JPH0237619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のウインドシールドを透過す
る太陽光線を遮断するためのサンバイザの取付構
造に関する。

自動車の運転席の前面に設けられたウインドシ
ールドの内側の両サイドにはサンバイザが回動自
在に取り付けられている。このサンバイザは、通
常は運転席の天井面に沿つて押し上げられてお
り、太陽光線がウインドシールドを透過して直接
車内に入射してくる場合には、前記サンバイザを
下向きに回動して太陽光線を遮るようにしてい
る。

ところで、サンバイザを運転席の天井面に取り
付けるには、第１図に示すように、サンバイザ１
の窓側をピボツト２により、中央側の回転軸３を
中央線Ａに沿つて設けられた図示しない軸受部に
おいて回動自在に支持する構造としていた。そし
て、前記ピボツト２は運転席の天井面に取り付け
られたブラケツト４の先端部近傍に下向きに設け
られていた。したがつて、サンバイザ１は前記ピ
ボツト２と回転軸３とを結ぶ軸線Ｂを中心として
回動することになるが、ウインドシールド５のキ
ヤンバが強い場合には、前記ブラケツト４の取付
位置が後方にオフセツトされる。このため、前記
軸線Ｂも後方にずれ、運転席に座る乗員の頭部７
とサンバイザ１の後縁１ａとの間隔ｌは狭くな
り、乗員がサンバイザ１を回動操作するときに頭
部７にサンバイザ１が接触するという不都合があ
る。

また、車内の窓側に設けられたアシストグリツ
プ８がサンバイザ１と干渉するので、アシストグ
リツプ８を後方にオフセツトして取り付ける必要
があり、アシストグリツプ８を最適位置に設ける
ことができない。

この考案は前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、車室空間を最大限
に広くすることができ、サンバイザと乗員の頭部
との間隔を大きくすることができると共に、外観
上の美観を向上できるサンバイザの取付構造を提
供することにある。

すなわち、この考案は、ブラケツトの後端部を
ルーフパネルの前縁部に固定し、その前端部をウ
インドシールドから所定寸法離間させると共にウ
インドシールドに沿つてその上縁部より前方に延
設して前記ブラケツトの前端部とウインドシール
ドとの間に空間部を形成し、前記ブラケツトの前
端部に上端部が前記空間部に突出し、下端部がブ
ラケツトの下方に突出して前記サンバイザを枢支
するピボツトを設け、前記空間部に前記ピボツト
を上方へ付勢するばね及びこのばねを覆うカバー
とからなる支持部を設けたことにある。

以下、この考案の一実施例を第２図〜第５図に
基づいて説明するが、第１図と同一構成部分は同
一番号を付して説明を省略する。

図中、１１は自動車のルーフパネルであり、こ
の前縁部における下面には下方に突出する凸部１
２ａを有するルーフインナパネル１２が設けられ
ている。そして、このルーフインナパネル１２の
下面に天井内張り材１３が取り付けられている。
ルーフインナパネル１２には天井内張り材１３を
介してブラケツト４が設けられている。すなわ
ち、ブラケツト４はその後端部がねじ１４，１４
により固定され、前端部４ａはウインドシールド
５から所定寸法離間すると共にウインドシールド
５に沿つてその上縁部６より前方に延設してい
る。そして、このブラケツト４の前端部４ａとウ
インドシールド５との間に空間部５ａが形成され
ている。

前記ブラケツト４の前端部４ａには上下に貫通
する貫通穴４ｃが穿設され、この貫通穴４ｃには
ピボツト２が上下動自在に挿入されている。ピボ
ツト２の上端部はブラケツト４の上方の空間部５
ａに突出しており、このピボツト２の上端部には
これを上方へ付勢するばね１５が巻回され、この
ばね１５はピボツト２の上端部と共にカバー１６
により覆われ、ピボツト２の支持部１６ａを構成
している。つまり、この支持部１６ａはブラケツ
ト４の上方の空間部５ａ内の隠れた位置に配設さ
れている。ピボツト２の下端部はＬ字状に折曲さ
れて枢支部２ａが形成されている。

前記枢支部２ａはサンバイザ１の窓側端面１ｂ
に設けられた支持穴１ｃに挿入され、中央側端面
１ｄに突設された回転軸３は中央線Ａのルーフイ
ンナパネル１２に設けられた軸受部１７に支持さ
れている。したがつて、サンバイザ１の軸線Ｂ１
を従来の軸線Ｂよりも前方に位置させることがで
き、この結果、車室空間を最大限に広くとること
ができると共に、サンバイザ１と乗員の頭部７と
の間の間隔Ｌを大きくすることができる。

このように構成されたサンバイザ１の取付け構
造によれば、第４図に実線で示すように、サンバ
イザ１は天井内張り材１３に沿つて引き上げた時
にはばね１５の付勢力によつてピボツト２が引き
上げられているために、サンバイザ１は天井内張
り材１３に密接状態に保持される。サンバイザ１
の軸線Ｂ１を中心として２点鎖線で示すように回
動させると、ウインドシールド５から入射する太
陽光線を遮ることができる。

以上説明したように、この考案によれば、ブラ
ケツトの前端部をウインドシールドから所定寸法
離間させると共にウインドシールドに沿つてその
上縁部より前方に延設して前記ブラケツトの前端
部とウインドシールドとの間に空間部を形成し、
ブラケツトにサンバイザを枢支するピボツトを設
け、前記空間部に前記ピボツトを上方へ付勢する
ばね及びこのばねを覆うカバーとからなる支持部
を設けたことを特徴とする。

したがつて、サンバイザの軸線を従来よりも前
方に位置させることができ、この結果、車室空間
を最大限に広くとることができると共に、サンバ
イザと乗員の頭部との間隔を大きくすることがで
きる。このため、乗員に圧迫感を与える事もな
く、またアシストグリツプを最適位置に取り付け
ることができる。さらに、ピボツトの支持部を空
間部に納まつて隠れた位置に設置され、ルーフイ
ンナパネルや天井内張り材に支持部を納める開口
を設ける必要がなく、外観的美観を向上できると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサンバイザの取付け状態を示す
平面図、第２図〜第５図はこの考案の一実施例を
示すもので、第２図は平面図、第３図はウインド
シールド、ブラケツトおよびサンバイザの関係を
示す斜視図、第４図は第３図の−線に沿う縦
断側面図、第５図はピボツトとサンバイザの関係
を示す斜視図である。 １……サンバイザ、２……ピボツト、４……ブ
ラケツト、４ａ……前端部、５……ウインドシー
ルト、５ａ……空間部、６……上縁部、１１……
ルーフパネル、１５……ばね、１６……カバー、
１６ａ……支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネルの前縁部にウインドシールドの上
   縁部を固定すると共に、前記ルーフパネルの前縁
   部に設けられたブラケツトに下方に突出するピボ
   ツトを設け、このピボツトにサンバイザを回動自
   在に枢支したサンバイザの取付構造において、前
   記ブラケツトの後端部を前記ルーフパネルの前縁
   部に固定し、その前端部を前記ウインドシールド
   から所定寸法離間させると共にウインドシールド
   に沿つてその上縁部より前方に延設して前記ブラ
   ケツトの前端部とウインドシールドとの間の空間
   部を形成し、前記ブラケツトの前端部に上端部が
   前記空間部に突出し、下端部がブラケツトの下方
   に突出して前記サンバイザを枢支するピボツトを
   設け、前記空間部に前記ピボツトを上方へ付勢す
   るばね及びこのばねを覆うカバーとからなる支持
   部を設けたことを特徴とするサンバイザの取付構
   造。