JPH0231929A - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分制御装置

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JPH0231929A
JPH0231929A JP63180629A JP18062988A JPH0231929A JP H0231929 A JPH0231929 A JP H0231929A JP 63180629 A JP63180629 A JP 63180629A JP 18062988 A JP18062988 A JP 18062988A JP H0231929 A JPH0231929 A JP H0231929A
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康成 中山
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客野 哲也
Mitsuru Nagaoka
長岡 満
Toshihiro Matsuoka
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、4輪駆動車における前、後輪のトルク配分を
可変制御するトルク配分制御装置に関する。
(従来の技術) エンジン出力により前後左右の全ての車輪を駆動する4
輪駆動車においては、各車輪のトルク配分を常に等しい
状態に保持するのではなく、そのときの運転状態に応じ
た最適の配分に可変制御することが望ましく、例えば特
開昭60−248440号公報によれば、いずれかの車
輪がスリップしたときに、その車輪の駆動トルクを低減
することによりスリップを解消することが示されている
。また、加速時には、車両の荷重移動に応じて前、後輪
のトルク配分を変化させることにより、前、後輪ともス
リップさせることなく、その駆動力が有効に車両の推進
力に変換されるようにして加速性能を向上させ、さらに
旋回時においては、旋回走行の各段階に応じて所要の口
頭性や安定性等が得られるように各車輪のトルク配分を
可変制御する、といったことが考えられている。そして
、このように性質の異なる複数の運転状態のそれぞれに
ついてトルク配分制御を行う場合、例えば加速状態での
旋回走行時には、加速度に応じたトルク配分と旋回状態
に応じた1〜ルク配分とを複合した配分に制御するのが
望ましいとされている。
一方、上記のような運転状態に応じたトルク配分を実現
する方法としては、配分を小さくする車輪に制動力を付
与してその駆動トルクを減少させると共に、この制動力
の付与による車両全体としての駆動力の減少をエンジン
出力の増大により補うという方法が考えられている。
これを具体的に説明すると、今、前輪と後輪の配分を例
えば4:6に設定するものとすると、車両全体としての
要求トルクを1とすれば、その1.2倍のトルクが得ら
れるようにエンジン出力を増大させ、これを前輪及び後
輪にそれぞれ0゜6づつ配分すると共に、前輪について
は、制動力により0.2分のトルクを吸収する。このよ
うにして、全体としての要求トルクを確保しながら、各
車輪のトルク配分を目標配分に設定するのである。
(発明が解決しようとする課題〉 ところで、上記のようなトルク配分方法によると、各車
輪の配分を異ならせる場合、車両全体としての要求トル
クを確保するためにエンジン出力を増大させなければな
らないことになり、従ってエンジン出力に十分な余裕が
ない場合には目標とする配分を実現することができない
ことになる。
つまり、上記例のように、前、後輪のトルク配分を4:
6に設定するために全体として要求トルクの1.2倍の
出力トルクを必要とする場合において、エンジン出力の
余裕が不足して要求トルクの1.1倍しか出力すること
ができないといった場合がある。この場合、0.1分の
余裕トルクによって目標とする配分に最も近い配分、例
えば上記例の場合、4.5:5.5に配分することが考
えられるが、前述のように、複数の異なる性質の運転状
態に応じて配分を設定する場合においては、エンジン出
力の余裕分を各運転状態に応じた配分の実現にどのよう
に振り分けるのがよいかといった問題が発生する。
そこで、本発明は、それぞれ性質が異なる複数の運転状
態に応じて各車輪のトルク配分を設定し、且つこのトル
ク配分をエンジン出力の制御とブレーキの制御とで実現
するようにした4輪駆動車において、エンジン出力の余
裕が目標トルク配分を実現するのに不足する場合に、そ
