JPH022678Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の後部車体構造、特にバツク
ドアを備えた自動車の後部車体構造に関する。

（従来技術） バツクドアを備えた自動車においては、該バツ
クドアによつて開閉される開口部の内側にロツク
タワーを上下方向に立設し、該ロツクタワーの上
部に上記バツクドアのロツク装置を設けることが
ある。

然して、このロツクタワーは、上端部を上記開
口部の縁部を形成するエンドパネルの上縁部に固
着され、且つ下端部をフロアパネルに固着される
ことにより上下方向に立設されるのが通例である
が、その場合、該ロツクタワーは互いに離れた
上、下端部の２点だけで支持される構造となるた
め剛性が不足し、バツクドアを閉じた時の衝撃や
荷物の出入れ時における該荷物との接触等により
変形し易い状態にある。そのため、該ロツクタワ
ーの上部に設けられたロツク装置の位置がずれ
て、バツクドアに対するロツク作用が不確実にな
るといつた不具合が生じる。特に、バツクドアの
略全体がガラスで構成されている場合のように該
ドアの重量が重い場合は、ドアを閉鎖する時の衝
撃が大きくなつて上記問題が生じ易くなる。

ところで、本考案は後述するように、自動車の
車体後部における上記の問題をジヤツキ取付用の
部材を利用して解決しようとするものであるが、
ジヤツキを車体後部に取付ける構造に関しては、
例えば実開昭57−141170号公報に開示された考案
がある。これは、車体後部のリヤエンドクロスメ
ンバー及びリヤフロアパネルに夫々ビード部によ
つて区画される支持部を形成し、この両支持部間
にジヤツキの頭部及び座部を圧着することによ
り、ジヤツキを確実に収納するようにした考案で
ある。従つて、車体後部にジヤツキを収納する点
において本考案と類似するが、本考案が解決しよ
うとするロツクタワーに関する問題に対処するも
のではない。

（考案の目的） 本考案は、車体後部におけるバツクドアの開口
部内側に上下方向にロツクタワーを立設し、且つ
該ロツクタワーの上部に上記バツクドアのロツク
装置を設けた車体構造において、該ロツクタワー
の剛性をジヤツキ取付け用の部材を利用すること
により向上させ、これによりロツク装置のバツク
ドアに対するロツク精度の向上を図ることを目的
とする。

（考案の構成） 本考案に係る自動車の後部車体構造は、上記目
的達成のため次のように構成したことを特徴とす
る。

即ち、バツクドアの開口部内側において、上端
部を該開口部の縁部に固定され且つ下端部をフロ
アパネルに固定されて上下方向に立設され、且つ
上記バツクドアのロツク装置が設けられるロツク
タワーが備えられた構造において、上記ロツクタ
ワーと車体後側部を構成するクオータパネルとの
間にジヤツキ取付用のプレート部材を架設する。
このプレート部材は、一端をロツクタワーに固定
され且つ他端をクオータパネルに固定される。

このような構成によれば、上端部をバツクドア
の開口部の縁部を形成するエンドバネルに、下端
部をフロアパネルに夫々固定されたロツクタワー
がジヤツキ取付用のプレート部材を介して更にク
オータパネルに支持されることになる。つまり、
該ロツクタワーが３点によつて支持されることに
なり、剛性が著しく向上する。これにより該ロツ
クタワーの上部に設けられたロツク装置の位置の
ずれが防止され、バツクドアに対するロツク精度
が向上することになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、自動車の後部にはバツク
ドア１によつて開閉される開口部２が設けられて
いると共に、該開口部２の下方を構成するエンド
パネル３の内側にはロツクタワー４が設けられ、
このロツクタワー４の上部に上記バツクドア１の
ロツク装置Ａが設けられている。

上記ロツクタワー４は、第２〜４図に示すよう
に上部を折曲されて垂直面部４ａとその上方に続
く傾斜面部４ｂとを有する形状とされていると共
に、垂直面部４ａの下端部及び傾斜面部４ｂの後
端部に夫々フランジ４ｃ，４ｄが設けられ、下端
部のフランジ４ｃがリヤフロアパネル５に、上端
部のフランジ４ｄが上記エンドパネル３の上縁部
に形成されたフランジ３ａに夫々接合されてい
る。

