JPH0242458B2 - - Google Patents

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JPH0242458B2
JPH0242458B2 JP59273801A JP27380184A JPH0242458B2 JP H0242458 B2 JPH0242458 B2 JP H0242458B2 JP 59273801 A JP59273801 A JP 59273801A JP 27380184 A JP27380184 A JP 27380184A JP H0242458 B2 JPH0242458 B2 JP H0242458B2
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oil
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emulsified oil
emulsion
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【発明の詳細な説明】
本発明は口あたりがなめらかで口どけのよいチ
ヨコレートの製造法に関するものである。 更に詳細には、W/O/W型乳化油脂組成物ま
たはその粉末製品を使用することによつて口あた
りの良いチヨコレートを製造する方法に関するも
のである。 本発明は、口あたりがなめらかで、口どけがよ
く、かつ後味にこくのあるチヨコレートを製造す
ることを目的とするものである。 本発明は、W/O/W型乳化油脂組成物又はそ
の粉末製品をチヨコレートの原料配合時に添加
し、後は常法に従つてチヨコレートを製造するこ
とによつて、口あたりがよくなるなどすぐれた効
果を発揮させるものである。 本発明においては、W/O/W型乳化組成物又
はその粉末製品を使用するものであるが、ここに
用いる乳化剤としてはグリセリン不飽和脂肪酸エ
ステル又は親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル
もしくはこれらの混合物を使用するのが好まし
い。 グリセリン不飽和脂肪酸エステルとしては、モ
ノエルシン、ジエルシン、モノリノレイン、ジリ
ノレイン、の一種もしくは二種以上の混合物があ
げられる。 また、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと
しては次のものが例示される。
【表】 テル
本発明においては、まず、油脂に乳化剤が対油
0.1〜5%、好ましくは0.7〜2.5%、更に好ましく
は1.0〜2.3%添加、混合される。油脂としてはい
かなるものでもよいが、硬化油を用いる場合は、
加温して溶融して使用される。 また、この油脂には乳化作用及び/又は乳化安
定作用を有する物質を添加しておいてもよく、そ
の場合は、乳化させるとき水だけを混合して乳化
させることもできるのである。 本発明においては、別に、内水相となる水又は
乳化作用及び/又は乳化安定作用を有する物質を
含む水相が用意される。内水相を水とした場合は
カロリーの低減となり、内水相に栄養料、ミネラ
ル、フレーバー、呈味物質などを添加して、栄養
強化、風味向上をはかることができる。 また、本発明においては、外水相に各種物質が
添加される。具体的には、ゼラチン、ポリビニー
ルピロリドン、メチルセルロース、ポリエチレン
グリコール、シユガーエステル、レシチン、親水
性のポリグリセリン脂肪酸エステルなどの親水性
乳化剤、脱脂乳、ナトリウムカゼイネート、カゼ
イン分解物、大豆たんぱく質、大豆たんぱく質の
分解物、ゼラーン、糖たんぱく質などのたんぱく
質または複合たんぱく質、澱粉、デキストリン、
ガム質などの高分子多糖類、などがある。 また、その他、目的に応じて、着色料、呈味料
等が添加される。この水相は乳化が良好に行なわ
れるように、50〜80℃程度に加温されているのが
よい。 油脂にグリセリン不飽和脂肪酸エステル又は/
及び親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加
する際、必要に応じてシユガーエステル、レシチ
ン、親水性のポリグリセリン脂肪酸エステルなど
の親水性乳化剤、更には、ナトリウムカゼイネー
ト、澱粉、デキストリン、ガム質などの乳化作用
及び/又は乳化安定作用を有する物質を添加して
おいてもよく、また、これら物質は油脂と水相の
両方に添加しておいてもよいものである。 本発明において、乳化する方法としては、W/
O/W型乳化油脂組成物が生成されるならば、い
かなる方法でもよいが、例示すれば、次の1〜3
の方法がある。 1 水又は水相に油相を添加混合し、O/W型エ
マルジヨンを形成させ、攪拌することによつて
転相させて得られた、W/O型エマルジヨン
を、添加剤を含む水相に添加して行なわれる。 2 水又は水相を油相に添加、攪拌し、得られた
W/O型エマルジヨンを、添加剤を含む水相に
添加して行なわれる。 3 油相に、添加剤を含む水相を添加混合し、
W/O型エマルジヨンを転相させることにより
行なわれる。 また、油脂と水相(内水相と外水相)の量は
目的に応じて適宜の量でよいが、油脂:水=
4:1〜1:4程度がよい。 W/O/W型乳化油脂組成物の製造時における