の余裕l・ルクを有効に活用して、そのときの運転状態
に最も適した配分を実現することを課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、本発明においては次のような
手段を用いる。
すなわち、本発明に係る4輪駆動車のトルク配分制御装
置は、第1図に示すように、エンジンAの出力により前
後左右の全ての車輪B・・・Bを駆動するように構成さ
れ、且つエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段
Cと、各車輪B・・・Bに付与する制動力を制御するブ
レーキ制御手段りとにより、各々が異なる運転状態を示
す複数の制御パラメータに応じて各車輪B・・・Bのト
ルク配分を可変制御するようにした構成において、上記
複数の制御パラメータに優先順位を設定し、これらのパ
ラメータに応じて設定される目標配分を実現するのに必
要なエンジン出力が得られないときに、優先順位の低い
制御パラメータに基くトルク配分から順次削除してトル
ク配分制御を行う制御手段Eを設ける。
(作   用) 上記の構成によれば、例えば加速度、旋回状態、車輪の
スリップ状態等の運転状態をそれぞれ示す複数の制御パ
ラメータに応じて各車輪B・・・Bのトルク配分を可変
制御する場合、エンジン出力に十分余裕があるときには
、上記各パラメータに応じて予め設定された目標配分と
なるようにエンジン及びブレーキの制御が行われ、また
トルク配分制御を行う複数の運転状態が複合した場合も
、それぞれの運転状態についてのパラメータに従うよう
にトルク配分が制御されることになる。
一方、上記各運転状態が複合する場合において、エンジ
ン出力の余裕が十分でないため、各運転状態についての
制御パラメータに従う配分を実現できないときには、予
め設定された優先順位の低い運転状態についての配分が
順次省略され、エンジン出力の余裕の範囲内で優先順位
の高い運転状態についてのトルク配分がその制御パラメ
ータに従って実行されることになる。その場合に、上記
の優先順位は、重要性の高いもの或は運転性に与える影
響の大きいものを上位に設定しておくことにより、エン
ジン出力の余裕が十分でない場合においても、良好な走
行性が得られるようにトルク配分制御が行われることに
なる。
(実 施 例) 以下、本発明の実施例について説明する。
まず、第2図により本実施例の全体構成を説明すると、
本実施例に係る車両1は、左右の前輪2.3及び左右の
後輪4.5がいずれも駆動輪とされた4輪駆動車であっ
て、エンジン6の出力が変速機7を介してトランスファ
ー装置8に入力されて、前輪2.3側と後輪4,5側と
に分割されるようになっている。そして、前輪2.3側
への出力は、上記トランスファー装置8の側部から前方
へ延びる第1プロペラシヤフト9、前輪用差動装置10
及び左右の前輪駆動軸11.12を介して左右の前輪2
.3に伝達され、また後輪4,5側への出力は、上記ト
ランスファー装置8から後方へ延びる第2プロペラシヤ
フト13、後輪用差動装置14及び左右の後輪駆動軸1
5.16を介して左右の後輪4,5に伝達されるように
なっている。
また、上記左右の前輪駆動軸11.12及び左右の後輪
駆動軸15.16には、これらと一体的に回転するディ
スクロータと、制動圧が供給されたときに該ディスクロ
ータの回転を制動するキャリパ等でなるブレーキ装置1
7,18,19.20がそれぞれ備えられている。これ
らのブレーキ装置17〜20は、ブレーキペダルの踏込
み時にマスクシリンダで発生する制動圧によって作動す
る一方、別途備えられたブレーキコントローラ21によ
っても、後述する制動圧制御弁を介してその制動動作が
制御されるようになっている。
さらに、この車両1には、上記エンジン6の吸気通路6
aに備えられたスロットルバルブ22を開閉駆動するア
クチュエータ23と、このアクチュエータ23の作動を
制御するエンジンコントローラ24とが備えられており
、このエンジンコントローラ24に入力されるアクセル
開度センサ25からの信号により、上記スロットルバル
ブ22の開度をアクセル開度に応じて制御するようにな
っている。
そして、上記ブレーキコントローラ21とエンジンコン
トローラ24とを介して、ブレーキ制御とエンジン制御
とを行うことにより、上記各車輪2〜5に対するトルク
配分を制御するトルク配分コントローラ26が備えられ
、このコントローラ26に、上記アクセル開度センサ2
5からの信号と、各車輪2〜5の回転数をそれぞれ検出
