JPH0789411B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0789411B2
JPH0789411B2 JP61036886A JP3688686A JPH0789411B2 JP H0789411 B2 JPH0789411 B2 JP H0789411B2 JP 61036886 A JP61036886 A JP 61036886A JP 3688686 A JP3688686 A JP 3688686A JP H0789411 B2 JPH0789411 B2 JP H0789411B2
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magnetic
ferrite powder
plate surface
easy magnetization
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慎一 北畑
幹雄 岸本
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Hitachi Maxell Energy Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、磁性
層の表面平滑性が良好で高密度記録に適した磁気記録媒
体に関する。
〔従来の技術〕
一般に、磁気記録媒体は、磁性層中の針状磁性粉末を水
平な磁性層の長手方向に配向させ、長手方向に磁界を有
する磁気ヘッドと組合せて磁気特性を向上させている
が、このような磁性層の長手方向の磁化成分を利用した
ものでは、記録密度の向上に限界があり、信号の記録密
度を増加してゆくと磁気記録媒体内の反磁界が増加して
残留磁化の減衰と回転を生じ、記録信号の検出が困難と
なる。
このため、近年、磁性層面に垂直な方向の磁化成分を利
用して垂直方向に磁気記録する垂直磁気記録方式が、記
録密度が高くなるほど反磁界の影響が小さくなって高密
度記録に適していることから、種々試みられており、た
とえば、板状で磁化容易軸が板面に対して垂直方向にあ
る六角板状のバリウムフェライト粉末を磁性粉末として
使用し、バリウムフェライト粉末の板面が磁性層面に平
行となるように配向してその垂直方向の磁化成分を利用
することが行われている(特開昭55-86103号) 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、この垂直磁気記録に使用する磁気ヘッドとし
ては、未だ理想的な垂直磁気記録用磁気ヘッドがなく、
垂直磁界成分以外に水平方向の磁界成分を発生する狭ギ
ャップリングヘッドを用いて、これから発生する垂直方
向の磁界成分を利用しているのが現状であるため、磁化
容易軸が板面に対して垂直方向にある六角板状のバリウ
ムフェライト粉末をその板面が磁性層面と平行となるよ
うに配向させた磁気記録媒体と組合せて使用すると、こ
の狭ギャップリングヘッドから発生する水平方向の磁界
成分を利用することができず、従って、充分に良好な高
密度記録が行えない。また、このような問題点を解消す
るため、磁化容易軸が板面に対して垂直方向にある六角
板状のバリウムフェライト粉末を使用して、垂直方向の
磁化成分だけでなく水平方向の磁化成分をも付与しよう
とすると、この種の磁性粉末をやや傾斜させて配向しな
ければならないため配向度が低下し、その結果、表面平
滑性が劣化してしまい、高密度記録が良好に行えない。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明はかかる事情に鑑み種々検討を行った結果なさ
れたもので、磁性層中に、板状で磁化容易方向が板面に
対して垂直な方向から5〜50度傾斜した方向にある六方
晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に対し
て垂直方向にある六方晶フェライト粉末と、板状で磁化
容易方向が板面に対して水平な方向にある六方晶フェラ
イト粉末から選ばれる少なくとも2種以上の六方晶フェ
ライト粉末を混合して含有させ、これらの磁性粉末の板
面が磁性層面とほぼ平行となるように配向させることに
よって、磁性層の表面平滑性を良好にするとともに、狭
ギャップリングヘッドから発生する垂直方向の磁化成分
ばかりでなく、水平方向の磁界成分をも有効に利用する
ことができるようにし、狭ギャップリングヘッドと組合
せて記録再生を行った場合に、高い出力が得られ、高密
度記録が良好に行えるようにしたものである。
このような、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な
方向から5〜50度傾斜した方向にある六方晶フェライト
粉末は、たとえば、下記の一般式(1) AO・n(Fe1-xMx2O3 (1) (但し、式中MはCo、Ti、Ni、Mn、Cu、Zn、In、Ga、Nb
