JP2606812Y2 - 二輪車のブレーキ取付構造 - Google Patents

二輪車のブレーキ取付構造

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JP2606812Y2 JP1993038658U JP3865893U JP2606812Y2 JP 2606812 Y2 JP2606812 Y2 JP 2606812Y2 JP 1993038658 U JP1993038658 U JP 1993038658U JP 3865893 U JP3865893 U JP 3865893U JP 2606812 Y2 JP2606812 Y2 JP 2606812Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自転車や車椅子等の二
輪車のブレーキを正確にフレームに取り付けるためのブ
レーキ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車や車椅子等キャリパーブレーキで
は、アームをフレームに取り付ける際に、背面が湾曲し
た金具をフレームとの間に介設して締め付けている。例
えば、サイドプル式キャリパーブレーキでは、センター
ボルトに、アームを付勢するメガネバネを係止する係止
溝を前面に有する円盤状のバネ係止具が固着されてい
る。この係止具の後方に、前記金具をセンターボルトに
嵌挿し、車体のフレームにセンターボルトを通し、フレ
ームから突出した側に前記金具に対応する受金具とワッ
シャを介してナットでセンターボルトを緊締する構成か
らなっている。上記構成において、センターボルトを緊
締する際には、ナットを螺合し締付を完了する直前に、
締付トルクによってセンターボルトが僅かに締付方向に
回転しこれに連動してブレーキシューが締付方向に僅か
に傾動してしまう欠点がある。締付に際しては、ブレー
キの左右のシューがリムに対して均等な間隔となるよう
に位置決めしてから、センターボルトの締付を行うが、
上記のように変位してしまうと締付後にブレーキシュー
の位置を再調整しなければならず、煩雑な作業となって
いる。
【0003】また、本出願人は、一方のブレーキアーム
の付勢力を他方よりも強めた片利き方式のブレーキを既
に提案している。この、片利き方式のブレーキでは、サ
イドプル式ブレーキが、ブレーキシューをそれぞれ保持
すると共に二輪車のフレームに枢着されて制動解除方向
へ付勢された左右一対のアームの一方のアームの付勢力
を他方のアームの付勢力より強く設定する付勢手段と、
強く付勢された一方のアームがその付勢力により復帰す
る際に他方のアームが復帰完了する前に制動解除方向の
所定位置で該アームの枢動を拘束するストッパ片とを設
けており、アームとストッパの位置決めが一層重要とな
っている。従って、特に、この種の片利方式のブレーキ
においては、ブレーキシューの位置決めを正確に行う必
要性が高いので、この種の弊害が大きい。
【0004】
【考案が解決しようとする問題点】この考案は上記事情
に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、
ブレーキの取付に際して、センターボルトを車体のフレ
ームに緊締する場合に、センターボルトに固定された連
結具がフレームに拘束されてセンターボルトの回転を抑
えるので、センターボルトを介してブレーキが変位する
ことなく、締付前の位置のままでフレームに取付けるこ
とができるブレーキの取付構造を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記課題を解決するた
め請求項1の考案では、 (a).自転車等の二輪車のキャリパーブレーキを二輪車の
フレームに固着するセンターボルトに、二輪車のフレー
ムの当接面と係合し少なくとも、センターボルトの締付
旋回方向に拘束される連結具を一体に固着してなる、 (b).該連結具が、その背面を、連結するフレームの湾曲
面と隙間無く衝合するように左右方向に沿って湾曲して
なると共に、連結具の前面に、前方に突出する環状の前
周壁を有しており、該前周壁に、左右方向に対称となる
ように一対の溝を上下に配置し、取付時に上方となる前
記溝にバネ体を掛止め可能としてなる、という技術的手
段を講じている。また、請求項2の考案では、キャリパ
ーブレーキが、略Y状のアームと略C状のアームを有
し、両アームを前後に重ねて中央でセンターボルトによ
り枢着されると共に、ブレーキワイヤが一側で上下に対
向する各アームの外端に連結して牽引可能とするサイド
プル式キャリパーブレーキからなっている。
【0006】また、請求項3の考案では、 (c).前記キャリパーブレーキが、ブレーキシューをそれ
ぞれ保持すると共に二輪車のフレームに枢着されて制動