する各車輪速センサ27・・・27からの信号と、旋回
時のトルク配分制御のための舵角センサ28からの信号
と、車両に作用する横方向の加速度を検出する横加速度
センサ29からの信号と、さらに図示しない各種センサ
、例えば上記スロットル開度の制御やブレーキ制御のフ
ィードバックのためのスロットルセンサやブレーキ圧セ
ンサからの信号が入力されるようになっている。そして
、このトルク配分コントローラ26は、ブレーキコント
ローラ21を介して各車輪2〜5のブレーキ装置17〜
20をそれぞれ作動させて対応する車輪の駆動トルクを
制動トルク分だけ減少させると共に、この駆動トルクの
減少を補うようにエンジン出力を制御することにより、
運転状態に応じて、各車輪2〜5のトータルの駆動力を
保持しながら、そのトルク配分を可変制御するようにな
っている。
ここで、この実施例においては、トルク配分制御を行う
運転状態として、車両の旋回状態、車両前後方向の加速
度、同じく横方向の加速度、及び各車輪のスリップ状態
を採用し、且つこの順序で順位が順次高くなるように優
先順位が設定されている。
次に、第3図により、上記ブレーキコントローラ21に
より各ブレーキ装置17〜20を作動させる制動圧制御
弁及びそのアクチュエータの構成について説明する。な
お、第3図は左右の前輪2.3のブレーキ装置17.1
8についてのみ示しているが、左右の後輪4,5のブレ
ーキ装置19.20についても同様に構成されている。
マスクシリンダ30から左右の前輪用ブレーキ装置17
.18(及び左右の後輪用ブレーキ装置19.20)に
それぞれ制動圧を供給する各制動圧通路31.32上に
はそれぞれ制動圧′Ma?弁33.34が設置されてお
り、また、これらの制御弁33.34をそれぞれ作動さ
せるアクチュエータ35.36が備えられている。
上記制動圧制御弁33.34は、いずれも、シリンダ3
3a、34a内にピストン33b、34bを嵌挿して、
これらのシリンダ33a、34a内を容積可変室33c
、34cと制御室33d。
34dとに画成すると共に、該ピストン33b。
34bをスプリング33e、34eにより容積可変室3
3c、34cの容積が増大する方向に付勢した構成とさ
れている。そして、上記マスクシリンダ30から各車輪
のブレーキ装置17.18(及び19.20)に至る制
動圧通路31.32が上記容積可変室33c、34cを
それぞれ通過し、通常はマスクシリンダ30で発生され
た制動圧がこれらの容積可変室33c、34cを通って
上記各ブレーキ装置17〜20に供給されるようになっ
ているや また、上記ピストン33b、34bには、制御室33d
、34dに導入される制御圧により、該ピストン33b
、34bがスプリング33e、34eに抗して容積可変
室33c、34cの容積が減少する方向に移動したとき
に、これらの容積可変室33c、34cへの制動圧入口
を閉じるチエツクバルブ33f、34fが設けられてい
る。
そして、上記制御室33d、34dに制御圧が導入され
て、チエツクバルブ33f、34fによって制動圧通路
31.32が遮断されたときに、上記ピストン33b、
34bの移動により容積可変室33c、34c内で制動
圧が発生され、この制動圧が各ブレーキ装置17〜2o
にそれぞれに供給されるようになっている。
一方、これらの制動圧制御弁33.34を作動させるア
クチュエータ35.36は、それぞれ、増圧用電磁弁3
5a、36aと、減圧用電磁弁35b、36bとで構成
されている。そして、上記増圧用電磁弁35a、36a
は、オイルポンプ37からリリーフ弁38を介して上記
制動圧制御弁33.34の制御室33d、34dに至る
制御圧供給ライン39.40上にそれぞれ配置され、ま
た減圧用電磁弁35b、36bは、上記制御室33d、
34dから導かれたドレンライン41.42上にそれぞ
れ配置されている。そして、これらの電磁弁35a、3
6a、35b、36bは上記ブレーキコントローラ21
からのブレーキ制御信号により開閉制御され、増圧用電
磁弁35a、36aが開き且つ減圧用電磁弁35b、3
6bが閉じたときに、制動圧制御弁33.34の制御室
33d、34dに制御圧が導入されることにより、各ブ
レーキ装置17〜20に制動圧が供給され、また、増圧
用電磁弁35a、36aが閉じ且つ減圧用電磁弁35b
、36bが開いたときに、上記制御室33d、34dか
ら制御圧が排出されることにより、各ブレーキ装置17
〜20に供給されている制動圧が減圧され、このように
してこれらのブレーキ装置17〜20に供給される制動
圧が調整されることにより、各車輪2〜5にそれぞれ付
