JPH022576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、射出成型機・プレス機械・ダイカス
ト鋳造機などの成型機械に金型を交換する装置の
技術分野に属し、金型を台車に載せて運搬してき
て成型機械の金型取付部との間で交換するに当
り、その交換時間を短縮する技術に関する。

〈従来技術〉 従来では、複数の金型乗載部が台車上に固設さ
れており、金型交換に際し、台車を先ず第１の受
渡し位置に位置決めし停止させて、成型機械の金
型取付部から使用済みの金型を第１の金型乗載部
に搬出し、次いで台車を第２の受渡し位置に移動
させて位置決め停止させて、第２の金型乗載部か
ら新しい金型を成型機械の金型取付部に搬入する
構造のものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 金型交換のために成型機械を停止させる時間
は、成型機械の稼動効率を高める面から、できる
だけ短時間で済ませる必要がある。この場合、台
車を第１の受渡し位置に位置決め停止させるに要
する時間は、成型機械の運転中に行なえるので問
題は無いが、台車を第２の受渡し位置に位置決め
停止させるに要する時間が、成型機械の停止中に
行なうので問題になる。

しかるに、上記従来構造では、金型乗載部を第
１の受渡し位置から第２の受渡し位置に移動させ
て位置決め停止する際に、台車ごと移動させるた
め移動時の慣性が大きい事、及び台車の走行路面
の精度が工場の床面からくる塵埃の付着等により
粗くなる事から、その位置決め停止を速やかに行
なえず、成型機械の稼動効率を低下させる。

本考案の目的は、金型交換時間を大幅に短縮し
得るような成形機械の金型交換装置を提供するこ
とである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係る成形機械の金型交換装置は、成形
機械の金型取付部の前側の金型交換位置を含む所
定位置へ金型交換方向と直交方向から自走手段に
より移動可能で且つ位置決め手段で所定位置へ位
置決めされる台車を設け、上記台車の上面に、２
面の金型乗載部を有する金型交換台を、金型交換
方向と直交方向に金型乗載部の１面分の所定長さ
だけ移動可能に設け、上記台車に、金型交換台を
移動させて各金型乗載部を択一的に金型交換位置
に切換える位置切換駆動手段を設け、上記各金型
乗載部に金型を金型交換方向へ移送する移送手段
を設けたものである。

〈作用〉 本考案に係る成形機械の金型交換装置において
は、一方の金型乗載部にこれから成形に供する金
型（これを、新金型という）を載せて台車を所定
位置へ移動させて停止後位置決め手段で位置決め
し、他方の空の金型乗載部を金型交換位置に位置
させ、成形機械の金型取付部の使用済み金型を移
動手段を介して他方の金型乗載部上へ移し、次に
位置切換駆動手段により金型交換台を移動させて
新金型を載せた金型乗載部を金型交換位置へ切換
え、移送手段を介して新金型を成形機械の金型取
付部へ移送する。

このようにして、新金型と使用済み金型とを交
換することが出来る。

位置切換駆動手段によつて金型交換台を移動さ
させて各金型乗載部を択一的に金型交換位置へ切
換えることが出来るので、使用済み金型を受取り
後台車を移動させずに金型交換台を移動させるだ
けで新金型を金型交換位置へ切換えることが出来
る。

このように、台車を移動させずに比較的軽量な
金型交換台を移動させるので、短時間で位置精度
よく新金型を金型交換位置へ切換えることが出来
る。

〈考案の効果〉 本考案に係る成形機械の金型交換装置によれ
ば、以上説明したように、台車に２面の金型乗載
部を有する金型交換台と位置切換駆動手段などを
設けたことにより、大重量の台車を移動させるこ
となく短時間で位置精度よく各金型乗載部を択一
的に金型交換位置に切換え可能となり、金型交換
時間を大幅に短縮し、成形機械の稼動率を高める
ことが出来る。

〈実施例〉 以下、本考案に係る金型交換装置の実施例を図
面に基づいて説明する。

第１図ないし第３図は大型部品の射出成型に適
用される横型射出成型機Ｐ（以下単に成型機と称
する）の前側に本考案に係る金型交換装置を配置
させた態様を示し、第１図はその斜視図、第２図
及び第３図は、その概略平面図である。

第１図ないし第３図において、成型機Ｐの前側
に２条の台車用レール１が平行に敷設され、この
レール１上を金型Ｄを交換するための台車２が左
右に走行可能である。

台車２は、第３図に示すように、走行輪１１を
有し、左側の一対の走行輪１１が走行駆動装置１
２で駆動される。

走行駆動装置１２はブレーキ付電動モータ１３
で減速機１４、チエーン１５、共通の車軸１６に
設けたスプロケツト１６ａを介して前後一対の走
行輪１１を正逆回転駆動するようになつている。

台車の係止装置１７は、第３図及び第４図に示
すように、鉛直下向きの係止ピン１８、係止ピン
駆動手段１９及び係止板２１とからなる。

係止ピン１８は、前側レールの上方に対応する
台車２の前左端寄部の下部に設けた案内孔２３に
摺動自在に装着され、油圧シリンダ１９ａと中折
れリンク２０とからなる係止ピン駆動手段１９を
介して上下駆動可能である。

