するため
のものである。冷却装置21,22は、4つの冷却装置
21u,21d,22u,22dから構成され、ワーク
ロール11a,12aの両側に、圧延材の上下に位置す
るように対向して配置されている。そして、冷却装置2
1u,21d,22u,22dは板幅方向に互いに異な
る温度で冷却できる複数のゾーンから構成されており、
これらのゾーンは圧延材の少なくとも幅方向に並んで配
置されている。より具体的には、このゾーンは、例え
ば、100mm〜200mmの間隔でマトリックス状に並ん
で配置された複数のクーラントスプレー(ノズル)21
a,21b,22a,22bと、このクーラントスプレ
ーに夫々対応して配置された制御弁21c,21d,2
2c,22dとから構成される。
【0023】図2に示す冷却/加熱制御装置30bは、
電磁弁21c,21d,22c,22dを駆動して電磁
弁21c,21d,22c,22dから冷却水を板幅方
向に均一に噴射するか、又は板幅方向に不均一に噴射し
て板材の板幅方向に温度分布の変化を生じさせ、板クラ
ウンを効果的に制御するためのものである。冷却/加熱
制御装置30bによって板端部近傍のクーラントスプレ
ーの噴射量を増加させることで、どのような板幅の圧延
材であっても、そのエッジ(板端部)を局所的に冷却す
ることができる。
【0024】尚、後述の電熱ヒータがクーラントスプレ
ーに併設されている場合、冷却/加熱制御装置30b
は、この電熱ヒータの制御も行い、板材を板幅方向に不
均一に加熱することが可能である。又、クーラントスプ
レー21a,21b,22a,22bは板幅方向に冷却
量を変えることができれば良いので、必ずしもマトリッ
クス状に配置されている必要はなく、複数のクーラント
スプレーが板幅方向に少なくとも一列に配設されていれ
ば良い。
【0025】次に、図3及び図4に示すフローチャート
を参照して板クラウンの制御を詳細に説明する。まず最
初に、制御装置30によって、通常のパススケジュール
設定計算ルーチンを実行する(ステップ1)。このルー
チンは、板幅方向の温度差を考慮しないで計算される。
具体的には、材料の寸法、材料温度、変形抵抗等を圧下
制御装置30aに入力し、予め決められた理論式と実験
式に基づき、初期パススケジュール計算、圧下パター
ン、圧延速度、板幅方向に均一な冷却量を決定する。
尚、パススケジュールにおける各パスの圧下量の配分の
仕方は、特開昭62−259605号公報等に種々のも
のが提案されている。
【0026】次に、ステップ1で決定されたパススケジ
ュール、圧延速度、及び冷却量に基づいて最終パス(以
下、これを「Nパス」という。)圧延時の板材の幅方向
中央部の温度、及びNパスにおける変形抵抗を予測する
(ステップ2)。尚、一般には、このNパスの圧延にお
いて通常の板材の板クラウンが決定される。次に、Nパ
スの圧延荷重及びベンディングクラウンを計算し(ステ
ップ3)、Nパスの圧延ロールのサーマルクラウンを予
測計算し(ステップ4)、Nパスの板端部の3次元変形
によるエッジドロップ量を予測計算する(ステップ
5)。尚、ステップ3〜ステップ5の予測計算は、ステ
ップ2で求めた計算値を、実験結果に基づくテーブルに
入力して求めることができる。
【0027】続いて、ステップ3〜ステップ5によって
得られた計算結果により、Nパスの板クラウン形状を予
測計算する(ステップ6)。この予測計算は、上述の計
算結果を有限要素法や実験結果に基づくテーブルでモデ
リングした計算式によって行う。尚、この予測計算によ
って得られた板幅方向の板厚分布(クラウン形状)の一
例を示すと、図5の点線で示すような分布になる。又、
目標とされる板クラウン形状は、図5の実線で示す形状
になる。
【0028】更に、ステップ6で予測された板クラウン
と目標とされる板クラウンとの偏差を求め、この偏差に
より板クラウン修正用アクチュエータの修正操作量を計
算する(ステップ7)。尚、板クラウン修正用アクチュ
エータは、例えば、ワークロールベンダー、ロールシフ
ト、ロールクロス等である。次に、ステップ7で求めた
修正操作量がアクチュエータの修正操作量限界内である
か否かを判断し(ステップ8)、修正操作量限界内であ
る場合は、修正用アクチュエータの修正操作のみによっ
て目標とされる板クラウンに修正可能と判断し、板材の
幅方向温度制御量の検討を終了する(ステップ8A)。
【0029】ステップ8において、修正量がアクチュエ
ータの修正操作量限界を超えており、修正用アクチュエ
ータの修正操作のみでは目標とされる板クラウンに修正
できないと判断したときは、目標とされる板クラウン形
状との偏差より板端部での必要板クラウン修正量を求め