与される制動トルクが制御されるようになっている。
次に、この実施例の作用を、上記トルク配分コントロー
ラ26によるトルク配分制御動作を示す第4図以下の図
面に従って説明する。
まず、第4図のフローチャートにより全体の制御動作を
説明すると、作動開始時にステップS1でシステムの初
期化を行い、次いでステップ5283に従って、所定の
計測タイミングとなったときに、第2図に示す各センサ
25,27・・・27.28.29からの信号に基いて
アクセル開度、各車輪速、舵角、横加速度等の各操作量
もしくは運動量を計測する。そして、ステップ84〜S
6により、旋回状態に応じたトルク配分制御、車両の前
後方向及び横方向の加速度に応じたトルク配分制御、並
びに車輪のスリップ状態に応じたトルク配分制御をそれ
ぞれ実行すると共に、ステップS7で上記各制御で設定
されたトルク配分とこれを実現させるエンジン出力との
関係でトルク配分を補正する補正制御を行う。そして、
ステップS8で、上記補正制御で得られた配分となるよ
うにエンジン及びブレーキの制御を行う。
次に、上記ステップ84〜S8の各制御の具体的内容を
説明すると、まず旋回状態に応じたトルク配分制御は第
5図のフローチャートに従って行われる。
この制御においては、まず、ステップS1□で旋回走行
の各段階に応じて設定されるフラグFの値を判定する。
このフラグFは、当該車両の直進時に“0”、コーナー
進入時(旋回初期)に“1、コーナリング中(旋回中期
)は°″2”、コーナー脱出時(旋回終期)に“3”の
値を示すものであり、当初は直進状態にあって、F=O
であるから、次にステップS12で舵角が設定値以上で
あるか否かを判定する。そして、直進状態が継続してい
て、舵角が上記設定値より小さいときは、ステップS1
4で後輪のトルク配分比(左右の後輪の配分比のトータ
ル)Rを0.5、即ち前、後輪の配分比を等しくする状
態に設定する。
一方、車両がコーナーに進入して舵角が設定値以上とな
ると、ステップSI4で上記フラグFを“1”にセット
した上で、ステップ315〜SI7に従って後輪のトル
ク配分比Rを次のようにして設定する。
つまり、まず、第6図に示すように予め設定されたマツ
プから舵角に応じた基本配分比Roを読取ると共に、第
7図のマツプがら舵角の変化率に応じた配分比Rの補正
量ΔRを読取り、Ro+ΔRを後輪の配分比Rとする。
その場合に、上記基本配分比R8は、第6図に示すよう
に、所定の舵角範囲において0.5から1より小さな所
定値まで舵角の増大に応じて大きくなるように設定され
ており、また、上記補正量ΔRは、第7図に示すように
、0から所定値までの範囲で舵角変化率の増大に応じて
大きくなるように設定されている。
従って、コーナー進入時は、舵角が大きいほど、またそ
の変化率が大きいほど後輪のトルク配分比が0.5より
大きな値に設定されることになる。
そして、このようにしてコーナーに進入すると、上記フ
ラグFが′1″となるので、次はステップ311からス
テップS18を経てステップ319を実行し、舵角が増
加中が否かを判定して、増加中の場合は上記ステップ8
15〜SI7による旋回初期の制御を継続して行い、ま
た舵角の増加が停止して旋回中期に移行すると、ステッ
プS 20 + 32□によって上記フラグFを“2″
にセットし、且つ直進時と同様に後輪のトルク配分比R
(及び前輪の配合比)を0.5に設定する。
さらにフラグFが2“′になれば、次にステップS22
からステップ323を実行して舵角が減少し始めたか否
かを判定し、減少し始めるまでは未だ旋回中期であると
判断して、上記ステップ321によって後輪のトルク配
分比Rを0.5に保持する。そして、舵角が減少し始め
たら、ステップS24でフラグFを“3”にセットした
後、ステップ825〜S27に従って旋回後期のトルク
配分を設定する。この場合の“トルク配分の設定は、第
8図に示すマツプから舵角に応じた後輪の基本配分比R
8′を読取り、且つこの基本配分比Ro′から第9図に
示すマツプから読取った舵角の変化率に応じた補正量Δ
R′を減算することにより後輪のトルク配分比Rを求め
る。その場合に、基本配分比Ro′は、第8図に示すよ
うに、舵角の減少、即ちハンドルの戻しに応じて0.5
から0.5より小さな所定値まで減少させるようになっ
ており、また補正量ΔR′は舵角の変化率が大きいほど
大きな値となるように設定されている。従って、この旋
回終期においては、ハンドルが戻されるに従って、また
その戻し速度が大きいほど、後輪のトルク配分比Rが0
