JPH0470800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、内部に蒸発と凝縮とを繰り返す熱
媒体を密封し、一端を加熱部（蒸発部）、そして
他端を放熱部（凝縮部）としたいわゆる「ヒート
パイプ」を用いて、たとえば制御盤等の密閉箱の
冷却を行なう冷却装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第１図は従来のこの種冷却装置、例えば特開昭
53−21526公報に示されるような装置を示す断面
図で、１は内部に電子部品あるいは電気機器（図
示せず）を収容したたとえば制御盤等の密閉箱で
ある。この密閉箱１の天井部に穿けられた開口１
ａを閉塞する取付板４には、内部にたとえばアン
モニア、あるいはメチルアルコール等の熱媒体を
密封し、下半部に吸熱フイン１０ａを有する加熱
部２ａを形成し、上半部に放熱フイン１０ｂを有
する放熱部２ｂを形成した一対のヒートパイプ２
がそのほぼ中間部まで挿入さ支持されており、こ
のヒートパイプ２は保護ケース３によつて保護さ
れている。５は上記密閉箱１内においてヒートパ
イプ２の加熱部２ａに対向して配設された内部電
動フアン、６は上記密閉箱１の外部においてヒー
トパイプ２の放熱部２ｂに対向して配設された外
部電動フアン、７は上記内部電動フアン５によつ
てヒートパイプ２の加熱部２ａに対向して配設さ
れた外部電動フアン、７は上記内部電動アン５に
よつてヒートパイプ２の加熱部２ａに吹き付けら
れ、この加熱部２ａにおける熱媒体の蒸発に伴な
う冷却効果によつて冷却される内部空気、８は上
記電動フアン６によつてヒートパイプ２の放熱部
２ｂに吹き付けられ、加熱部２ａにおいて蒸発し
た熱媒体を凝縮液化させせる外部空気である。

従来のこの種冷却装置は上記のように構成され
ているので、密閉箱１内の内部空気７は、収容さ
れている電子部品、あるいは電気機器の発熱によ
つて加熱され温度上昇する。そして、この温度上
昇した内部空気７は、内部電動フアン５によつ
て、ヒートパイプ２の加熱部２ａに吹き付けら
れ、このヒートパイプ２内の熱媒体を加熱する
と、この熱媒体は蒸発潜熱の形で吹き付けられた
内部空気７の熱を奪いながら蒸発し、ヒートパイ
プ２の放熱部２ｂに上昇する。そして、この蒸発
した熱媒体は、外部電動フアン６によつてこの放
熱部２ｂに吹き付けられた外部空気８によつて冷
却され、凝縮液化されてヒートパイプ２の加熱部
２ａに流下するが、内部電動フアン５によつてこ
の加熱部２ａに吹き付けられた高温の内部空気７
によつて再び加熱され、上述した動作を繰り返す
ことによつて、密閉箱１内を所定温度に冷却する
ようになされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した従来の冷却装置におい
ては、ヒートパイプ２の加熱部２ａと放熱部２ｂ
を、内部電動フアン５と外部電動フアン６の厚さ
方向に重積するようにして配設しているため、冷
却却装置自体の厚さが大きくなる欠点があるばか
りでなく、ヒートパイプ２の加熱部２ａが密閉箱
１の内部に比較的長く突出しているため、この突
出部の近傍には電子部品あるいは電気機器を設置
することができず、その設置位置に制限を受ける
ばかりでなく、ヒートパイプ２の放熱部２ｂも密
閉箱１の外部に比較的長く突出しているため、こ
れまた密閉箱、すなわち制御盤自体の設置に制限
を受ける欠点がある。さらに、上記ヒートパイプ
２の近傍位置に内部電動フアン５と外部電動フア
ン６を設置するようにしているため、ヒートパイ
プ２の各部周辺における風速分布が不均一となり
冷却効率が低下する欠点もある。

