JP6645453B2 - 金属帯の圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延ラインや冷間圧延ラインなどの金属帯の圧延ラインにおいて、仕上げ圧延機の一部または全部に、ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機を使用する金属帯の圧延方法に関する。
金属帯の圧延においては、ワークロールと被圧延材の接触部分(以下、板道という)において摩擦が生じ、ワークロールの板道に相当する部分の摩耗が進行していく。また特に熱間圧延においては、被圧延材が800℃から1100℃程度の高温であるため、サーマルクラウンと呼ばれるワークロールの板道に相当する部分において熱膨張が生じる。このようなワークロールの局所的な摩耗と熱膨張により、ワークロールのプロフィルが変化することによって、被圧延材の幅方向板厚分布や平坦度が悪化し、製品品質や通板安定性の低下を招くという問題がある。
従来、金属帯の圧延においては、摩耗や熱膨張によりワークロールプロフィルが変化するため、例えば狭幅材を続けて圧延した場合には局部的な板道の摩耗が進行するため、後続して圧延される広幅材の幅方向板厚分布に異常が生じることになり、これを避けるために被圧延材の幅の広いものから狭いものへと段階的に圧延するなどの、圧延サイクルにおいて板幅規制を設ける工程管理を余儀なくされていた。
このような規制は工程管理を複雑にするばかりでなく、圧延ラインより上流の加熱炉の操業をも規制するなど、大きな障害となっていた。このため、板幅や板厚の異なった製品をランダムに圧延する、いわゆるスケジュールフリー圧延が要望されていた。
なお、圧延サイクルとは、例えば、ロール交換によりワークロールが組み込まれた圧延機により圧延を開始し、何本か(50ないし100本内外)の被圧延材を圧延して、次のロール交換によりワークロールが組み込まれた圧延機による圧延を開始するまでの一群の前記何本か(50ないし100本内外)の被圧延材を圧延順に並べたものを一つの構成単位とするようなものを称したものである。
また、熱延工程へスラブを供給する連続鋳造での鋳造速度の変動や、加熱炉での昇温時間の予測誤差、圧延や連続鋳造での操業トラブルなどにより、加熱炉からのスラブの抽出順、つまり板幅や板厚の圧延順番を圧延サイクル開始当初の予定から変更して圧延する必要もある。特に、連続鋳造スラブを、スラブヤードを介さずに高温のまま加熱炉へ装入するDHCR操業や、連続鋳造スラブを、加熱炉を経由せずに圧延するHDR操業では、連続鋳造での操業条件の変動の影響を受けやすく、圧延サイクルを構成する被圧延材の板幅、板厚構成がサイクル開始時点から変化することがある。
以上のように、圧延サイクルを構成する被圧延材の板幅や板厚の異なった製品をランダムではあるが圧延順は確定し圧延サイクル途中では変動しないという前提で圧延を行うスケジュールフリー圧延に加えて、圧延サイクル途中での各被圧延材の圧延順の変化にも対応できるフレキシブルな圧延技術が必要となっている。
このような板幅規制を解消するための手段として、上下ワークロール(作業ロール)を被圧延材の圧延1本毎に軸方向に数mmずつシフトさせて圧延することにより、ワークロールの摩耗や熱膨張を分散させるワークロールシフト法が実用化されている。
なお、圧延荷重によるロールの撓みを補償する機構としてワークロールクロスやベンダーがあるが、これらは摩耗や熱膨張のような幅方向に不均一なプロフィルを制御することはできない。
従来のワークロールシフト法には、被圧延材を圧延する毎にワークロールの軸方向を一定のピッチ(以下シフトピッチ)で数mmずつずらして行き、機械設備上の限界に達したら、シフト方向を反転させてシフトを続けるサイクリックシフト法が広く用いられている。この方法はシフトピッチやシフト量上限などの設備制約によって決まる固定のシフトパターンであるため、ある被圧延材とその次の被圧延材との板幅差によっては板道端部のロール摩耗や熱膨張の影響により、板端部の厚みが過厚(エッジハイスポット)となったり過薄(エッジドロップ)となったりするなどの板厚プロフィル異常となる場合がある。
特許文献1では、サイクリックシフト法を前提として決定した次材のシフト位置に許容範囲を設け、その許容範囲内でロールプロフィルの目標値と予測計算値からなる評価関数を最小とする最適シフト位置を決定するシフト量決定方法が提案されている。
特許文献2では、ワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から決まる評価関数を各被圧延材のシフト位置を仮定して計算し、評価関数が最小となるようなシフト位置を圧延サイクルで圧延予定の全被圧延材について決定する方法が提案されている。
特許文献3では、圧延サイクルにおいて圧延予定の全被圧延材に対し、ワークロールプロフィルを予測計算より求め、目標とするプロフィルになるようにワークロールシフト位置を決定する方法が提案されている。
特許文献1 特開平06−154823号公報
特許文献2 特開昭63−260615号公報
特許文献3 特許第5924065号公報
特許文献1や特許文献2のような方法では、ワークロールプロフィルをロール胴長全体にわたり目標のプロフィルとすることを特徴としており、被圧延材のワークロール上での板道範囲を考慮してシフト位置を決定するものではない。つまり、シフト位置を決定する際に「ワークロールプロフィルのどの位置で被圧延材を圧延するのか」を考慮していないために、被圧延材の板幅やシフト位置によっては、エッジハイスポットやエッジドロップなどの幅方向板厚プロフィル異常が生じるという問題がある。
また、上記の問題を解決したのが特許文献3に記載の方法であるが、被圧延材の圧延順が圧延サイクル開始時点で確定しておりサイクル途中では変化しないことを前提にしている。上述のように加熱炉での在炉時間や連続鋳造速度の変動などにより、被圧延材の圧延順、とりわけ板幅が圧延サイクル途中で変わる場合には、やはり被圧延材の板幅やシフト位置によっては、エッジハイスポットやエッジドロップなどの幅方向板厚プロフィル異常が生じるという問題がある。また、ワークロールプロフィルは先行材の圧延によるロール摩耗や熱膨張の影響が蓄積されているため、圧延サイクル途中で圧延順の変更があった時点で次の被圧延材以降のワークロールシフト位置を再度設定したとしても手遅れとなる可能性がある。
本発明は、以上の問題を解決すべくなされたものであり、ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機を用いて、熱間圧延ライン等の金属帯の圧延ラインにおける仕上げ圧延機等で被圧延材を圧延するに際し、板幅方向での厚みが不均一、特に幅端部の厚みが過薄になったり過厚になったりする問題を解消できるとともに、金属帯の製造におけるスケジュールフリー化を安定的、かつ確実に、実現することができる金属帯の圧延方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、圧延サイクル途中での圧延順の変更による板厚プロフィル異常の抑制について鋭意検討した結果、圧延順パターンの全候補を対象に、全被圧延材のワークロールプロフィルを目標のプロフィルとするようなワークロールシフト位置において圧延することで板厚プロフィル異常の発生を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明の金属帯の圧延方法は、金属帯の圧延ラインにおいて、ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機を用いて被圧延材を圧延するに際し、圧延サイクルの各圧延順でのワークロールシフト位置を仮定して定め、圧延機のワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から求まる評価関数Jを下記の式(1)本発明の金属帯の圧延方法は、金属帯の圧延ラインにおいて、ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機を用いて被圧延材を圧延するに際し、圧延サイクルの各圧延順でのワークロールシフト位置を仮定して定め、圧延機のワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から求まる評価関数Jを下記の式(1)