.5より小さな値に設定されることになる。
そして、その後、舵角が設定値以下まで減少すると、ス
テップ32gからステップS 29. S 30を実行
し、フラグFを“0”にリセットし且つ後輪のトルク配
分比Rを0.5に設定して、この旋回時におけるトルク
配分制御を終了する。
このようにして、この旋回状態に応じたトルク配分の制
御によれば、旋回初期に後輪のトルク配分比Rが0.5
より大きくされてステアリング特性がオーバーステア傾
向とされることにより、良好な口頭性が得られ、また旋
回終期には後輪のトルク配分比Rが0.5より小さくさ
れてステアリング特性がアンダーステア傾向とされるこ
とにより、車両の安定性が向上されることになる。
次に、加速度に応じたトルク配分制御について説明する
と、この制御は第10図のフローチャートに従って行わ
れ、まずステップS31で各車輪の車輪速のうちの最も
小さなもの、つまり最もスリップ量が小さなものの今回
測定時の値(VMIN)Nと前回測定時の値(V’ll
N ) N−1との差として前後方向の加速度Glを求
め、ステップS32でこの加速度G、に応じた後輪のト
ルク配分比Qlを第11図に示すマツプから読取る。ま
た、ステップ333で横方向の加速度G2に応じた右側
輪のトルク配分比(右側の前後の車輪の配分比のトータ
ル)Q2を第12図のマツプから読取る。
その場合に、第11図に示すように、前後加速度G!に
応じた後輪のトルク配分比Q1は、該加速度G、が所定
値以上でその増大に従って大きくなるように設定されて
おり、従って前、後輪の駆動トルクが加速に伴う後輪側
への荷重移動に対応しながら変化することになって、前
、後両輪ともスリップを生じることなく、その駆動トル
クが有効に車両の推進力に変換されることになる。また
、上記右側輪のトルク配分比Q2は、第12図に示すよ
うに右方向の横加速度が大きくなるほど大きな値に設定
され、左方向の横加速度が大きくなるほど小さな値に設
定されるようになっている。つまり、横方向の加速度に
対しても、荷重移動に応じて荷重が増大する側の車輪の
トルク配分比が大きくされることになる。
さらに、スリップ状態に応じたトルク配分の制御は第1
3図のフローチャートに従って行われ、まず、ステップ
S41で、後輪に対する前輪のスリップ率S1、前輪に
対する後輪のスリップ率S2、左側輪に対する右側輪の
スリップ率S3、右側輪に対する左側輪のスリップ率S
、をそれぞれ次の式に従って求める。
St = (VPL+VFR) / (VRL+VRR
)S2 = (VRl、+VRR) / (VFL+V
FR)S、 = (V、、+VR,) / (VPL+
VRL)S4 = (VFL+VRL) / (VFR
+VRR)ココテ、v、L、 v、R,VRL、 vR
Rは、それぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の各車
輪速を示す。
次いで、ステップS42で後輪に対する前輪のスリップ
率S1が1より大か否かを判定し、St>1のとき、つ
まり前輪がスリップしているときは、ステップ343で
第14図のマツプから後輪のトルク配分比P1を読取り
、またS、<1のとき、つまり後輪がスリップしている
ときは、ステップS44で第15図のマツプから後輪の
トルク配分比P!を読取る。その場合に、第14図に示
すように、前輪がスリップしているとき(St >1)
は、そのスリップ率81が所定値S。以上の範囲で増大
するに従って後輪のトルク配分比P1が0.5より大き
くなるように設定され、また、第15図に示すように、
後輪がスリップしているとき(S2>1>は、前輪に対
する後輪のスリップ率82が所定値80以上の範囲で増
大するに従って後輪のトルク配分比P、が0.5より小
さくなるように設定されている。つまり、前、後輪のい
ずれがスリップしているときも、そのスリップしている
方の配分を小さく、スリップしていない方の配分を大き
くするのである。
同様に、ステップS45で左側輪に対する右側輪のスリ
ップ率S3が1より大きいか否かを判定し、S、〉1の
とき、つまり右側輪がスリップしているときはステップ
S46で第16図のマツプから右側輪のトルク配分比P
2を読取り、S3〈1のとき、つまり左側輪がスリップ
しているときは、ステップS47で第17図のマツプか
ら右側輸のトルク配分比P2を読取る。その場合に、第
16図に示すように、右側輪がスリップしているとき(
S3>1)は、そのスリップ率83が所定値80以上の
範囲で増大するに従って右側輪のトルク配分比P2が0
