JPH0238506B2 - Fukushakinoyoshikyokyusochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は主として両面複写機に用いる用紙供
給装置に関し、片面の複写が完了して待機状態に
ある用紙を確実に再送できるようにした複写機の
用紙供給装置に係る。

従来用紙の両面に複写可能な複写機において
は、片面の複写を完了した用紙を複写機内に待機
させ、次の複写工程でこの用紙を再び供給して複
写を行い、両面の複写が完了した後複写機外へ排
出するようになつており、複写機内には例えば第
１図イに示すような用紙の供給装置が具えられて
いる。この供給装置では片面の複写が完了した用
紙ａが入口に達すると、ピンチローラｂがフイー
ドローラｃより離間して用紙ａの進入を容易と
し、これによつて用紙ａの先端は大径なフイード
ローラｄとこれに圧接されたリタードローラｅの
間に第１図ロに示すように達すると共に、この後
ピンチローラｂがフイードローラｃに圧接して用
紙ａの再送を可能としている。しかしこの構造の
用紙供給装置では、用紙ａが搬入毎にピンチロー
ラｂを上下動するため、構造が複雑で、かつ高価
である欠点があつた。

この発明はかかる欠点を除去する目的でなされ
たもので、用紙の搬入毎に上下動するピンチロー
ラや、これを駆動する機構を必要とせずに用紙の
再送が確実に行なえるようにした複写機の用紙供
給装置を簡単な構成で提供しようとするものであ
る。

以下この発明の一実施例を第２図以下に示す図
面を参照して詳述すると、図において１は図示し
ない両面複写機内に設けられたこの装置の本体
で、用紙搬入側（図の上方）に斜めに傾斜する用
紙トレイ２と、この上側に滑性可撓性シートより
なる案内シート１５を有しており、用紙トレイ２
の下端側は、ワンウエイクラツチ３ｃを介して図
示しない駆動系に接続されたフイードローラ３付
近に達している。フイードローラ３は第３図に示
すように、筒状の小径部３ａとこの小径部３ａに
間隔的に突設された複数の大径部３ｂとよりな
り、これら大径部３ｂの間に上記用紙トレイ２の
下端の一部２ａが進入していると共に、上記用紙
トレイ２の底部には用紙進入検出器１６が設けら
れている。この用紙進入検出器１６は用紙トレイ
２及び案内シート１５の間で案内されて落下して
きた最初の用紙１３の先端を検出して、上記フイ
ードローラ３を数10〜数100msec回転させるため
のもので、これによつてフイードローラ３に達し
た用紙１３の先端はフイードローラ３の周面と後
述する進入案内板１０の間をさらに奥方へ送り込
まれるようになつている。また図中４は上記フイ
ードローラ３に近接して設けられたリタードロー
ラで、筒状の小径部４ａと、この小径部４ａに軸
方向に間隔的に突設した大径部４ｂとよりなり、
大径部４ｂは上記フイードローラ３の大径部３ｂ
間に位置していて、周面の一部がこれら大径部３
ｂの間に多少突出している。さらに上記リタード
ローラ４の軸４ｃは上端側がタイバ５に揺動自在
に支承されたハウジング６の下部に回転自在に支
承されていると共に、ハウジング６の後方にはタ
イプレート７が設けられていて、このタイプレー
ト７に上記リタードローラ４をフイードローラ３
の接離方向へ位置調整する調整ねじ８と、ハウジ
ング６をフイードローラ３の離間方向へ付勢する
引張りばね９が設けられている。

一方１０は板ばねなどによつて形成された進入
案内板で、上端部がフイードローラ３の周囲をほ
ぼ半周するように設けた案内板１１の固定部１１
ａに固着されていると共に、進入案内板１０の下
端側は円弧状に彎曲され、さらに先端部がフイー
ドローラ３の各大径部３ｂ毎に分割されていて、
大径部３ｂの周面に夫々第４図に示すように圧接
されている。

また上記案内板１１の下端側にフイードローラ
３の下方を迂回された後搬送ローラ１２へ達して
おり、案内板１１により案内されてきた用紙１３
を、この搬送ローラ１２が次工程へ増速して搬出
するようになつている。なお図中１４は複写タイ
ミングに合せて用紙１３を送り出すため、用紙１
３を検出してこれを一時停止させるための用紙検
出器である。