係止板２１は、台車２が所定の各停止位置Ｘに
位置している状態において、上記係止ピン１８と
対応するように前側レール１の前側面に溶接で固
着され、この係止板２１の長さ方向の中央部の係
止孔２２に係止ピン１８を嵌入させることによ
り、台車２を所定の各停止位置Ｘに位置決め停止
出来るようになつている。

尚、上記中折れリンク２０を省略し、倒立の油
圧シリンダのピストンロツドを係止ピン１８に直
接連結してもよい。尚、油圧シリンダ１９の為の
小形油圧供給装置が台車２に設けてある。

停止制御装置２４は、検出手段２５と停止指令
手段２８とからなる。

検出手段２５は台車２に設けたリミツトスイツ
チ２６とこれを作動させるレール１の内側の作動
片２７とからなり、作動片２７は台車２が所定の
各停止位置Ｘの左側近傍及び右側近傍の停止作動
位置Ｙに到つた時に、上記リミツトスイツチ２６
を検出作動させるように配設される。そして、こ
の検出信号に基いて停止制御装置２４で走行駆動
装置１２を停止作動させると共に、係止装置１７
の油圧シリンダ１９に油圧を供給する。これによ
り、係止ピン１８が係止板２１の係止孔２２の左
側又は右側の案内面２１ａにまで下降してそこに
押圧接当し、台車２がその運動慣性で更に進行
し、所定の停止位置Ｘに到つた時に、係止ピン１
８が係止孔２２に嵌入して、台車２が停止する。
ここで、本考案の特徴的構造は次の通りである。
第１図ないし第２図に示すように、台車の上面に
は、さらに２条の交換台用レール３が前記台車用
レール１と略平行に設けられ、金型交換台４が台
車２に対して左右に往復移動可能に設けられ、台
車２の上面両端部に設けられた停止位置決め用の
交換台位置決め手段５に交換台押引装置６によつ
て金型交換台４を押し当てて、前記成型機Ｐの金
型取付部Ｃに対して、金型Ｄを受渡す位置Ｘ・Ｙ
に択一的に位置させるようにしてある。

また、金型Ｄを受渡す位置Ｘ・Ｙに択一的に位
置させるには、前記交換台押引き装置６に代え
て、第５図に示すように、交換台駆動装置７を適
用してもよい。

即ち、交換台駆動装置７はブレーキ付リバーシ
ブルモータ８を用いて、交換台走行車輪９を正逆
回転駆動するようにしてもよい。

金型交換台４の上面には、第１図及び第２図に
示すように２面の金型乗載部Ｅが設けてあり、各
乗載部Ｅ・Ｅには、金型Ｄを前後方向に搬送する
ためのローラ搬送装置３０が付設され、一方の乗
載部Ｅに上下一対の金型Ｄを積載し、後述の金型
押引装置１０により金型Ｄを金型交換台４から成
型機Ｐへ搬入し、又は搬出できるようになつてい
る。

金型押引装置１０は、各乗載部Ｅに対応して付
設され、第２図及び第６図に示すように、電動機
３１で電磁クラツチ３２を介して回転駆動される
スプロケツト３３でスネークチエーン３４を駆動
し、その先端に連結された押引フツク３７で金型
Ｄを前進又は後退させる。

スネークチエーン３４は、鋼製チエーン３５の
両側に遊輪３５ａを設けたもので、この遊輪３５
ａが案内部３６の案内溝３６ａで案内され押駆動
時にも屈曲しない。

金型押引装置１０は、第５図に示すように、共
通の電動機３１ａ若しくはエアーモータで電磁ク
ラツチ３２ａ，３２ａを切換えて各々の押引フツ
ク３７，３７を押引駆動するようにしてもよい。

なお、前記交換台押引装置６についても上記金
型押引装置１０と基本的な構造は同様であるので
詳述しない。

以上の実施例において、台車１は必ずしもレー
ル等の軌道を要しないし、また、台車１上での金
型交換台４の位置交換操作は人手を介するもので
もよいし、また金型交換台４上の乗載部Ｅを２面
以上設けもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案に係る金型交換装
置の実施例を示し、第１図はその斜視図、第２図
及び第３図はその概要を示す平面図、第４図は係
止装置の側面図、第５図は金型交換台の概略側面
図、第６図は金型押引装置の要部側面図、第７図
は第６図−矢視断面図である。 １……台車用レール、２……台車、３……交換
台用レール、４……金型交換台、５……交換台位
置決め手段、１７……台車係止装置、２４……停
止制御装置、Ｐ……成型機械、Ｃ……金型取付
部、Ｄ……金型、Ｅ……金型乗載部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 成形機械の金型取付部の前側の金型交換位置を
   含む所定位置へ金型交換方向と直交方向から自走
   手段により移動可能で且つ位置決め手段で所定位
   置へ位置決めされる台車を設け、 上記台車の上面に、２面の金型乗載部を有する
   金型交換台を、金型交換方向と直交方向に金型乗
   載部の１面分の所定長さだけ移動可能に設け、 上記台車に、金型交換台を移動させて各金型乗
   載部を択一的に金型交換位置に切換える位置切換
   駆動手段を設け、 上記各金型乗載部に金型を金型交換方向へ移送
   する移送手段を設けたことを特徴とする成形機械
   の金型交換装置。