JPH0238711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は乾燥の完了を布抵抗の検出によつて判
定した後、乾燥運転を更に所定時間継続させてか
ら乾燥運転を終了させるようにした乾燥機の制御
装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、回転ドラム内に一対の電極を設けこの電
極間に衣類即ち布が接触したときの布抵抗を検出
しこれにより乾燥完了を判定すると共に、乾燥完
了と判定した後も一定時間はそのまま乾燥運転を
継続する所謂補充乾燥運転をしてから運転停止行
程へ移行させるようにしていた。このように補充
乾燥運転を行なう主な理由は衣類のえり、袖口等
の厚手部分をこの補充乾燥運転に完全に乾燥させ
るためにある。

しかしながら従来はこの補充乾燥運転時間が一
定であつたため、熱風生成用ヒータの布量、布質
等によつてヒータの発熱量が大小に切換選択し得
るものにおいては、発熱量を大に選択した運転の
場合は過乾燥になり勝で且つ熱損失が大きく、逆
に発熱量を小に選択した運転の場合に乾燥不足に
なり易い問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の欠点を除去すべくなされたもの
であり、その目的は布抵抗の検出に基く乾燥完了
判定後の補充乾燥運転における乾燥度合が電気ヒ
ータの発熱量の大小の選択によつて変化すること
を防止できる乾燥機の制御装置を提供することに
ある。

〔考案の概要〕

本考案による乾燥機の制御装置は乾燥完了判定
後に行なう補充乾燥運転の運転時間を定める時限
装置の設定時間が、発熱量が大に選択された場合
短くなるように発熱量選択スイツチに連動し若し
くはヒータ総電流の検出に基いて自動的に決定さ
れるようにしたものである。

〔考案の実施例〕 以下本考案の一実施例において図面を参照しな
がら説明する。第１図において、１は外箱２内に
回転自在に支持された衣類乾燥室をなす回転ドラ
ムであり、モータ３により回転駆動されることに
よつて内部の被乾燥物である衣類を上下に攪拌す
るようになつている。また、前記モータ３によつ
て送風装置としてのフアン４も回転され、外気を
適宜の部分に配置された第１及び第２の電気ヒー
タ５，６を介して回転ドラム内に熱風化しつつ吸
入しこれを衣類に接触させながら矢印７にて示す
ように機外に排出するようになつている。一方、
運転回路を示す第２図において、８は電源、９は
電源スイツチ、１０は制御部である。この制御部
１０は第３図に示すように構成されている。この
第３図において、１１は布抵抗検出回路で前記回
転ドラム１内で攪拌中の布と接触するように設け
た一対の電極１２ａ，１２ｂとバツフアアンプ１
３と抵抗１４とから成る。１５は乾燥完了判定回
路で、基準値V₀を設定する抵抗１６ａ及び可変
抵抗１６ｂと比較器１７とからなる。１８は時限
装置で、夫々異なる時限長を設定する設定入力端
子t₁及びt₂を有し設定時限の経過時にリレー１９
を動作させるようになつている。また、２０は発
熱量切換スイツチであり、手動操作部材２０ａに
より選択的に開閉される第１のスイツチ要素２１
ａ、第２のスイツチ要素２１ｂ及び第３のスイツ
チ要素２２を有し、第１選択位置では第１のスイ
ツチ要素２１ａが閉成すると共に第３のスイツチ
要素２２が接点ａ側に切換わる図示の状態にな
り、また第２の選択位置では第１及び第２のスイ
ツチ要素２１ａ，２１ｂが同時に閉成すると共に
第３のスイツチ要素２２が接点ｂ側に切換るよう
になつている。そしてこのうち、第１のスイツチ
要素２１ａは第１の電気ヒータ５と直列に、第２
のスイツチ要素２１ｂは電気ヒータ６と直列に、
また、第３のスイツチ要素２２は比較器１６の出
力ライン２３を時限装置１８の設定入力端子t₁と
t₂とに選択接続するように設けている。また前記
リレー１９のリレー接点１９ａ及び１９ｂは夫々
電気ヒータ５，６の共通電路及びモータ３に直列
に設けている。