に基づいて、被圧延材板幅方向の1点以上の評価点について計算し、次いでJを全ての評価点について、下記の式(2)

に基づいて合計して評価関数Jを求め、圧延サイクル内の全被圧延材について下記の式(3)

に基づいて合計して評価関数Jを求め、さらに全被圧延材の圧延順パターンの全候補について下記の式(4)

に基づいて合計して評価関数Jを求め、
逐次、新たに可能なワークロールシフト位置を仮定して定め、同様の計算を繰り返し、圧延順の全候補について、評価関数J、J、JおよびJを求め、前記のワークロールシフト位置の全てについて求まるJ同士を比較して、Jが最小となるときの各圧延順のワークロールシフト位置を当該圧延サイクルにおけるワークロール位置として決定することを特徴とする。
本発明によれば、圧延サイクルにおいて圧延予定である全被圧延材について、圧延順パターンの全候補に対し、被圧延材とワークロールの接触部分におけるワークロールプロフィルを、目標とするプロフィルとするように全被圧延材に対するワークロールシフト位置を決定しているので、板幅方向での板厚分布を均一化することができるとともに、圧延サイクルを構成する被圧延材について、スケジュールフリー化を安定的、かつ確実に、実現することができる圧延方法を提供することができる。そして、そのことにより、板幅が狭幅から広幅に組まれた圧延サイクルを採用することが可能になり、また圧延サイクル途中での圧延順の変更があっても板厚プロフィル異常のない圧延が可能となる。
本発明の評価関数の計算フローを示す。 本発明の被圧延材の幅方向に定められた評価関数の評価点を示す。 ワークロールプロフィルの目標値の設定について本発明の一実施態様を示す。 本発明の実施例1について被圧延材の板幅の圧延サイクルを示す。 本発明の実施例1と従来例についてWRシフト位置とシフト移動方向を反転する折り返し位置を示す。 本発明の実施例1について被圧延材の圧延後の板厚プロフィルを示す。 本発明の実施例1と比較される従来例の被圧延材の圧延後の板厚プロフィルを示す。 本発明の実施例2について被圧延材の板幅の圧延サイクルを示す。 本発明の実施例2と従来例についてWRシフト位置とシフト移動方向を反転する折り返し位置を示す。 本発明の実施例2について被圧延材の圧延後の板厚プロフィルを示す。 本発明の実施例2と比較される従来例の被圧延材の圧延後の板厚プロフィルを示す。
本発明の実施形態について以下に説明する。
本発明では、圧延サイクルにおいて圧延予定の全被圧延材についての、被圧延材1本毎のワークロールのシフト位置を仮定して定め、この定められたシフト位置について、ワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から決まる評価関数Jを、被圧延材板幅方向の1点以上の評価点毎に計算して求めて、これらを全評価点について合計して評価関数Jを求め、これらを圧延予定の全被圧延材について合計して評価関数Jを求め、さらに圧延順パターンの全候補について計算したJを合計して評価関数Jを求める。
ワークロールシフト位置については、例えば乱数表を用いて被圧延材1本毎のワークロールシフト位置を仮定することにより定めることができる。
あるいは、1本目の被圧延材のシフト量を仮定して定めた後は、先の被圧延材についてのワークロールシフト位置とはワークロールシフトピッチの分だけ正負異なるワークロールシフト位置ならびに先の被圧延材と同じワークロールシフト位置のうち一つ以上を、例えば乱数表を用いて仮定して定め、この定められたワークロールシフト位置について、同様の計算を繰り返して、評価関数J、JおよびJを求めてもよい。
なお、ワークロールのシフト位置を仮定して定める手法は、上記のものに限るものではない。
また、圧延サイクルでの被圧延材の圧延順は、板厚や板幅の先行材からの変更量の上下限や同一寸法材の連続可能本数の制約などから、圧延サイクル開始前にあらかじめ決定され、その順番通りに複数の加熱炉へ分配され装入される。通常は、例えば加熱炉を第1、第2、第3の計3基有する場合は、第1⇒第2⇒第3⇒第1⇒第2⇒、というように規則的に抽出され圧延される。しかし、加熱炉毎の加熱所要時間の差がある場合や、熱延工程へスラブを供給する連続鋳造での鋳造速度が大きく変動する場合には、圧延サイクル途中で圧延順(加熱炉からの抽出順)が変更される。その変更され得る圧延順パターンの候補は(加熱炉数)(加熱炉毎の被圧延本数)(すなわち、加熱炉数を「加熱炉毎の被圧延本数」乗した値、「加熱炉毎の被圧延本数」はべき指数)である。
