JPH0231450Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上下方向に回転する一対のエンドレス
のチエンからなる回転体間に架設状に棚が取付け
られた回転式の棚装置に関する。

棚装置において、設置面積を効率よく使用する
ため、複数台の棚装置をそれらの巾方向に移動可
能にかつ互いに接合させて並べ、使用する棚の前
面に選択的に通路を形成するものはすでに公知で
あるが、各棚装置を移動させて通路を形成するか
ら、通路内に人がいるときに棚装置を移動させる
危険性を有し、安全面に多くの配慮を要する難点
がある。また、エンドレスのチエンで棚を構成し
たものもあるが、これは複数台を並べて設置する
場合、各棚装置間に通路を形成しておくことを要
し、設置面積が広くなる難点がある。

本考案は、複数台の単位の棚装置を、互いに移
動不能にかつ互いに接近または接合させて設置し
て、各単位の棚装置の使用を可能にすることで、
設置面積を小さくし、かつ安全面の配慮を不要に
することを目的とする。

本考案は、水平方向の棚板がチエンなどのエン
ドレスの回転体で上下方向に旋回可能にされて、
単位の棚装置が構成され、かつ単位の棚装置の上
側に、水平方向にされて、棚装置の巾方向に移動
可能に設けられた支持レールを有し、この支持レ
ールに取付けられた移動体に、コンテナを支持し
持ち上げることが可能な移載具がつり下げ状に取
付けられたことを特徴とし、棚装置の上端に位置
させたコンテナを移載具で支持し、それを支持レ
ールの移動で移動、または、逆に移載具で支持し
たコンテナを最上段の棚板に載置することで、複
数台の棚装置を固定し、かつ互いに近接または接
触させて配置しながらコンテナの取出しと返却を
行うことが可能となしたものである。

本考案の装置を図面の実施例について説明する
と、１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは棚装置で、そのそ
れぞれがそれらの巾方向に互いに接合させて並べ
られており、これらは縦横にした棒状素材を互い
に結合して形成されたフレーム２の長さ方向の両
端部の上下に、軸線を水平方向として取付けられ
た、モータなどで回転させられる支軸３に固着さ
れたスプロケツトホイール４，４間にエンドレス
のチエン５が張設され、かつ水平方向で相対した
一対のチエン５，５間に棚板６を架設状に軸着
し、構成されている。そして、棚板６はその両端
の上側に突設された取付体６を介してチエン５に
取付けられて、棚板６が常にほぼ水平状態を維持
してチエン５と共に移動するようになつており、
かつチエン５の長さ方向に間隔をおいてその全長
にわたつて取付けられている。チエン５の直線部
においては、それと重なる位置に設けられた断面
凹形のガイドレール７内に、チエン５の外面に取
付けられたローラ８をはめ込んで、チエン５が水
平方向に揺動することを防ぐことが適するが、こ
れらの構造については限定は不要である。９は各
棚板６上に載置されたコンテナで、これに保管な
どを目的とする物品が入れられる。そして、複数
台の棚装置は互いに接合させて並べられている
が、近接状態にすることも可能である。

１０は棚板６の長さ方向に長くして棚装置１の
上側に配置された支持レールで、これはその両端
下側に設けられた支脚１１を介して、床面上を単
位棚装置１の奥行方向に移動可能にされている。
１２は棚板６の巾方向にして床面状に設けられた
レールで、この上を支脚１１がローラを介して移
動する。１３は支持レール１０に取付けられた移
動体で、これはモータなどで、支持レール１０に
沿つて強制的に移動させるようになつている。１
４は棚板６上のコンテナ９を上方から挾持するな
どして、他の場所に移動させる移載具で、これは
移動体１３の下部に、モータやエアシリンダなど
で上下動させる棒、チエン、ワイヤーなどのつり
下げ体１５を介してつり下げ状に取付けられてい
る。