.5より小さくなるように設定され、また第17図に示
すように、左側輪がスリップしているとき(S4>1)
は、右側輪に対する左側輪のスリップ率84が所定値8
0以上の範囲でその増大に従って右側輪のトルク配分P
2が0.5より大きくなるように設定されている。
つまり、この場合も、左右の車輪のうちのスリップして
いる方の配分を小さく、スリップしていない方の配分を
大きくするように設定するのである。
以上のようにして、旋回状態に応じた後輪のトルク配分
比R1前後方向の加速度に応じた後輪のトルク配分比Q
!、横方向の加速度に応じた右側輪のトルク配分比Q2
、及び車輪のスリップ率に応じた後輪及び右側輪のトル
ク配分比pl、p2が設定されると、これらの配分比を
合算して各車輪のトータルのトルク配分比を求めること
になるのであるが、その場合に、エンジン出力の余裕に
応じた配分比の補正制御が行われる。
この補正制御は第18.19図に示すフローチャートに
従って次のように行われる。
まず、ステップSStでアクセル開度に応じたトルク、
すなわち運転者が要求する要求トルクT。
と、その時点でエンジンが出力しうる最大トルクTMA
X  (車輪の駆動トルクに換算した値)とを算出し、
次いでステップS52で、上記各運転状態に応じて設定
したトルク配分比を合算した後輪及び右側輪のトータル
のトルク配分比に、Lを次式に従って算出する。
K=R+Qt +Pt   I L=Qz +P2 0.5 ここで、各トルク配分比R,Q1.Q2 、PtP2は
いずれも0.5を基準とした値であって、トータル配分
比に、Lも0.5を基準とする必要上、上記のようにに
、Lは各トルク配分比を合算した値から1もしくは0.
5を減算することになる。
次に、ステップ353で上記のようなトータルトルク配
分比に、Lを目標として、これを実現するのに必要な出
力トルクTsoを算出する。この算出動作は第19図の
フローチャートで示すサブルーチンとして行われ、まず
、ステップS71で後輪のトータル配分比Kが0.5よ
り大きいか否かを判定する。そして、K>0.5のとき
は、ステップS72でその値をXに置換し、K≦0.5
のときは、ステップS73で(1−K)をXとする。
つまり、後輪のトータル配分比にと前輪のトータル配分
比(1−K)のうちの大きい方の値をXとするのである
同様に、ステップS74で右側輪のトータル配分比りが
0.5より大きいか否かを判定し、L〉0.5のときは
、ステップS75でその値をYに置換し、L≦0.5の
ときは、ステップS76で(1−L)をYとする。
そして、ステップS77で、次式に従って上記目標トル
ク配分を実現するのに必要な出力トルクTsn (n=
o、1.2.3)を算出する。
Tsn=4−X−Y−T(。
つまり、前輪と後輪のトルク配分が等しく(X=0.5
)、且つ右側輪と左側輪のトルク配分も等しい(Y=0
.5)場合には、このトルク配分を実現するのに必要な
出力トルクTsnはアクセル開度に応じた要求トルクT
。と等しくなるのであるが、例えば前輪または後輪のう
ちの配分が大きい方の配分比Xが0.6であり、また右
側輪と左側輪のうちの配分が大きい方の配分比Yも0゜
6であるとすると、この配分を実現するのに必要なトル
クTsnは要求トルクT、の1.44倍となるのである
このようにして、必要トルクTso (Tsn)が算出
されると、次に、第18図のフローチャートのステップ
S54でこの必要トルクTSOと出力可能な最大トルク
TMAXとを比較し、TMAX≧TS(、のとき、つま
りエンジン出力に余裕があって目標トルク配分を実現す
るのに十分な出力が得られるときには、ステップS55
で、その必要トルクTs、)を実際に出力するトルクT
として設定する。
一方、T ITIAX < T s Oのとき、つまり
エンジン出力の余裕が少ないため、目標トルク配分を実
現するのに必要なトルクTSoが得られないときには、
ステップSs6以下で目標トルク配分の補正を行う。
この補正は、後輪及び右側輪のトータル配分比KLの算
出に際して、各運転状態に応じた配分のうちの優先度の
低いものから順次削除することにより行われ、まずステ
ップ356では旋回状態に応じた後輪のトルク配分比R
を削除して、トータルトルク配分比に、Lを次式に従っ
て改めて算出する。
K=Q1  +Pt  −0,5 L=Q2 +P2−0. 5 つまり、旋回状態に応じた後輪のトルク配分比R及び前
輪のトルク配分比(1−R)をいずれも0.5とし、こ
の旋回状態に応じた配分の変更制御を行わないようにす
るのである。