このように、圧延サイクルを構成する全被圧延材の圧延順パターンの全候補は一義的に決定することができる。
このようにして、逐次、圧延サイクルを構成する圧延予定の全被圧延材について、新たに可能なワークロールシフト位置を仮定して定め、同様の計算を繰り返して、評価関数J、J、J、Jを求める。このようにして求められた、圧延予定の全被圧延材についての、被圧延材1本毎のワークロールのシフト位置の可能な組み合わせのすべてについて求められたJ(組み合わせの数だけ存在する)同士を比較して、Jの値が最小となるときの、シフト位置を当該圧延サイクルにおけるシフト位置として決定する。
以下に、上記の発明における評価関数の計算手法の具体的な1例を示す。
(ステップ1)
被圧延材の幅方向に1点以上の評価点A、B、C・・・を定め、評価点A、B、C・・・でのワークロールプロフィルの目標値を、各被圧延材について、圧延順に設定する。ワークロールの胴長中央と左右両評価点A,B,C・・・を放物線や楕円などの2次曲線で結ぶように設定するのが好ましい。なお、評価点は、例えば、図2に示すように、A(最板端から25mm)、B(同50mm)、C(同75mm)という具合に、板幅方向の1点以上に仮定する。ここではA、BおよびCの3点を示したが、さらに、例えばD(同100mm)、E(同150mm)、F(同200mm)というように評価点を増やすことも可能である。
上記評価点の最板端からの距離についても具体的な数値はあくまで一例であり、本発明は、ここでの例に一義的に限定するものではない。
(ステップ2)
圧延予定の全被圧延材について、被圧延材1本毎のワークロールのシフト位置を仮定して定める。ここで、ワークロールのシフト位置については、例えば乱数表を用いて被圧延材1本毎のワークロールシフト位置を仮定することにより定めることができる。
(ステップ3)
全被圧延材の圧延順パターン候補の一つに対し、ステップ2で仮定されたシフト位置について、ワークプロフィルの予測値と目標値とから下記の式(1)に基づいて、各評価点での被圧延材1本の評価関数Jを計算する。
式(1)の評価関数Jは、ワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から決まり、図2に示すように、評価関数を被圧延材幅方向の片側1点以上の評価点について計算する。評価関数Jは、図2のように被圧延材板幅方向の1点以上の評価点について計算するので、すでに記載したように、被圧延材のワークロール上での板道範囲を考慮可能であり、異常板厚プロフィルを効果的に防止可能である。
なお、式(1)の重み係数については、例えば、表1のように先行の被圧延材から次の被圧延材への板幅変化量に応じて決定してもよい。
(ステップ4)
評価点A、B、C・・・の全てについて下記の式(2)に基づいて式(1)の評価関数Jを合計して評価関数Jを求める。
(ステップ5)
圧延サイクルにおける全被圧延材について、下記の式(3)に基づいて式(2)の評価関数Jを合計して評価関数Jを求める。
(ステップ6)
全被圧延材の圧延順パターンを変更して、ステップ3〜5を繰り返し、式(4)に基づき、全ての圧延順パターンに対しJを合計し、評価関数Jを求める。
(ステップ7)
そして、逐次、圧延サイクルにおいて圧延予定の全被圧延材について、新たに可能なワークロールシフト位置を、例えば乱数表を用いて仮定して定め、同様の計算を繰り返して、評価関数J、J、JおよびJを求める。
(ステップ8)
可能なシフト位置すべてについて求められたJの値同士を比較して、その中で最も小さい場合の、全被圧延材のワークロールシフト位置を当該圧延サイクルのワークロールシフト位置として決定する。
以上の計算フローを図1に示す。
ワークロールプロフィルの目標値は、図3に示すように、被圧延材上の駆動側(ドライブサイド:Ds)と被駆動側(ワークサイド:Fs)の各評価点、例えばA〜C点と接するワークロール箇所のワークロール半径の平均と、ワークロールの胴長中央のワークロール半径との差を下記の式(5)に基づいて計算し、上下ワークロールについて合計して求める。ワークロールプロフィルの胴長中央と左右両評価点A〜Cを放物線や楕円などの2次曲線で結ぶように設定するのが好ましい。