しかしてはじめの複写工程で片面の複写が完了
した用紙１３は、用紙トレイ２の傾斜と案内シー
ト１５に案内されてこれらの間を自然落下する
際、これを用紙進入検出器１６が検出してフイー
ドローラ３の図示しない駆動系を駆動し、フイー
ドローラ３を数10〜数100msec回転させる。これ
によつて搬入力と自然落下力でフイードローラ３
の周面と進入案内板１０の間に達した用紙１３の
先端は、さらにフイードローラ３の回転によりリ
タードローラ４付近にまで達すると共に、その後
搬入された用紙１３は最初の用紙１３₁の上に第
５図に示すように次々に堆積される。次にフイー
ドローラ３がワンウエイクラツチ３ｃを介して駆
動されると、先端がリタードローラ４付近に達し
ている用紙１３₁が上側の用紙１３の自重や静電
気による吸着力に打ち勝つてフイードローラ３に
より搬送が開始されると共に、このときこの用紙
１３₁上の用紙１３₂も同時に搬送されるが、第６
図に示すようにリタードローラ４に達したところ
で、フイードローラ３と逆方向にゆつくり回転さ
れるリタードローラ４により上側の用紙１３₂が
下側の用紙１３₁より剥離されて搬送が阻止され
るため、フイードローラ３に密接する下側の用紙
１３₁のみが案内板１１に案内されて搬送され搬
送ローラ１２に達する（第７図）。搬送ローラ１
２に達した用紙１３はフイードローラ３より早い
周速で回転される搬送ローラ１２により増速され
て搬出されると共に、このときフイードローラ３
はワンウエイクラツチ３ｃが空転して搬送ローラ
１２と同速度で回転し、用紙１３の増速搬送を許
容する。用紙１３の後端がフイードローラ３を離
れると（第８図）、フイードローラ３はもとの速
度になつて、はじめの用紙１３₁の搬出により先
端がフイードローラ３周面と進入案内板１０の間
に進入された次の用紙１３₂の搬送を開始する。
次の用紙１３₂も上記と同様上側の用紙１３₃とと
もに搬送されるが、上側の用紙１３₃はリタード
ローラ４に達したところで搬送が阻止されるた
め、下側の用紙１３のみが搬送されて、用紙１３
の先端が用紙検出器１４に達したところで次の複
写タイミングに同期するまで一時停止される（第
９図）。以後上記動作を繰り返しながら、用紙ト
レイ２上の用紙１３を次々に送り出して未複写面
の複写を行うものである。

なお上記実施例では進入案内板１０の先端をフ
イードローラ３の周面に接触させる構造とした
が、第１０図に示すように先端をフイードローラ
３の大径部３ｂ間に位置させて、フイードローラ
３と非接触としても同様な効果が得られるもので
ある。また上記用紙供給装置は両面複写機に限ら
ず、通常の片面複写機等にも利用できることは勿
論である。

この発明は以上詳述したようにに、用紙の搬入
側に用紙進入検出器を設けて、この検出器で検出
した信号によりフイードローラを短時間回転させ
るようにしたことから、落下力によりフイードロ
ーラと進入案内板間に達した用紙の先端は、フイ
ードローラの回転によりさらに奥方へと咬み込ま
れるため、この用紙の上側に他の用紙の自重が加
わつたり、強い静電吸着力が作用しても用紙を確
実に搬送できるようになる。また従来のような用
紙の搬入毎に上下動するピンチローラやこれを駆
動する機構を必要としないので、構成が簡単で比
較的安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ及びロは従来の装置の説明図、第２図
はこの発明の一実施例を示す側面図、第３図はフ
イードローラ及びリタードローラの正面図、第４
図はフイードローラ及び進入案内板の斜視図、第
５図ないし第９図は作用説明図、第１０図は他の
実施例を示す説明図である。 ２は用紙トレイ、３はフイードローラ、４はリ
タードローラ、１０は進入案内板、１５は案内シ
ート、１６は用紙進入検出器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 傾斜させて設けた用紙トレイ２と案内シート
   １５の下端側に、上記用紙トレイ２上に収容され
   た用紙１３を１枚宛繰り出すフイードローラ３
   と、該フイードローラ３に近接して用紙１３の重
   送を阻止するリタードローラ４を設け、またフイ
   ードローラ３の近傍には、用紙トレイ２及び案内
   シート１５に案内されて落下する用紙１３の先端
   をフイードローラ３の周面との間で挟入する進入
   案内板１０を上記リタードローラ４より上流側に
   設けると共に、上記用紙トレイ２の近傍に、最初
   の用紙１３の進入を検出してフイードローラ３を
   短時間回転させる用紙進入検出器１６を設けてな
   る複写機の用紙供給装置。