JPS6242857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両用ピラーガーニツシユに係
り、更に詳しくはフロントウインドガラスとフロ
ントピラーガーニツシユとインストルメントパネ
ルとの三者が組み合つている部分を対象とした車
両用ピラーガーニツシユに関する。

従来の車両用ピラーガーニツシユとしては、例
えば、第１図〜第４図に示すようなものがある。

第１図において、符号１は自動車のフロントウ
インドガラス、２はドアガラス、３はインストル
メントパネル、４はフロントピラーガーニツシユ
である。

フロントピラーガーニツシユ４は第２図に示す
ようにフロントピラーインナ５にビス６で固定さ
れている。７はフロントピラーアウタで、フロン
トピラーアウタ７のフロントウインドガラス１側
フランジ７ａにはフロントウインドガラス１の周
縁の一部が接着剤８で固定されている。フロント
ピラーアウタ７のドアガラス２側フランジ７ｂに
はリテイナ９が溶接で固定されており、リテイナ
９にウエザーストリツプ１０が保持されている。
ウエザーストリツプ１０にはドアガラス２の周縁
が嵌合させられている。１２はフロントウインド
ガラス１とフロントウインドガラス１側フランジ
７ａとの間に介装されるダムラバー、１３はモー
ルである。

第４図において、１５はダツシユアツパーパネ
ル、１６はカウルトツプパネルで、カウルトツプ
パネル１６のフランジ１６ａにはフロントウイン
ドガラス１の周縁の一部が接着剤８で固定されて
いる。

フロントピラーインナ５に固定されるフロント
ピラーガーニツシユ４は細長板状のガーニツシユ
本体４ａの長手方向に直交する方向の一側に折曲
縁部４ｂを延在させ、ガーニツシユ本体４ａの他
側に途中で折曲部分４c₁が設けられた折曲縁部４
ｃを延在させて形成されている。

このフロントピラーガーニツシユ４のガーニツ
シユ本体４ａがフロントピラーインナ５にビス６
で固定されたとき、ガーニツシユ本体４ａの一側
に延在させられた折曲縁部４ｂはドアガラス２側
に位置させられ、ガーニツシユ本体４ａの他側に
延在させられた途中に折曲部分４c₁を有する折曲
縁部４ｃはフロントウインドガラス１側に位置さ
せられている。

また、インストルメントパネル３の側部は、フ
ロントピラーインナ５に固定されるフロントピラ
ーガーニツシユ４のガーニツシユ本体４ａの表面
に当接させて組付け可能とするためにその途中か
らフロントウインドガラス１側にいくに従い次第
に横幅が小さくなるよう傾斜をもたせて形成され
ている。従つて、フロントピラーインナ５にフロ
ントピラーガーニツシユ４が固定されたとき、そ
のガーニツシユ本体４ａの表面がインストルメン
トパネル３の側部と当接させられて隙間を生ぜ
ず、見栄えが良いものとなつている。

更に、フロントピラーインナ５にフロントピラ
ーガーニツシユ４が固定されたとき、途中に折曲
部分４c₁を有する折曲縁部４ｃはフロントウイン
ドガラス１側に位置させられてフロントピラーイ
ンナ５のフランジ５ａを遮蔽し、車内からダムラ
バー１２が見えず見栄えが良いものとなつてい
る。

しかしながら、このような従来の車両用ピラー
ガーニツシユにあつては、ガーニツシユ本体４ａ
の他側に延在させられてフロントウインドガラス
１側に位置させられる折曲縁部４ｃはフロントピ
ラーインナ５のフランジ５ａを遮蔽させるための
折曲部分４c₁を途中に有し、また、インストルメ
ントパネル３の側部の形状も他の部材の取付具合
等を考慮しているために複雑な形状にすることが
できず、そのため、フロントピラーインナ５にフ
ロントピラーガーニツシユ４が固定されたとき、
ガーニツシユ本体４ａの表面とインストルメント
パネル３の側部との間に隙間を生じさせることは
ないが、フロントガラス１側に位置させられる折
曲縁部４ｃとインストルメントパネル３の側部と
の間にはガーニツシユ本体４ａに対して折曲縁部
４ｃが折り曲げられている分だけ隙間Ｓを生じさ
せ、車外からその隙間Ｓが見えて見栄えが良くな
いという問題点があつた。

