JPH0227278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、外面に樹脂被覆層を有する防食管継
手に関し、更に詳しくは、防食テープ巻などの面
倒な作業が不要で施工能率の良い防食管継手に関
する。

従来よりガス業界などで採用されている埋設導
管用樹脂ライニング鋼管の接続には、いわゆるメ
カニカル継手が広く使用されている。

しかしながら、樹脂ライニング鋼管より成る埋
設導管の寿命は半永久的であるのに対し、メカニ
カル継手は亜鉛めつき性の継手であるため、管に
比較して寿命が短く、耐久性の面で問題があつ
た。

このため、施工時に防食テープをメカニカル継
手に巻回して延命化を図つているが、斯るテープ
巻回作業は継手の形状が複雑であると容易ではな
く、防食効果の点でもかなりのバラツキを生じる
欠点があつた。

この点に着目し、本出願人は、外面に樹脂被覆
層を形成した防食効果の大きい半永久的な防食管
継手を開発したが、この防食管継手は、押輪の金
属部分が押輪の樹脂被覆層と管との間隙を径て外
部に露出する構造となつているので、外部から前
記間隙を通してその金属部分のところに浸入した
水が原因となつて内部から腐食が進行するという
問題があつた。このため、施工時に押輪の樹脂被
覆層と管とに跨がるようにテープを部分的に巻回
して水の浸入を防止しなければならず、このテー
プ巻回作業が面倒であり、しかも巻回の良否によ
つて防食効果もバラツキを生じるという欠点があ
つた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、押
輪の樹脂被覆層と管とに跨がる箇所への面倒なテ
ープ巻回作業が不要で能率よく埋設導管用樹脂ラ
イニング鋼管の接続を行うことができ、しかも水
の浸入を満足に防止して管継手内部からの腐食を
充分に阻止できる極めて耐久性に優れた防食管継
手を提供することを目的とする。

本考案は、上記目的を達成するために、外面に
樹脂被覆層を有する筒状の継手本体と、外面に樹
脂被覆層を有し且つ前記継手本体の端部への螺合
により管緊締機構を介して中心部に挿通させた管
を締付け固定する押輪とを具備した防食管継手に
おいて、前記押輪の継手本体と反対側の端部に押
輪の樹脂被覆層から延設された延設部を形成し、
この延設部の内面に周設した溝に、環状本体の内
周面から径方向内方に突出し軸方向に弾性変形可
能で管へ斜め外向きの状態で弾圧周接させる内鍔
を有した断面ほぼＴ字形のパツキンリングを嵌着
したものである。

以下、本考案の実施例を図を参照しながら説明
する。

本考案の実施例の防食管継手は、第１図及び第
２図に示すように、外面に樹脂被覆層１１を有す
る筒状の継手本体１と、同じく外面に樹脂被覆層
２１を有する筒状の押輪２と、ガスケツト３１、
当て具３２、球体３３及びその保持具３４より構
成される管緊締機構３と、２種類のパツキンリン
グ４，５とから成るもので、第１図では、押輪２
の径を継手本体１よりも大きく構成した実施例を
掲げてあり、第２図では、逆に押輪２の径を継手
本体１より小さく構成した実施例を掲げてある。

第１図の防食管継手に於ては、継手本体１の端
部を樹脂被覆層のない露出部となしてその外面に
螺溝を切り、内面に螺溝を切つた押輪２を外嵌状
態で螺合してある。

この継手本体１の端部内面には、中央に近づく
につれて漸次縮径する形状のテーパ部１２を形成
しており、そこには対応する楔型断面形状のガス
ケツト３１を嵌入してある。そして、このガスケ
ツト３１と、押輪２の内面に形成された段部２２
との間には、ドーナツ板状の当て具３２を介設し
てある。この当て具３２を挟んでガスケツト３１
と反対側には、数個の球体３３を保持する環状の
保持具３４を設けてあり、この球体３３は、前記
テーパ部１２と逆向きとなるよう押輪２の内面に
形成されたテーパ部２３に当接している。

一方のパツキンリング４は、押輪２の継手本体
１と反対側の端部に樹脂被覆層２１から延設され
て形成された樹脂被覆層延設部２４の内面に周設
された溝２５に嵌着してある。このパツキンリン
グ４は、環状本体の内周面から径方向内方に突出
し、軸方向に弾性変形可能で、先端に断面円形の
厚肉部４１を持つ内鍔４２を形成した断面ほぼＴ
字形のゴム製のもので、押輪２を継手本体１の端
部に螺合することにより、或いは押輪２に挿通さ
せた管６を予め押輪２の挿入方向とは逆方向に移
動させることにより、第１図のように内鍔４２が
軸方向に弾性変形して斜め外向きの状態に指向さ
れ、その状態で内鍔４２を管６の外面の樹脂被覆
層６１に弾圧周接させ、樹脂被覆層延設部２４と
管６との間の間隙７を閉鎖するように構成してあ
る。