次いで、ステップS57てこの補正したトータル配分比
に、Lを実現するのに必要な出力トルクT81を第19
図のサブルーチンによって再度算出し、ステップ35g
でこの必要トルクTs1と出力可能な最大トルクTMA
Xとを比較する。
そして、Tsl≦TMAXのとき、つまり補正したトー
タル配分比に、Lを実現するだけの出力が得られる場合
には、ステップS59で、その場合の余剰トルクの範囲
内で旋回状態に応じたトルク配分を実現するために、次
式に従って後輪トルク配分比の追加量R′を算出する。
R’ = (R−0,5)x (TMAx  Tsl)/ (Ts□  Ts、)ここ
で、(Ts(、−Ts、)は、旋回状態に応じたトルク
配分(1−R:R)を実現するのに必要な出力トルクを
示し、また( T MAx  T s 1 )は、この
旋回状態に応じたトルク配分を行わないときの出力トル
クの余剰分を示すものであって、これらの割合で、旋回
状態に応じたトルク配分の配分量(R−0,5)を圧縮
したものを後輪のトルク配分比の追加量R゛とするので
ある。そして、次式に示すように、この追加量R′を加
算した値を後輪のトータル配分比にとし、且つ出力トル
クTを出力可能な最大トルクTMAXに設定するのであ
る。
K=に+R’ T −T MAX 一方、ステップ5511で、T s 1 > T MA
Xと判定されたとき、つまり旋回状態に応じたトルク配
分を行わないようにしても、必要トルクTslが最大ト
ルクT□8を上回ってしまう場合は、さらに前後方向の
加速度に応じた後輪のトルク配分比Q1を削除し、ステ
ップS60で、後輪及び右側輪のトータル配分比に、L
を次式のように設定する。
K=P。
L=Q2+p2−0.5 そして、この場合も、ステップS61. s6□に従っ
てこの補正したトータル配分比に、Lによるトルク配分
を実現するのに必要なトルクTs2を第19図のサブル
ーチンによって算出し、この必要トルクTs2とその時
点で出力しうる最大トルクT MAXとを比較する。
そして、Ts2≦TMAxの場合は、上記ステップS5
9と同様に、余剰トルク(TMAX  T S 2 )
の範囲で前後加速度に応じたトルク配分を行うべく、ス
テップS6□で次式に従って後輪のトルク配分比の追加
量Ql’を算出する。
Q+  = (Q+  0.5)X (TMAX  TS2 )/ (TSI −Ts2 )
そして、後輪のトータル配分比K及び出力トルクTをそ
れぞれ次のように設定する。
K=に+Q。
T=TM^χ さらに、T s 2 > T IIIAXのとき、つま
り前後加速度に応じたトルク配分を行わないようにして
も必要トルクTs2が最大トルクTMAXを上回ってし
まう場合は、次に横加速度に応じた右側輪のトルク配分
比Q2を削除し、ステップS64で、後輪及び右輪のト
ータル配分比に、Lを次式に従って再度算出する。
に=P! L=P。
そして、ステップ365〜S67に従って、この配分比
に、Lによるトルク配分を実現するのに必要なトルクT
s3を算出し、これと最大トルクTMAXとを比較する
と共に、Ts3≦TMAXのときは、余剰トルク(TM
AXTs3)の範囲内で横加速度に応じたトルク配分を
行うべく、右側輪のトルク配分比追加量Q2′を次式に
従って算出し、また右側輪のトータル配分比し及び出力
トルクTをそれぞれ以下のように設定する。
Q2°=(Q2 0.5)X (TMAX  Tss)/(Ts2  TS3)L =
 L + Q 2 T = T MAX これに対して、T s 3 > T MAXの場合、つ
まり旋回状態に応じたトルク配分、前後加速度に応じた
トルク配分、及び横加速度に応じたトルク配分を順次省
略し、スリップ状態に応じたトルク配分のみを実行しよ
うとしても、その配分の実現に必要なトルク7’s3が
最大トルクT MAXを上回ってしまう場合は、配分比
に、Lはそのまま(K=P1 、 l、=p2)保持し
て、ステップ36gで次式のように出力トルクTを最大
トルクTMAXとする。
T = T MAX この場合、エンジン出力の不足により出力トルクTが運
転者が要求するトルクToに溝たないことになるが、ス
リップ状態に応じたトルク配分は目標通りに実行される
ことになる。
以上のようにして、各運転状態に応じたトルク配分がエ
ンジン出力トルクの余裕に応じて補正され、最終的なト
ータルの後輪のトルク配分比K及び右側輪のトルク配分
比りが設定される。また、この配分比に、Lによるトル
ク配分を実現するための出力トルクTが決定される。そ
して、次に、第20図に示すフローチャートに従って、
