JP2851378B2 - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分制御装置

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JP2851378B2 JP14654390A JP14654390A JP2851378B2 JP 2851378 B2 JP2851378 B2 JP 2851378B2 JP 14654390 A JP14654390 A JP 14654390A JP 14654390 A JP14654390 A JP 14654390A JP 2851378 B2 JP2851378 B2 JP 2851378B2
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は4輪駆動車のトルク配分制御装置に関する。
(従来の技術) エンジン出力により前後左右の4輪を駆動する4輪駆
動車において、各車輪のトルク配分を常に等しい状態に
するのでなく、運転状態に応じた最適な配分に可変制御
するようにしたトルク配分制御装置は一般に知られてい
る。
例えば、特開平1−247221号公報には、加速や旋回な
ど車両の運動に伴って生ずる荷重の移動は各車輪が許容
できる駆動力を不均等なものにすることから、上記荷重
移動に応じて各輪の駆動力をブレーキに吸収させ、荷重
移動に見合う駆動力を各輪毎に与えるという、トルク配
分変更システムが開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記システムは、路面の摩擦係数(以下、必要に応じ
てこれをμという)が高い高μ路面においては、車両は
舵角及び車速の変化に略対応する挙動をとるから特に問
題はない。しかし、低μ路面においてはタイヤのスリッ
プ率が大きいから、車両の運動が舵角変化及び車速変化
に対して遅れる。例えば、横方向の荷重移動は操舵終了
後も残ることになる。
従って、車両の実際の横加速度を検出して、つまり横
方向の荷重移動に基づいて左輪と右輪との間のトルク配
分制御を行なう場合、操舵終了後においても、車両に残
る横加速度によってトルク配分が行なわれることにな
る。よって、その場合、左右不均等な駆動トルクによっ
て車両に余分な自転モーメントが発生し、車両の旋回運
動の収束性、つまりは直進性が悪化する。
すなわち、本発明の課題は、上記低μ路面での上記車
両の旋回運動の収束性の悪化の問題を解決できるように
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような課題に対して、車両の実際の横
加速度と、舵角及び車速に基づき荷重移動に遅れがない
として算出した計算上の横加速度とを使い分けることに
より、車両の運転状態に適した左右輪トルク配分制御を
行なうようにするものである。
すなわち、そのためのトルク配分制御装置は第1図に
示されている。
同図において、1は4輪駆動車であって、エンジン2
を備え、このエンジン2の出力はセンターデファレンシ
ャル3、フロントデファレンシャル4、リヤデファレン
シャル5を介して左右の前輪6,7及び左右の後輪8,9にそ
れぞれ伝達されるものである。
10は上記4輪6〜9へのエンジン出力の伝達量を調整
してこの4輪6〜9へのトルク配分を変更するトルク配
分変更手段であり、この場合は、各輪6〜9にそれぞれ
設けられたブレーキ装置11〜14を制御することにより上
記伝達量を調整するものとして示されている。
17は車両の横加速度に応じて左輪6,8と右輪7,9との間
のトルク配分比を設定しこのトルク配分比に基づいて上
記トルク配分変更手段10を制御するトルク配分制御手段
である。
そうして、本発明においては、上記横加速度による左
右輪のトルク配分制御にドライバーの意思を反映させる
べく、車両の実際の横加速度を検出する横加速度センサ
41の他に、舵角センサ40と車速センサ46とにより得られ
る舵角と車速とに基づきそれらの大きさに応じて車両に
発生すべき横加速度を算出する横加速度算出手段18と、
制御に供すべき横加速度の選択手段19とを設けているも
のである。
すなわち、上記横加速度選択手段19は、上記横加速度