から選ばれる少なくとも一種、AはBa、Sr、Pb、Caから
選ばれる少なくとも一種であり、nは3〜8の整数、x
は0〜0.3の数である。) で表される各種の元素を含む化合物、たとえば、塩化物
などの化合物の水溶液を、アルカリ溶液中に添加、混合
して沈殿物を得、これをオートクレーブ中にて150〜300
℃で2時間反応させ、反応生成物を洗浄、濾過、乾燥し
た後、さらに400〜1000℃で数時間熱処理して六方晶フ
ェライト粉末を製造する際、置換元素の量と種類によっ
て磁化容易方向をコントロールして得られる。このよう
な置換元素の量と種類によるコントロールは、たとえ
ば、一般的に使用されるFe、Ba、Co、Tiの4元素を用い
る板状の六方晶バリウムフェライト粉末の場合、Feに対
してBaを25〜40重量%、Coを5〜20重量%、Tiを3〜15
重量%の範囲で置換して行うと、磁化容易方向が板面に
対して垂直な方向から5〜50度傾斜した板状の六方晶バ
リウムフェライト粉末が得られる。このような板状の磁
性粉末の磁化容易方向は、板面に垂直な軸を含む面内
で、トルク磁力計を用いてトルク曲線を測定し、このト
ルク曲線をフーリエ展開することにより磁気異方性定数
を求めて、この磁気異方性定数から磁化容易軸の方向を
求めたもので、この磁化容易方向が板面に対して垂直な
方向から0〜5度の範囲で傾斜した磁性粉末では、垂直
方向に高い磁化成分が得られるものの、水平方向の磁化
成分が極めて低いため、狭ギャップリングヘッドから発
生する水平磁界を有効に利用することができず、また、
反対に磁化容易方向が板面に対して垂直な方向から50〜
90度の範囲で傾斜した磁性粉末では、垂直方向に高い磁
化成分が得られず、狭ギャップリングヘッドから発生す
る垂直磁界を有効に利用することができない。このよう
に、磁化容易方向が板面に対して垂直な方向から5〜50
度傾斜するようにコントロールされて得られる板状の六
方晶フェライト粉末は、磁性粉末の磁化容易方向が適度
に傾斜しているため、狭ギャップリングヘッドで記録再
生を行う場合、狭ギャップリングヘッドから発生する垂
直方向の磁界成分と水平方向の磁界成分とを、ともに有
効に利用することができる。
また、この発明において使用される板状で磁化容易方向
が板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉末
は、前記の板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方
向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末を製造す
る際、磁化容易方向を置換元素の量と種類によって板面
に対して垂直方向にコントロールして得られる。このよ
うな置換元素の量と種類によるコントロールは、たとえ
ば、一般的に使用されるFe、Ba、Co、Tiの4元素を用い
る板状の六方晶バリウムフェライト粉末の場合、Feに対
してBaを10〜30重量%、Coを0〜20重量%、Tiを0〜20
量%の範囲で置換して行うと、磁化容易方向が板面に対
して垂直方向にある板状の六方晶バリウムフェライト粉
末が得られる。
このようにして、磁化容易方向が板面に対して垂直方向
となるようにコントロールされて得られる板状の六方晶
フェライト粉末は、磁化容易方向が垂直方向にあるた
め、前記の板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方
向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末、および
板状で磁化容易方向が板面に対して水平な方向にある六
方晶フェライト粉末などと混合して使用し、板面が磁性
層面とほぼ平行となるように配向すると、この種の磁性
粉末の垂直方向の磁化成分が有効に利用され、狭ギャッ
プリングヘッドから発生する垂直方向の磁界成分を有効
に利用することができる。
さらに、この発明において使用される板状で磁化容易方
向が板面に対して水平方向にある六方晶フェライト粉末
は、前記の板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方
向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末を製造す
る際、磁化容易方向を置換元素の量と種類によって板面
に対して水平方向にコントロールして得られる。このよ
うな置換元素の量と種類によるコントロールは、たとえ
ば、一般的に使用されるFe、Ba、Co、Tiの4元素を用い
る板状の六方晶バリウムフェライト粉末の場合、Feに対
してBaを15〜25重量%、Coを5〜20重量%、Tiを0〜10
重量%の範囲で置換して行うと、磁化容易方向が板面に
対して垂直方向にある板状の六方晶バリウムフェライト
粉末が得られる。
このようにして、磁化容易方向が板面に対して垂直方向
となるようにコントロールされて得られる板状の六方晶