第６図は移載具１４の一例で、上端が互いの方
に折曲され、かつその端部が互いに軸着されて、
互いの方向に回動可能になつた一対の支持アーム
１６からなり、各支持アーム１６の上端の折曲部
分の内側に端部が軸着され、かつ他端が互いに軸
着された補助アーム１７が設けられている。そし
て、支持アーム１６がつり下げ体１５に取付けら
れ、かつ一対の補助アーム１７の互いの軸着側端
に、モータまたはクランクなどで巻き上げまたは
引き上げ可能に支持体１３に装着された棒、ワイ
ヤなどの操作体１８の下端が取付けられている。
すなわち、操作体１８が巻き上げまたは引き上げ
られると補助アーム１７，１７が互いに直接に近
い状態に回動し、支持アーム１６，１６を互いに
開く、この状態で、支持アーム１６，１６をコン
テナの両側に位置させたのち、操作体１８から補
助アーム１７を解放し、支持アーム１６，１６を
互いの方に回動させてその先端の係止部１９をコ
ンテナの側壁に係止することで、コンテナを支持
する。したがつて、この移載具１４の場合には、
コンテナ９の口縁外側などに係止部１９が係止可
能な突壁を設けておく。

また、支持アーム１６，１６の先端部内側に電
磁石を取付け、かつコンテナ９の側壁外面に鉄板
などの磁性体を固着しており、それに電磁石を吸
着させてコンテナ９を支持することも可能であ
り、コンテナ９は移載具１４の支持手段に応じた
形状、構造にする。移載具１４はこれらの例に限
定することは不要で、コンテナを支持することが
可能な任意の構成の移載具が使用できる。

第４図はレール１２を棚装置１の上側において
建物などに固定した例で、支持レール１０の両端
がレール１２にスライド可能に取付けられてい
る。このようにすれば、支持レール１２の移動を
円滑化することに対して適する。

この装着は、保管などをする物をコンテナ９内
に入れ、、それを各棚板６上に載置し、かつチエ
ン５を旋回させることで、棚板６を上下方向に旋
回させてその位置を任意に変えて、各コンテナ９
の保管などを行い、コンテナを取出すときには、
それが載置されている棚板６を取出し位置まで移
動させるものである。

各棚装置１の棚板６に対するコンテナ９の載置
を、まず第２図の例について説明すると、この例
では、運搬装置または作業者が、手前の棚装置１
Ａの定めた高さの棚板６上にコンテナ９を載置す
る。コンテナ９を載置した棚板６をチエン５の駆
動で棚装置１の上端に移動させる。そして、支持
レール１０を棚装置１Ａの上側に停止させ、かつ
移動体１３をコンテナ９上に置いて、、移載具１
４を下降させるなどして、それで最上段の棚板６
上のコンテナを支持して持ち上げ、支持レール１
０をレール１２に沿つて移動させることで、持ち
上げたコンテナを、例えばそれを載置する棚装置
１Ｃの上位に移動させる。棚装置１Ｃでは、前記
コンテナ９を載置するための棚板６を最上位に位
置させているから、その上にコンテナ９を載置す
る。この動作を反復して、コンテナ９を定めた棚
装置１の定めた棚板６上に載置してゆく。

コンテナ９を取出すときは、前記と逆で例え
ば、棚装置１Ｃにおいて取出されるコンテナをチ
エン５の上端に移動させ、移載具１３で持ち上
げ、それを支持レール１０の移動で棚装置１Ａの
上端の棚板６上に置き、それをチエン５の旋回で
取り出し高さまで移動させる。

棚装置１Ａの棚板６を１段分ずつ移動させて、
コンテナ９の収納と取出しを行うこともできる。
この実施例は、棚装置１Ａをコンテナ９の取出し
と返却時の運搬とコンテナ９の保管とに共用した
ものである。しかし、棚装置１Ａはコンテナ９の
運搬のみに使用することもでき、その場合は、棚
板６の数を少なくしてもよい。