また、フロントピラーインナ５にフロントピラ
ーガーニツシユ４を固定するときに、フロントピ
ラーガーニツシユ４の取付位置を目で確めながら
ビス６で固定していたため、フロントピラーガー
ニツシユ４の取付作業に手間が掛かるという問題
点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、車両用ピラーガーニツシユの
構成をフロントピラーに固定される細長板状のガ
ーニツシユ本体と、該ガーニツシユ本体の一側部
から延在させられ、ドアガラス側に位置する折曲
縁部と該ガーニツシユ本体の他側部から延在させ
られ、フロントウインドガラス側に位置する折曲
縁部とからなり、前記ガーニツシユ本体の下端部
がインストルメントパネルと接する車両用ピラー
ガーニツシユにおいて、前記フロントウインドガ
ラス側に位置する折曲縁部の下端には前記ガーニ
ツシユ本体のインストルメントパネルの上面位置
での表面の延長上まで延出し、インストルメント
パネルに接する張り出し部が延在させられ、該張
り出し部の下方に延びる端縁にはフロントウイン
ドオープニングのフランジに形成された係止部に
係合する被係止部が形成されており、係止部と被
係止部とは一方がフランジのとき他方が切欠溝か
段部であるようにすることにより、上記問題点を
解決することを目的としている。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第５図及び第６図はこの考案の第１実施例を示
す図である。

図において、従来例と同一ないし均等な部位又
は部材には同一符号を付して重複した説明を省略
する。

図中、２４はフロントピラーインナ５に固定さ
れるフロントピラーガーニツシユであり、フロン
トピラーガーニツシユ２４は細長板状のガーニツ
シユ本体２４ａの長手方向と直交する方向の一側
に折曲縁部２４ｂを延在させ、ガーニツシユ本体
２４ａの他側に途中で折曲部分２４c₁が設けられ
た折曲縁部２４ｃを延在させて形成されている。
フロントピラーガーニツシユ２４のインストルメ
ントパネル３側である下方側端部でガーニツシユ
本体２４ａと折曲部分２４c₁との間の折曲縁部２
４ｃの端縁にはガーニツシユ本体２４ａのインス
トルメントパネル３の上面位置での表面の延長上
まで略水平に延出し、インストルメントパネル３
に接する張り出し部２４ｄが延在させられてい
る。また、フロントピラーガーニツシユ２４の下
方側縁部にはインストルメントパネル３で隠れ、
張り出し部２４ｄの下方に延びる端縁とも連設す
る垂下部２４ｅが延在させられている。垂下部２
４ｅの端縁で張り出し部２４ｄの下方位置に半円
状の切欠溝２４ｆが形成されている。この切欠溝
２４ｆはフロントウインドオープニングの一部を
構成するダツシユアツパーパネル１５とカウルト
ツプパネル１６との接合されたフランジ１５ａ，
１６ａと、フロントピラーインナ５とフロントピ
ラーアウタ７との接合されたフランジ５ａ，７ａ
との境界部分Ｐの近傍に係合させられるものであ
る。従つて、この実施例ではフロントオープニン
グのフランジ自体が係止部とされ、垂下部２４ｅ
に形成された切欠溝２４ｆが係止部に係合させら
れる被係止部として構成されている。２６はフロ
ントウインドガラス１の周縁部車室側に塗装によ
り形成された黒塗部で、接着剤８やダムラバー１
２を車外から遮蔽するものである（第６図参
照）。

次に作用を説明する。

フロントピラーインナ５にフロントピラーガー
ニツシユ２４を取り付ける場合、まずフロントピ
ラーガーニツシユ２４の下方側端部に延在させら
れた垂下部２４ｅに形成されている切欠溝２４ｆ
を、フロントウインドオープニングの一部を構成
するダツシユアツパーパネル１５とカウルトツプ
パネル１６の接合されたフランジ１５ａ，１６ａ
とフロントピラーインナ５とフロントピラーアウ
タ７との接合されたフランジ５ａ，７ａとの境界
部分Ｐ近傍のフランジに係合させてフロントピラ
ーガーニツシユ２４の位置決めを行なう。このと
き、垂下部２４ｅの端縁で折曲部分２４c₁から折
曲縁部２４ｃの側縁に向う部分はフランジとフロ
ントウインドガラス１との間に位置させられてい
る。

そこで、位置決めされたフロントピラーガーニ
ツシユ２４のガーニツシユ本体２４ａをフロント
ピラーインナ５にビス６で固定することにより、
フロントピラーインナ５へのフロントピラーガー
ニツシユ２４の取り付け作業は終了する。フロン
トピラーインナ５にフロントピラーガーニツシユ
２４が取り付けられたとき、フロントウインドガ
ラス１側に位置させられる折曲縁部２４ｃとイン
ストルメントパネル３の側部との間に生じていた
隙間Ｓは、フロントピラーガーニツシユ２４の下
方側端部でガーニツシユ本体２４ａと折曲部分２
４c₁との間の折曲縁部２４ｃの端縁に延在させら
れた張り出し部２４ｄがインストルメントパネル
３の側部に当接し、張り出し部２４ｄによつて遮
蔽されることになる。

第７図はこの考案の第２実施例を示す。

この実施例では、フロントピラーガーニツシユ
２４の下方側端部で張り出し部２４ｄの端縁とも
連設して延在させられる垂下部２４ｅには第１実
施例のような切欠溝２４ｆを設けず、フロントウ
インドオープニングの一部を構成するダツシユア
ツパーパネル１５とカウルトツプパネル１６との
接合されたフランジ１５ａ，１６ａとフロントピ
ラーインナ５とフロントピラーアウタ７との接合
されたフランジ５ａ，７ａとの境界部分Ｐ近傍の
フランジに半円状の切欠溝２７を設けている。