る(ステップ9)。続いて、板端部温度低下によるベン
ディングクラウンへの影響係数を計算し(ステップ10
A)、板端部温度低下によるエッジドロップ量への影響
係数を計算する(ステップ10B)。これは、ステップ
6で得られた計算値を利用して実験結果等に基づくテー
ブルを用いて求めることができる。
【0030】そして、ステップ9〜ステップ10Bで求
めた結果をもとに、目標板クラウンに修正するために必
要な板端部の温度低下量を計算する(ステップ10
C)。続いて、ステップ1で求めた初期計算条件での通
常冷却パターンによるNパス圧延時の板幅方向温度分布
を予測する(ステップ11)。尚、このときの板幅方向
の温度分布は、ステップ11で求めた通常冷却パターン
時が図6に点線で示すような分布になり、ステップ10
Cで求めた必要な(目標とする)板幅方向温度低下量が
図6に実線で示す温度分布となる。この両者の差より、
修正されるべき温度低下量(ハッチング部)が得られ
る。
【0031】そして、必要とされる冷却量の板中央部と
板端部との差を計算する(ステップ12)。この冷却量
は、上記の図6での比較で得られた修正温度低下量に対
応したものであり、具体的には、冷却水温、流量、作動
させるノズル数、冷却時間等を計算する。以上のステッ
プにより、必要とされる幅方向温度制御量が冷却量とし
て決定される(ステップ13)。
【0032】続いて、ステップ2に戻り、ステップ10
Cで計算された温度分布を有するものとして、再度、予
測板クラウンを計算し、ステップ10A、ステップ10
Bで得られた板端部の温度低下の影響を加算した形でス
テップ3〜ステップ7を繰り返し、目標とされる板クラ
ウンに修正可能であることを確認する。以上のステップ
により、必要な冷却量を求めた後、実際に熱間圧延を開
始する。
【0033】熱間圧延は、以下の手順により行われる。
まず最初に、制御装置30によって決定されたパススケ
ジュールに基づき、圧下制御装置により圧延ロール1
1,12を先ず最初の圧下位置に設定し、正転方向(図
1中、実線の矢印方向)にワークロール11a,12a
及び圧延板搬送テーブル40を駆動させ、圧延材料を設
定した圧下量だけ圧延し、圧延機1の反対側に抜けさせ
る。
【0034】次いで、圧延ロール11,12を第2回目
の圧下位置に設定し、逆転方向(図1中、点線の矢印方
向)にワークロール11a,12a及び圧延板搬送テー
ブル40を駆動させ、上記と同様にして圧延を行い、圧
延機1の材料搬入側に抜けさせ、このような圧延をパス
スケジュールによって決定された回数(N回)繰り返
す。
【0035】ワークロール11a,12aの圧下は、油
圧制御回路13aを介して油圧圧下装置13を作動させ
ることで行い、且つ圧延中、所定のパススケジュールに
基づきワークロールベンダー14によってワークロール
11a,12aをベンディングし、更にヒートクラウン
用冷却ノズル15a,16aでワークロール11a,1
2aを冷却する。
【0036】ここで、ステップ8で修正アクチュエータ
のみで目標板クラウンに修正可能であると判断した場合
は、板幅方向の温度制御は行わない。即ち、冷却装置2
1,22によって全てのパススケジュールで板幅方向に
一定の冷却水が供給される。但し、ステップ1で冷却量
ゼロと計算されたときは、冷却水は供給されない。一
方、ステップ8で目標板クラウンに修正できないと判断
したときは、以下のように板幅方向の温度制御を行う。
【0037】N−1パスまでは、上述のステップ1で求
めた冷却量に相当する冷却水を冷却装置21,22によ
って板材の幅方向に均一に噴射する。但し、ステップ1
で冷却量ゼロと計算されたときは、冷却水は供給されな
い。Nパスにおいては、この冷却水に加えて、上述のス
テップ12で求めた冷却量に相当する冷却水を更に追加
して板端部近傍にクーラントスプレーによって供給す
る。尚、この冷却水の供給に当たっては、初期パススケ
ジュール計算時に予め入力された板幅に基づき、冷却/
加熱制御装置30bが板端部近傍に位置するクーラント
スプレーを選択し、これに相当する制御弁21c,21
d,22c,22dを駆動することによって行う。又、
この冷却水は、冷却装置21,22の双方から供給して
も良く、又は、いずれか一方の冷却装置から供給しても
良い。
【0038】このようにして、板端部の温度を中央部に
比較して低温とすることで、板端部の変形抵抗を高く
し、材料の横流れを抑制することができる。この結果、
板端部での変形を低減してエッジドロップを抑制するこ
とが可能となり、クラウン量の小さな圧延板を得ること
ができる。本発明による板クラウン制御方法によると、
板中央部と板端部との間に温度差を目標範囲内で積極的
