JPH0226941A - フアンシーヤーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、布帛に新規な表面変化を付与することのでき
るループや絡みを有した嵩高なファンシーヤーンに関す
るものである。

（従来の技術） 従来、糸条に流体撹乱処理を施して得られるループや絡
みを有する嵩高糸はよく知られている。

近年、市場の多様化にともない、このループや絡みを有
する嵩高糸に、さらに変化を持たせて布帛に一層の表面
変化を与える試みがなされてきた。

例えば、特開昭６１−２６６６２９号公報には、Ｓ撚部
とＺ撚部を交互に有するループヤーンが開示されている
が、これは布帛に表面変化を付与するには有効であった
が、高オーバーフィード率で間歇的に仮撚操作を施して
製造されたものであるため。

準備工程や製織時等に加わる張力によってＳ撚部とｚ１
部が相殺され、糸条が伸ばされて形態が変化するという
欠点を有していた。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、上述した従来のファンシーヤーンの欠点を解
消し、準備工程や製織工程等で張力が付加されても糸条
の形態変化がなく、かつ９表面変化に優れた嵩高な布帛
を得ることができるファンシーヤーンを提供することを
技術的な課題とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を
重ねた結果、荷重−伸度曲線においてフロー領域のない
糸条が形態の保持に有効であることを見出して本発明に
到達した。

すなわち１本発明は、ループや絡みを有した糸条の長手
方向にＳ及びＺの撚部と無撚部とを有し。

かつ前記糸条の荷重−伸度曲線においてフロー領域が実
質的に存在しないことを特徴とするファンシーヤーンを
要旨とするものである。

以下１本発明の詳細な説明する。

まず１本発明のファンシーヤーンは、ループや絡みを有
する糸条の長手方向にＳおよびＺの撚部と無撚部とを有
したものである。ループや絡みは。

いわゆるラスラン法と呼ばれる空気処理法やインターレ
ース法などによって形成することができ。

ループによって布帛に嵩高性を付与することができる。

また９本発明のファンシーヤーンには、Ｓ又はＺの撚部
と無撚部とが交互にくり返して存在している。無撚部に
は、交絡部と開繊部がランダムに出現し、ループや絡み
もランダムに発生している。

ループや絡みは、主に無撚部に形成されているが、Ｓ及
びＺの実撚部においてもループの発現が見られる。

さらに、前述した実撚部の撚構造は１例えば全フィラメ
ントが捲回している部分、単フィラメントの１本、もし
くは複数本のみがカバリング状に巻きついた部分や、マ
ルチフィラメントが２つの群になってそれぞれ異なった
撚方向を持った個所などが存在する。

このように本発明のファンシーヤーンの細部を観察する
と、非常に複雑な構造を呈していることがわかる。

本発明のファンシーヤーンを布帛にした場合。

Ｓ及びＺ撚部、特に加熱撚方向の実撚が存在する部分は
、撚によって糸条が締り、実撚がより多く存在するため
、解撚撚方向の実撚が存在する部分や無撚部に比較して
細い部分となることと、Ｓ撚部とＺ撚部の撚方向差によ
る表面反射光の光沢差とが相まって、布帛表面は際立っ
たかすり様の外観を呈するものとなる。

さらに２本発明のファンシーヤーンは、荷重−伸度曲線
においてフロー領域が実質的に存在しないものである。

なお、荷重−伸度曲線とは、定速伸長型引張試験機を用
いて得られた曲線をいう。第４図は２本発明のファンシ
ーヤーンと比較例の加工糸の荷重−伸度曲線の一例を示
すグラフである。荷重−伸度曲線における曲線が第４図
Ａ（本発明のファンシーヤーン）のように、伸度に対し
引張荷重が一様に増大する場合をフロー領域がないとい
い、第４図Ｂ（比較例の加工糸）のように伸度に対し引
張荷重の変化が０点まで一様に増大変化し、０点からｄ
点までは伸度に対し引張荷重の変化がほとんどなく、ｄ
点以降は再度引張荷重が増大する場合、０点からｄ点ま
でをフロー領域と称し、フローが発生したという。