解除方向へ付勢された左右一対のアームの一方のアーム
の付勢力を他方のアームの付勢力より強く設定する付勢
手段と、強く付勢された一方のアームがその付勢力によ
り復帰する際に他方のアームが復帰完了する前に制動解
除方向の所定位置で該アームの枢動を拘束するストッパ
片とを設けている、という技術的手段を講じている。
【0007】また、請求項4の考案では、センターボル
トに固着された連結具が、背面に突部を設け、連結する
フレームの対応する個所に上記突部と係合する凹部また
は孔を設けてなる、という技術的手段を講じている。請
求項5の考案では、センターボルトに固着された連結具
が、背面に凹部または孔を設け、連結するフレームの対
応する個所に上記凹部または孔と係合する突部を設けて
なる、という技術的手段を講じている。更に、請求項6
の考案では、センターボルトに固着された連結具の前周
壁で、取付時に下方となる溝に、アームを制動解除方向
に付勢するバネを掛止めてなる、という技術的手段を講
じている。
【0008】
【作用】この考案では、連結具の背面とフレームの当接
する面とが、左右方向に係止され拘束されるので、セン
ターボルトに締付によりトルクが加わっても、上記係止
個所で受けて、センターボルトを回転させないでナット
締めすることができる。これにより、予め位置決めされ
たブレーキは、そのままの位置で、センターボルトを介
してフレームに取付けられるので、従来のように上記ボ
ルト締付後にブレーキのシューの位置を調整する必要が
ない。従って、フレーム(自転車等の二輪車)へのブレ
ーキ取付作業が正確且つ容易に行うことができる。ま
た、連結具の前面にバネやストッパの係止溝を設けれ
ば、部品点数を増やすことがなくなる。
【0009】
【実施例】以下に、本考案のキャリパーブレーキの取付
構造について図面を参照しながら説明する。図1から図
3には、この考案をサイドプル式キャリパーブレーキに
用いた場合の好適実施例を示す。このブレーキは、図1
に示すように自転車のフレーム30に固定されるセンタ
ーボルト1と該センターボルト1に枢着された左右一対
のアーム、即ちCアーム2とYアーム6と、両方のアー
ム2、6に復帰反発力を付与するバネ体11と、上記ア
ームの一方を所定位置で拘束するストッパ片10とから
なっている。即ち、Cアーム2は、平面ほぼC字形をな
し、中央部が該センターボルト1に回動自在に枢支さ
れ、一端2aにブレーキシュー3を取着し、他端2bに
インナーワイヤー4の先端部を固定するワイヤー固定機
構5を有している。
【0010】次に、Yアーム6は、平面ほぼY字形をな
し、基端6aが該Cアーム2の内側にて該センターボル
ト1に回動自在に枢支され、下方の延出端6bにブレー
キシュー7を取着し、上方の延出端6cに、インナーワ
イヤー4を内部に挿通したアウターワイヤー8の先端部
を固定するワイヤー固定機構9を有している。またバネ
体11は、従来使用されている線条のバネ体(めがねバ
ネ)を改良して用いており、中央の直線部の左右に一対
の捲回部を有し外方へ傾斜しながら下降して各アームの
突出部2d、6dに内側から衝合する作用腕部11A、
11Bを有している。このバネ体11は、一方の作用腕
部11Aより他方の作用腕部11Bの反発付勢力が強く
なるように傾斜を大きく設定している。
【0011】ここで、前記センターボルト1は中途位置
に円柱状の連結具20を一体に固着している。この連結
具20は、前面に前方に突出する環状の前周壁19を有
しており、該前周壁19に、左右方向に対称となるよう
に一対の溝19a、19bを上下に配置している。ま
た、背面には後方に突出する環状に後周壁21が突出し
ており、その端面21aが自転車の車体フレーム30の
当接面31と略隙間無く接するように横方向に湾曲形成
されている。
【0012】本実施例では、前記バネ体11の中央の直
線部が、連結具20の前周壁19の上段に一対に形成さ
れた溝19aに嵌合保持される。そして、反発付勢力が
強い作用腕部11BをYアーム6に突出部6dを介して
係合しており、ブレーキレバー(図示せず)の制動操作
時にインナーワイヤ4が牽引されてYアーム6の延出端
6cとCアーム2の他端2bが接近するとコイルスプリ
ングが圧縮されて反発力を高め、上記Yアーム6の延出
端6cとCアーム2の他端2bを離反方向(制動解除方
向)へ付勢する。
【0013】次に、前記ストッパ片10は、Yアーム6
の後方で基端10aがセンターボルト1に固定されてい
る。本実施例でストッパ片10は、中途個所で背面へ切
り起こした一対の突部10eを設けており、該突部10
eをセンターボルト1に固定された連結具の前周壁22
の下段に一対に形成された溝22に拘束保持されて一定
位置に位置決めされており、スペーサS1を介して前方
にYアーム6を配し後方に連結具20を配して、両者間