に生じさせる制御をするものであり、これにより、幅方
向に異なる金属組織が析出する場合がある。しかし、機
械的性質への影響が出にくい合金組成を材料に使用した
り、圧延時の圧延温度帯域を適切に選択することで、異
なる金属組織の析出による不具合、即ち、板材の機械的
性質のムラ発生を防止したり、残留応力による切断後の
歪み発生を防止することができる。又、板材の機械的性
質のムラや残留応力等が仮に発生しても、圧延後の熱処
理や矯正等で容易に修正することが可能である。
【0039】尚、上述の実施の形態では、板端部を板中
央部よりも冷却したが、パススケジュールや板厚、冷却
形態等によっては、特に板幅方向の温度制御を行わなく
ても適正な板幅方向温度差を超えて板端部が過剰に冷や
される場合がある。このような場合は、上述の冷却装置
の近傍に電熱ヒータ等の加熱装置を設け、板端部を逆に
局所的に加熱するようにしても良い。この加熱装置の制
御も、図2に示すように、冷却/加熱制御装置で行う。
これによって、逆に、板端部の3次元変形を促進させ、
目標とする板クラウンを得ることができる。
【0040】又、上述の実施の形態では、最終パスであ
るNパスにおいて板幅方向の温度制御を行ったが、上が
り板厚(当該圧延工程の最終的な板厚)が薄い場合や板
幅が広い場合、板材が硬質材料等で変形が容易でない場
合等は、Nパス以前の上流パスも板クラウン決定に影響
を与えるパスとみなして、この上流パスについても上述
と同様の板幅方向温度制御を行うことが好ましい。
【0041】このような場合、Nパスのみで大きく板ク
ラウンを変化させる制御を行おうとしても、実際には材
料の横流れが制約されているため、変化成分の大きな割
合が、長年の歪変化に転化してしまう。このため、目的
とする板クラウン変化が得られず、板材の平坦度が悪化
することになってしまうが、上流パスまで含めた複数の
パスにおいて板クラウン制御を行うことで、このような
不具合を防止することができる。
【0042】尚、上述の実施の形態では、代表的な厚板
ミルである熱間可逆圧延機について説明したが、本発明
は、例えば、タンデムミル等の他のミル形態においても
適用できることは言うまでもない。この場合は、パスス
ケジュールに関して、上記の「パス」を「スタンド」と
読み替え、各スタンドで順次、パスが進み、少なくとも
最終パスに相当するスタンドで上述の板クラウン制御を
行うものと考えれば良い。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る板
クラウン制御方法及び板クラウン制御装置は、金属板の
熱間圧延において、圧延材の少なくとも最終圧延工程時
に圧延材を板幅方向に冷却/加熱することで、その板幅
方向の温度分布を変化させ、圧延材を目標とされる板ク
ラウンに近づけるように制御することを特徴としてい
る。
【0044】圧延材の板クラウンがほぼ決定される最終
パス圧延時において、圧延材の板幅方向の温度分布を変
化させることで、特に、板端部の温度を中央部に比較し
て低温とすることで、板端部の変形抵抗が高くなり、板
端部が変形しにくくなる。その結果、材料の横流れが抑
制されるので、エッジドロップを抑制でき、クラウン量
の小さな圧延板を得ることができる。
【0045】又、圧延板の幅毎に板クラウンを制御する
ための複数の機構を設置したり、板幅変化毎にワークロ
ールを交換する等の必要がないため、設備費の低減や生
産性の向上を図ることができる。特に、幅広の圧延機を
用いて幅狭の材料を圧延する場合に上述の効果は顕著と
なる。
【0046】本発明の請求項2又は4に係る板クラウン
制御方法及び板クラウン制御装置は、圧延材の板幅方向
の温度が均一であると仮定して、圧延材の板クラウンを
予測し、予測された板クラウンと、目標とされる板クラ
ウンとの偏差を求め、予測された板クラウンを目標とさ
れる板クラウンに近づけるために、当該偏差に基づき、
板端部の板中央部に対する必要温度変化量を推定して、
この推定値に基づき、圧延材を板幅方向に冷却/加熱す
ることを特徴としている。
【0047】予測された板クラウンと目標とされる板ク
ラウンとを正確に比較できるので、圧延材を目標板クラ
ウンに近づけるための正確な必要温度変化量を推定で
き、圧延材の板クラウン制御をより正確に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る板クラウン制御装置
を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る板クラウン制御方法及
び装置を説明するための機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る板クラウンの制御方
