JPH0226789Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はレリーズレバーを有するクイツクレリ
ーズ装置が設けられたキヤリパーブレーキに関す
る。

〈従来の技術〉 自転車用のキヤリパーブレーキは、第６図及び
第７図に示す如く先端にシユー取付部１，２が形
成された左右一対のブレーキアーム３，４を備
え、一方のブレーキアーム３に、牽引ワイヤを連
結するためのワイヤ連結部５が他方のブレーキア
ーム４の外側方に位置するように突設され、この
ワイヤ連結部５に、上下位置がシユー取付部１，
２に達するように下方突出したレリーズレバー６
を有するクイツクレリーズ装置７が設けられてい
る。またシユー取付部１，２にはブレーキシユー
８が取付台９を介して円形盤１０及び回動操作用
の凹部１１を有するボルト１２等により取付けら
れ、ボルト１２を弛めて円形盤１０を回動調整す
ることによりシユー８の取付位置を調整できると
共に、ボルト１２の着脱によりシユー８を取付台
９と共に着脱できるように構成されている。とこ
ろが、従来のこの種のキヤリパーブレーキでは、
同図に示す如くワイヤ連結部５が他方のブレーキ
アーム４の外側方に位置するようにそのまま側方
に突出しており、レリーズレバー６はシユー取付
部２に対して左右に対応する位置にあつた。

〈従来の問題点〉 従つて、例えば第７図に鎖線で示す如くレンチ
１３等をボルト１２の凹部１１に挿入して該ボル
ト１２を回動操作する場合に、レリーズレバー６
が邪魔になり、ボルト１２をスムーズに回動する
ことができず、また円形盤１０を回動調整する際
にもレリーズレバー６が邪魔になつた。このため
一方のシユー取付部２のブレーキシユー８の着脱
及び位置調整が困難であり、非常に不便であつ
た。

本考案は上記問題点に鑑み、シユー取付部２に
取付られるブレーキシユー８の着脱及び位置調整
を、レリーズレバー６が邪魔になる惧れがなく簡
単かつ確実になし得るようにしたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 この技術的課題を解決する本考案の技術的手段
は、先端のシユー取付部１９，２０が接離方向に
移動するように揺動自在に枢支された左右一対の
ブレーキアーム１７，１８を備え、一方のブレー
キアーム１７に、牽引ワイヤ３６を連結するため
のワイヤ連結部３１が他方のブレーキアーム１８
の外側方に位置するように突設され、該ワイヤ連
結部３１に、上下位置がシユー取付部２０に達す
るように突出したレリーズレバー５０を有するク
イツクレリーズ装置４８が設けられたキヤリパー
ブレーキにおいて、前記レリーズレバー５０がシ
ユー取付部２０に対して前後方向に偏位するよう
に、ブレーキアーム１７のワイヤ連結部３１が屈
曲されている点にある。

〈作用〉 シユー取付部２０にブレーキシユー３８を取付
けるための取付部材（ボルト４５及び円形盤４
３）を操作する際に、レリーズレバー５０がシユ
ー取付部２０に対して前後方向に偏位しているた
め邪魔にならずに済み、該取付部材を第１図に示
す如くレンチ１３その他の工具を使用してスムー
ズに操作することができる。

〈実施例〉 以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、第１図乃至第４図において、１７，１８は一
対のブレーキアームで、先端にシユー取付部１
９，２０を有する。２１は自転車側に前後方向に
固設される枢支軸で、該枢支軸２１にブレーキア
ーム１７，１８の基部２２，２３が挿通され、こ
れによりブレーキアーム１７，１８はシユー取付
部１９，２０が接離方向に移動するように揺動自
在に枢支されている。

２６は枢支軸２１の中途部に固設したバネ保持
体、２７はバネで、中央部がバネ保持体２６に係
合されると共に、両端部はブレーキアーム１７，
１８の係合突部２８，２９に夫々係合され、バネ
２７はブレーキアーム１７，１８を左右方向外方
に拡げるように付勢している。

３１は一方のブレーキアーム１７に設けたワイ
ヤ連結部で、基部２２から他方のブレーキアーム
１８の外側方に位置するように突設されている。
３２は他方のブレーキアーム１８に設けたアウタ
受部で、ワイヤ連結部３１の上方に位置するよう
に突設されている。アウタ受部１８にはブレーキ
操作用のボーデンケーブル３３のアウタ３４の端
部がアウタ受金具３５により承受され、ワイヤ連
結部３１にはボーデンケーブル３３の牽引ワイヤ
３６（インナワイヤ）が後述するクイツクレリー
ズ装置を介して連結される。