そこで上記のような欠点を解消するために、例
えば特開昭60−113497号、、特開昭60−113498号
に示すような構成とすることが考えられる。これ
らの公報に示される構成は、図示は省略するが、
密閉箱の外側にケーシングを設け、このケーシン
グ内にヒートパイプの加熱部が挿入され外部には
その放熱部に突出するようにヒートパイプを仕切
板で貫通支持してなるものである。そして、内部
電動フアン及び外部電動フアンはそれぞれヒート
パイプの加熱部及び放熱部の側方に、あるいはヒ
ートパイプの各端の下方及び上方にそれぞれ対向
して配設されている。

しかしながら、かかる先行技術にはヒートパイ
プの加熱部及び放熱部をそれぞれ仕切るための仕
切板を備えていないためヒートパイプの加熱部と
放熱部における各部分の風速分布が均等となら
ず、内部空気及び外部空気の循還が良好でないと
いう欠点があつた。

この発明はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので制御盤等の密閉箱の内部空気および外
部空気の循環を効率化せしめ、ヒートパイプの冷
却効果の向上を計つた冷却装置を提供しようとす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る冷却装置は密閉箱と、該密閉箱
の外側の一部に内部と連通状態に連設されたケー
シングと、該ケーシングの内部に加熱部が、前記
密閉箱の外部に放熱部がそれぞれ位置するように
第１の仕切板により貫通支持された複数本のヒー
トパイプと、これらヒートパイプの各端の側方に
それぞれ対向配置された内部電動フアン及び外部
電動フアンとを備えてなる冷却装置において、前
記ヒートパイプの加熱部及び放熱部をそれぞれ仕
切るとともにそれぞれの内部電動フアン及び外部
電動フアンへ内部空気及び外部空気をＵターンさ
せて導入するように内部空気流通路及び外部空気
粒流通を形成する第２及び第３の仕切板とを備え
るようにしたものである。

〔作 用〕

この発明においては、密閉箱の外側の一部に設
けられ、ヒートパイプの加熱部が位置するケーシ
ング内と、ヒートパイプの放熱部が位置する外部
とに、それぞれ内部電動フアン及び外部電動フア
ンへ内部空気及び外部空気をＵターンさせて導入
するように内部空気流通路及び外部空気流通路を
形成する二つの仕切板を設けており、風の通過断
面積が区分されているので、ヒートパイプの長さ
方向における風速分布が改善されるとともに風速
が早くなり、このため熱交換効率が向上し、電動
フアン等の小型化が可能になつている。

〔発明の実施例〕

第２図はこの発明の一実施例を示すもので、９
は密閉箱１の外部一側壁の一部に設けられ、比較
的に奥行寸法の狭い内部空気流通路１１と、外部
空気流通路１２とを形成したケーシングで、上記
内部空気流通路１１内及び外部空気流通路１２内
は、内部空気７と外部空気８がそれぞれＵターン
して流通するように、第２の仕切板１３及び第３
の仕切板１４によつて仕切られている。１５は上
記内部空気流通路１１と外部空気流通路１２とを
仕切る第１の仕切板で、この第１の仕切板１５に
は吸熱フイン１０ａを有する加熱部２ａと、放熱
フイン１０ｂを有する放熱部２ｂを有するヒート
パイプ２のほぼ中間部が密閉箱１の壁面と平行に
挿入支持されている。また、上記内部空気流通路
１１の内部空気出口１１ａと、外部空気流通路１
２の外部空気出口１２ａには、それぞれ内部電動
フアン５と、外部電動フアン６とが設けられてい
る。また、内部電動フアン５及び外部電動フアン
６はそれぞれヒートパイプ２の下端及び上端の側
方に対向配置されている。

