JPH0242022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 イ−１ 産業上の利用分野 本考案は絶縁電線を上下から挟持し、そして備
え付けの締付ボルトを締め付けて取付接続するよ
うにしたクランプ形端子に関する。更に詳しく云
えば端子に備えられた針電極の改良構造に関する
ものである。

イ−２ 従来技術 近年、高圧配電線路においては耐雷対策の一つ
として高圧引下線を碍子型アレスターによつて支
持することが行なわれている。

これは幹線より分岐して変圧器の高圧側ブツシン
グに接続する高圧引下線を腕金に取り付けた碍子
型アレスターによつてその途中を一旦支持するよ
うにしたもので、この場合、高圧引下線は中空状
の碍子本対内に収納した特性要素と直列ギヤツプ
とに接続する碍子本対の上部に備えた上部端子に
よつて機械的並びに電気的に接続されるようにな
つている。そして、このように取付支持した碍子
型アレスターにより高圧引下線を経て変圧器に侵
入しようとする雷サージを碍子型アレスターの上
部端子−直列ギヤツプ−特性要素−取付金具−腕
金を介して大地へ逃がし、変圧器を雷サージの絶
縁破壊から護るようにしている。

イ−３ 本考案が解決しようとする問題点 ところで、上記の碍子型アレスターの上部端子
は次のような問題点がある。

即ち、上部端子は、絶縁電線を上下から挟持す
るようにした受金具と押え金具の２つの金具から
なり、これら両金具を備え付けの締付ボルトによ
つて締め付けて取付接続する云わゆるクランプ形
端子になつている。

そして同端子には締付（取付）時、該電線の絶縁
被覆を突き破つて芯線に接触するステンレス性ビ
スからなる針電極が備えられている該電極は先端
を針形状に切削加工しなければならないこと、取
付側の金具もネジ加工が必要であること等特に複
数の針電極を備えようとする場合には加工に手間
がかゝる上に値段も高くなると云う問題があつ
た。

ロ 考案の構成 ロ−１ 問題を解決するための手段 本考案はこれらの問題点を解決しようとするも
のである。

つまり、絶縁電線をその上下から受金具と押え
金具とによつて挟持しさらに備え付けの締付ボル
トによつて両金具を締付けて該絶縁電線を取付し
さらに上記両金具の一方ないしは両方には上記締
付ボルトの締付時に該絶縁電線の絶縁被覆を突き
破つて芯線に接触するようにした針電極を備えた
クランプ形端子において、上記針電極が、二辺を
打ち抜くと共に残りの一辺の底辺を基点にしてそ
の尖状の先端が上方に直立するように折り曲げら
れた三角形の針電極部からなり而も該針電極部が
を複数かつじくざぐに形成されておりさらには中
央の該針電極部の両端に形成した係止部が受金具
ないしは押え金具に対し折曲げ係止されて取り付
けられた電極板からなることを特徴とするクラン
プ形端子を提案するものである。

ロ−２ 作用 両端の係止部と中央の針電極部とからなる電極
板が打ち抜きによつて作られ、そしてそのうちの
針電極部は打ち抜かれた部分を尖状の先端が上方
へ突出するように折り曲げて直立させるだけのた
め、針電極部が複雑かつじくざぐに配置されてい
ても簡単に設けることができる。

また、同電極板には両端の係止部を受金具あるい
は押え金具に折り曲げ係止して取り付けるため取
付が簡単となる。

ハ 実施例 以下、本考案の実施例について、第１図乃至第
４図に基づいて説明する。

第１図は碍子型アレスターに応用した場合を示す
もので、 図中１は碍子型アレスター、２は中空状の碍子
本体、３は本体２ａ内に収納した１対の放電電極
４，５と絶縁スペーサ６とからなる直列ギヤツプ
装置、Ｇは放電ギヤツプ、７は同じく酸化亜鉛
（ZnO）等を主成分とする電圧非直線性を有する
特性要素、８は上部補助接触金具９と放電電極４
間に介在した中継金具、１０は吸湿剤、１１は本
体碍子の上部の貫通孔２ｂに対しその鍔部１１ｃ
が本体外面２ｃに接するようにして差し込まれ、
その差し込まれた本体内のネジ部１１ｂにナツト
１２を螺合して締付固定した鍔付の端子ボルト、
９は上記したリング状の上部接触補助金具、１３
はパツキン、１４はワツシヤー、を示す。

また、１５は鍔部１１ａと本体外面２ｃ間に介
在するようにして鍔部の下面の凹部１１ｃに収納
したＯリング、１６は端子ボルトの上部のネジ部
１１ｄに螺着した上部キヤツプ金具であり、螺着
後セメント等の接着材１７によつて本体外面２ｃ
に固着される。

１８は上部キヤツプ金具１６の内面と鍔部１１ａ
の外面間に介在するパツキン、１９は中央の支持
部１９ａを上方へ突出させさらに両側の止着部１
９ｂを水平に延出した支持金具であり、両端の止
着部１９ｂが上部キヤツプ金具１６の中央に鋲２
０着されている。

なお、この鋲２０着は上部キヤツプ金具１６の
本体外面２ｃへの固着に先立つて行なわれる。

２１は絶縁電線２２が嵌まるようにようにした凹
状の電線支承部２１ａと側方へ延出しかつボルト
用ネジ穴２１ｂを備えた取付部２１ｃとからなる
受金具であり、上記支持金具１９の支持部１９に
鋲２３着されている。