次に上記構成の作用について説明するに、今、
発熱量切換スイツチ２０が第１の選択位置に設定
されこれにより各スイツチ要素２１ａ，２１ｂ，
２２が図示の開閉状態にあつて、乾燥運転が行な
われているものとする。従つて回転ドラム１及び
フアン４がモータ３により駆動され且つ第１の電
気ヒータ５が発熱している。この状態で回転ドラ
ム１内の被乾燥物は回転による攪拌運動をしなが
ら一対の電極１２ａ，１２ｂ間に間欠的に接触
し、このとき布抵抗検出回路１１の検出端子t₃に
は被乾燥物が乾くほど即ち布抵抗が大きいほど低
い値の電圧パルスが発生しこれがバツフアアンプ
１３により増幅されて布抵抗信号V₁として出力
される。この布抵抗信号V₁は比較器１７におい
て基準値V₀と比較されV₁＜V₀になるとこの比較
器１７の出力ライン２３に乾燥完了判定信号V₂
が出力される。そしてこの乾燥完了信号V₂は第
３のスイツチ要素２２の接点ａ側を通り時限装置
１８の設定入力端子T₂に与えられ、ここで時限
装置１８は時限T₂に設定される。従つて比較器
１７から乾燥完了信号V₂が発生してから時限T₂
遅れてリレー１９が動作されリレー接点１９ａ，
１９ｂをオフし、モータ３及び電気ヒータ５を断
電させる。これに対して、手動操作部材２０ａに
より発熱量切換スイツチ２０を第２の選択位置に
設定した場合は、スイツチ要素２１ａ，２１ｂが
閉成し、及びスイツチ要素２２が接点ｂ側に切換
つた状態で乾燥運転が行なわれる。従つてこの場
合は、比較器１７から乾燥完了信号V₂が出力さ
れるとこれが時限装置１８の設定入力端子T₁に
入力されるのでT₂よりも短い時限T₁に設定され
る。この時限T₁が経過するとリレー１９が動作
されリレー接点１９ａ，１９ｂがオフされてモー
タ３並びに両電気ヒータ５，６が断電される。こ
こで前記乾燥完了信号V₂が発生してから時限装
置１８における設定時間T₁またはT₂の経過時刻
までになされる延長乾燥運転が即ち補充乾燥運転
であり、この補充乾燥運転は第１の電気ヒータ５
のみ選択した小発熱量の乾燥運転では時限T₂と
長く、また第１、第２の電気ヒータ５，６を選択
した大発熱量の乾燥運転状態では時限T₁と短い。
従つて部分的未乾燥部分の完全乾燥を目的に行な
う補充乾燥運転において、その運転時間を電気ヒ
ータの発熱量が大きいほど短い時間になるように
時限装置１８を自動的に制御しているので、未乾
燥部分の乾燥過不足を防止でき、また過乾燥を防
止できることから熱損失も軽減できる。

尚、本考案は上記実施例のみに限定されるもの
ではなく、例えば補充乾燥運転の終了に続いて電
気ヒータを断電させモータ３のみ駆動して通常の
冷風運転を行なうようにしてもよいし、また、電
気ヒータの総電流量を検出し、これにより時限装
置に対する設定時限値を決定するようにしてもよ
いことは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べたように、布抵抗の検出に基
く乾燥完了判定後の補充乾燥運転における乾燥度
合が電気ヒータの発熱量の大小の選択によつて変
化することを防止できる乾燥機の制御装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は乾燥機本体の概略的断面図、第２図は運転回路
の結線図、第３図は制御部の結線図である。 図中、１は回転ドラム、３はモータ、４はフア
ン（送風装置）、５，６は電気ヒータ、１０は制
御部、１１は布抵抗検出回路、１５は乾燥完了判
定回路、１８は時限装置、２０は発熱量切換スイ
ツチである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱量を大小に選択し得る電気ヒータと、この
   電気ヒータにより生成された熱風を回転ドラム内
   に供給する送風装置と、前記回転ドラム内で攪拌
   運動する布の抵抗を検出する布抵抗検出回路と、
   この布抵抗検出回路からの布抵抗信号を受けて乾
   燥完了を判定する乾燥完了判定回路と、この乾燥
   完了判定回路からの乾燥完了判定信号により時限
   が設定されその設定時限が経過するまで乾燥運動
   を更に続けさせる時限装置とから成り、この時限
   装置はその設定時間が前記電気ヒータの発熱量が
   大に選択されている場合短くなるように自動的に
   決定されるようになつていることを特徴とする乾
   燥機の制御装置。