JPH023320B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、電気機器冷却装置に関するもので
あり、さらに詳しくいうと、ヒートパイプを用い
て、制御盤などの構造体の内部を、密閉、閉鎖状
態のまま冷却を行う電気機器冷却装置に関するも
のである。

〔従来技術〕

従来、この種の装置として第１図に示すものが
あつた。すなわち、内部に電子部品、電気機器を
収納した閉鎖構造体１に、加熱部２ａと放熱部２
ｂでなり内部を真空にした後、作動液を封入した
複数本のヒートパイプ２が、保護枠３に取付けら
れ仕切板４により貫通支持されている。ヒートパ
イプ２には、吸熱、放熱効果を上げるためのフイ
ンが設けてあり、加熱部２ａは仕切板４を境とし
て閉鎖構造体１の内部に突出している。また、加
熱部２ａ、放熱部２ｂの前面にはそれぞれ内部フ
アン５、外部フアン６が付設され、それぞれ矢印
で示す内部空気７、外部空気８が流れる。

以上の構成により、密閉形制御盤などの閉鎖構
造体１の内部に収納されている電子部品、電気機
器等（図示せず）の発熱により、内部空気７は加
熱され、温度上昇する。この内部空気７は内部フ
アン５によりヒートパイプ加熱部２ａを通過して
閉鎖構造体１の内部を循環する。ヒートパイプ加
熱部２ａが内部空気７により加熱されると、ヒー
トパイプ２の内部の作動液は蒸発潜熱の形で熱を
奪いながら蒸発し、その蒸気はヒートパイプ２の
中を放熱部２ｂへと移動し、ここで外部フアン６
に導かれた外部空気８により冷却され放熱し、凝
縮液化してもとの加熱部２ａにもどる。このよう
な動作を繰返すことにより、閉鎖構造体１の内部
を密閉、閉鎖状態のままで冷却する。

しかし、従来の装置は以上のように構成されて
いたので、冷却装置の厚みが大きくなるという欠
点があり、しかもヒートパイプ加熱部２ａ及び内
部フアン５は閉鎖構造体１の内部に突出させなけ
ればならないので、この突出部には電子部品、電
気機器等を設置することができず、閉鎖構造体１
の内部スペースを有効に利用できないという欠点
があつた。

この発明は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、閉鎖構造体の外側
に突出させたケーシングにヒートパイプを設置
し、内部フアン及び外部フアンをそれぞれヒート
パイプの下端の下部及び上端の上部に配設するこ
とにより冷却装置を薄形化することができ、また
閉鎖構造体の内部の利用スペースを小さくするこ
となく閉鎖構造体内を密閉、閉鎖状態のままで冷
却できる電気機器冷却装置を提供することを目的
とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明を、図面に示すいくつかの実施
例を用いて説明する。

第２図は第一の実施例を示し、閉鎖構造体１の
側壁の開口部１ａにケーシング９を連設し、ケー
シング９内に加熱部２ａが配設されるようにヒー
トパイプ２を仕切板４により取付ける。ヒートパ
イプ２の加熱部２ａの下端の下部には内部フアン
５を、放熱部２ｂの上端の上部には外部フアン６
を、それぞれケーシング９および閉鎖構造体１の
側壁に平行に設ける。

その他、第１図における同一部分には同一符号
を付し、説明を省略する。

次に作用について説明する。閉鎖構造体１の内
部に収納されている電子部品、電気機器等の発熱
部により内部空気７が加熱され、温度上昇する。
この内部空気７は内部フアン５により閉鎖構造体
１の開口部１ａを通り、閉鎖構造体１の外側に設
けたケーシング９の内部に導かれる。ケーシング
９に導入された内部空気７はヒートパイプ加熱部
２ａを通過して閉鎖構造体１の内部に戻り循環す
る。閉鎖構造体１の内部に発生した熱は従来装置
と同様にしてヒートパイプ放熱部２ｂに輸送さ
れ、ここで、外部フアン６により導かれる外部空
気８へ放出される。

このようにして閉鎖構造体１の内部を密閉、閉
鎖状態のままで冷却する。

第３図は第二の実施例を示し、ヒートパイプ２
をケーシング９に対して傾斜させて設置したもの
である。この場合、ヒートパイプ通過後の通風断
面積を大きくできるので、内部空気７および外部
空気８の流量を増加させることができ、冷却装置
の冷却能力を高められるという効果がある。ま
た、この場合、ヒートパイプ加熱部２ａに入る内
部空気７およびヒートパイプ放熱部２ｂに入る外
部空気８の吸込み方向がそれぞれ内部フアン５お
よび外部フアン６の吹出し方向と角度をもつてい
るので、吹出し空気の一部が吸込み空気に取り込
まれるのを防止することができ、冷却性能が高め
られるという効果がある。

第４図は第三の実施例であり、内部フアン５お
よび外部フアン６をケーシング９に対して傾斜さ
せて取り付けたもので、第二の実施例と同様の効
果が期待できる。

第５図は第四の実施例を示し、ケーシング９に
対して内部フアン５と外部フアン６およびヒート
パイプ２を傾斜させたもので、第二、第三の実施
例と同様の効果が期待できる。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、閉鎖構造体
の外部に突出させたケーシングの内部にヒートパ
イプ加熱部を設置し、ここに構造体の内部空気を
導入させるようにし、また内部フアン、外部フア
ンをヒートパイプの下端の下部、上端の上部にそ
れぞれ設置したので、非常に薄形でコンパクトな
冷却装置が得られ、閉鎖構造体の内部利用スペー
スを小さくすることなく、また内部の部品および
機器配置を変更することなく、密閉、閉鎖状態の
まま冷却できる装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの概略側断面図、第２図〜
第５図はそれぞれこの発明の実施例の概略側断面
図である。 １……閉鎖構造体、２……ヒートパイプ、２ａ
……ヒートパイプ加熱部、２ｂ……ヒートパイプ
放熱部、３……保護枠、４……仕切板、５……内
部フアン、６……外部フアン、７……内部空気、
８……外部空気、９……ケーシング。なお、図
中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電子部品、電気機器などを収納した閉鎖構造
   体と、この閉鎖構造体の内部を密閉・閉鎖状態の
   まま冷却するためのヒートパイプを備えた電気機
   器冷却装置において、前記閉鎖構造体の一側壁の
   下部開口部に連設したケーシングと、このケーシ
   ングによつて形成した前記ケーシング内の内部空
   気流通路および前記閉鎖構造体の外部空気流通路
   にそれぞれ加熱部および放熱部が位置するように
   前記一側壁に沿つて配設された前記ヒートパイプ
   と、このヒートパイプの下端の下部および上端の
   上部にそれぞれ配設された内部フアンおよび外部
   フアンとを備えてなることを特徴とする電気機器
   冷却装置。 ２ ケーシングの前面に対して傾斜させて配設し
   たヒートパイプを備えた特許請求の範囲第１項記
   載の電気機器冷却装置。 ３ ケーシングの前面に対して傾斜させて配設し
   た内部フアンおよび外部フアンを備えた特許請求
   の範囲第１項記載の電気機器冷却装置。