センサ41により得られる実測横加速度と上記横加速度算
出手段18により得られる計算横加速度とのうちから、上
記左右輪のトルク配分の制御に供すべき横加速度を選択
するものである。
この場合、上記横加速度選択手段19は、実測横加速度
と計算横加速度とのうちの値が小さい方を選択するもの
にすることができる。
(作用) 上記トルク配分制御装置においては、横加速度選択手
段により、例えば、高μ路面では実測横加速度を選択
し、低μ路面では計算横加速度を選択することができ
る。この場合、高μ路面では実際の荷重移動に見合う左
右輪トルク配分制御により、車輪のスリップを確実に抑
えて安定した旋回走行を行なうことができる。一方、低
μ路面では、旋回進入時に荷重移動の発生が遅れていて
も、舵角に対応させて左右輪のトルク配分比を大きし、
車両の回頭性を高め、旋回走行からの脱出時には舵角に
対応させて早めにトルク配分制御を切り上げることによ
り、旋回操舵終了後に左右不均等な駆動トルクが残る
(車両に余分な自転モーメントが発生する)ことを防止
して、車両の旋回運動の収束性を高めることができる。
また、横加速度選択手段により、実測横加速度と計算
横加速度とのうちの値が小さい方を選択するようにすれ
ば、路面のμを検出することなく路面のμに応じた適切
な左右輪トルク配分制御を行なうことができる。すなわ
ち、高μ路面では実測横加速度と計算横加速度との差が
小さいから、車両の実際の荷重移動に見合う左右輪トル
ク配分制御を行ない、低μ路面では旋回進入時には値が
小さい実測横加速度による制御でスリップを防止しなが
ら、旋回走行からの脱出時には値が小さい計算横加速度
による制御で旋回走行の収束性を高めることができる。
(発明の効果) 従って、本発明によれば、実測横加速度と計算横加速
度とから左右輪トルク配分制御に供すべき横加速度を選
択する横加速度選択手段を設けたから、実測横加速度と
計算横加速度との使い分けにより、路面のμに応じた最
適な左右輪トルク配分制御を行なうことができるように
なる。
また、上記横加速度選択手段を実測横加速度と計算横
加速度とのうちの値が小さい方を選択するものにすれ
ば、路面のμを検出することなく、高μ路面では車両の
実際の荷重移動に見合う左右輪トルク配分制御を行ない
ながら、低μ路面では旋回進入時の車輪のスリップを防
止し、旋回走行からの脱出時には旋回走行の収束性を高
めることができるようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<全体構成の説明> 第2図に実施例の全体構成が示されている(なお、第
1図に示す要素に対応するものには同符号を用いてい
る)。
まず、エンジン2の出力は、エンジン出力を前輪側と
後輪側とに等分に伝達するセンターデファレンシャルを
有するトランスファ3にトランスミッション31を介して
入力されている。フロントデファレンシャル4はトラン
スファ2の前輪側出力軸32に連結され、このフロントデ
ファレンシャル4に左右の前輪6,7が前輪駆動軸33を介
して連結されている。同様に、リヤデファレンシャル5
はトランスファ3の後輪側出力軸34に連結され、このリ
ヤデファレンシャル5に左右の後輪8,9が後輪駆動軸35
を介して連結されている。
トルク配分変更手段としてのブレーキコントローラ10
は、上記4輪6〜9に配設された各ブレーキ装置11〜14
へ供給する制動圧を別個に制御する制動圧制御弁とその
アクチュエータとを備えたものである。また、エンジン
2のスロットル弁36はスロットルモータ37によってその
開度が調整されるものである。そして、エンジン出力変
更手段としてのエンジンコントローラ15は、運転者のア
クセル操作量を検出するアクセルセンサ38からのアクセ
ル信号を受けて上記スロットルモータ37に作動制御信号
を出力し、運転者のアクセル操作量に対応するようスロ
ットル弁36の開度を調整する一方、トルク配分コントロ
ーラ16からの制御信号を受けて、トルク配分の変更に必
要なエンジン出力トルクが得られようエンジン出力を変
更するものである。
トルク配分コントローラ16は、上記アクセルセンサ38
からの信号のほか、上記4輪6〜9へのトルク配分制御