然して、該ロツクタワー４と、上記開口部２の
内側の空間の内側面を形成するクオータパネル６
との間にはジヤツキ取付用のプレート部材７が架
設されている。即ち、該プレート部材７は、一端
が上記ロツクタワー４における垂直面部４ａの下
部に重ね合された状態でボルト８により該タワー
４に結合されており、且つ他端部には折曲片７ａ
が設けられて該折曲部７ａがボルト９によりクオ
ータパネル６に結合されている。

ここで、該プレート部材７は、第４図に示すよ
うに断面形状が略コ状とされていると共に、上、
下の辺部７ｂ，７ｃの先端に夫々下方及び上方へ
の折曲部７b′，７c′が設けられ、これにより第２
図に鎖線で示すようにジヤツキ１０を一側方から
スライドしながら収納する時に、該ジヤツキ１０
の台座１０ａを抱持するように係合して案内する
ようになつている。また、該プレート部材７には
ジヤツキ１０を収納した時に、該ジヤツキ１０の
頭部１０ｂに形成された溝部１０b′に係合される
コ状のストライカ７ｄが設けられている。

尚、第４図に示すように、上記クオータパネル
６の後端部下方のコーナー部６ａは、上記ジヤツ
キ１０を収納し且つエンドパネル３に装着される
ランプ１１…１１の後部１１ａ…１１ａとの干渉
を避けるため切欠かれている。

上記の構成によれば、上部にロツク装置Ａが設
けられたロツクタワー４は、上端部をフランジ４
ｄによりエンドパネル３の上縁部に、下端部をフ
ランジ４ｃによりリヤフロアパネル５に夫々接合
されるのに加えて、垂直面部４ａの下部をジヤツ
キ収納用のプレート部材７を介してクオータパネ
ル６に結合されることになる。これにより、該ロ
ツクタワー４は３点によつて支持されることにな
つて剛性が著しく向上し、バツクドア１の閉鎖時
における衝撃やその他の外力を受けても容易に変
形しなくなる。従つて、該ロツクタワー４の上部
に設けられたロツク装置Ａの位置がずれることが
なくなり、バツクドア１に対するロツク精度が向
上することになる。

ところで、上記プレート部材７へのジヤツキ１
０の取付けは、第２図に示すようにジヤツキ７の
頭部１０ｂを下げた状態で台座１０ａをプレート
部材７の上、下辺部７ｂ，７ｃに沿つて所定位置
までスライドさせ、然る後、頭部１０ｂを上げて
溝部１０b′をプレート部材７のストライカ７ｄに
係合させることにより行われるが、ジヤツキ１０
をスライドさせる時に台座１０ａが上、下辺部７
ｂ，７ｃに抱持された状態で案内されるから、頭
部１０ｂがランプ１１…１１の後部１１ａ…１１
ａに接触或いは衝突して、該ランプ１１…１１の
後部１１ａ…１１ａを破損させることがない。

（考案の効果） 以上のように本考案は、車体後部におけるバツ
クドアの開口部内側に上下方向にロツクタワーを
立設し、且つ該ロツクタワーの上部に上記バツク
ドアのロツク装置を設けた車体構造において、上
記ロツクタワーを更にジヤツキ取付用のプレート
部材を介してクオータパネルに固定するようにし
たから、ロツクタワーが３点によつて支持される
ことになつて該タワーの剛性が著しく向上するこ
とになる。これにより、ロツクタワーがバツクド
ア閉鎖時の衝撃や外力等を受けても容易に変形し
なくなり、該ロツクタワーに設けられるロツク装
置のバツクドアに対するロツク精度が向上するこ
とになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
自動車後部の斜視図、第２図はロツクタワー周辺
の拡大平面図、第３図は同じく後面図、第４図は
第３図−線で切断した縦断側面図である。 １……バツクドア、２……開口部、３……エン
ドパネル、４……ロツクタワー、６……クオータ
パネル、７……プレート部材、Ａ……ロツク装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクドアの開口部内側において上端部を該開
   口部の縁部に固定され且つ下端部をフロアパネル
   に固定されて上下方向に立設され、且つ上部に上
   記バツクドアのロツク装置が取付けられるロツク
   タワーが備えられた構造において、該ロツクタワ
   ーと車体後側部を構成するクオータパネルとの間
   に、一端がロツクタワーに固定され且つ他端がク
   オータパネルに固定されたジヤツキ取付用のプレ
   ート部材が架設されていることを特徴とする自動
   車の後部車体構造。