フロントピラーインナ５にフロントピラーガー
ニツシユ２４を取り付ける場合、フロントピラー
ガーニツシユ２４の下方側端部に延在させられて
いる垂下部２４ｅの一部を、境界部分Ｐ近傍のフ
ランジに設けられている切欠溝２７に係合させて
フロントピラーガーニツシユ２４の位置決めを行
つている。

第８図はこの考案の第３実施例を示す。

この実施例では、フロントピラーガーニツシユ
２４の下方側端部に延在させられる垂下部２４ｅ
の構成は第２実施例と同様にし、フロントウイン
ドオープニングの一部を構成するダツシユアツパ
ーパネル１５とカウルトツプパネル１６との接合
されたフランジ１５ａ，１６ａとフロントピラー
インナ５とフロントピラーアウタ７との接合され
たフランジ５ａ，７ａとの境界部分Ｐ近傍のフラ
ンジで垂下部２４ｅの内側となる位置に部分的に
突出させて段部２８を設けている。

従つて、フロントピラーインナ５にフロントピ
ラーガーニツシユ２４を取り付ける場合、フロン
トピラーガーニツシユ２４の下方側端部に延在さ
せられているフランジである垂下部２４ｅの一部
を境界部分Ｐ近傍のフランジに設けられている段
部２８に係合させてフロントピラーガーニツシユ
２４の位置決めを行つている。

以上説明してきたように、この考案によれば、
フロントウインドガラス側に位置する折曲縁部の
下端にはガーニツシユ本体の表面の延長面上まで
延出する張り出し部が延在させられているため、
フロントピラーインナに車両用ピラーガーニツシ
ユが取り付けられたときには、張り出し部がイン
ストルメントパネルの側部に当接してフロントウ
インドガラス側に位置させられる折曲縁部とイン
ストルメントパネルの側部との間に生じていた隙
間は張り出し部によつて遮蔽されることとなり、
フロントウインドガラスとフロントピラーガーニ
ツシユとインストルメントパネルとの三者が組み
合つている部分の見栄えを向上させ、しかもフロ
ントピラーガーニツシユ全体が張り出し部まで張
り出さないため、運転時の前方視界を損なわない
という効果も得られる。また、ガーニツシユ取付
時の位置決めが容易であつて、ガーニツシユ取付
作業が迅速に行なえるという効果が得られる。ま
た、インストルメントパネルで隙間Ｓを塞ぐ必要
がなくインストルメントパネルの成形や取付が容
易である。張り出し部をインストルメントパネル
の上面と面一にでき見栄えを向上させる。さら
に、位置決めのフランジや切欠きは新規部品を要
せず部品の形状変更だけでできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用ピラーガーニツシユがフ
ロントピラーインナに取り付けられた自動車の運
転席前方を示す斜視図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は従来の車両用ピラーガーニツ
シユがフロントピラーインナに取り付けられ、フ
ロントウインドガラス及びインストルメントパネ
ルとの組み合つた状態を示す一部省略の斜視図、
第４図は第３図の−線断面図、第５図はこの
考案の車両用ピラーガーニツシユの一実施例を示
し、第３図と同様な斜視図、第６図は第５図の
−線断面図、第７図はこの考案の第２実施例を
示し、第３図と同様な斜視図、第８図はこの考案
の第３実施例を示し、第３図と同様な斜視図であ
る。 １……フロントウインドガラス、２……ドアガ
ラス、５……フロントピラーインナ、２４……フ
ロントピラーガーニツシユ、２４ａ……ガーニツ
シユ本体、２４ｂ……折曲縁部、２４ｃ……折曲
縁部、２４ｄ……張り出し部、２４ｅ……垂下部
（被係止部）、２４ｆ……切欠溝（被係止部）、２
７……切欠溝（係止部）、２８……段部（係止
部）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フロントピラーに固定される細長板状のガーニ
   ツシユ本体と、該ガーニツシユ本体の一側部から
   延在させられ、ドアガラス側に位置する折曲縁部
   と該ガーニツシユ本体の他側部から延在させら
   れ、フロントウインドガラス側に位置する折曲縁
   部とからなり、前記ガーニツシユ本体の下端部で
   インストルメントパネルと接する車両用ピラーガ
   ーニツシユにおいて、 前記フロントウインドガラス側に位置する折曲
   縁部の下端には前記ガーニツシユ本体のインスト
   ルメントパネルの上面位置での表面の延長上まで
   延出し、インストルメントパネルに接する張り出
   し部が延在させられ、該張り出し部の下方に延び
   る端縁にはフロントウインドオープニングのフラ
   ンジに形成された係止部に係合する被係止部が形
   成されており、係止部と被係止部とは一方がフラ
   ンジのとき他方が切欠溝か段部であることを特徴
   とする車両用ピラーガーニツシユ。