攪拌は、ホモミキサーで例えば3000〜8000rpm程
度の強力なものが好ましい。また、ホモジナイザ
ー等の乳化機、ボテター等の攪拌装置でもよい。
また、この場合乳化を良くするためにそれぞれ50
〜80℃に加温しておいてもよい。 ここに得られるエマルジヨンを顕微鏡下600倍
程度で観察すると、外水相中の油滴の中に1〜6
個の水滴がみられ、また水相中の油滴の中に大き
な水滴があり、更にその中に1〜7個の油滴がみ
られるなど複雑多種なエマルジヨンを形成してい
るのがわかる。 このようにして、W/O/W型乳化油脂組成物
が作られるが、その粉末製品としては、ここに得
られるW/O/W型乳化油脂組成物を乾燥すれば
よい。乾燥としては、熱風乾燥、凍結乾燥、噴霧
乾燥、ドラム乾燥などいずれの乾燥方法をも採用
することができる。 乾燥によつて、外水相の水分は蒸発し、外水相
に添加された物質は油相を被覆して被膜を形成す
る。また、乾燥によつても、乾燥皮膜内のW/O
型が破壊されることはない。 得られた粉末製品は、水にもどして使用しても
よく、また、そのまま直接粉末原料として配合し
てもよい。 W/O/W型乳化油脂組成物(粉末製品は乾燥
前の組成物として)はチヨコレート原料中適宜の
有効量添加されるが、好ましくは1〜20重量%、
より好ましくは8〜15重量%添加される。 チヨコレートの製造においては、まず、カカオ
マス、カカオバター及びレシチンを混合し、50℃
程度に加温して溶解し、これに、砂糖、脱脂粉乳
等とともにW/O/W型乳化油脂組成物またはそ
の粉末製品を添加して、ローラーで微細化を行
い、精練、脱泡、テンパリングを行い、ついで成
型して製造するのがよい。 得られたチヨコレートは、食したときの口どけ
がよく、口あたりがなめらかで、また、後味にこ
くを感じるようになる。 次に本発明の試験例及び実施例を示す。 試験例 1 バターオイル3840gにポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステル80g及びグリセリンモノオレ
イン酸エステル80gを加え、70℃に加温、保持
し、これをホモミキサーで高速攪拌(104rpm)
しながら脱脂粉乳100gを水900gに溶解した水相
を加えてW/O型乳化油脂組成物を得た。 次にこれを70℃に保持したまま、ナトリウムカ
ゼイネート200g、脱脂粉乳600gを溶かして70℃
に加温しておいた水4200gの中に入れ、ホモミキ
サーで低速攪拌(103rpm)した後、ホモゲナイ
ザーで70Kg/cm2で均質化し、W/O/W型乳化油
脂組成物を得た。 これをサンプルAとした。 一方バターオイル3840gにソルビタンモノステ
アリン酸エステル160gを加え、サンプルAを調
製した時と同じ方法でW/O/W型乳化油脂組成
物を得た。 これをサンプルBとした。 サンプルAとサンプルBのW/O/W型エマル
ジヨンの生成率を顕微鏡で調べたところサンプル
Aの生成率は良好であつたがサンプルBの生成率
は極めて不良であつた。 サンプルA及びサンプルBを用いて、次の表1
の配合割合でミルクチヨコレートを製造した。 表 1 カカオマス 2.2(Kg) 砂糖(粉糖) 4.0 カカオバター 1.7 サンプルA(あるいはB) 1.4 脱脂粉乳 1.4 レシチン 0.03 まず、カカオマス、カカオバター及びレシチン
を混合し、50℃に加温して溶解し、これに砂糖、
脱脂粉乳とともに50℃に加温しておいたサンプル
A(又はB)を添加、混合溶解し、30〜40℃でロ
ーラーで微粒化し、次いでコンチングマシン(ロ
ンジチユージナルコンチ)を用いて50℃で脱水、
精練し、脱泡し、テンパリングマシン(テンパリ
ングマシンSTM)によつて25〜27℃でテンパリ
ングし、更に29〜30℃でテンパリングを行い、次
いで型に入れ、16〜17℃で冷却成型し、ミルクチ
ヨコレートを得た。 得られた2種類のミルクチヨコレートについて
比較したところ、硬さには差がないにもかかわら
ず、食べたときの口の中でのなめらかさ、口とけ
のシヤープさ、後味のこく、の点でサンプルAを
使つたものの方が優れていた。 試験例 2 バターオイル3510gにポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステル45g及びソルビタンモノオレ
イン酸エステル45gを加え、70℃に加温、保持
し、これをホモミキサーで高速攪拌(104rpm)
しながら、脱脂粉乳90gを水810gに溶解した水
相を加えて、W/O型乳化油脂組成物を得た。 次にこれを70℃に保持したまま、ナトリウムカ
ゼイネート300g、脱脂粉乳3500gを溶かして70
℃に加温しておいた水11700gの中に入れ、ホモ
ミキサーで低速攪拌(103rpm、5分間)した後、
ホモゲナイザーで均質化(50Kg/cm2)を行ない、
W/O/W型乳化油脂組成物を得た。 このW/O/W型乳化油脂組成物を入口温度
120℃、出口温度75℃で熱風噴霧乾燥して、粉末
製品を得た。 これをサンプルCとした。 一方バターオイル3510gにソルビタンモノステ
アリン酸エステル90gを加え、サンプルCを調製
した時と同じ方法で粉末状サンプルを得た。 これをサンプルDとした。 サンプルCとサンプルDをそれぞれ水に溶解し