を行なうための運動量ないしは操作量計測用の各種信号
が入力され、上記ブレーキコントローラ10及びエンジン
コントローラ15に制御信号を出力するものであり、上記
各種信号の出力源は以下の通りである。
舵角を検出する舵角センサ40 車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ41 車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ42 クラッチの断接を検出するクラッチセンサ43 各輪6〜9の回転数を検出する車輪速センサ44 エンジン回転数を検出する回転数センサ45 車速センサ46 トランスミッション25のギヤポジション(変速段)を検
出するギヤポジションセンサ47 エンジン2のブースト圧を検出するブースト圧センサ48 すなわち、上記トルク配分コントローラ16は、車両の
横加速度に応じて左輪6,8と右輪7,9との間のトルク配分
比を設定しこのトルク配分比に基づいて上記ブレーキコ
ントローラ10及びエンジンコントローラ15を制御するも
のであり、 上記舵角と車速とに基づきこの舵角と車速とに対応し
て車両に発生すべき横加速度を算出する横加速度算出手
段と、 上記横加速度センサによる実測横加速度と、上記横加
速度算出手段による計算横加速度とから、上記トルク配
分の制御に供すべき横加速度を選択する横加速度選択手
段と、 上記横加速度選択手段にて選択された横加速度に基づ
いて、左右輪のトルク配分比を設定するトルク配分比設
定手段と、 路面の摩擦係数を検出する摩擦係数検出手段と、 路面の摩擦係数が低くなるほど上記車両の荷重移動量
が少ない領域からトルク配分の変更制御が実行されるよ
うに上記トルク配分比設定手段を制御するトルク配分実
行領域変更手段とを備えている。
<ブレーキコントローラ10の説明> 第3図において、59は前輪6のブレーキ装置11のため
の第1油圧ライン、60は右前輪7のブレーキ装置12のた
めの第2油圧ラインであって、各々制動圧の供給を制御
する第1と第2の制動圧制御弁61,62が介装されてい
る。この両制動圧制御弁61,62は、シリンダ61a,62aがピ
ストン61b,62bにより容積可変室61c,62cと制御室61d,62
dとに区画されている。容積可変室61c,62cは、マスタシ
リンダ58で発生された制動圧を上記ブレーキ装置11,12
に供給するものである。
ピストン61b,62bは、スプリング61e,62eによ8り容積
可変室61c,62cの容積が増大する方向に付勢されている
とともに、制御室61d,62dに導入される制御圧によりス
プリング61e,62eの付勢に抗して容積可変室61c,62cを縮
小する方向に移動するものであり、この縮小方向の移動
により容積可変室61c,62cの制動圧入口を閉じるチェッ
クバルブ61f,62fを備えている。従って、制御室61d,62d
に制御圧が導入されてピストン61b,62bがスプリング61
e,62eに抗して移動すると、マスタシリンダ58と容積可
変室61c,62cとの間が遮断されるとともに、これらの室6
1c,62c内で発生される制動圧が各ブレーキ装置11,12に
供給されることになる。
一方、上記各制動圧制御弁61,62を作動させるため
に、各々増圧用電磁弁63a,64aと減圧用電磁弁63b,64bと
で構成された第1と第2のアクチュエータ63,64が設け
られている。増圧用電磁弁63a,64aは、オイルポンプ65
からリリーフ弁66を介して上記制動圧制御弁61,62の制
御室61d,62dに至る制御圧供給ライン69,70上に配置さ
れ、減圧用電磁弁63b,64bは、上記制御室61d,62dから導
かれたドレンライン67,68上に配置されている。そし
て、これらの電磁弁63a,63b,64a,64bは上記トルク配分
コントローラ16からの信号により開閉制御され、増圧用
電磁弁63a,64aが開通され且つ減圧用電磁弁63b,64bが遮
断された時に制動圧制御61,62の制御室61d,62dに制御圧
が導入され、増圧用電磁弁63a,64aが遮断され且つ減圧
用電磁弁63b,64bが開通された時に上記制御室61d,62dか
らの制御圧が排出されるようになっている。