他方のパツキンリング５は、継手本体１の樹脂
被覆層１１に周設された溝１３に嵌着してある。
このパツキンリング５は断面円形の通常のゴム製
Ｏリングで、押輪２の前記樹脂被覆層延設部２４
と反対側の端部に延設された樹脂被覆層延設部２
６の内面に弾圧周接し、該延設部２６と継手本体
１の樹脂被覆層１１との間の間隙８を閉鎖するよ
うに構成してある。

上記のような構成の第１図の防食管継手におい
ては、双方から管６を差込んで押輪２をまわし、
継手本体１の端部に強く螺合させると、押輪２の
内面に段部２２によつて、当て具３２及びガスケ
ツト３１が中央部に向かつて押圧移動し、ガスケ
ツト３１が継手本体１内面のテーパ部１２により
縮径して管６の樹脂被覆層６１に密着するため、
気密性が保持されるのである。それと同時に、球
体３３が押輪２内面のテーパ部２３によつて管６
の方向へ押され、管６の外面の樹脂被覆層６１に
くい込むため、管６は抜出阻止力が強くきいて固
定されるのである。そして、一方のパツキンリン
グ４は既述のように変形して間隙７を閉鎖するた
め、外部の水が管継手内に浸入することも防止で
きるのである。

これに対し、第２図の実施例では、大径の継手
本体１の内面に螺溝を切り、端部内面に螺溝を切
つた小径の押輪２を内嵌状態で螺合してある。そ
して、押輪２の継手本体１側の端面で当て具３２
とガスケツト３１を押圧するように構成してあ
る。また、押輪２の外面の樹脂被覆層２１に形成
した溝２７に断面円形のパツキンリング５を嵌着
して、継手本体１の端部の樹脂被覆層延設部１４
と押輪２外面の樹脂被覆層２１との間の間隙９を
閉鎖し、さらに押輪２の外面の樹脂被覆層２１か
ら延設した樹脂被覆層延設部２４に周設した溝２
５にＴ字形のゴム製のパツキンリング４を嵌着し
て、樹脂被覆層延設部２４と管６との間隙７を閉
鎖するように構成してある。Ｔ字形のゴム製のパ
ツキンリング４の構成やその他の管継手の構成
は、第１図の実施例と同様であるので、第２図に
於て対応する箇所に同符号を付し、詳細な説明を
省略する。

このような第２図の防食管継手も、前記第１図
の場合と同様の原理により、気密性の付与、管の
固定、外部水の浸入阻止を行いあることはいうま
でもない。

以上の説明から容易に理解できるように、本考
案の防食管継手においては、継手本体１及び押輪
２の双方の外面に樹脂被覆層を設けてあるので、
防食性が極めて良好であり、しかも断面ほぼＴ字
形のパツキンリング４によつて押輪２の樹脂被覆
層２１と管６との間隙７を閉鎖してあるので外部
からの水がその間隙７を通つて押輪２の金属部分
に浸入することがない。従つて、従来のように押
輪の端部の樹脂被覆層と管とに跨がつてテープを
巻回する面倒な作業がまつたく不要となり、誰に
でも簡単に施工することが可能になると共に、テ
ープ巻回の場合のように巻回状態の良否により防
食性能のバラツキが生じる欠点も一挙に解決でき
るものである。また、本考案では、軸方向に弾性
変形可能な内鍔４２を有した断面ほぼＴ字形のパ
ツキンリング４を、押輪２の継手本体１と反対側
の端部に形成された樹脂延設部２４の溝２５に嵌
着するようにしてあるため、管６を断面ほぼＴ字
形のパツキンリング４及び押輪２に挿入すると
き、断面ほぼＴ字形のパツキンリング４の内鍔４
２が軸方向に容易に弾性変形するものであり、押
輪２への管６の挿入に手間がかかることなく容易
に行うことができるものである。しかも、断面ほ
ぼＴ字形のパツキンリング４の内鍔４２を斜め外
向きの状態で管６へ弾圧周接させるようにしてい
るため、パツキンリング４の内鍔４２に外圧が大
きくかかればかかるほど、内鍔４２が管６に強く
弾圧周接し、外部水の浸入を効果的に阻止するこ
とができるものである。

このように、本考案は著効を奏し、すこぶる実
用性に富むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
本考案の他の実施例の断面図である。 １……継手本体、２……押輪、３……管緊締機
構、４……パツキンリング、６……管、１１，２
１……樹脂被覆層、２５……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外面に樹脂被覆層１１を有する筒状の継手本体
   １と、外面に樹脂被覆層２１を有し且つ前記継手
   本体１の端部への螺合により管緊締機構３を介し
   て中心部に挿通させた管６を締付け固定する押輪
   ２とを具備した防食管継手において、 前記押輪２の継手本体１と反対側の端部に押輪
   ２の樹脂被覆層２１から延設された延設部２４を
   形成し、この延設部２４の内面に周設した溝２５
   に、環状本体の内周面から径方向内方に突出し軸
   方向に弾性変形可能で管６へ斜め外向きの状態で
   弾圧周接させる内鍔４２を有した断面ほぼＴ字形
   のパツキンリング４を嵌着してあることを特徴と
   する防食管継手。