２４は両端の係止部２４ａを巾狭く形成し、か
つ若干巾広に形成した中央の針電極部２４ｂを複
数かつじぐざぐに形成したステンレス等からなる
電極板であり、同板の針電極部２４ｂはその打ち
抜き加工時、先端が尖状になるように、三角形の
底辺を残して二辺が打ち抜かれかつ残つた底辺を
基点として先端２４a′が直立するように折り曲げ
て形成されるもので、両端の係止部２４ａを受金
具２１の電線支承部２１ａの両端に折曲げ係止し
ている。２５は受金具２１と共に絶縁電線２２を
その上下より挟持するようにした押え金具であ
り、絶縁電線２２が嵌まるようにした凹状の電線
押圧部２５ａと側方へ水平に突出した取付部２５
ｂとからなり両端を下方に折り曲げて補強した取
付部２５ｂにはその中央にボルト用貫通穴２５ｃ
が形成されている。２６は押え金具２５のボルト
用貫通穴２５ｃを介して受金具２１のボルト用ネ
ジ穴２１ｂに螺合した締付ボルトであり、上記の
押え金具２５と受金具２１と同締付ボルト２６と
でクランプ形端子を構成している。

なお、絶縁電線２２は両金具２１，２５の電線
支承部２１ａと電線押圧部２５ａとで上下から挟
まれさらに備え付けの締付ボルト２６によつて両
金具を締め付けて取り付けるもので、この締付
時、電線支承部２１ａに取り付けた電極板２４の
針電極部２４ｂが絶縁被覆２２ａを突き破り芯線
２２ｂに接触して電気的に接続されるようになつ
ている。２７は碍子本体２の下端開口部２ｄを気
密的に閉鎖するようにその外周に加締付けた下部
金具であり、ゴムパツキン２８を介して固着され
ている。２９は下部金具２７の外周面を覆うよう
にして碍子本体２の下部外周にセメント等の接着
材３０によつて固着した下部キヤツプ金具であ
り、上記下部金具２７とは同金具２７と下部キヤ
ツプ金具２９間に介在するコイルバネ３１によつ
て電気的に接続されている。３２は緩衝用のパツ
キン、３３は鍔状に形成した上端部３３ａをキヤ
ツプ状金具の底部外面２９ａに溶接等により一体
に固着した取付ボルトであり、同ボルトには平ワ
ツシヤー３４、スプリングワツシヤー３５および
ナツト３６がそなえられそれにより該アレスター
は電柱の腕金等に取付けることができるようにな
つている。

なお、上記説明では上部端子を碍子型アレスタ
ーに応用した場合について説明したが、一般形の
アレスターの上部端子等にも使用することがで
き、また、針電極部２４ｂを形成した電極板２４
を受金具２１側の電線支承部２１ａにではなく、
押え金具２５側の電線押圧部２５ａにも取り付け
たり、さらには両金具に取り付けたりすることも
実施可能である。

上記の構成からなるアレスターにおいては、雷
サージが侵入すれば放電ギヤツプＧにおいて放電
がおこり、それによつて雷サージは絶縁電線の芯
線２２ｂ−針電極部２４ｂ−受金具２１ないしは
押え金具２５−支持金具１９−上部キヤツプ金具
１６−端子ボルト１１−上部接触補助金具９−中
継金具８−放電電極４−放電ギヤツプＧ−コイル
バネ３７ないしは接続導板３９−下部補助接触金
具４０−特性要素７−下部金具２７−コイルバネ
３１−下部キヤツプ金具２９−取付ボルト３３を
介して腕金に流れ、同腕金を介して大地へ逃がさ
れる。

なお、同アレスターは常時は放電ギヤツプＧに
よつて絶縁されており動作しない。

ハ 考案の効果 本考案は以上のように、両端の係止部と中央の
針電極部とからなる電極板を打ち抜きして形成
し、そして針電極部はこの打ち抜いた部分を尖状
の先端が上方へ突出するように折り曲げて直立さ
せだけのため、該電極部が複数であつたり、じく
ざぐに形成しなければならない場合にも該電極部
を簡単に設けることができる。

また、同電極板は両端の係止部を受金具あるいは
押え金具に対し折り曲げ係止して取り付けるため
簡単に取り付けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクランプ形端子を碍子型アレ
スターに応用した場合の実施例を示すもので、図
面はその縦断面図、第２図は第１図のクランプ形
端子付近における拡大要部破断図、第３図は第２
図の平面図、第４図のａは電極板の平面図、ｂは
側面図である。 ２１……受金具、２２……絶縁電線、２２ａ…
…絶縁被覆、２２ｂ……芯線、２４……電極板、
２４ａ……係止部、２４ｂ……針電極部、２５…
…押え金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁電線をその上下から受金具と押え金具とに
   よつて挟持しさらに備え付けの締付ボルトによつ
   て両金具を締付けて該絶縁電線を取付しさらに上
   記両金具の一方ないしは両方には上記締付ボルト
   の締付時に該絶縁電線の絶縁被覆を突き破つて芯
   線に接触するようにした針電極を備えたクランプ
   形端子において、上記針電極が、二辺を打ち抜く
   と共に残りの一片の底辺を基点にしてその尖状の
   先端が上方に直立するように折り曲げられた三角
   形の針電極部からなり而も該針電極部が複数かつ
   じぐざぐに形成されておりさらには中央の該針電
   極部の両端に形成した係止部が受金具ないしは押
   え金具に対し折曲げ係止されて取り付けられた電
   極板からなることを特徴とするクランプ形端子。