このトルク配分を実行するためのエンジン制御とブレー
キ制御とが行われる。
この制御においては、まずステップSat〜Sa7で、
目標とするトルク配分比に、Lを実現するのに必要なト
ルクTsが、第19図のサブルーチンと同様にして改め
て算出される。そして、この必要I・ルクTsが得られ
るように、ステップsgsで、第2図に示すエンジンの
スロットルバルブ22を駆動すべく、そのアクチュエー
タ23に制御信号を出力する。
次に、ステップS89で、上記トルク配分比K。
Lに基いて各車輪に付与する制動トルクT b PL。
T b PR,、T b RL、 T b RRを次式
に従って算出する。
TbpL=Ts/4  (I  K)(I  L)T。
Tbp*=Ts/4  (1−K)L’T”。
TbRt=Ts/4  K(I  L)T。
T b RR= T s / 4  K L T6そし
て、これらの制動トルクが得られるように、第3図に示
す各車輪についての制動制御弁33.34のアクチュエ
ータ35.36に制御信号を出力する。
これにより、各車輪の駆動トルクは TFL=(I  K)  (L  L>”T’0TPR
=  (1−K )LT。
TRL= K  (L   L >T。
T RR= K L TO となり、そのトータルのトルクが要求トルクT。
に一致し、且つ前輪と後輪のトルク配分比が〔(1−K
):K)、左側輪と右側輪のトルク配分比が((1−L
):L)となる。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、複数の運転状態に応じ
て各車輪のトルク配分を設定し、このトルク配分をエン
ジン出力の制御とブレーキの制御とで実現するようにし
た4輪駆動車において、エンジン出力の余裕が目標とす
るトルク配分を実現するのに不足する場合に、各運転状
態に応じたトルク配分のうちの優先度の低いものから順
次省略するようにしたから、エンジン出力が不足する場
合にも、当該車両の走行性や運転性等に与える影響の大
きい運転状態、例えば車輪のスリップ状態等に応じたト
ルク配分は実現されることになる。
従って、この種の4輪駆動車において、常に所要の走行
性ないし運転性が確保されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体概略構成図であり、また第2〜2
0図は本発明の実施例を示すもので、第2図は制御シス
テム図、第3図は制動圧制御弁及びそのアクチュエータ
の構成と配置を示す回路図、第4図はトルク配分制御の
全体動作を示すフローチャート図、第5図は旋回状態に
応じたトルク配分制御を示すフローチャート図、第6〜
9図はこの制御で用いられる各マツプの説明図、第10
図は加速度に応じたトルク配分制御を示すフローチャー
ト図、第11.12図はこの制御で用いられるマツプの
説明図、第13図はスリップ状態に応じたトルク配分制
御を示すフローチャート図、第14〜17図はこの制御
で用いられるマツプの説明図、第18図はトルク配分比
の補正制御を示すフローチャート図、第19図はこの制
御で用いられるサブルーチンのフローチャート図、第2
0図はエンジン及びブレーキの制御動作を示すフローチ
ャート図である。 2〜5・・・車輪、6・・・エンジン、17〜20・・
・ブレーキ装置、21・・・ブレーキ制御手段(ブレー
キコントローラ)、24・・・エンジン制御手段(エン
ジンコントローラ)、26・・・1〜ルク配分制御手段
〈トルク配分コントローラ)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)エンジン出力により前輪及び後輪を駆動するよう
    に構成され、且つエンジン出力を制御するエンジン出力
    制御手段と、各車輪に付与する制動力を制御するブレー
    キ制御手段とにより、各々が異なる運転状態を示す複数
    の制御パラメータに応じて各車輪のトルク配分を可変制
    御するようにした4輪駆動車のトルク配分制御装置であ
    って、上記複数の制御パラメータに優先順位を設定する
    と共に、これらのパラメータに応じて設定される目標配
    分を実現するのに必要なエンジン出力が得られないとき
    に、優先順位の低い制御パラメータに基くトルク配分か
    ら順次省略してトルク配分制御を行うトルク配分制御手
    段を設けたことを特徴とする4輪駆動車のトルク配分制
    御装置。
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