フェライト粉末は、磁化容易方向が水平方向にあるた
め、前記の板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方
向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末、および
板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方向にある六
方晶フェライト粉末などと混合して使用し、板面が磁性
層面とほぼ平行となるように配向すると、この種の磁性
粉末の水平方向の磁化成分が有効に利用され、狭ギャッ
プリングヘッドから発生する水平方向の磁界成分を有効
に利用することができる。
しかして、前記の板状で磁化容易方向が板面に対して垂
直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末
と、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直方向にある
六方晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に
対して水平な方向にある六方晶フェライト粉末とから選
ばれる少なくとも2種以上の磁性粉末を混合して使用
し、これらの磁性粉末の板面が磁性層面とほぼ平行とな
るように配向すると、いずれの磁性粉末も板状でしかも
板面が磁性層面に対して平行となるように配向されてい
るため、磁性層の表面平滑性が中心線平均粗度で0.03μ
m以下となって充分に良好なものとなり、さらに板状で
磁化容易方向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾
斜した六方晶フェライト粉末および板状で磁化容易方向
が板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉末の
垂直磁化成分が有効に利用され、同時に板状で磁化容易
方向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六
方晶フェライト粉末および板状で磁化容易方向が板面に
対して水平な方向にある六方晶フェライト粉末の水平方
向磁化成分が有効に利用されるため、狭ギャップリング
ヘッドから発生する垂直方向の磁界成分および水平方向
の磁界成分が、ともに有効に利用され、狭ギャップリン
グヘッドでの高密度記録が良好に行える。
このように、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な
方向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末と、板
状で磁化容易方向が板面に対して垂直方向にある六方晶
フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に対して
水平な方向にある六方晶フェライト粉末とから選ばれる
少なくとも2種以上の磁性粉末を混合して使用し、これ
らの磁性粉末の板面が磁性層面とほぼ平行となるように
配向する場合の配向度は、この磁性粉末の板面と磁性層
とのなす角度が20度以下であれば、磁性層の表面平滑性
が中心線平均粗度で、0.03μm以下となって充分に良好
となり、高い出力が得られる。
また、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方向か
ら5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末と、板状で磁
化容易方向が板面に対して垂直方向にある六方晶フェラ
イト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に対して水平な
方向にある六方晶フェライト粉末の少なくとも2種以上
を混合して使用する場合、その配合割合は、板状で磁化
容易方向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜し
た六方晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面
に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉末とを混合
して使用する場合、板状で磁化容易方向が板面に対して
垂直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末
で磁化容易方向が板面に対して垂直方向にある六方晶フ
ェライト粉末の比にして、重量比で10対90〜90対10の範
囲内となるようにするのが好ましく、板状で磁化容易方
向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六方
晶フェライト粉末が多すぎると垂直磁化成分を付与でき