に挟圧固定されている。このストッパ片10の先端10
bは、図4(a)(b)に示すように、上記Yアーム6
の一方の延出端6bの内側面に沿って延出し、先端縁部
にこの延出端6bの上側縁部と適宜当接してYアーム6
の開き方向への回動を一定範囲内に制御する突起10c
を有している。
【0014】そこで、ブレーキは、Cアーム2とYアー
ム6とをセンターボルト1に枢動可能に取付け、バネ体
11およびストッパ片10を位置決めして連結具20を
センターボルト1に固着して組み立てられる。上記構成
からなるサイドプル式キャリパーブレーキを車体に取り
付ける場合、まず、このセンターボルト1を後端のネジ
側から自転車の取付用フレーム30の取付貫通孔32に
嵌挿し、次いで、Cアーム2の一端2aのブレーキシュ
ー3の内方面も車輪13のリム14から、たとえば約2
mm離した状態に近づけ、ついでインナーワイヤー4の先
端部をワイヤー固定機構5で固定し、Yアーム6及びC
アーム2を車輪13のリム14に対し、均等に離した状
態に配置する。このように、予め正確な位置決めを行っ
てから、フレーム30から突出したセンターボルト1に
受金具41、ワッシャ42を介してナット43を螺合し
締め付ける。
【0015】この際に、前記連結具20の後周壁21の
端面21aは、図3で明瞭なように、左右方向に沿って
湾曲しており、自転車のフレームの当接面31と略隙間
無く整合している。これにより、連結具20は上記フレ
ーム30に左右方向(締付旋回方向)に拘束されている
ので、ナット43の緊締に際してセンターボルト1に加
わった締付トルクは上記連結具20の係合個所で受けら
れるので、センターボルト1を僅かでも回転させること
がなく、締付前に調整したブレーキシューと車輪のリム
の間隔を維持したまま、強固にブレーキを自転車のフレ
ーム30にネジ止めすることができる。
【0016】上記のようにブレーキが取り付けられて制
動が行われる。即ち、本実施例では片利き方式であるた
め、制動操作時には、Yアーム側の作用腕部11Bの反
発力の方がCアーム側の作用腕部11Aの反発力より強
いために、Cアーム2乃至これに取り付けられたブレー
キシュー3が最初にリム接近方向へ回動する。次いでY
アーム6乃至これに取り付けられたブレーキシュー7が
車輪のリム接近方向に回動する。その結果、左右双方の
ブレーキシュー3、7が順次に車輪のリムに衝合し挟圧
して車輪を制動する。
【0017】ブレーキレバーを離し制動解除を行なう
と、Yアーム側の作用腕部11B’の方の反発付勢力が
強いために、Yアーム6の延出端6b乃至ブレーキシュ
ー7が車輪のリムから最初に離れ、ストッパ片10の突
起10cに延出端6bの外側縁部が当接し、それにより
回動が停止される。そのため、Yアームに作用する反発
力がCアーム2本来の反発力と一体となってCアーム2
に作用し、Cアーム2の端部2aに取り付けられたブレ
ーキシュー3が車輪のリムから確実に離れ、元の待機状
態に復帰する。
【0018】図5に連結具20’の異なる実施例を示
す。この連結具20’は、背面を湾曲面に形成している
と共に、背面に複数(図示例では2つ)の突軸26を突
設している。一方、自転車の取付用フレーム30側に
は、取付時に上記突軸26と整合する個所に一対の孔ま
たは凹部(図示例では孔)32を設けている。その他の
構成は前記実施例と同様であるので、その説明を省略す
る。
【0019】そして、ブレーキの連結時には上記突軸2
6を孔32に嵌込んで連結具20’およびこれに固着さ
れたブレーキの位置決めを行う。従って、ナット43に
よる締付に際して、トルクがセンターボルト1に加わっ
ても、上記突軸26と孔27の係合部分で受けてセンタ
ーボルト1の回転を防ぐことができる。これにより、こ
の場合も、取付前に合わせたブレーキの位置のままでフ
レームにブレーキを取付固定することができる。
【0020】上記実施例では、連結具20の前面にバネ
体やストッパ片を係止する手段を一体に設けた構成を例
示したが、この考案では上記バネ体やストッパ片を係止
する手段を別体の部材に設けて、連結具とは別にセンタ
ーボルト1に固着する構成としてもよい。また、前記実
施例は、この考案をサイドプル式キャリパーブレーキに
適用した場合を例示したが、センタープル式キャリパー
ブレーキのセンターボルトに用いる場合であってもよ
い。
【0021】上記実施例では、一方のアームの制動解除
方向の付勢力を他方のアームよりも強く設定した、所謂
片利き式のキャリパーブレーキの一例を示したが、付勢
手段を異にした別の片利き式の構造であってもよく、ま
た、この考案では、バネ体を均等の付勢力としてブレー
キアームの付勢力を均等とする構造であってもよい。即
ち、前記実施例のストッパ片10を省いて取り付けず、
バネ体11の左右の付勢力を等しく設定した構成とすれ