第３図の実施例は、棚装置１に対するコンテナ
９の取出しと返却とを移載具１４で直接に行うよ
うにしたものである。その例によるコンテナの取
出しは、取出そうとするコンテナを有する棚装置
１、例えば棚装置１Ａのチエン５を駆動して、そ
のコンテナが載置された棚板６を最上位に停止さ
せ、かつその上位に支持レール１０を位置させ
る。そして、移載具１４でコンテナ９を支持し、
かつやや持ち上げて、支持レール１０の移動で、
コンテナ９を棚装置１Ａの側部の、コンテナの載
置台２０上に位置させたのち、移載具１４を載置
台２０上に降下させる。コンテナの返却は上記と
逆で、載置台２０上に置かれたコンテナを移載具
１４で支持し、かつ棚装置１よりも高い高さに持
ち上げ、支持レール１０を所定の棚装置１の位置
まで移動させたのち、棚板６上にコンテナ９を置
く。載置台２０はコンベアその他の運搬装置にす
ることも可能で、コンベアを配置すれば、より効
率よくコンテナの処理ができる。

上記のように、この棚装置は、その棚板６をエ
ンドレスのチエン５で、上下方向に移動させ、そ
の上端位置でコンテナの取出しまたは返却を行う
ようになつているので、チエン５が水平旋回する
従来のものと比較して該チエン５の駆動用モータ
の消費電力を少なくすることができるとともに、
複数のコンテナの取出し要求があつたとき、所望
のコンテナは各単位棚装置の最上位に待機してお
り、移載具は支持レールと単位棚装置の最上位間
を垂直移動するので、その移動距離は短く、従つ
てコンテナの取出しまたは返却の時間を短縮でき
るのである。そして、例えば、チエン５の上端に
位置した棚板６上のコンテナ９の水平方向への移
動は、移動体１３が支持レール１０に沿つて移動
することにより棚装置１の奥行方向へ移動させる
ことができるとともに、支持レール１０が棚装置
１の巾方向へ移動することにより同方向へ移動さ
せることができるのである。したがつて、棚装置
の上側にコンテナを支持する移載具をつり下げ状
に取付けた移動体を取付ける支持レールを単位棚
装置の巾方向に移動可能に設けたので、棚装置の
上側の従来使用されなかつたスペース空間を有効
に利用でき、また複数台の棚装置１を、その巾方
向に並べて置く場合、それらのすべてを互いに接
触または近接させて置くことができ、各棚装置１
間には通路のためのスペースが不必要であるか
ら、設置場所を有効に利用できる、とともに、各
棚装置１自体の移動は全く不必要であるから、棚
装置を移動させた場合に生じる危険性その他の問
題も解決できる。また、独立した複数台の単位棚
装置１がその巾方向に同列に並べられているか
ら、その増減も容易で収納するコンテナなどの量
に対することが簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は側面図、第３図は他の例の側面図、
第４図は支持レール部の他の例の正面図、第５図
はフレームの一部拡大断平面図、第６図は移載具
の正面図である。 １……棚装置、２……フレーム、３……支軸、
４……スプロケツトホイール、６……棚板、９…
…コンテナ、１０……支持レール、１２……レー
ル、１３……移動体、１４……移載具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの長さ方向の両端部の上下に軸線を水
   平方向として取付けられたモータ等で回転する支
   軸に固着されたスプロケツトホイール間に上下方
   向に旋回可能にエンドレスのチエンを張設し且つ
   水平方向で相対した一対のチエン間に水平状態を
   維持してコンテナを載置する複数個の棚板を架設
   してなる単位棚装置を複数台その巾方向に移動不
   能となして連設するとともに、該単位棚装置の上
   側に前記棚板と平行に配し且つ単位棚装置の巾方
   向に移動可能な支持レールを有し、該支持レール
   に取付けられ該支持レールに沿つて単位棚装置の
   奥行方向に移動可能な移動体に、コンテナを支持
   し持ち上げることが可能な移載具が垂直方向に移
   動可能につり下げ状に取付けられた棚装置。