また、ワークロールプロフィルの予測値は、ワークロールの熱膨張量、摩耗量およびワークロール半径の初期値から求めることができる。
例えば、ワークロールの熱膨張については、下記の式(6)に基づいて、また、摩耗量については下記の式(7)に基づいて予測計算することができる。そして、ワークロールプロフィルは、両者を合計して、下記の式(8)に基づいて予測計算値することができる。
ワークロールのシフト位置の変更量(シフトピッチ)については、ワークロールシフトピッチに上限を設けた場合でも、圧延サイクルにおいて圧延予定の全被圧延材についてのワークロールシフト位置の組み合わせの数は膨大であり、これら全ての組み合わせについて、評価関数Jを各評価点について計算して合計し、さらに全被圧延材分合計した中から、評価関数Jの同合計結果が最小となるようなワークロールシフト位置を選び出してももちろんよいが、計算の負荷を軽減するため、非線形計画法などにより評価関数Jが最小となるようなワークロールシフト位置を決定することも可能である。
以下に本発明の実施例を示す。本発明を7スタンド(F1〜F7)からなるタンデム圧延機に適用した実施例を説明する。7スタンドのうち、後段のF4〜F7のスタンドの圧延機がワークロールシフト機構を備えている。圧延機の設備仕様を表2に示す。
(実施例1)
仕上げ板厚2.0〜4.0mm、仕上げ板幅800〜1400mmの低炭素鋼の被圧延材81本から構成される圧延サイクルについて本発明を実施した。
板幅方向の評価点は、被圧延材の板端から25mm、75mm、150mmの3点とし、ワークロールシフトピッチの上限は30mmとした。ベンダー荷重は圧延開始時に60トンと設定し、圧延中の荷重変動に応じて制御した。図4に圧延サイクルを構成する被圧延材の板幅構成を示した。図5に本発明によって決定したワークロールシフト位置を示す。
また、従来技術との比較を行うために、図4とほぼ同じ板厚、板幅構成の圧延サイクルにおいて、従来のサイクリックシフト法による圧延を行った。このときのワークロールシフト位置を従来例として、図5に示した。
本発明例として、図6に、板幅が1本前の被圧延材よりも約300mm広がる42本目の被圧延材の板厚プロフィルを示した。この図から分かるように、エッジビルドアップが生じておらず、良好な板厚プロフィルとなっている。また、42本目以外の被圧延材の板厚プロフィルについても、本発明例では異常プロフィルや形状不良は生じなかった。
一方、従来例では、エッジビルドアップが生じており、異常な板厚プロフィルの被圧延材が複数あった。図7に、一例として、板幅が1本前の被圧延材よりも約240mm広がる38本目の被圧延材の板厚プロフィルを示した。この図からエッジビルドアップが生じていることが分かる。
(実施例2)
仕上げ板厚1.2〜3.0mm、仕上げ板幅1200〜1500mmの低炭素鋼の被圧延材81本から構成される圧延サイクルについて、本発明を実施した。
板幅方向の評価点は、被圧延材の板端から25mm、75mm、150mmの3点とし、ワークロールシフトピッチの上限は30mmとした。ベンダー荷重は圧延開始時に60トンと設定し、圧延中の荷重変動に応じて制御した。図8に圧延サイクルを構成する被圧延材の板幅構成を、図9に本発明によって決定したワークロールシフト位置をそれぞれ示した。
また、従来技術との比較を行うために、図8とほぼ同じ板厚、板幅構成の圧延サイクルについて、従来のサイクリックシフト法による圧延を行ったものを従来例とした。このときのワークロールシフト位置を従来例として、図9に示した。
本発明例として、図10には板幅が1本前の被圧延材よりも約200mm広がる26本目の被圧延材の板厚プロフィルを示した。この図から分かるように、エッジビルドアップが生じておらず、良好な板厚プロフィルとなっている。また、26本目以外の板厚プロフィルについても、異常プロフィルや形状不良は生じなかった。
一方、従来例では、図11から分かるように、エッジビルドアップが生じており、異常な板厚プロフィルが見られた。
本発明の実施例から、本発明によれば、圧延サイクルにおける圧延順パターンが図4や図8に示されるように、板幅が比較的大きく変化する場合でも、また、板幅が幅狭から広幅に組まれた場合でも、板幅方向での板厚分布を均一化できることが分かるから、圧延サイクルにおいて、圧延順パターンの変更に対応できるスケジュールフリー化した圧延が可能となる。
1:被圧延材
2:ワークロール