ず、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直方向にある
六方晶フェライト粉末が多すぎると狭ギャップリングヘ
ッドからの水平磁界成分が有効に利用できない。また、
板状で磁化容易方向が板面に対して垂直方向から5〜50
度傾斜した六方晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方
向が板面に対して水平方向にある六方晶フェライト粉末
とを混合して使用する場合、板状で磁化容易方向が板面
に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フェラ
イト粉末対板状で磁化容易方向が板面に対して水平方向
にある六方晶フェライト粉末の比にして、重量比で10対
90〜90対10の範囲内となるようにするのが好ましく、板
状で磁化容易方向が板面に対して垂直な方向から5〜50
度傾斜した六方晶フェライト粉末が多すぎると狭ギャッ
プリングヘッドからの内面磁界成分が有効に利用でき
ず、板状で磁化容易方向が板面に対して水平方向にある
六方晶フェライト粉末が多すぎると垂直磁化成分を付与
できない。さらに、板状で磁化容易方向が板面に対して
垂直方向にある六方晶フェライト粉末と、板状で磁化容
易方向が板面に対して水平方向にある六方晶フェライト
粉末とを混合して使用する場合、板状で磁化容易方向が
板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉末対板
状で磁化容易方向が板面に対して水平方向にある六方晶
フェライト粉末の比にして、重量比で10対90〜90対10の
範囲内となるようにするのが好ましく、板状で磁化容易
方向が板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉
末が多すぎると狭ギャップリングヘッドからの面内磁界
成分が有効に利用できず、板状で磁化容易方向が板面に
対して水平方向にある六方晶フェライト粉末が多すぎる
と垂直磁化成分を付与できない。また、板状で磁化容易
方向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六
方晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に対
して垂直方向にある六方晶フェライト粉末と、板状で磁
化容易方向が板面に対して水平方向にある六方晶フェラ
イト粉末とを混合して使用する場合は、板状で磁化容易
方向が板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六
方晶フェライト粉末対板状で磁化容易方向が板面に対し
て垂直方向にある六方晶フェライト粉末対板状で磁化容
易方向が板面に対して水平方向にある六方晶フェライト
粉末の比にして、重量比で5対90対5〜45対10対45の範
囲内となるようにするのが好ましく、板状で磁化容易方
向が板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉末
が多すぎると狭ギャップリングヘッドからの面内磁界成
分を有効に利用できず、板状で磁化容易方向が板面に対
して5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末が多すぎる
と同じく狭ギャップリングヘッドからの面内磁界成分を
有効に利用できない。また板状で磁化容易方向が板面に
対して水平方向にある六方晶フェライト粉末が多すぎる
と垂直磁化成分を付与できない。
このように、混合して使用される板状で磁化容易方向が
板面に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フ
ェライト粉末、板状で磁化容易方向が板面に対して垂直
方向にある六方晶フェライト粉末および板状で磁化容易
方向が板面に対して垂直方向にある六方晶フェライト粉
末は、いずれも粒子径(長軸径)が0.01〜0.5μmの範
囲内にあり、かつ板状比(長軸径/厚み径)が3/1〜10/
1の範囲内にあるものが好ましく、粒子径が0.01μmよ
り小さいものでは配向性に劣り、また粒子径が0.5μm
より大きいものを使用したのでは磁性層の表面平滑性が
充分に良好にならず、良好な高密度記録が行えない。ま
た板状比が10/1より大きすぎると分散時において、磁性
粉末の割れが生じやすく、3/1より小さすぎると配向性
に劣り、表面平滑性が低下する。また、保磁力は、いず
れも200〜2000エルステッドの範囲内にあるものを使用
するのが好ましく、保磁力が200エルステッドより小さ
いと高密度記録が良好に伝えず、2000エルステッドより
大きいもの磁気記録媒体用として適さない。さらに、飽
和磁化量は45〜70emu/gの範囲内にあるものを使用する
のが好ましく、45emu/gより小さいと出力の低下を招
き、また70emu/gより大きいと塗料化時の分散性が低下
する。
