JPH02260225A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、磁気記録媒体に係り、特に短波長領域での再
生出力の大きい塗布形Ｂａフェライト磁気記録媒体に関
する。

（従来の技術） 一般に、塗布形の磁気記録媒体はポリエチレンテレフタ
レートフィルムなどからなる基体と、この基体上に形成
された強磁性粉末およびバインダを主成分とする磁性媒
体層とで構成されている。

このような塗布形磁気記録媒体に用いる強磁性粉末とし
ては、７−Ｆｅ２Ｏ３、Ｃｏ被芒ｒ−［コｅ２０３、Ｃ
ｒ０２　、金属Ｐｅなどの針状磁性粉末や板状結晶を有
するＢａフェライトなどが広く用いられている。

特に、Ｂａフェライト粒子は、磁化容易軸が板面に垂直
であるため、板面と基体面に平行に並べることによって
、高密度記録可能な垂直磁気記録方式に適した媒体を作
製するのに適する。また針状粒子を用いた従来の面内配
向記録媒体の場合は、その記録分解能が針状粒子の長袖
の長さ（０，２〜０．４μｍ）で決まるのに対して、Ｂ
ａフェライトを市内配向させた媒体においては、記録分
解能はＢａフェライト粒子の板厚（０，００５〜０．０
３μｓ）で決まるため、Ｂａフェライトを面内配向記録
媒体として用いた場合も記録密度の大幅な向上が可能と
なる。このようなりａフェライトとしては、磁化容易軸
が結晶の板面に垂直な、たとえばＭ型のＢａＦｅ１２０
１やＷ型のＢａＭｅ２Ｆｅ１６０２７（Ｍｅは２価金属
）など、および前記Ｍ型もしくはＷ型Ｂａフェライトの
原子の一部を他の原子で置換したものなどが使用される
。しかして、磁気記録媒体は、一般に次のようにして製
造している。

つまり上記Ｂａフェライト磁性粉末とバインダとを溶剤
中で混合し、これをポリエチレンテレフタレートフィル
ムなどの非磁性基体表面に塗布し、この塗布層中のＢａ
フェライトの磁化容易軸を基体面に対して平行もしくは
垂直方向に配向させた後、乾燥させることにより得てい
る。

（発明が解決しようとする課題） Ｂａフェライト磁性粉末を使用して成る媒体において、
その高記録密度性を十分発揮させるためには、従来の面
内記録媒体と同様、でき得る限り高い配向率および保磁
力を付与することが望ましい。しかしながら、本発明者
らの長年の検討の結果、高い配向率（角型比）および保
磁力は出力向上には不可欠な要因ではあるが、必ずしも
十分ではないことが明らかとなった。特に、短波長領域
での高出力化を実現するには、媒体の保磁力Ｉｔ　ｅ　
ｓ角型比を高めると同時に、媒体内の磁気的微細構造と
関連する配向方向（０”　）の残留保磁力Ｈｒ（０’　
）と配向方向に直角な方向（９０’）の残留保磁力Ｈｒ
（９０°）の比Ｈｒ　（９０’　）　／　）Ｉｒ　（０
°）の制御が重要であることを見出し本発明に至った。

ここで、Ｈｒについて述べると、１（ｒ（θ）は磁場を
磁性粉末の磁化容易軸方向とθをなす方向にかけた時に
、磁性粉末の磁化が不可逆的に反転する磁場の強さを示
す。本発明者らの検討によれば、１）「（９０”　）　
／ｌｂ　（０”　）は媒体中の磁性粉末の凝集状態や、
粒子の大きさと深い係わりがあることが明らかとなった
。そして、この値は粒子サイズの選択や、粒子をバイン
ダ中に分散させる際の分散時間や、分散機の回転数、分
散剤の選択、配向処理条件等によりかなり広範に制御可
能である。

本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、Ｂａフ
ェライト系磁性媒体の保磁力、角型比および上記ＩＩｒ
　（９０’　）　／）ｌｒ　（０’　）を適切な範囲に
制御することにより、短波長領域での再生出力の大きい
高密度磁気記録媒体を提供することを目的とするもので
ある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） すなわち、本発明の磁気記録媒体は、基体上にＢａフェ
ライト磁性粉末を含む磁性塗゛料を塗布してなる磁性記
録媒体層を備えた磁気記録媒体において、配向方向のＨ
ｃを９００〜１５０００ｃ、配向方向の角型比を０．８
０以上、配向方向（０°）の残留保磁力Ｈｒ（０”）と
配向方向に直角な方向＜９０’）の残留保磁力Ｈｒ　（
９０’　）の比Ｈｒ（９０°）／１ｌｒ（θ″）をｌ＜
Ｈｒ（９０°）　／Ｈｒ　（０’　）≦２．６−１０　
　ｆ（ｃの範囲に制御することを特徴とする。

