JPH0235681Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、たとえば天井側からクリーンエアー
を下吹きし、下降するクリーンエアーを床下に吸
引するクリーンルーム内に設置され、半導体のよ
うな塵埃を極端にきらう荷（物品）を保管するの
に採用されるクリーンルーム用棚設備に関するも
のである。

従来の技術 従来、この種の設備としては、たとえば実願昭
59−177704号に見られるように、棚本体内に、上
下方向ならびに水平方向に複数の荷載置部を形成
し、前記棚本体の前面側にクレーン形式の搬入出
装置を設けた構成が提供されている。そして搬入
出装置を、上下のレールに案内されて前面前方で
走行自在な角筒状のポストと、このポストに案内
される昇降台と、この昇降台に設けたフオーク状
の出し入れ具とから構成している。

考案が解決しようとする問題点 上記のような従来形式によると、棚本体の前面
前方に搬入出装置のための広い作用空間が必要
で、全体の平面スペースが大となり、また走行部
分など重量大であることから塵埃が発生し易く、
クリーン度を損なうことになる。

本考案の目的とするところは、平面スペースの
減少をはかり得るとともに、全体をシンプルに軽
量化し得るクリーンルーム用棚設備を提供する点
にある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決すべく本考案におけるクリー
ンルーム用棚設備は、棚本体内に、上下方向なら
びに水平方向に複数の荷載置部を形成し、前記棚
本体の前面側に移載装置を配設し、この移載装置
を、水平方向に移動自在な走行部材と、この走行
部材に支持案内される昇降部材と、この昇降部材
に上下揺動自在に取付けられかつ水平姿勢時に前
方突出するアームと、このアームに前後方向移動
自在に支持案内される出退部材と、この出退部材
に縦軸心の周りで回転自在に支持される回動部材
と、この回動部材に互に接近離間自在に設けた左
右一対の受け渡し具とから構成している。

作 用 かかる本考案構成によると、荷の荷載置部への
搬入（入庫）は、次のようにして行なわれる。す
なわちアームを水平姿勢として前方へ突出させ、
そして出退部材を退入位置にするとともに、互い
に離間動している受け渡し具を前方向きとした状
態で、先ず走行部材を走行させて受け渡し具を荷
の上方に位置させ、次いで昇降部材を下降させて
受け渡し具を荷の両側に位置させるとともに、こ
れら受け渡し具を接近動させて荷をクランプし、
そして昇降部材を上昇させて、目的とする荷載置
部に対応するレベルに荷を位置させる。次いで走
行部材を走行させて荷を目的とする荷載置部に対
向させた状態で、出退部材を突出動させて荷を棚
本体の前面から離れるように移動させ、そして回
動部材とともに荷を180度回転させて、この回動
部材よりも内側に荷を位置させる。次いで出退部
材を退入させて荷を荷載置部内に位置させるとと
もに、昇降部材を少し下降させて荷を着地させ、
そして受け渡し具を離間動させてクランプを解除
したのち、出退部材を突出動させる。これにより
受け渡し具を抜出動させ、その後に回動部材を逆
方向に180度回転させることによつて最初の状態
に戻し得る。また上述とは逆作動によつて、荷載
置部から荷の搬出（出庫）を行なえる。さらに走
行部材を所定の場所にて走行停止させ、そして昇
降部材を所定のレベルに位置させたのちアームを
下方揺動させることによつて、棚本体内の所定場
所に形成した格納用凹所内に回動部材や受け渡し
具などを突入位置させて格納し得る。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

