JPH0240535Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、湿度を検出する湿度センサーに係
り、さらに詳しく言えば、その保護ケースの改良
に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、湿度センサーには通気性を有する保護
ケースが取付けられている。その保護ケースとし
ては、目の細かい金網製のものから、合成樹脂か
らなるケースの窓にシルクスクリーン状の通気膜
や最近では四弗化エチレン樹脂からなる高分子多
孔質膜を設けたものまで種々提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、実用化する観点から見るとそれ
ぞれ一長一短である。すなわち、金網製のものは
コスト的には安価であるが、水滴や埃りが通過し
たしまうし、また、錆が発生したり、外部衝撃に
よつて簡単に凹んでしまうおそれが多分にある。
これに対して、合成樹脂製ケースは、機械的強度
は十分であるが、その射出成形金型が高価である
とともに、窓に対して通気膜をケースの内側から
取付ける必要があり、作業性が悪く量産効果が期
待できないという問題がある。

したがつて、この考案の目的は、塵埃に強く、
実用的な機械的強度を有する安価な保護ケースを
備えた湿度センサーを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案において
は、感湿素子からなるセンサー部とこのセンサー
部に電気的に接続された端子ピンとを有する基板
を備え、同基板を一端に天井部を有する角筒状の
保護ケース内に収納してなる湿度センサーにおい
て、保護ケースを多孔質焼結体製とするととも
に、その側壁内面に基板の側辺に嵌合してその基
板を同ケースのほぼ中央位置に保持するガイド溝
を設け、かつ、この保護ケースの開口部を充填材
によつて封止した構成としている。

〔作用〕

上記のように、保護ケースは多孔質焼結体より
形成されているため、塵埃に強く、かつ、実用的
な機械的強度を有するとともに、合成樹脂製ケー
スに比べて生産コストを安価にすることができ
る。また、基板はこの保護ケース内においてその
ほぼ中央位置に保持されるため、組立作業性がよ
い。さらには、保護ケースの天井部と基板の頂辺
との間に、基板の表面側空間と裏面側空間とを連
通する間隙を設けることにより、方向性を余り問
題とすることなく、湿度を正確に検出することが
できる。

〔実施例〕

以下、この考案を添付図面に示された実施例を
参照しながら詳細に説明する。

この湿度センサーは感湿センサー部を有する基
板１を備えている。すなわち、この基板１の表面
には、例えばルテニウムオキサイドからなる１対
の電極４，５が形成されている。この場合、各電
極４，５には、一定の間隔をもつて短冊状に形成
され、かつ、電気的に絶縁された状態で互い違い
に噛み合うように配列された複数の枝電極４ａ
…，５ａ…がそれぞれ設けられており、これらの
枝電極上（第１図鎖線で囲まれた部分）に金属酸
化物等からなる感湿層が設けられている。なお、
上記ルテニウムオキサイドにはハンダが付着しに
くいため、この実施例においては、各電極４，５
の端部４ｂ，５ｂに例えば銀パラジウム系の導電
材料からなる所謂ハンダバンプが形成されてお
り、その部分に端子ピン７，７がハンダ付けされ
ている。この場合、各端子ピン７は、ハンダ付着
性の良好な鋼線、例えばハンダメツキ被覆鋼線、
錫メツキ被覆鋼線、ハンダメツキニツケル線、錫
メツキニツケル線、CP線と呼ばれているニツケ
ルメツキ鋼線であることが好ましい。

この考案は、上記基板１に被せられる保護ケー
ス１０を備えている。この保護ケース１０は、ポ
リプロピレンもしくはポリエチレン等を素材とす
る多孔質焼結体からなり、一端に天井部１３を有
する角筒状に形成されている。この場合、保護ケ
ース１０の側壁内面１１，１１には、上記基板１
の側辺１ａ，１ａと嵌合してその基板１をこの保
護ケース１０のほぼ中央位置に保持する保持手段
が設けられている。この実施例において、保持手
段は第３図に例示されているような凹溝１２から
なる。また、保護ケース１０の天井部１３には、
上記基板１の頂辺１ｂに当接してその天井部１の
３内面と頂辺１ｂとの間に適当な幅の間隙１４を
形成する突起１５が設けられており、その間隙１
４により、基板１の表面側空間と裏面側空間とが
互いに連通し得るように構成されている。なお、
この突起１５は基板１の頂辺１ｂ側のガタ付きを
防止する役割をも果たすが、上記凹溝１２の上端
を突起１５の突出端の高さ位置で閉塞し、基板１
をそれ以上押し込めないようにして上記間〓１４
を形成するようにしてもよく、この場合には突起
１５を省略してもよい。この保護ケース１０の開
口部は、例えば、エポキシ樹脂やシリコン樹脂等
の充填材１６により封止される。なお、この充填
材１６の保護ケース１０内への流れ込みを防止す
るため、基板１の下辺１ｃ側は、ボール紙やプリ
ント板等の遮蔽板１７にて予め塞がれるのである
が、この遮蔽板１７には端子ピン７，７の挿通孔
が設けられており、基板１の下辺１ｃ側はこの遮
蔽板１７により保護ケース１０の中央位置に保持
されるようになつている。

〔効果〕

以上説明したように、この考案においては、多
孔質焼結体により保護ケースを形成するようにし
たことにより、塵埃に強く、かつ、実用的な機械
的強度を有するとともに、従来の合成樹脂製ケー
スに比べて生産コストの安価な保護ケースが得ら
れる。また、この保護ケースの側壁内面には、基
板をケース内のほぼ中央位置に位置決めするため
のガイド的な凹溝が設けられているため、組立作
業が頗る良好である。さらには、基板１の頂辺と
保護ケースの天井部との間には基板の表面側空間
とその裏面側空間とを連通する間隙が設けられて
いるため、方向性に余り左右されることなく湿度
を正確に検出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示した縦断面
図、第２図は第１図における−線断面図、第
３図は保護ケースの一部断面斜視図である。 図中、１は基板、７は端子ピン、１０は保護ケ
ース、１１は側壁内面、１２は凹溝、１３は天井
部、１４は間隙、１５は突起、１６は充填材、１
７は遮蔽板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 感湿素子からなるセンサー部と該センサー部
   に電気的に接続された端子ピンとを有する基板
   を備え、該基板を一端に天井部を有する角筒状
   の保護ケース内に収納してなる湿度センサーに
   おいて、 前記保護ケースは多孔質焼結体よりなり、そ
   の側壁内面には前記基板の側辺に嵌合してその
   基板を該ケースのほぼ中央位置に保持するガイ
   ド溝が設けられており、かつ、該保護ケースの
   開口部は充填材によつて封止されていることを
   特徴とする湿度センサー。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)において、前記保
   護ケースの天井部と前記基板の頂辺との間に
   は、前記基板の表面側空間と裏面側空間とを連
   通させる間隙が設けられていることを特徴とす
   る湿度センサー。