この発明の磁気記録媒体を製造するには常法に準じて行
えばよく、たとえば、前記の板状で磁化容易方向が板面
に対して垂直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フェラ
イト粉末と、板状で磁化容易方向が垂直方向にある六方
晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が水平方向に
ある六方晶フェライト粉末とから選ばれる少なくとも2
種以上の混合磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤等とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポ
リエステルフイルムなどの基体上にロールコーターなど
任意の塗布手段によって塗布し、乾燥すればよい。
なお、このような板状で磁化容易方向が板面に対して垂
直な方向から5〜50度傾斜した六方晶フェライト粉末、
板状で磁化容易方向が板面に対して垂直方向にある六方
晶フェライト粉末および板状で磁化容易方向が板面に対
して水平方向にある六方晶フェライト粉末を含む磁性塗
料は、基体上に塗布した後、磁性層面に対して垂直方向
に磁場を印加して磁場配向を行うと、磁性粉末の磁化容
易方向がそれぞれ所定の方向に良好に配向されるととも
に磁性層の表面平滑性も良好となるため、このような磁
場配向を行うのが好ましいが、いずれの磁性粉末も形状
が板状であるため塗布時に機械的剪断力を作用させるだ
けで、充分に磁性粉末をその板面が磁性層面と平行とな
るように配向させることができ、磁化容易方向を磁性層
に対して所定の角度に傾斜した方向、水平方向および垂
直方向に配向することができる。従って、磁場の印加に
よる磁場配向は必ずしも必要ではない。
ここに用いる結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、繊維素系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート化合物、放
射線硬化型樹脂など従来汎用されている結合樹脂が広く
用いられる。
また、有機溶剤としてはトルエン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テト
ラヒドロフラン、酢酸エチルなど従来から汎用されてい
る有機溶剤が単独または二種以上混合して使用される。
なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添加剤、
たとえば分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤などを任
意に添加使用してもよい。
また、記録再生時の静電気によるノイズを低減させるた
め、電気抵抗が極めて小さい下塗り層を基体と磁性層と
の間に設けてもよく、さらに記録再生特性を向上させる
ため、基体と磁性層との間に高透磁率層を設けてもよ
い。
磁気記録媒体としては、垂直磁気記録用磁気ディスクあ
るいは磁気テープなど種々の形態のものが包含される。
〔実施例〕
次に、この発明の実施例について説明する。
実施例1 FeCl3・6H2O 216重量部 BaCl2・2H2O 27.9 〃 CoCl2・6H2O 30.4 〃 Ti(SO42・4H2O 39.9〃 これらを水1000重量部に溶解し、これを1NのNaOH水溶液
5000重量部と混合して沈殿物を得た。次いで、得られた
沈殿物をオートクレーブ中にて、300℃で2時間水熱反
応させ、反応によって得られた反応生成物を水洗、濾
過、乾燥した後、空気中にて500℃で4時間熱処理を行
い、第1の六方晶バリウムフェライト粉末を得た。この
ようにして得られた第1の六方晶バリウムフェライト粉
末は、板状で、粒子径(長軸径)は0.06μm、板状比
(長軸径/厚み径)は5/1、保磁力は680エルステッド、
飽和磁化量は55emu/gであった。またこのようにして得
られた第1の六方晶バリウムフェライト粉末の磁化容易
方向をトルク磁力計を用いて測定した結果、磁化容易方
向は板面に対して垂直方向であった。
次に、第1の六方晶バリウムフェライト粉末の製造組成
において、CoCl2・6H2Oの使用量を30.4重量部から26.6
重量部に変更し、またTi(SO42・4H2Oに使用量を39.9
重量部から10.0重量部に変更した以外は同様にして、粒
子径(長軸径)が0.07μm、板状比(長軸径/厚み径)
が6/1、保磁力が620エルステッドで飽和磁化量が54emu/
gの第2の六方晶バリウムフェライト粉末を得た。この
ようにして得られた第2の六方晶バリウムフェライト粉
末の磁化容易方向をトルク磁力計を用いて測定した結
果、磁化容易方向は板面に対して垂直な方向から25度傾
斜していた。
さらに、第1の六方晶バリウムフェライト粉末の製造組
成において、CoCl2・6H2Oの使用量を30.4重量部から26.