本発明に用いられる磁性粉末としては、Ｍ型あるいはＷ
型のＢａフェライトが挙げられるが、特に下記のイオン
置換体超微粒子粉が好ましい。

ＢａＯ◆ｎ　　（（Ｆｅ　　　Ｍ　　）２０３１トー１ （ＭはＣｏ５Ｔｉ、　ＺｎＳＳｒ＋、　ＮｌＳＭｎ、　
Ｉｎ、　Ｃｕ、　Ｇｅ、　Ｚｒ、Ｈｒ、　Ｖ　ＳＴａ、
　ＡＩ、　Ｃｒ、Ｓｂ力ら選ばれた少なくとも１種の元
素、１は０．２以下の数、ｎは５〜の数を表す。） また、本発明に係るＢａミツエライト塗布形体体配向方
向の保磁力は９０００ｅ以上１５０００ｃ以下とする。

近年のヘッド材料の進歩により、高いｌｌｃの媒体でも
信号を記録できるメタルヘッドが開発されている。この
ヘッドを用いた場合、Ｂａミツエライト塗布形体体９０
００ｅ以上１５０００ｅ以下のＨｃで大きな再生出力が
得られる。１５０００ｅ以上ではヘッドが飽和するため
か再生出力が低下する。一方、本発明においては、塗布
形媒体の角型比は０．８以上に選ばれる。つまり０．８
未満では短波長領域での再生出力がさほど向上しないか
らである。。

さらに、本発明においては、塗布形媒体の配向方向（０
°）の残留保磁力Ｈｒ（０’）と配向方向に直角な方向
（９０°）の残留保磁力Ｈｒ（９０’）の比を１　＜　
！Ｉｒ　（９０”　）／Ｈｒ　（０°）≦２．８−１０
−１・ｌｌｃの範囲とする。ここで、ｌｌｃは配向方向
の塗布形媒体の保磁力を示す。高配向Ｂａミツエライト
塗布形体体おいては、Ｉｌｒ　（９０’　）　／　ｌｌ
ｒ　（０”　）は塗布形体体中の磁性粉末の分散状態お
よび用いる磁性粉末のサイズもしくは形状に依存してお
り、本発明者らの検討の結果では、この値をある範囲に
制御することにより高出力が得られる。このＨｒ（９０
）　／Ｈｒ　（０”　）の好ましい範囲は媒体のＨｃに
依存しており、はぼ１　＜Ｉｌｒ　（９０’　）　／）
ｌｒ　（０’　）≦２．６−１０−３・Ｈｃの範囲とな
る。たとえば、配向方向のＨｃが９０００ｅであれば、
ｌ　＜Ｈｒ　（９０’　）　／Ｈｒ（０’　）≦１．７
　ご好ましく、Ｈｃが　１５０００ｅであれば、その値
はＩ　＜　ｌｌｒ　（９０’　）　／　Ｉｌｒ　（０’
　）≦１．１となる。

本発明において塗布形媒体層を構成するため使用される
磁性塗料中には、通常、バインダ樹脂が配合され、さら
に必要に応じて、分散剤、潤滑剤、硬化剤、研磨剤等の
添加物が加えられる。

上記バインダ樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−
スルホン化ビニル共重合体、ニトロセルロース、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、フ
ェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ビニルブチラール樹脂、
フラン樹脂、ビニルアルコール樹脂などが例示される。

また、分散剤としては、レシチン、その他、各種の陰イ
オン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活
性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤な
どを使用することができる。

潤滑剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルキルエス
テル系、シリコーン系フッ素化炭化水素系、またはこれ
らの混合物を用いることができる。

さらに、使用するバインダ樹脂の硬化剤として、多価イ
ソシアネートを添加したり、研磨剤としてＣｒ２０３　
、Ａ１２０３　、ＳＩＣ、Ｚｒ０２などのモース硬度５
以上の硬質微粉末を添加することもできる。

さらにまた、塗料の調整に用いる溶剤としては、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、メチルブチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ニトロプロパン、テトラヒド
ロフラン、イソプロピルアルコールなどの上記バインダ
樹脂を溶解する溶剤が例示される。

一方、基体としては、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリアミド樹脂フィルムなどの他、アルミ板のよ
うな非磁性金属板も用いられる。

しかして所要の磁性媒体層の形成に当っては、前記調製
した磁性塗料にイソシアネート化合物のような硬化剤を
加え、よく撹拌混合した後、基体上に１〜５μｍ程度の
厚さとなるよう塗布し塗膜を形成する。次いで、この塗
膜に所望の手段で配向処理を加え、乾燥処理を施して本
発明の磁気記録媒体が得られる。

（作用） 本発明の磁気記録媒体は、配向方向のｌ１ｅ９０００ｅ
以上１５０００ｓ以下、配向方向の角型比０．８０以上
を有する、いわゆる従来、高密度記録の必須条件とされ
ていた高保磁力、高配向形の媒体であると同時に、塗料
中における磁性粉末の分散状態や粒子サイズなどに依存
する配向方向（０°）の残留保磁力）Ｉｒ（０°）と配
向方向に直角な方向（９０°）の残留保磁力Ｈｒ（９０
°）との比 Ｈｒ（９０°）／ｆｉｒ（０°）を適切な範囲に制御す
ることにより、高密度記録を達成したものである。