法を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートに続く、板クラウンの制
御方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る幅方向温度制御を行った場合の、
最終パス時の圧延材の板幅方向の板厚分布を従来例と比
較して示す図である。
【図6】本発明に係る幅方向温度制御を行った場合の、
最終パス時の圧延材の板幅方向の板温度分布を従来例と
比較して示す図である。
【符号の説明】
1 板クラウン制御装置 10 圧延機 11 圧延ロール 11a ワークロール 11b バックアップロール 12 圧延ロール 12a ワークロール 12b バックアップロール 21 冷却装置 21a,21b クーラントスプレー 21c,21d 電磁弁 22 冷却装置 22a,22b クーラントスプレー 22c,22d 電磁弁 40 圧延板搬送テーブル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】このような場合、Nパスのみで大きく板ク
ラウンを変化させる制御を行おうとしても、実際には材
料の横流れが制約されているため、変化成分の大きな割
合が、長手方向の歪変化に転化してしまう。このため、
目的とする板クラウン変化が得られず、板材の平坦度が
悪化することになってしまうが、上流パスまで含めた複
数のパスにおいて板クラウン制御を行うことで、このよ
うな不具合を防止することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の熱間圧延における板クラウン制
    御方法であって、 圧延材の少なくとも最終圧延工程時に圧延材を板幅方向
    に冷却/加熱することで、その板幅方向の温度分布を変
    化させ、圧延材を目標とされる板クラウンに近づけるよ
    うに制御することを特徴とする板クラウン制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延材の板幅方向の温度が均一であると
    仮定して、圧延材の板クラウンを予測し、 予測された板クラウンと、目標とされる板クラウンとの
    偏差を求め、 予測された板クラウンを目標板クラウンに近づけるため
    に、当該偏差に基づき、板端部の板中央部に対する必要
    温度変化量を推定して、この推定値に基づき、圧延材を
    板幅方向に冷却/加熱することを特徴とする、請求項1
    に記載の板クラウン制御方法。
  3. 【請求項3】 金属板の熱間圧延における、少なくとも
    最終圧延工程の板クラウン制御装置であって、 板材を圧延する熱間圧延機と、 上記熱間圧延機の圧延材搬入側又は搬出側の少なくとも
    いずれか一方に設けられた圧延材冷却/加熱手段と、 上記圧延材冷却/加熱手段を制御し、圧延材の板幅方向
    の温度分布を変化させ、圧延材を目標とされる板クラウ
    ンに近づける制御手段とを備えたことを特徴とする板ク
    ラウン制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、圧延材の板幅方向の温
    度が均一であると仮定して、圧延材の板クラウンを予測
    し、 予測された板クラウンと、目標とされる板クラウンとの
    偏差を求め、 当該偏差をなくすための、板端部の板中央部に対する必
    要温度変化量を推定し、 当該推定値に基づき、冷却/加熱手段によって圧延材を
    板幅方向に冷却/加熱することで、圧延材を目標とされ
    る板クラウンに近づけることを特徴とする、請求項3に
    記載の板クラウン制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005076041A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Furukawa Sky Kk 缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法
CN102357526A (zh) * 2011-09-08 2012-02-22 东北大学 一种铜铝铜双面超薄复合带材的两步复合轧制方法
JP2012091193A (ja) * 2010-10-26 2012-05-17 Nippon Steel Corp 熱間仕上圧延におけるクラウン制御方法

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