本発明のファンシーヤーンのようにループ、絡みや実撚
をもった糸条を一定の速さで引張った場合、ループや絡
み、あるいは撚の形態固定が悪いと、ある一定の引張荷
重に達すると伸びに対してループや絡みのほどけ、ある
いは撚の相殺が起り。

フローが発生する。この部分が第４図Ｂの０点からｄ点
のフロー領域となり、０点の引張荷重が低いと、わずか
な張力付加によって糸条の形態変化が生ずる。

本発明でいうフロー領域が実質的に存在しないとは、前
述の定速伸長型引張試験機を用いて得られる曲線のうち
、ｃｘｄ点の領域のないものをいい、糸条に準備工程や
製織工程等で張力を付加しても、ループや絡みのほどけ
や撚の相殺がなく。

糸条の形態が変化しない。

次に９本発明のファンシーヤーンを図面により説明する
。

第１〜３図は１本発明のファンシーヤーンの各種の形態
を示す外観模式図であり、まず第１図の部分は、イのＳ
撚部と口の開繊部とを有し、いずれの部分にもループや
絡みがランダムに発現している。第２図の部分は、一部
２撚を含んだ無撚部であり、への開繊してループや絡み
が多数発生している部分の中に二の集束交絡部がランダ
ムに存在している。また、第３図の部分では、ホがＺ撚
部、へが開繊部であり１本発明のファンシーヤーンには
、第１〜３図で示したような箇所が糸条の長平方向にラ
ンダムに存在している。

次に１本発明のファンシーヤーンの製法例について説明
する。

まず、マルチフィラメント糸に間歇的な仮撚操作を施し
て、Ｓ及びＺ撚部と無撚部とを有する糸条を得るが、そ
の際、糸条にフロー領域が発生しないように、糸条のオ
ーバーフィード率を交互撚が形成できる範囲でできるだ
け低くすることが重要であり、望ましくは５％以下とす
るのがよい。

また、Ｓ及びＺ撚部に実撚が多く残るように。

間歇仮撚操作時の温度を、撚の固定ができる範囲で、で
きるだけ低温にして間歇仮撚時の張力が０．５ｇ／ｄ以
下となるようにすることが必要である。

次いで、Ｓ及びＺ撚部と無撚部とを形成した糸条に流体
撹乱処理を施すことによってループや絡みを形成し９本
発明のファンシーヤーンを得ることができる。糸条にル
ープや絡みを形成するためには、流体撹乱処理時の糸条
のオーバーフィード率を３％以上とすることが好ましく
、流体圧力は供給糸条の繊度や糸速によっても異なるが
、一般に２〜８ｋｇ／ａＪが好ましい。

第５図は９本発明のファンシーヤーンを得るための製造
工程の一例を示す概略工程図であり、パーン（１）から
引出したマルチフィラメント糸（Ｆ）を。

供給ローラ（２）によって加工域に供給し、供給ローラ
（２）と第１デリベリローラー（６）との間で、施撚装
置（４）により間歇的な仮撚操作を施し、第１加熱装置
（３）で熱処理する。

次いで、流体処理装置（５）により流体撹乱処理を施し
てループや絡みを発生させ、第１デリベリローラ（６）
によって引取り、捲取ローラ（９）によりパッケージａ
〔として捲取る。この時、必要に応じて。

第１デリベリローラ（６）と第２デリベリローラ（８）
との間の第２加熱装置（７）によって糸条を安定化処理
することができる。また、流体撹乱処理は、施撚装置（
４）の直後の他、第２加熱装置（７）の前または後で行
ってもよいが、Ｓ及びＺ撚を高度に残存させるには、施
撚装置！　（４）の直後が好ましい。

（作　用） 本発明のファンシーヤーンは、ループや絡みを有した糸
条の長平方向に、撚方向の異なるＳとＺの実撚を持った
部分が存在するため、この糸条から得られる布帛に嵩高
さと同時に強い光沢変化が付与され、かすり様の表面変
化を有する布帛を得ることができる。

さらに、糸条の荷重−伸度曲線においてフロー領域が実
質的に存在しないため、準備工程や製織工程で張力が付
加されても、糸条の形態が変化せず９品位の安定した布
帛を得ることができる。