また、左右の後輪8,9のブレーキ装置13,14について
も、その図示は省略するが、上記前輪6,7のブレーキ装
置11,12と同様構造が採用されており、かかる構造によ
る各ブレーキ装置11〜14に独立した制動圧を作用せしめ
ることができるものである。
次に、上記トルク配分コントローラ16について説明す
る。
<全体的な処理の流れの説明> 第4図に示すように、スタート後、所定の計測タイミ
ングになると、第2図に示す各センサ38,40〜48からの
信号により、アクセル開度、舵角、横加速度、前後加速
度、クラッチ断接、各車輪速、車速、ギヤポジション、
ブースト圧が計測される(ステップS1,S2)。
そして、路面のμの判定が行なわれ、荷重移動に応じ
た前輪6,7と後輪8,9とのトルク配分比(以下、必要に応
じて前後配分比という)Q1及び左輪6,8と右輪7,9とのト
ルク配分比(以下、必要に応じて左右配分比という)Q2
の設定が行なわれ、上記Q1,Q2に基づいてブレーキコン
トローラ10及びエンジンコントローラ15の制御が行われ
る(ステップS3〜S5)。
なお、本実施例においては、前後配分比Q1は、0を前
後均等配分とし、+0.5で前輪6,7の駆動トルク0(後輪
8,9の駆動トルク最大)、−0.5で逆の関係になるよう設
定されている。また、左右配分比Q2は、0を左右均等配
分とし、+0.5で左輪6,8の駆動トルク0(右輪7,9の駆
動トルク最大)、−0.5で逆の関係になるよう設定され
ている。
<μ判定の説明> 摩擦係数検出手段は、車両の直進走行状態において、
変速時に駆動力が0になることを利用し、駆動力変化に
対する車輪速の変化から摩擦係数μを判定検出するもの
である。具体的には、第5図のフローに示すように、舵
角センサ40及びクラッチセンサ43からの信号により車両
が直進走行中であり且つ変速時あることを検出した際
に、 μ=(スリップ率変化量)/(駆動力変化量) の式によりμを判定する(ステップS11〜13)。
この場合、駆動力変化量は、アクセルセンサ38及び回
転数セエンサ45によりアクセル開度及びエンジン回転数
(RPM)を検出し、それに基づいて第6図に示すマップ
からエンジンの駆動トルクを算出し、これにギヤポジシ
ョンセンサ47から検出される変速前のギヤ比を乗じて得
ることができる。一方、スリップ率変化量は、車輪速セ
ンサ44により、第7図に示す変速による車輪速変化量Δ
v及び変速中の車輪速の極小値vを求め、 スリップ率変化量=−Δv/(v/Δv) の式により得ることができる。
<荷重移動対応制御の説明> 本制御は、第8図に示すフローに従って実行する。す
なわち、基本的には横加速度センサ41及び前後加速度セ
ンサ42より検出される実測横加速度Glat及び実測前後加
速度を用いてトルク配分制御を行なうものである。そし
て、低μ路面のような操舵に対して横加速度の発生が遅
れる場合に、高μ路面等で得られるところの遅れのない
理想的な計算横加速度G.calによって上記Glatを補正
し、また、本制御の実行領域を路面のμに応じて変化さ
せるものである。
まず、舵角変化及び車速変化からの遅れがない理想的
な横加速度、つまりG.calを次式に従って算出する(ス
テップS21)。
G.cal=v2/(1+Av2)・θ/l この場合、vは車輪速センサ44により求まる最低車輪
速、θ舵角、lはホイールベースである。また、Aは高
μ路面での車両挙動特性を得るためのファクターであ
り、第9図に示す特性マップから得るものである。
次に、上記G.calとGlatとの積が正の時、G.calの絶対
値がGlatのそれよりも小さければ、この値が小さいG.ca
lを制御用Glatとして選択し、そうでなければ、Glatを
選択し、上記積が0若しくは負の時は、制御用のGlatを
強制的に0とする(ステップS22〜S25)。
すなわち、上記積の正負の判断は、上記G.calとGlat
とが共に正の値若しくは負の値か、あるいは両者が正負
逆の値かをみるためのものである。そして、上記G.cal
とGlatとが共に正の値若しくは負の値のときにおいて
は、そのうちの値が小さい方を制御用横加速度として選
択するものである。また、例えば右旋回から左旋回へ移
行する過度期のように、横加速度の発生の遅れによっ