6重量部に変更し、またTi(SO42・4H2Oを省いた以外
は同様にして、粒子径(長軸径)が0.06μm、板状比
(長軸径/厚み径)が5/1、保磁力が600エルステッドで
飽和磁化量が52emu/gの第3の六方晶バリウムフェライ
ト粉末を得た。このようにして得られた第3の六方晶バ
リウムフェライト粉末の磁化容易方向をトルク磁力計を
用いて測定した結果、磁化容易方向は板面に対して水平
方向であった。
次いで、このようにして得られた第1ないし第3の六方
晶バリウムフェライト粉末を使用し 第1の六方晶バリウムフェライト粉末 200重量部 第2の六方晶バリウムフェライト粉末 600 〃 第3の六方晶バリウムフェライト粉末 200 〃 VAGH(米国U.C.C社製、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体) 137.5〃 パンデックスT5201(大日本インキ化学工業社製、ポリ
ウレタン樹脂) 87.5〃 コロネートL(日本ポリウレタン工業社製、三官能性低
分子量イソシアネート化合物) 25 〃 Cr2O3 15 〃 ラウリン酸 20 〃 流動パラフィン 2 〃 メチルイソブチルケトン 800 〃 トルエン 800 〃 の組成からなる組成物を、ボールミル中で3日間混合分
散して磁性塗料を調製した。この磁性塗料を厚さ36μm
のポリエステルベースフイルムの表裏両面に、垂直方向
に3000エルステッドの磁場を印加しながら塗布し、乾燥
して、乾燥厚が2.5μmの磁性層を形成した。次いで、
平滑化処理を行った後、円板状に打ち抜いて磁気ディス
クをつくった。
実施例2 実施例1で使用する第2の磁性粉末の製造組成におい
て、CoCl2・6H2Oの使用量を26.6重量部から34.2重量部
に変更し、またTi(SO42・4H2Oの使用量を10.0重量部
から5.0重量部に変更した以外は実施例1と同様にし
て、粒子径(長軸径)が0.05μm、板状比(長軸径/厚
み径)が5/1、保磁力が580エルステッド、飽和磁化量が
53emu/gで、磁化容易方向が板面に対して垂直な方向か
ら35度傾斜した六方晶バリウムフェライト粉末を得、磁
気ディスクをつくった。
実施例3 実施例2における磁性塗料の組成において、第1の磁性
粉末の使用量を200重量部から400重量部に変更し、第3
の磁性粉末を省いた以外は実施例2と同様にして磁気デ
ィスクをつくった。
実施例4 実施例2における磁性塗料の組成において、第3の磁性
粉末の使用量を200重量部から400重量部に変更し、第1
の磁性粉末を省いた以外は実施例2と同様にして磁気デ
ィスクをつくった。
実施例5 実施例2における磁性塗料の組成において、第1の磁性
粉末の使用量を200重量部から500重量部に変更し、また
第3の磁性粉末の使用量を200重量部から500重量部に変
更し、第2の磁性粉末を省いた以外は実施例2と同様に
して磁気ディスクをつくった。
比較例1 実施例1における磁性塗料の組成において、第1の磁性
粉末の使用量を200重量部から1000重量部に変更し、第
2の磁性粉末および第3の磁性粉末を省いた以外は、実
施例1と同様にして磁気ディスクをつくった。
比較例2 比較例1において、磁性塗料を塗布する際の垂直方向の
磁場の印加を省いた以外は、比較例1と同様にして磁気
ディスクをつくった。
各実施例および比較例で得られた磁気ディスクについ
て、垂直方向の保磁力および角型と、水平方向の角型を
測定し、磁性層の表面粗さを測定した。また各種記録波
長における最大出力レベルを測定した。磁性層の表面粗
さは、東京精密社製触針式表面粗度計を用いてカットオ
フ0.08mmで中心線平均粗さを測定し、また垂直方向の角
型は、垂直方向に4πBrの反磁界が作用していると考え
てヒステリシス曲線上で作図し、反磁界を補正して求め
た。
下表はその結果である。
〔発明の効果〕 上表から明らかなように、この発明で得られた磁気ディ
スク(実施例1ないし5)は、比較例2で得られた磁気
ディスクに比し、垂直方向の角型が高く、また比較例1
および2で得られた磁気ディスクに比し、全周波数域で
最大出力レベルが高くなっており、このことからこの発
明で得られる磁気記録媒体は磁性層の表面平滑性が良好
で高密度記録に適していることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層中に、板状で磁化容易方向が板面に
    対して垂直な方向から5〜50度傾斜した方向にある六方
    晶フェライト粉末と、板状で磁化容易方向が板面に対し
    て垂直方向にある六方晶フェライト粉末と、板状で磁化
    容易方向が板面に対して水平な方向にある六方晶フェラ
    イト粉末とから選ばれる少なくとも2種以上の磁性粉末
    を混合して含有させ、これらの磁性粉末の板面が磁性層
    面とほぼ平行となるように配向させたことを特徴とする
    磁気記録媒体
  2. 【請求項2】磁性層の表面粗度が中心線平均粗度で0.03
    μm以下である特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒
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