ばよく、この場合も前記実施例と同様に連結具を用いて
センターボルト乃至ブレーキシューの回転を防止するこ
とができる。更に、実施例ではサイドプル式キャリパー
ブレーキを例に説明したが、この考案ではセンタープル
式キャリパーブレーキの場合でもよく、センターボルト
を位置決めするのに用いることができる。その他、要す
るにこの考案の要旨を変更しない範囲で種々設計変更し
うること勿論である。
【0022】
【考案の効果】以上のように本考案のブレーキ取付構造
では、ブレーキをフレームにネジ止めするに際して、セ
ンターボルトに加わるトルクを連結具とフレームとの係
合力で抑えてセンターボルトの旋回を防ぐので、締付前
に調整したシューとリムの間隔を正確に維持したままブ
レーキの取付を行うことができ、取付作業を容易に且つ
効率的に遂行することができる。特に、正確な位置決め
を必要とする所謂、片利き方式のキャリパーブレーキに
おいて、一層、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のブレーキ装置をサイドプル式ブレーキ
に適用した実施例の分解斜視図である。
【図2】第1実施例の側面図である。
【図3】第1実施例の平面図である。
【図4】ストッパを示すもので、(a)は背面図、
(b)は平面図である。
【図5】本考案の異なる実施例を示す平面図である。 1・・・・・センターボルト 2・・・・・Cアーム 3・・・・・ブレーキシュー 7・・・・・ブレーキシュー 10・・・・ストッパ片 20・・・・連結具 30・・・・フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62L 1/12 F16B 37/14

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自転車等の二輪車のキャリパーブレーキ
    を二輪車のフレームに固着するセンターボルトに、二輪
    車のフレームの当接面と係合し少なくとも、センターボ
    ルトの締付回転方向に拘束される連結具を一体に固着し
    てなり、該連結具が、その背面を、連結するフレームの
    湾曲面と隙間無く衝合するように左右方向に沿って湾曲
    してなると共に、連結具の前面に前方に突出する環状の
    前周壁を有しており、該前周壁に左右方向に対称となる
    ように一対の溝を上下に配置し、取付時に上方となる前
    記溝にバネ体を掛止め可能としてなることを特徴とする
    ブレーキ取付構造。
  2. 【請求項2】 キャリパーブレーキが、略Y状のアーム
    と略C状のアームを有し、両アームを前後に重ねて中央
    でセンターボルトにより枢着されると共に、ブレーキワ
    イヤが一側で上下に対向する各アームの外端に連結して
    牽引可能とするサイドプル式ブレーキを自転車等の二輪
    車のフレームに取付けるサイドプル式キャリパーブレー
    キからなっていることを特徴とする請求項1に記載のブ
    レーキ取付構造。
  3. 【請求項3】 キャリパーブレーキが、ブレーキシュー
    をそれぞれ保持すると共に二輪車のフレームに枢着され
    て制動解除方向へ付勢された左右一対のアームの一方の
    アームの付勢力を他方のアームの付勢力より強く設定す
    る付勢手段と、強く付勢された一方のアームがその付勢
    力により復帰する際に他方のアームが復帰完了する前に
    制動解除方向の所定位置で該アームの枢動を拘束するス
    トッパ片とを設けていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のいずれかのブレーキ取付構造。
  4. 【請求項4】 センターボルトに固着された連結具が、
    背面に突部を設け、連結するフレームの対応する個所に
    上記突部と係合する凹部または孔を設けてなることを特
    徴とする請求項1、2または3に記載のいずれかのブレ
    ーキ取付構造。
  5. 【請求項5】 センターボルトに固着された連結具が、
    背面に凹部または孔を設け、連結するフレームの対応す
    る個所に上記凹部または孔と係合する突部を設けてなる
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載のいずれ
    かのブレーキ取付構造。
  6. 【請求項6】 センターボルトに固着された連結具の前
    周壁で、取付時に下方となる溝に、アームを制動解除方
    向に付勢するバネを掛止めてなることを特徴とする請求
    項1から5に記載のいずれかのブレーキ取付構造。
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