て、G.calとGlatとが正負逆の値となるときには、横加
速度によるトルク配分制御を禁止するものである。
次に、上記制御用Glatを用いて左輪6,8と右輪7,9との
間での荷重移動率Qlatを求める一方、前後加速度を用い
て前輪6,7と後輪8,9との間で荷重移動率Qlonを求める
(ステップS26)。
次に、先に求めたμの値に基づいて荷重移動対応制御
の実行範囲設定用の定数GLIM1及びGLIM2を決定し、これ
を用いてトルク配分比補正係数Rを求め、この補正係数
Rを上記前後輪荷重移動率Qlon及び左右輪荷重移動率Ql
atにそれぞれ乗じて、荷重移動に応じた前後トルク配分
比Q1及び左右トルク配分比Q2を得る(ステップS27,S2
8)。
すなわち、上記補正係数rは、前後加速度及び横加速
度が低い領域では加速度が低いほどトルク配分比Q1,Q2
が小さくなるよう補正するための係数である。そして、
GLIM1及びGLIM2は、上記補正係数Rによる上記トルク配
分比Q1,Q2の補正を行なう加速度の上限値と下限値とを
決定するものである。この場合、GLIM1より大の加速度
では荷重移動率Qlon及びQlatがそのままトルク配分比Q1
及びQ2とされ(R=1)、GLIM2より小の加速度ではR
=0、つまりトルク配分比Q1=0,Q2=0とされることに
なる。
そうして、ステップS27の右図に示すように、トルク
配分実行領域変更手段により、低μになるほど上記GLIM
1及びGLIM2の値が小になり且つその差が小になるように
調整されるものである。このことは、ステップS27の左
図に1点鎖線で示すように低μになるほど補正係数特性
線は左へずれ、低加速度側に荷重移動対応制御の実施領
域が拡張変更されるとともに、低加速度でも荷重移動率
に相当する大きなトルク配分比で制御が行われるように
なるということである。また、高μでは上記補正係数特
性線が右にずれ、比較的高い加速度になるまで荷重移動
対応制御が行なわれないということになる。
<エンジン、ブレーキコントロール> 先の制御により設定された配分比Q1,Q2によるトルク
配分制御を実行するに必要なトルクTsを次式に従って計
算する。
Ts=4×(|Q1|+0.5) ×(|Q2|+0.5)×Tr そして、上記必要トルクTsが得られるようエンジンコ
ントローラ15を制御する一方、上記配分比Q1,Q2に基づ
いて各車輪6〜9に付与する制動トルクTBFR(右前輪
用)、TBFL(左前輪用)、TBRR(左後輪用)及びTBRL
(左後輪用)を次式に従って算出し、これらの制動トル
クが得られるように、ブレーキコントローラ10を制御す
るものである。
TBFR=Ts−4(0.5−Q1) ×(0.5+Q2)×Ts TBFL=Ts−4(0.5−Q1) ×(0.5−Q2)×Ts TBRR=Ts−4(0.5+Q1) ×(0.5+Q2)×Ts TBRL=Teng−4(0.5+Q1) ×(0.5−Q2)×Ts <実施例及び比較例の作用> まず、実施例の如き計算横加速度G.calを用いずに、
実測横加速度Glatのみで荷重移動制御を行なう比較例か
ら説明すると、低μ路面での蛇行運転における舵角θ、
ヨーレートY及び実測横加速度Glatの関係が第10図に示
されている。すなわち、旋回方向切換の過度期におい
て、舵角θが零になった時点以降でも、舵角θの変化に
対し遅れている実測横加速度Glatによって旋回方向切換
前の荷重移動制御が継続されることにより、比較的大き
なヨーレートYが残り(遅れA)、それによって実測横
加速度Glatが大きな状態が続き、旋回方向切換後の舵角
θがかなり大きくなった時点で、実測横加速度Glatが急
激に減少していっている(遅れB)。
これに対して、実測横加速度Glatと計算横加速度G.ca
lを用いた実施例の場合は第11図に示されている。
実施例の場合、旋回方向切換の過度期において、計算
機加速度Gcalが舵角に応じて減少し実測横加速度Glatよ
りも小さくなった時点で、荷重移動制御値はそれまでの
実測横加速度Glatによる制御から、値が小さな計算横加
速度G.calによる制御に移行する。よって、左右輪のト
ルク配分比が舵角θの減少に対応して早めに小さくなっ
ていき、それに応じてヨーレートY及び実測横加速度Gl
