JPH0233570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉を筺体に対して係止鎖錠する仮錠
装置に関するものである。

この種の扉用仮錠装置としては様々の構造のも
のが既に提案されているが、部品点数が多くて機
構が複雑で、組立や取付等に難点があるものが多
かつた。

従つて本考案の目的は、部品点数が少なくて機
構が簡単であると共に、扉を筺体に対して的確に
密着保持させることができる、差込み回転型の仮
錠装置を提供することにある。

以下、図面に基いて説明すると本考案の差込み
回転型仮錠装置は、筺体１に固着されるケース２
と、扉３に回転可能に取付けられ、扉３後面に突
出するロツク軸４と、ケース２内に回転不能に、
かつ前後方向に移動可能に収容された錠止デイス
ク５と、錠止デイスク５を後方に移動付勢するバ
ネ６とから成り、ロツク軸４の先端側面に凸部７
を設け、錠止デイスク５の中央部にロツク軸４の
先端部が通抜け可能な受孔８を設け、錠止デイス
ク５の後面には受孔８の孔縁部より後方に向う螺
旋斜面９を設け、該螺旋斜面９の終端に錠止デイ
スク７前面側に退没した凹部１０を設け、前記受
孔８に差込んだロツク軸４を回転させてその先端
側面凸部７を錠止デイスクの後面凹部１０に係合
させるようにした差込み回転型錠装置。

図示の実施例では、ケース２はその外周ねじ部
１２に螺合したナツト１３によつて筺体１の側縁
板部１１に締付け固着される。また、ロツク軸４
は、その基端部外周にかしめ固定される抜止めリ
ング１４によつて、扉３に固着され、ロツク軸４
の前端面には回転操作用具の受溝１５を設けてあ
る。筺体１前面や扉３前面の出張りをなくすた
め、ケース２とロツク軸４の前端頭部は平皿形に
形成され、これが筺体１や扉３の同形の取付孔１
６，１７に埋没している。

ケース２の円筒部には直径上に対向した前後方
向の縦溝１８，１９を設けてあり、錠止デイスク
５外周面の一対の突起２０，２１が前記縦溝１
８，１９に嵌込まれている。錠止デイスク５は、
上記突起２０，２１と縦溝１８，１９の係合によ
つて、回転を阻止されていると共に、前後方向へ
の移動を案内されている。バネ６は、ケース２の
前端内周鍔部２２と錠止デイスク５前面に圧入さ
れた圧縮コイルバネであり、錠止デイスク５のケ
ース２からの脱出は、ケース２後端縁に取付けら
れたＣリング２３によつて阻止されている。

錠止デイスク５に設けた受孔８は、その前面側
に向つて拡径されたテーパー状孔であり、ロツク
軸４の先端部４ａは該側面に一対に設けられた凸
部７，７を含めて先細りテーパー状に形成されて
いる。そのため、前記受孔８に対するロツク軸４
の挿入動作が円滑になされる。受孔８の孔縁部よ
り延在する一対の螺旋斜面９，９はそれぞれ約４
分の１周設けられている。凹部１０の側方には、
凸部７の回転停止用突起２５を隣接して突設して
ある。

この仮錠装置では、扉３を閉鎖すると、その最
終段階でロツク軸４の先端部が錠止デイスク５の
受孔８に差込まれる。扉３が全閉された後、ロツ
ク軸４を前記受溝１５に挿入したドライバー等の
回転操作用具で90度回転させると、受孔８の後面
側に突出したロツク軸の先端側面凸部７，７は前
記螺旋斜面９，９に沿つて摺動する。この摺動の
過程で錠止デイスク５は凸部７，７の前面に押さ
れ、前記バネ８に抗して前方に若干移動する。90
度まで回転したとき、ロツク軸の先端側面凸部
７，７は錠止デイスクの後面凹部１０，１０に落
込み、錠止デイスク５はバネ８の作用によつて後
方に復帰移動する。かくして、バネ８の弾発力が
錠止デイスク５を介してロツク軸の先端側面凸部
７，７に働くため、扉３が筺体１側に引寄せられ
ることになり、扉３は筺体１（又はその前面のガ
スケツトやシール部材）に密着保持される。

尚、ロツク軸４の前端部は第１０図に示したよ
うにローレツト部２４を設けたり、第１１図に示
したように溝付き丸頭型に形成してもよい。

以上のように本考案の仮錠装置は、筺体１に固
着されるケース２と、扉３に回転可能に取付けら
れるロツク軸４と、ケース２内に回転不能に且つ
前後方向に移動可能に収容される錠止デイスク５
と、錠止デイスク５を後方に移動付勢するバネ８
とを基本部品とするものであつて、部品点数が比
較的少なく、構造が簡略化されている。そのた
め、製作や組立加工が簡単で安価に行なえる利点
がある。

また、錠止デイスク５の受孔８に差込み後、ロ
ツク軸４の先端側面凸部７がロツク軸４の回転操
作により螺旋斜面９を経て錠止デイスク５の後面
凹部１０に係合し、この凹部１０と凸部７の係合
が前記バネ６の弾発力によつて的確に保持される
ため、扉３の筺体１に対する係止鎖錠が振動等の
作用によつて無用に解かれてしまうことがない。
即ち、本考案によれば信頼性の高い仮錠装置が得
られるのである。

更に、前記バネの弾発力が錠止デイスク５及び
ロツク軸４を介して扉３と筺体１間に、両者を引
付ける方向に働くため、扉３はバタ付くことなく
筺体１に確実に締付保持される等、本考案の実用
的価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は仮錠
装置の使用状態の縦断面図である。第２図から第
５図は第１図に示した仮錠装置に用いた部品を示
し、第２図はケースの正面図、第３図はケースの
背面図、第４図はケースの右側面図、第５図は第
２図のＡ−A′線断面図である。第６図は錠止デ
イスクの正面図、第７図は錠止デイスクの背面
図、第８図は第７図のＢ−B′線断面図、第９図
は第７図のＣ−C′線断面図である。第１０図と第
１１図はロツク軸の別の形状を示す右側面図であ
る。 １……筺体、２……ケース、３……扉、４……
ロツク軸、５……錠止デイスク、６……バネ、７
……凸部、８……受孔、９……斜面、１０……凹
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筺体１に固着されるケース２と、扉３に回転可
   能に取付けられ、扉３後面に突出するロツク軸４
   と、ケース２内に回転不能に、かつ前後方向に移
   動可能に収容された錠止デイスク５と、錠止デイ
   スク５を後方に移動付勢するバネ６とから成り、
   ロツク軸４の先端側面に凸部７を設け、錠止デイ
   スク５の中央部にロツク軸４の先端部が通抜け可
   能な受孔８を設け、錠止デイスク５の後面には受
   孔８の孔縁部より後方に向う螺旋斜面９を設け、
   該螺旋斜面９の終端に錠止デイスク７前面側に退
   没した凹部１０を設け、前記受孔８に差込んだロ
   ツク軸４を回転させてその先端側面凸部７を錠止
   デイスクの後面凹部１０に係合させるようにした
   差込み回転型錠装置。