１はクリーンルームで、天井２側からフイルタ
ー３を通してクリーンエアー４を下吹きし、下降
するクリーンエアー４をメツシユ形式の床５を通
して床下に吸引するように構成してある。６は床
５上において一定経路上を自動走行自在な荷搬送
装置で、その自動走行は、地上制御盤からの指示
により、かつ地上光伝送装置により確認しなが
ら、誘導体７に導かれて行われる。前記荷搬送装
置６の上部には、荷８の前後下縁部を支持自在な
固定式の荷受け部９が、３個（複数個）の荷８を
間隔を置いて支持すべく配設してある。ここで荷
８は品物を収納したケースを示し、その両側面に
は被係止部１０が突設されている。一定経路の適
所はステーシヨンとなり、ここに棚設備１１が設
けられる。すなわち棚設備１１は、箱状の棚設備
１１は、箱状の棚本体１２と、この棚本体１２内
の上半分に形成した上下方向ならびに水平方向に
複数の荷載置部１３と、前記棚本体１２の前面側
に配設した移載装置１４とからなる。この移載装
置１４は棚本体１２の前面近くにおいて移動自在
な走行部材１５を有し、この走行部材１５は矩形
筒状であつて、棚本体１２内の底板上に敷設した
２本のレール１６に摺動体１７を介して支持案内
される下部移動体１８と、棚本体１２内の天板下
に取付けたレール１９に摺動体２０を介して支持
案内される上部移動体２１とに亘つて取付けてあ
る。前記走行部材１５の走行駆動装置２２は、２
本のレール１６間に並設した螺子軸２３と、この
螺子軸２３に螺合させて下部移動体１８に取付け
たナツト体２４と、前記螺子軸２３に連動連結し
た正逆駆動自在なモータ２５とから構成される。
前記走行部材１５の一側面には上下方向のスリツ
ト２６が形成され、このスリツト２６を通つて走
行部材１５の内外に亘つて位置するとともに、こ
の走行部材１５側に案内される昇降部材２７が設
けられる。この昇降部材２７の昇降駆動装置２８
は、走行部材１５内に上下方向に配設した螺子軸
２９と、この螺子軸２９に連動連結すべく下部移
動体１８上に設けた正逆駆動自在なモータ３０と
から構成され、前記螺子軸２９に螺合するナツト
体（図示せず）が昇降部材２７に取付けてある。
前記昇降部材２７の露出面側には、走行方向のピ
ン３１を介して上下揺動自在なアーム３２が取付
けてある。このアーム３２は基端が取付けられ、
したがつて水平姿勢時には前方に突出することに
なる。前記アーム３２の揺動駆動装置３３は、昇
降部材２７に昇降案内される可動体３４と、この
可動体３４とアーム３２の中間とを相対揺動自在
に連結するリンク３５と、可動体３４と昇降部材
２７との間に設けたシリンダ装置３６とから構成
される。前記アーム３２に前後方向移動自在に支
持案内される枠組状の出退部材３７が設けられ、
アーム３２内にはその出退駆動装置（図示せず）
が配設される。前記出退部材３７は、縦ピン３８
を介して縦軸心３９の周りに回転自在な回動部材
４０を支持し、180度に亘つての正逆回転は出退
部材３７に取付けた回転駆動装置４１により行な
われる。前記回動部材４０は、互いに接近離間自
在な左右一対の受け渡し具４２を有し、接近離間
動を行なわせる作動装置４３が回動部材４０に取
付けられる。前記棚本体１２の下部一側には、前
面開放の格納用凹所４４が形成されている。４５
は荷搬送装置６の走行輪、４６は駆動輪を示す。