atが減少していっている。そして、上記実測横加速度Gl
atと計算横加速度G.calとが正逆反対の値になった時点
から同符号の値になるまで荷重移動制御が中止されるこ
とにより、この間に実測横加速度Glatが漸次減少してい
く。
よって、上述の如く、左右輪のトルク配分比が舵角θ
の減少に対応して早めに小さくなっていくことと、実測
横加速度Glatと計算横加速度G.calとが正逆反対の値に
なると荷重移動制御が中止されることとにより、第11図
に示すように、舵角変化に遅れて比較的大きなヨーレー
トYや実測横加速度Glatが残ったり、このGlatが急激に
変化するということがなくなるものである(もちろん、
上記ヨーレートYや実測横加速度Glatの遅れa,bは上記
比較例のA,Bよりも少なくなる)。
このことは、蛇行運転においては、旋回方向の切換が
円滑に行なわれ、また、旋回状態から直進走行へ移行す
る旋回脱出時においては直進走行への収束性が良いこと
を意味する。
また、高μ路面では荷重移動率(横加速度)が比較的
大きい領域から本制御が実行されるから、車両の走行安
定性及び操縦性を害することなく、不必要なトルク配分
制御を禁止して燃料消費量を低く抑え且つブレーキの消
耗も防止することができるものである。
一方、低μ路面では上記荷重移動率が比較的小さい領
域から本制御が実行されるから、旋回内側輪へのトルク
配分を少なくしてそのスリップを抑え、路面へのグリッ
プ力を強くして車両の操縦性ないしは安定性を高めるこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成図、第2図以下は第10図を除
いて本発明の実施例を示し、第2図は全体構成図、第3
図はトルク配分変更手段(ブレーキコントローラ)を示
す回路図、第4図はトルク配分制御の全体のフロー図、
第5図はμ判定のためのフロー図、第6図は出力トルク
とアクセル開度との関係を示す特性図、第7図はクラッ
チの断接に伴う車輪速の変化を示す図、第8図は荷重移
動対応制御のフロー図、第9図は車輪速とファクターA
との関係を示す特性図、第10図は比較例の舵角θ、ヨー
レートY及び実測横加速度Glatの関係を示す図、第11図
は実施例の舵角θ、ヨーレートY及び実測横加速度Glat
の関係を示す図である。 1……4輪駆動車 2……エンジン 3……センターデファレンシャル 4……フロントデファレンシャル 5……リヤデファレンシャル 6〜9……車輪 10……トルク配分変更手段 11〜14……ブレーキ装置 16……コントローラ 17……トルク配分制御手段 18……横加速度算出手段 19……横加速度選択手段 40……舵角センサ 41……横加速度センサ 46……車速センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前後左右の4輪がエンジン出力によ
    り駆動されるように構成されていて、上記4輪へのエン
    ジン出力の伝達量を制御して4輪への駆動トルクの配分
    を変更するトルク配分変更手段と、車両の横加速度に応
    じて左輪と右輪との間のトルク配分比を設定しこのトル
    ク配分比に基づいて上記トルク配分変更手段を制御する
    トルク配分制御手段とを備えた4輪駆動車のトルク配分
    制御装置において、 舵角を検出する舵角センサと、 車速を検出する車速センサと、 車両の実際の横加速度を検出する横加速度センサと、 上記舵角と車速とに基づきこの舵角と車速とに対応して
    車両に発生すべき横加速度を算出する横加速度算出手段
    と、 上記横加速度センサによる実測横加速度と上記横加速度
    算出手段による計算横加速度とのうちから、上記トルク
    配分の制御に供すべき横加速度を選択する横加速度選択
    手段とを備えていることを特徴とする4輪駆動車のトル
    ク配分制御装置。
  2. 【請求項2】横加速度選択手段は、実測横加速度と計算
    横加速度とのうちの値が小さい方を選択するものである
    請求項(1)に記載の4輪駆動車のトルク配分制御装
    置。
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