（実施例） 以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。

なお、実施例における角型比および残留保磁力は、以下
のようにして求めた。

く角型比〉 磁気記録媒体の配向方向に１ｏｋｏｅの磁場を加えたと
きの磁化曲線において、１Ｏｋｏｅを加えたときの磁化
の値Ｍ　１０と残留磁化の呟訃の比Ｍｒ／Ｍ＋ｏをその
磁気記録媒体の角型比と定義した。なお、基体に垂直方
向に配向した媒体の場合は、４πＭの反磁界補正を行っ
た磁化曲線からその値を求めた。

〈残留保磁力〉 磁気記録媒体に１Ｏｋｏｃの磁場を加えた後、その磁場
の値をゼロにして前記磁気記録媒体を残留磁化状態にす
る。次いで、最初とは逆の方向に磁場Ｈを加え、その後
、磁場の値をゼロに戻して残留磁化ＪＩＭｒ（Ｉｔ）を
観ｆｌ１１する。この操作を繰返しＨ「がゼロとなる時
の１１の値を１１「と定義する。配向方向および配向方
向に直角な方向（面内配向媒体では、面内でかつ走行方
向に直角な方向）のｌｂはそれぞれｌ１ｒ（０’）およ
びＨｒ（９０’）と定義する。垂直配向媒体では、Ｈｒ
　（０＠）はＩｔ　−Ｈｒの時の媒体の磁化の値をＨと
すると、Ｉｌｒ　（０”　）　　ｌＩｒ＋４　πＭとし
て求めた。

平均粒径５０〜３００μ麿、板状比（粒径／厚み）３〜
６、保磁力５００〜２００００ｃ　、飽和磁化５０ｅｓ
ｕノｇ以上のＢａフェライト磁性粉末とバインダ、分散
剤、硬化剤、潤滑剤を溶剤とともに分散機中にて分散機
の回転数や分散時間を変化させることにより混練し、磁
性塗料を作製した。それらの塗料を厚さ９μ−のポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に塗布し、面内および
垂直配向の磁界中を通過させ、かつ磁場中で乾燥後、カ
レンダー処理およびキュアを行って磁気記録媒体を得た
。それらの磁気記録媒体の記録波長λ−０，５μ−にお
ける再生出力をＭＩＧヘッドを用いてｎ１定し、その値
を磁気記録媒体の保磁力およびＨｒ　（９０＠）　／１
ｌｒ（θ°）の相関として第１図に示した。ここで、上
記再生出力の値は、面内配向のメタル磁性粉末塗布媒体
（Ｈｃ　−１５０００ｅ　）を基準にｄＢ表示で表した
。図中Ｏは垂直配向媒体、・は面内配向媒体（いずれも
角型比０．８２〜０．８５の範囲のもの）についての結
果であり、点線内がｌ　＜　Ｈｒ　（９０’　）　／　
Ｈｒ（０°）≦２．［ｉ　−１０−’　・Ｈｃの範囲で
ある。

［発明の効果］ 本発明に係る磁気記録媒体においては、面内配向および
垂直配向のいずれであっても、１１ｃｍ９００〜１５０
００ｅ　、　Ｉ　＜Ｈｒ（９０”　）　／ｌ１ｒ（０”
　）≦２．８−１０−３・Ｈｃの範囲に設定したたこと
により、従来のメタル塗布媒体を凌駕する再生出力が得
られる。すなわちＢａフェライト磁性粉末を使用して成
る媒体において、その高記録密度性を十分発揮させるた
めには、従来の面内記録媒体と同様、でき得る限り高い
配向率（角型比）および保磁力が出力向上に不可欠な要
因である。しかし、これだけでは十分でなく、特に短波
長領域での高出力化を実現するには、媒体の保磁力１１
０５角型比を高めると同時に、媒体内の磁気的微細構造
と関連する配向方向（０”　）の残留保磁力Ｈｒ（０°
）と配向方向に直角な方向（９０’）の残留保磁力Ｈｒ
（９０’）の比Ｈｒ（９０°）　／Ｈｒ　（０’　）を
上記のように適切な範囲に選択、設定したことにより、
短波長領域で大きい再生出力を呈し、所要の高密度記録
も達成し得ると言う実用上大きな利点をもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図はＢａフェライト粉末を磁性粉末として用いて成
る磁気記録媒体の保磁力と配向方向（０’　）の残留保
磁力Ｈｒ（０°）対配向方向に直角な方向（９０＠）の
残留保磁力Ｈｒ（９０°）の比の相関関係図である。 出願人　　　　　株式会社　東芝

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 基体面に垂直もしくは面内方向に配向したＢａフェライ
   ト塗布形媒体層を備えた磁気記録媒体であって、前記媒
   体層は配向方向の保磁力Ｈｃが９００Ｏｅ〜１５００Ｏ
   ｅ、配向方向の角型比０．８０以上でかつ、配向方向（
   ０゜）の残留保磁力Ｈｒ（０°）と配向方向に直角な方
   向（９０゜）の残留保磁力Ｈｒ（９０゜）の比が、 １＜Ｈｒ（９０°）／Ｈｒ（０°）≦２．６−１０＾−
   ＾３・Ｈｃの範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体
   。