３８はブレーキアーム１７，１８のシユー取付
部１９，２０に対向状に設けた左右一対のブレー
キシユーであり、該ブレーキシユー３８はシユー
取付部１９，２０に夫々取付台３９を介して着脱
自在でかつ取付位置調整自在に取付られている。
即ち、第５図に示す如くブレーキシユー３８の基
端部が取付台３９に嵌合固着され、ブレーキシユ
ー３８に埋入固着したネジ部材４０の脚部４１が
取付台３９から貫通孔４２を介して外方突出され
ている。そしてシユー取付部１９，２０には円形
孔が開設され、該円形孔に円形盤４３が軸心廻り
回動自在に挿着されており、該円形盤４３の偏心
孔よりネジ部材６の脚部４１を挿入すると共に、
これと対向して偏心孔より挿入した回動操作用の
凹部４４を有するボルト４５をネジ部材４０の雌
ネジ４６に螺着しているのである。而してレイチ
等の工具をボルト４５の凹部４４に挿入して該ボ
ルト４５を回動操作することにより、ネジ部材４
０とボルト４５との螺合を弛めて円形盤４５を回
動でき、円形盤４５の回動調整によりブレーキシ
ユー３８の取付位置を調整できる。またネジ部材
４０とボルト４５との螺合を外すことにより、ブ
レーキシユー３８を取付台３９と共にシユー取付
部１９，２０から外すことができるのである。

４８はワイヤ連結部３１に設けたクイツクレリ
ーズ装置で、牽引ワイヤ３６の端部を連結固着す
る連結体４９と、ワイヤ連結部３１から上下位置
がシユー取付部１９，２０に達するように下方突
出したレリーズレバー５０とを有する。このレリ
ーズレバー５０は矢印ａ，ｂ方向に回動操作可能
であり、この回動操作により、牽引ワイヤ３６の
牽引を弛める牽引解除位置と牽引ワイヤ３６を反
牽引方向に引張する牽引位置とにカム機構等を介
して連結体４９を移動せしめるように構成されて
いる。従つてレバー５０を矢印ａ方向に回動して
おけば、牽引ワイヤ３６の牽引によりブレーキ操
作可能になるようにシユー取付部１９，２０の間
隔を狭めた状態に保持できると共に、レバー５０
を矢印ｂ方向に回動することにより、牽引ワイヤ
３６の緊張状態が弛められてブレーキアーム１
７，１８がバネ２７の付勢力により揺動してシユ
ー取付部１９，２０が大きく開拡するようになつ
ている。そしてワイヤ連結部３１はレリーズレバ
ー５０がシユー取付部２０に対して後方に偏位す
るように後方にくの字状に屈曲されている。

なお、前記実施例ではワイヤ連結部３１を後方
に屈曲させているが、これに代え、レリーズレバ
ー５０がシユー取付部２０に対して前方に偏位す
るようにワイヤ連結部３１を前方屈曲させるよう
にしてもよい。

〈考案の効果〉 本考案によれば、レリーズレバー５０がシユー
取付部２０に対して前後方向に偏位するように、
ブレーキアーム１７のワイヤ連結部３１が屈曲さ
れているので、シユー取付部２０にブレーキシユ
ー３８を着脱したりブレーキシユー３８の取付位
置を調整する場合に、レリーズレバー５０がその
着脱や位置調整の邪魔になる惧れがなくなり、ブ
レーキシユの取付及び位置調整を簡単かつ確実に
なし得る。しかも単にワイヤ連結部３１を屈曲し
ただけの非常に簡単な構成であるから、製造容易
でかつ安価に提供でき、その実用的効果は著大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は同正面図、第３図は同側面図、第４図は同背
面図、第５図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第６図
は従来例を示す平面図、第７図は同正面図であ
る。 １７，１８……ブレーキアーム、１９，２０…
…シユー取付部、３１……ワイヤ連結部、３６…
…牽引ワイヤ、４８……クイツクレリーズ装置、
５０……レリーズレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端のシユー取付部１９，２０が接離方向に移
   動するように揺動自在に枢支された左右一対のブ
   レーキアーム１７，１８を備え、一方のブレーキ
   アーム１７に、牽引ワイヤ３６を連結するための
   ワイヤ連結部３１が他方のブレーキアーム１８の
   外側方に位置するように突設され、該ワイヤ連結
   部３１に、上下位置がシユー取付部２０に達する
   ように突出したレリーズレバー５０を有するクイ
   ツクレリーズ装置４８が設けられたキヤリパーブ
   レーキにおいて、前記レリーズレバー５０がシユ
   ー取付部２０に対して前後方向に偏位するよう
   に、ブレーキアーム１７のワイヤ連結部３１が屈
   曲されていることを特徴とするキヤリパーブレー
   キ。