Claims (3)

  1. 金属帯の圧延ラインにおいて、ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機を用いて被圧延材を圧延するに際し、
    圧延サイクルにおいて圧延予定である全被圧延材の各圧延順でのワークロールシフト位置を仮定して定め、
    圧延機のワークロールプロフィルの目標値と予測計算値から求まる評価関数Jを下記の式(1)

    に基づいて、被圧延材板幅方向の1点以上の評価点について計算し、次いでJを全ての評価点について、下記の式(2)

    に基づいて合計して評価関数Jを求め、圧延サイクル内の全被圧延材について下記の式(3)

    に基づいて合計して評価関数Jを求め、さらに全被圧延材の圧延順パターンの全候補について下記の式(4)

    に基づいて合計して評価関数Jを求め、
    逐次、圧延順の全候補について、新たに可能なワークロールシフト位置を仮定して定め、同様の計算を繰り返し、評価関数J、J、JおよびJを求め、前記のワークロールシフト位置の全てについて求まるJ同士を比較して、Jが最小となるときの各圧延順のワークロールシフト位置を当該圧延サイクルにおけるワークロール位置として決定することを特徴とする圧延方法。
  2. 前記ワークロールシフト位置の変化量(ワークロールシフトピッチ)に上限を設けることを特徴とする請求項1に記載の圧延方法。
  3. 前記ワークロールを軸方向にシフトするシフト機構を備えた圧延機がタンデム圧延機の1つ以上のスタンドに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延方法。
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