て、復元したW/O/W型エマルジヨンの生成率
を顕微鏡で調べたところサンプルCの生成率は良
好だつたが、サンプルDの生成率は極めて不良で
あつた。 サンプルC及びサンプルDをそのまま用いて、
次の表2の配合割合で試験例1と同様にしてミル
クチヨコレートを製造した。 表 2 カカオマス 2.2(Kg) 砂糖(粉糖) 4.0 カカオバター 1.7 サンプルC(あるいはD) 1.2 脱脂粉乳 1.0 レシチン 0.03 得られた2種類のミルクチヨコレートにおい
て、サンプルBを使用したものに比較してサンプ
ルAを使用したものの方が、口あたりがなめらか
であり、口とけがシヤープであり、後味にもこく
があつた。 実施例 1 シア分別油及びパーム分別油の3:7(重量比)
の混合油3510gにポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル45g及びグリセリンモノシエルシン
酸エステル45gを加え、70℃に加温保持し、これ
をホモミキサーで高速攪拌(104rpm)しながら、
70℃の水900gを加えてW/O型乳化油脂組成物
を得た。 次にこれを70℃に保持したまま、ナトリウムカ
ゼイネート400g、蔗糖3200gを溶かして70℃に
加温しておいた水11900gの中に入れ、ホモミキ
サーを用いて低速攪拌(103rpm5分間)した後、
ホモゲナイザーで均質化(50Kg/cm2)を行ない、
W/O/W型乳化油脂組成物を得た。 このW/O/W型乳化油脂組成物を入口温度
120℃、出口温度75℃で熱風噴霧乾燥して、粉末
製品を得た。 実施例 2 実施例1で調製した粉末を用いて表3の配合で
スイートチヨコレートを製造した。 表 3 カカオマス 5.0(Kg) 砂糖(粉糖) 4.0 W/O/W型乳化油脂組成物の粉末製品 1.0 レシチン 0.03 カカオマスとレシチンを混合して、50℃で加温
溶解し、これに砂糖及びW/O/W型乳化油脂組
成物の粉末製品を添加し、30〜40℃でローラーで
微粒化し、60℃に加温し、精練し、脱泡し、次い
でコンチングマシン(ロンジチユージナルコン
チ)を用いて50℃で脱水、精練し、脱泡し、テン
パリングマシン(テンパリングマシンSTM)に
よつて25〜27℃でテンパリングし、更に29〜30℃
でテンパリングを行い、次いで型に入れ、16〜17
℃で冷却成型し、スイートチヨコレートを得た。 ここで調製したスイートチヨコレートは、通常
のものに比較して口あたりがなめらかであり、口
とけが良く、後味にも「こく」があつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 チヨコレートの製造に際し、W/O/W型乳
    化油脂組成物、またはその粉末製品を使用するこ
    とを特徴とするチヨコレートの製造法。 2 W/O/W型乳化油脂組成物が、乳化剤とし
    てグリセリン不飽和脂肪酸エステル及び/又は親
    油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用して乳
    化されたものである特許請求の範囲第1項記載の
    製造法。 3 W/O/W型乳化油脂組成物の製造が、水又
    は水相に油相を添加混合し、O/W型エマルジヨ
    ンを形成させ、撹拌することによつて転相させて
    得られたW/O型エマルジヨンを、添加剤を含む
    水相に添加して行なわれることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の製造法。 4 W/O/W型乳化油脂組成物の製造が、水又
    は水相を油相に添加、撹拌し、得られたW/O型
    エマルジヨンを、添加剤に含む水相に添加して行
    なわれることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の製造法。 5 W/O/W型乳化油脂組成物の製造が、油相
    に、添加剤を含む水相を添加混合し、W/O型エ
    マルジヨンを転相させることにより行なわれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。 6 グリセリン不飽和脂肪酸エステルが、モノエ
    ルシン、ジエルシン、モノリノレイン、ジリノレ
    イン、の一種もしくは二種以上であることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載の製造法。 7 W/O/W型乳化油脂組成物の外水相に添加
    剤として脱脂乳、ナトリウムカゼイネート、カゼ
    イン分解物、大豆たんぱく質、大豆たんぱく質の
    分解物、ゼラチン、糖たんぱく質などのたんぱく
    質または複合たんぱく質、澱粉、デキストリン、
    ガム質などの高分子多糖類、ステロール類及び親
    水性のポリグリセリン脂肪酸エステル、シヨガー
    エステル、レシチンなどのりん脂質のような親水
    性乳化剤のうち一種もしくは二種以上が含有せし
    められたものである特許請求の範囲第1〜5項の
    いずれかに記載の製造法。
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