上記実施例においてクリーンルーム１内では、
フイルター３を通つて下吹きされるクリーンエア
ー４が下降し、そして下降するクリーンエアー４
を床５下に吸引することからクリーン度は確保さ
れている。荷受け部９に荷８を載置してなる荷搬
送装置６は棚設備１１の前面に対向して停止され
る。この状態で荷搬送装置６上の荷８を目的とす
る荷載置部１３に搬入（入庫）させる。すなわ
ち、先ず揺動駆動装置３３により可動体３４を上
昇させ、リンク３５を介してアーム３２をピン３
１の周りに上下揺動させる。これにより格納用凹
所４４内の回動部材４０などは取出されて前方に
振り出される。アーム３２の上方揺動は、このア
ーム３２が水平姿勢になつて停止される。次いで
昇降駆動装置２８を作動して昇降部材２７を上昇
させ、受け渡し具４２を荷８よりも上方に位置さ
せる。そして走行駆動装置２２を作動して走行部
材１５を走行させ、受け渡し具４２を荷８の上方
に位置させる。このとき受け渡し具４２は前方を
向いており、かつ互いに離間している。この状態
で昇降部材２７を下降させ、両受け渡し具４２を
荷８の外側で移動させて、被係止部１０の下方レ
ベルで停止させる。次いで作動装置４３により受
け渡し具４２を接近動させて荷８を両側からクラ
ンプする。そして昇降部材２７を上昇させて荷８
を持ち上げ、目的とする荷載置部１３に対応する
レベルに荷を位置させる。次いで走行部材１５を
走行させて荷８を目的とする荷載置部１３に対向
させた状態で、出退部材３７を突出動させて荷８
を棚本体１２の前面から最も離れた位置に移動さ
せる。そして回転駆動装置４１により回動部材４
０を縦軸心３９の周りに180度回転させて、回動
部材４０よりも内側に荷８を位置させる。次いで
出退部材３７を退入動させて荷８を荷載置部１３
内に突入位置させるとともに、昇降部材２７を少
し下降させて荷８を着地させる。そして受け渡し
具４２を離間動させてクランプを解除したのち、
出退部材３７を突出動させ、受け渡し具４２を抜
出させる。その後に回動部材４０を逆方向に180
度回転させることによつて最初の状態に戻し得
る。そして次の荷８を受け取るべく上述した作用
が繰り返えされる。また上述とは逆作動によつ
て、荷載置部１３から荷８を搬出（出庫）し、荷
搬送装置６に積み付け得る。さらに走行部材１５
を一側に走行停止させ、そして昇降部材２７を下
降して所定のレベルに位置させたのちアーム３２
を下方揺動させることによつて、格納用凹所４４
内に回動部材４０や受け渡し具４２などを突入位
置させて第５図仮想線に示すように格納し得る。
なお搬入または搬出を終えた荷搬送装置６は次工
程へと走行される。

考案の効果 上記構成の本考案によると、棚本体の前面側に
は、厚さの小さな走行部材の走行経路のためのス
ペースを確保するだけでよく、したがつて全体の
平面スペースを小さくできて、省スペース化をは
かることができる。そして全体をシンブルに軽量
化することができ、塵埃が発生し難くなつてクリ
ーン度を向上できる。さらに非使用時において回
動部材や受け渡し具などは、棚本体内の所定場所
に形成した格納用凹所内に突入させて格納するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は側面図、第３図は正面図、第４図は
平面図、第５図は要部の縦断側面図である。 １……クリーンルーム、６……荷搬送装置、８
……荷、１１……棚設備、１２……棚本体、１３
……荷載置部、１４……移載装置、１５……走行
部材、２２……走行駆動装置、２７……昇降部
材、２８……昇降駆動装置、３２……アーム、３
３……揺動駆動装置、３７……出退部材、３９…
…縦軸心、４０……回動部材、４１……回転駆動
装置、４２……受け渡し具、４３……作動装置、
４４……格納用凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棚本体内に、上下方向ならびに水平方向に複数
   の荷載置部を形成し、前記棚本体の前面側に移載
   装置を配設し、この移載装置を、水平方向に移動
   自在な走行部材と、この走行部材に支持案内され
   る昇降部材と、この昇降部材に上下揺動自在に取
   付けられかつ水平姿勢時に前方突出するアーム
   と、このアームに前後方向移動自在に支持案内さ
   れる出退部材と、この出退部材に縦軸心の周りで
   回転自在に支持される回動部材と、この回動部材
   に互に接近離間自在に設けた左右一対の受け渡し
   具とから構成したことを特徴とするクリーンルー
   ム用棚設備。