この発明の冷却装置は、上記のように構成され
ているので、密閉箱１内の内部空気７は収容され
ている電子部品、あるいは電気機器の発熱によつ
て加熱され温度上昇する。そして、この温度上昇
した内部空気７は、内部電動フアン５によつて内
部空気流通路１１内に吸引され、この通路内をＵ
ターンしながらヒートパイプ２内の熱媒体を加熱
すると、この熱媒体は蒸発潜熱の形で吹き付けら
れた内部空気７の熱を奪いながら蒸発し、ヒート
パイプ２の放熱部２ｂに上昇する。そして、この
蒸発した熱媒体は、外部電動フアン６によつて外
部空気流通路１２内に吸引され、この通路内をＵ
ターンしながら流通する外部空気８によつて冷却
され、凝縮液化されてヒートパイプ２の加熱部２
ａに流下するが、内部電動フアン５によつて内部
空気流通路１１内をＵターンしながら流通する高
温の内部空気７によつて再び加熱され、上述した
動作を繰り返すことによつて密閉箱１内を所定温
度に分布する。

しかも、ヒートパイプ２の加熱部２ａ及び放熱
部２ｂが位置する内部空気流通路１１と外部空気
流通路１２はそれぞれ第２及ぼび第３の仕切板１
３，１４によつて内部空気及び外部空気をそれぞ
れＵターンさせて内部電動フアン５及び外部電動
フアン６に導入するように仕切られているから、
ヒートパイプ２の加熱部２ａ及び放熱部２ｂの双
方において、風の通路断面積がそれぞれ区分され
ており、このことによりヒートパイプ２の長さ方
向の風速分布が改善されるとともに風速が早くな
り、このため熱交換効率が向上している。従つ
て、熱交換効率が向上した分だけ装置の寸法を小
さくすることができる。

なお、上述した一実施例においては、ヒートパ
イプ２と、内・外部電動フアン５，６を密閉箱１
の一側壁に取付けた場合について述べたが、密閉
箱１の天井部または底部に取付けても同様の効果
が得られる。さらに、上記ヒートパイプ２の放熱
部２ｂの冷却は、上述した一実施例のように外部
空気８のほか、水または油等の液体を用いても差
支えない。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば、密閉箱
の外側の一部に設けられ、ヒートパイプの加熱部
が位置するケーシング内と、ヒートパイプの放熱
部が位置する外部とに、それぞれ内部電動フアン
及び外部電動フアンへ内部空気及び外部空気をＵ
ターンさせて導入するように内部空気流通路及び
外部空気流通路を形成する二つの仕切板を設けた
ので、風の通過断面積が区分され、ヒートパイプ
の長さ方向における風速分布が改善されるととも
に風速が早くなり、このため熱交換効率が向上
し、電動フアン及びヒートパイプの小型化、即ち
装置の小型化が可能となり、コストダウンが図ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷却装置を示す断面図、第２図
はこの発明の一実施例を示す断面図である。 図において、１は密閉箱、２はヒートパイプ、
２ａは加熱部、２ｂは放熱部、５は内部電動フア
ン、６は外部電動フアン、７は内部空気、８は外
部空気、９はケーシング、１１は内部空気流通
路、１１ａは内部空気出口、１１ｂは内部空気入
口、１２は外部空気流通路、１２ａは外部空気出
口、１２ｂは外部空気入口、１３，１４は第２及
び第３の仕切板、１５は第１の仕切壁である。な
お、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉箱と、該密閉箱の外側の一部に内部と連
   通状態に連設されたケーシングと、該ケーシング
   の内部に加熱部が、前記密閉箱の外部に放熱部が
   それぞれ位置するように第１の仕切板により貫通
   支持された複数本のヒートパイプと、これらヒー
   トパイプの各端の側方にそれぞれ対向配置された
   内部電動フアン及び外部電動フアンとを備えてな
   る冷却装置において、前記ヒートパイプの加熱部
   及び放熱部をそれぞれ仕切るとともにそれぞれの
   内部電動フアン及び外部電動フアンへ内部空気及
   び外部空気をＵターンさせて導入するように内部
   空気流通路及び外部空気流通路を形成する第２及
   び第３の仕切板とを備えてなることを特徴とする
   冷却装置。