JPH0237878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は配水の設備の分野に属し、一次側に
接続されて量水器の凍結による破裂防止のための
ドレンバルブとして利用される。

（従来の技術） 従来から量水器の一次側、すなわち水道本管か
ら建物への引込管の途中には止水栓或いは制水弁
が接続されて長期間水道水の使用を中断する場合
などに水道管理者が操作して止水している。その
量水器の取り付けレベルはメーターの指針を読み
易くするため横配管より浅くなつているので、横
配管の途上に水抜栓を使用している場合でも量水
器内の水を十分抜き取ることができず、冬期間に
量水器を凍結により破裂損傷する事故が発生して
いる。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上記事情に鑑み、水道本管から給水
を長期にわたり中断する場合などに量水器が凍結
して破裂しないよう量水器の一次側引込管に接続
して量水器内の水を排水し、凍結による破裂を防
止するためのドレンバルブの提供をその技術的課
題とする。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記課題を解決するため、バルブ本
体の垂直軸を中心とする弁体摺動筒内を弁体が昇
降して弁体摺動筒の入水口と出水口間の連通口と
排水口を開閉するバルブにおいて、入水口より上
部の弁体には弁体摺動筒に摺動して弁体摺動筒上
部への洩水止めの摺動弁座を設け、同弁座より上
部において弁体に座を突設すると共に弁体の上昇
限において上記座に対応する位置に弁体摺動筒を
貫設して吸気孔を設け、同吸気孔と出水口間をつ
ないで弁体摺動筒の外側に空室を設けた上、同室
に前記吸気孔に対してスプリングで出入目在とし
た吸気弁を設けて成るものである。

（作用） 上記構成によれば止水時にドレンバルブより吸
引された空気は横配管から吸引されて量水器より
二次側の負圧を解消し、給水栓を締め切つたまま
で量水器内の水を十分に排水することができる。

（実施例） この考案を実施例により具体的に説明すると、
第１図に示すようにこの考案のドレンバルブＡ
は、バルブ本体の垂直軸を中心とする弁体摺動部
ａと、同部内を昇降して通止排水をする弁体ｂ
と、弁体上部の弁体操作部ｃと、弁体摺動部側方
の吸気弁部ｄ、弁体摺動部下端の排水部ｅとに大
別される。弁体摺動部ａは摺動筒１の中央部には
一側に水平軸を中心として開口した入水口２を同
部ａの下部を狭めて設けた連通口３を介して他側
の出水口４に連通させ、連通口３直下の摺動筒１
底盤に排水口５を設け、摺動筒１の下端には排水
口５に連通して底箱６を取り付けて同箱に排水口
５を塞げるフロート７と排水の流出口８を設け、
入水口２より上部には連通口３と同径又は同径以
上の摺動壁９を形成し、同壁９より上部は内面を
平面六角形の筒１０として成つている。弁体ｂは
下部には連通口４に嵌入目在とした通止水弁座１
１を設け、同座１１の底面に垂下したネジ軸１２
の下端に排水弁座１３を昇降目在にかつ水密的に
係合させ、ネジ軸１２に遊嵌して上端を通止水弁
座１１に係止したスプリング１４の下端を排水弁
座１３に係止し、弁体摺動部の摺動壁９に対する
部分には同壁を摺動する弁体案内及び洩水止めの
摺動弁座１５を設け、同座１５上部には六角形の
筒１０に係合する六角形の座１６を設けて弁体ｂ
を昇降目在に案内して成つている。弁体操作部ｃ
は摺動筒１の上端にキヤツプ１７を被蓋し、同キ
ヤツプ１７にはその中心において回動自在に、か
つ止め輪１８により抜け止めされたスピンドル１
９を弁体ｂの上部中心に螺合し、六角座１６の一
部上面を斜面２０として成つている。吸気弁部ｄ
は摺動筒１の他側において出水口４と連通して六
角座１６に対向して設けられ、六角筒１０に貫設
した吸気孔２１より弁体ｂへ突出する吸気弁２２
の軸２３端を前記斜面２０へ案内し、弁体ｂが第
１図のように上昇しつくしたこきには吸気弁２２
を押圧しているスプリング２４に抗して斜面２０
が軸２３を介して吸気弁２２を押し戻し吸気孔２
１を開放するようにして成つている。なお、キヤ
ツプ１７及びスピンドル１９における２５は吸気
孔である。

上記から成るこの考案のドレンバルブＡは第２
図に示すように水道本管から量水器Ｂまでの引込
管の一次側に接続され、積雪寒冷地での長期の水
道水の不使用等に際して次のように使用される。
すなわち、スピンドル１９を回転操作して弁体ｂ
を六角筒１０と六角座１６との係合により引き上
げると、第１図のように連通口３を通止水弁座１
１で閉じ水道本管側の一次側の給水がとまり、弁
体ｂが上昇端に達する頃に排水弁座１３を押圧し
ていたスプリング１４の緩みと共に同座１３が排
水口５を開き、出水口側の二次側の水はフロート
７を下げて流出口８から量水器箱下の地中へ排水
されようとする。そのとき、吸気弁部ｄでは六角
座１６によつて吸気弁２２が吸気孔２１を開くの
で、二次側の排水による負圧によつて吸気孔２１
よりの吸気を負圧側へ吸引させて負圧を解消し、
量水器Ｂ内の水を出水口４から排水部ｅから地中
へ排水する。それにより量水器Ｂ内の凍結破裂を
防止する。その際、フロート７は排水の逆流を排
水口５を塞いて防止する。逆に通水状態にするに
は、スピンドル１９を逆操して弁体ｂを降下させ
ると、吸気弁部ｄでは六角座１６と軸２３の解離
によつて吸気弁２２が吸気孔２１を塞ぎ、排水弁
座１３はスプリング１４圧により排水口５を塞い
でから、通止水弁座１１が連通口３を開いて通水
が始まり排水口５よりの中間洩水なく給水され
る。

（考案の効果） 以上のようにこの考案によれば、二次側の給水
栓を開口するまでもなく量水器内の水を十分排水
することができるので確実に冬期間の量水器の破
損を防止できるほか、止水機能も兼備しているの
で在来の止水栓に代わつて使用できる等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るドレンバルブＡの縦断
面図、第２図はドレンバルブＡの使用状態を示す
説明図である。 図中、Ａはドレンバルブ、Ｂは量水器、ａは弁
体摺動部、ｂは弁体、ｃは弁体操作部、ｄは吸気
弁部、ｅは排水部。１は摺動筒、３は連通口、５
は排水口、９は摺動壁、１０は六角筒、１１は通
止水弁座、１３は排水弁座、１５は摺動弁座、１
６は六角座、２１は吸気孔、２２は吸気弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブ本体の垂直軸を中心とする弁体摺動筒内
   を弁体が昇降して弁体摺動筒の入水口と出水口間
   の連通口と排水口を開閉するバルブにおいて、入
   水口より上部の弁体には弁体摺動筒に摺動して弁
   体摺動筒上部への洩水止めの摺動弁座を設け、同
   弁座より上部において弁体に座を突設すると共に
   弁体の上昇限において上記座に対応する位置に弁
   体摺動筒を貫設した吸気孔を設け、同吸気孔と出
   水口間をつないで弁体摺動筒の外側に空室を設け
   た上、同室に前記吸気孔に対してスプリングで出
   入目在とした吸気弁を設けて成るドレンバルブ。