（実施例） 以下９本発明を実施例により具体的に説明する。

実施例１．比較例１ ポリエステルマルチフィラメント糸３００ｄ／１４４ｆ
を供給系として、第２加熱装置を用いない以外は第５図
と同様の工程に従い、第１表に示す加工条件で加工を行
い９本発明のファンシーヤーンを得た。

また、第１表に示す加工条件で比較用の加工糸を得た。

間歇的な仮撚操作は、施撚装置として空気流による旋回
ノズルを用い、圧縮空気を間歇的に噴射して一定方向に
施した。その際９間歇的な仮撚操作は、予め信号を入力
したマイクロコンピュータの指令によってランダムに行
った。

第１表 得られた加工糸を、張力を３０ｇ、　４０ｇ、　５０ｇ
と変化させて管捲し、　１５０ｄ／４８ｆのポリエステ
ル延伸糸の経糸（密度８２本／２．５４ａａ）に平組織
で緯打ちして織物を製造したところ、実施例で得られた
ファンシーヤーンを使用した織物は、管種張力を変化さ
せても目面ば変化しなかった。

一方、比較例で得られた加工糸使いの織物は。

管種張力を変化させる毎に目面が異なり（張力を高くす
る程、かすり模様は消える傾向にある）。

安定した品質の布帛が得られなかった。

さらに、普通織機（津田駒社製り型）を用い。

得られた加工糸を経糸及び緯糸（管種張力３０ｇ）に使
用して、経糸密度５８本／２．５４Ｃ１１，緯糸密度５
６本／２．５４Ｃ１１で平織物を製織した。その際、特
に比較例の糸条は、管種張力及び管からの引出し張力を
十分に点検・管理して行った。

また、ウォータージェットルーム（口座自動車社製し％
４４１型）を用い、前記両加工糸を使用して。

上記と同様の組織密度で、かつ十分な張力管理の下に製
織した。次いで、得られた布帛を通常のポリエステル染
色処決に従って染色加工を行い、製品に仕上げた。

これらの製品について２表面を視覚調査したところ９本
発明のファンシーヤーンから得られた普通織機とウォー
タージェットルームによる製品は。

両方ともループや絡みによる嵩高性を有しており。

また実撚によって細くなった部分が、かすり様を呈し、
これらの布帛の外観は同じであった。

一方、比較例の加工糸から得られた製品は、普通織機と
ウォータージェットルームによる２つの製品の表面外観
に明らかな差異が認められ、普通織機で得られた製品に
は、ループや絡みが存在し嵩高であったが、実撚によっ
て細くなった部分が長（かつ多いため、どちらかという
とヒケ状に感じられた。また、ウォータージェットルー
ムで得られた製品は、ループや絡みの大半が消失し、全
体に薄っぺらい外観で、かつ表面変化に乏しいものであ
った。

（発明の効果） 以上述べたように１本発明のファンシーヤーンは、糸条
の長手方向にループや絡みを有するため。

布帛に嵩高性を付与することができる。

また、Ｓ及びＺ撚部と無撚部とがランダムに存在するた
め、布帛に新規な表面変化を与えるとともに、Ｓもしく
はＺ撚部の一部が他の部分より細くなっているため、布
帛にかすり様の表面外観を付与することができる。

さらに、フロー領域が実質的に存在しないので。

製品になるまでの各工程で張力が付加されても。

糸条の外観は変化することがなく、このため製品の外観
を常に一定に保つことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は９本発明のファンシーヤーンの各種の形態
を示す外観模式図、第４図は本発明のファンシーヤーン
と比較例の加工糸の荷重−伸度曲線の一例を示すグラフ
、第５図は本発明のファンシーヤーンの製造法の一例を
示す概略工程図である。 イ：Ｓ撚部。 口、ハ、へ：開繊部。 二：集束交絡部。 ホ：Ｚ撚部。 ヌ１　口 篤　７ｉ　　口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ループや絡みを有した糸条の長手方向にＳ及びＺ
   の撚部と無撚部とを有し、かつ前記糸条の荷重−伸度曲
   線においてフロー領域が実質的に存在しないことを特徴
   とするフアンシーヤーン。